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蘇るトラウマ②
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∞∞ nayuta side ∞∞
「───────ッ!!?」
急に、電気が走るような感覚が背筋を走る。
慌てて唇を放してしまうと訝しげに眉を寄せた巽と目が合った。
「あ、わり……その、びっくりして…」
「こっちこそ、…ごめん、男同士だしね…《idea─イデア─》 化する必要ないのに…キスっておかしいよね…」
「そう言うわけじゃ………んっ」
何だろ、今の。
落ち着かない、違和感。
体は熱くなっていくのに頭が冷えていく感覚がする。
ソファーの前に膝を立てた巽が俺の服の裾から手を侵入させてくる。
やっぱりさっきと一緒で気持ちいいんだけど気持ち悪い。
俺の呼吸は上がっていくのにいつもみたいに熱に浮かされてくれなくて、ゾワゾワとした感覚だけは酷く感じる。
巽が腹から胸を弄るように触ってきて、擽ったさに身動ぐ。
ちゃんと感じるんだけど、没頭できなくて、ずっと胸の奥の方で警告音が鳴り響いている。
「……あ♡」
「那由多…気持ちいい?」
キュッと巽が両方の胸の突起を抓む。
ビクンッと大きく体が震えてから、俺のとは思えない甘い声があがる。
気持ちいい、でもこの気持ちよさに集中できない。
頭は違うことを考えてしまう。
それでも巽に聞かれるまま首を縦に振る。
もうちょっと我慢したらきっといつもみたいに気持ちよさのほうが勝って訳がわからなくなって来るはず。
「ん、…ん♡………ぁ、ん、っ」
服をまくりあげて俺の胸の突起に舌を這わせている巽は、見たことが無いくらい余裕が無さそうで、器用に片方を口に含みながらもう片方を指で転がされる。
めちゃくちゃ気持ちいいし、下着の中で俺の性器が勃っているのが分かる。
なのに、集中できなくて頭の中が混乱してくる。
困惑する表情を隠すように上半身を捻り、ソファーの背中に顔を埋めた。
「那由多?……恥ずかしい…?」
「ん……あたりまえ…だろッ、顔…見んな…ッ」
「分かった…本当は見たいけど………後ろから、するね…」
そう言って巽は俺の体を反転させる。
ソファーの上に膝を付き、ソファーの背に上体を預けるように体重を掛ける。
ズボンのゴムを引っ張るように臀部を晒されると体が小さく震えた。
耐えるように体を丸めソファーの背中にしがみつく。
体は受け入れる準備が出来ていっているのに頭が、心が整わない。
巽を否定する。
「はぁ……………ッ」
自分を落ち着かせるように息を吐くけど全く整わなくて、そうしている内に尻の溝にねっとりと巽の舌が滑った。
「な!?…ちょ、巽ッ……!汚いッ!」
「ごめん、ちょっと、余裕なくて…」
両方で双丘を割り開くように開いて窄まった蕾に熱い舌を捩じ込まれる。
ウニウニと割り開くように舌を膨らませて腸壁へと舌を這わせる。
柔らかい舌に堪らず腰を揺らめかすけど、熱に錯乱していた頭は直ぐに正常になってしまい、体は気持ちいいが、気持ち悪いと言う感情が止まらなくなってくる。
「はっ♡………ぁ、あっ………んっ!!」
甘い声と反対に俺の顔は青ざめ、涙目になりながら片手で口を塞いだ。
おかしい。
こんなに、こんなに、体は気持ちいいのに。
内蔵を圧迫されて起こる気持ち悪さとはまた違う、生理的な気持ち悪さに体を震わせた。
口からは甘い声が漏れるのに全然頭が気持ちよくなれない。
頭が、脳が、巽を拒絶するように俺に不快感の信号を送ってくる。
その間もクチュクチュと音を立てながら内部を舌で広げて、唾液を絡めながら指も奥まで埋められていく。
反対の手は俺の勃起したペニスを扱きあげ、湧き上がる快楽は本物なのに、本物なのに…。
気持ち悪い…吐きそうだ。
「ぅう……たつみ、っ、たつ……ぁああ♡……んあっ!!」
わけがわからない。
こんなに丁寧に、こんなにピンポイントで俺の感じる箇所ばかりを攻められているのに、頭だけが冴えている。
イヤイヤとソファーの背に頭をこすり付けていると、ぐりッと前立腺をこすり上げられた。
「ッ、ぁああああっ!!」
ビクンッと体が大きく揺れて背中が撓る。
ペニスの先端から先走りが垂れていく。
そのまま中の指の動きが激しくなる、また一本追加されて二本纏めてゴリゴリと前立腺を擦りあげられる。
ペニスも先走りを亀頭に絡めるように扱き上げられ、イきそうだけど集中出来ないからイくことが出来なくてソファーにきつく爪を立てた。
「はっ……ッ、ごめん、もう、挿れさせて…」
後孔に熱い塊の先端があてがわれたのがわかった。
ブワッと一気に鳥肌がたって酸っぱいものが喉へと上がってきた。
慌てて片手でキツく口を覆うと、同時にゆっくりと巽が中へと入って来る。
「たつッ!抜けっ、…はぁ♡……っ吐く!!無理ィィっ!!」
「…………那由多?」
一気に襲い来る嘔吐感に巽の事を気にすることも出来ず、腰を持つ手が緩んだ瞬間にズボンを乱雑に上げトイレへと駆け込んだ。
「ゔえ……おえッ………はっ、ひぐっ、…ぅ……ぅう…」
便座へと顔をつっこむと思いっきり嘔吐してしまう。
すえた臭いが充満して更に気持ち悪くなり、せっかく食べた晩御飯が口から吐瀉物となり吐き出されていく。
見ていると更に気持ち悪くなりそうだったのでさっさとボタンを押して、“ジャー”と音を立て流れていく汚物と水の流れを見つめながら頬を涙が伝った。
この涙の意味をきちんと俺は理解出来ない。
今日は理解できない感情ばかりが押し寄せて来る。
「那由多ごめん、気持ちよくなかった…?」
後ろから巽が追いかけるように入ってきて、背中を擦ってくれる。
男のゲロの介抱なんてしたくないだろうにこんなところも律儀だ。
いや、好きな奴のゲロの介抱だったらできるのか?
そんなこともないか…
色々な思いが溢れて気持ち悪さが収まらないため便座の中を見つめたままでいると、ポロポロと涙が溢れてトイレの中に消えていく。
「ちが……ッ、く……気持ち、いいん、…ッだけど、体がッ…違うッ、体は、気持ちいいのにッ、頭がッ……ついて、来ね…ぇ…」
声と肩を震わせる。
ここの奴らに比べたら何にも出来ねぇし、色々うまくねぇし、それに加えてこんな時もこんな事になるなんて。
ギュッと巽が後ろから抱き着いてくる。
一度芽ばえた感覚は拭いきれず、安堵するのにソワソワしてしまう。
これは一体だれの感情なのだろうか。
ここには俺しか居ないのに。
「大丈夫…また、今度ゆっくりさせて?俺が《霊ヤラレ》 だからって焦ったのがいけなかったのかも」
「……そっか、お前…。辛いんじゃ…ねぇ?」
「ん。辛いけど……後で処理するから……今はこうさせて」
自分の事でいっぱいいっぱいだったけど、そう言えば俺、巽の《霊ヤラレ》 の為にセックスしようとしてたんだ。
視界がはっきりしてくると抱きついて来ている巽が少し震えているのが分かった。
こんなに事になる巽をあまり見た事がないので、俺の心は罪悪感で染まってしまう。
何とか続きをとも考えたけど、巽の性器が背中に当たっているだけで嫌悪感を感じてしまうので、また同じ事になるだろう。
「巽、…ごめん…な…」
「────ッ!!那由多が悪くないからッ。俺が……いや…大丈夫、こっちこそごめん…、口ゆすぐ?運ぶね…」
どこか必死に声を上げる巽を俺は頭が冷えたまま見つめる。
顔面は蒼白で酷くやつれた顔をしているのは分かるけど、取り繕うことは出来なかった。
巽がお姫様抱っこをするように軽々と俺を抱き上げる。
もし俺が女だったらときめくんだろうな。
やっぱり男同士だから駄目なのかな。
巽が好きかと聞かれると首を縦に振るのは難しいんだけど、そうするとこの沸き起こる罪悪感は何なんだろうかと考えてしまう。
巽の服を握りしめると相手の胸元に顔を埋めた。
「───────ッ!!?」
急に、電気が走るような感覚が背筋を走る。
慌てて唇を放してしまうと訝しげに眉を寄せた巽と目が合った。
「あ、わり……その、びっくりして…」
「こっちこそ、…ごめん、男同士だしね…《idea─イデア─》 化する必要ないのに…キスっておかしいよね…」
「そう言うわけじゃ………んっ」
何だろ、今の。
落ち着かない、違和感。
体は熱くなっていくのに頭が冷えていく感覚がする。
ソファーの前に膝を立てた巽が俺の服の裾から手を侵入させてくる。
やっぱりさっきと一緒で気持ちいいんだけど気持ち悪い。
俺の呼吸は上がっていくのにいつもみたいに熱に浮かされてくれなくて、ゾワゾワとした感覚だけは酷く感じる。
巽が腹から胸を弄るように触ってきて、擽ったさに身動ぐ。
ちゃんと感じるんだけど、没頭できなくて、ずっと胸の奥の方で警告音が鳴り響いている。
「……あ♡」
「那由多…気持ちいい?」
キュッと巽が両方の胸の突起を抓む。
ビクンッと大きく体が震えてから、俺のとは思えない甘い声があがる。
気持ちいい、でもこの気持ちよさに集中できない。
頭は違うことを考えてしまう。
それでも巽に聞かれるまま首を縦に振る。
もうちょっと我慢したらきっといつもみたいに気持ちよさのほうが勝って訳がわからなくなって来るはず。
「ん、…ん♡………ぁ、ん、っ」
服をまくりあげて俺の胸の突起に舌を這わせている巽は、見たことが無いくらい余裕が無さそうで、器用に片方を口に含みながらもう片方を指で転がされる。
めちゃくちゃ気持ちいいし、下着の中で俺の性器が勃っているのが分かる。
なのに、集中できなくて頭の中が混乱してくる。
困惑する表情を隠すように上半身を捻り、ソファーの背中に顔を埋めた。
「那由多?……恥ずかしい…?」
「ん……あたりまえ…だろッ、顔…見んな…ッ」
「分かった…本当は見たいけど………後ろから、するね…」
そう言って巽は俺の体を反転させる。
ソファーの上に膝を付き、ソファーの背に上体を預けるように体重を掛ける。
ズボンのゴムを引っ張るように臀部を晒されると体が小さく震えた。
耐えるように体を丸めソファーの背中にしがみつく。
体は受け入れる準備が出来ていっているのに頭が、心が整わない。
巽を否定する。
「はぁ……………ッ」
自分を落ち着かせるように息を吐くけど全く整わなくて、そうしている内に尻の溝にねっとりと巽の舌が滑った。
「な!?…ちょ、巽ッ……!汚いッ!」
「ごめん、ちょっと、余裕なくて…」
両方で双丘を割り開くように開いて窄まった蕾に熱い舌を捩じ込まれる。
ウニウニと割り開くように舌を膨らませて腸壁へと舌を這わせる。
柔らかい舌に堪らず腰を揺らめかすけど、熱に錯乱していた頭は直ぐに正常になってしまい、体は気持ちいいが、気持ち悪いと言う感情が止まらなくなってくる。
「はっ♡………ぁ、あっ………んっ!!」
甘い声と反対に俺の顔は青ざめ、涙目になりながら片手で口を塞いだ。
おかしい。
こんなに、こんなに、体は気持ちいいのに。
内蔵を圧迫されて起こる気持ち悪さとはまた違う、生理的な気持ち悪さに体を震わせた。
口からは甘い声が漏れるのに全然頭が気持ちよくなれない。
頭が、脳が、巽を拒絶するように俺に不快感の信号を送ってくる。
その間もクチュクチュと音を立てながら内部を舌で広げて、唾液を絡めながら指も奥まで埋められていく。
反対の手は俺の勃起したペニスを扱きあげ、湧き上がる快楽は本物なのに、本物なのに…。
気持ち悪い…吐きそうだ。
「ぅう……たつみ、っ、たつ……ぁああ♡……んあっ!!」
わけがわからない。
こんなに丁寧に、こんなにピンポイントで俺の感じる箇所ばかりを攻められているのに、頭だけが冴えている。
イヤイヤとソファーの背に頭をこすり付けていると、ぐりッと前立腺をこすり上げられた。
「ッ、ぁああああっ!!」
ビクンッと体が大きく揺れて背中が撓る。
ペニスの先端から先走りが垂れていく。
そのまま中の指の動きが激しくなる、また一本追加されて二本纏めてゴリゴリと前立腺を擦りあげられる。
ペニスも先走りを亀頭に絡めるように扱き上げられ、イきそうだけど集中出来ないからイくことが出来なくてソファーにきつく爪を立てた。
「はっ……ッ、ごめん、もう、挿れさせて…」
後孔に熱い塊の先端があてがわれたのがわかった。
ブワッと一気に鳥肌がたって酸っぱいものが喉へと上がってきた。
慌てて片手でキツく口を覆うと、同時にゆっくりと巽が中へと入って来る。
「たつッ!抜けっ、…はぁ♡……っ吐く!!無理ィィっ!!」
「…………那由多?」
一気に襲い来る嘔吐感に巽の事を気にすることも出来ず、腰を持つ手が緩んだ瞬間にズボンを乱雑に上げトイレへと駆け込んだ。
「ゔえ……おえッ………はっ、ひぐっ、…ぅ……ぅう…」
便座へと顔をつっこむと思いっきり嘔吐してしまう。
すえた臭いが充満して更に気持ち悪くなり、せっかく食べた晩御飯が口から吐瀉物となり吐き出されていく。
見ていると更に気持ち悪くなりそうだったのでさっさとボタンを押して、“ジャー”と音を立て流れていく汚物と水の流れを見つめながら頬を涙が伝った。
この涙の意味をきちんと俺は理解出来ない。
今日は理解できない感情ばかりが押し寄せて来る。
「那由多ごめん、気持ちよくなかった…?」
後ろから巽が追いかけるように入ってきて、背中を擦ってくれる。
男のゲロの介抱なんてしたくないだろうにこんなところも律儀だ。
いや、好きな奴のゲロの介抱だったらできるのか?
そんなこともないか…
色々な思いが溢れて気持ち悪さが収まらないため便座の中を見つめたままでいると、ポロポロと涙が溢れてトイレの中に消えていく。
「ちが……ッ、く……気持ち、いいん、…ッだけど、体がッ…違うッ、体は、気持ちいいのにッ、頭がッ……ついて、来ね…ぇ…」
声と肩を震わせる。
ここの奴らに比べたら何にも出来ねぇし、色々うまくねぇし、それに加えてこんな時もこんな事になるなんて。
ギュッと巽が後ろから抱き着いてくる。
一度芽ばえた感覚は拭いきれず、安堵するのにソワソワしてしまう。
これは一体だれの感情なのだろうか。
ここには俺しか居ないのに。
「大丈夫…また、今度ゆっくりさせて?俺が《霊ヤラレ》 だからって焦ったのがいけなかったのかも」
「……そっか、お前…。辛いんじゃ…ねぇ?」
「ん。辛いけど……後で処理するから……今はこうさせて」
自分の事でいっぱいいっぱいだったけど、そう言えば俺、巽の《霊ヤラレ》 の為にセックスしようとしてたんだ。
視界がはっきりしてくると抱きついて来ている巽が少し震えているのが分かった。
こんなに事になる巽をあまり見た事がないので、俺の心は罪悪感で染まってしまう。
何とか続きをとも考えたけど、巽の性器が背中に当たっているだけで嫌悪感を感じてしまうので、また同じ事になるだろう。
「巽、…ごめん…な…」
「────ッ!!那由多が悪くないからッ。俺が……いや…大丈夫、こっちこそごめん…、口ゆすぐ?運ぶね…」
どこか必死に声を上げる巽を俺は頭が冷えたまま見つめる。
顔面は蒼白で酷くやつれた顔をしているのは分かるけど、取り繕うことは出来なかった。
巽がお姫様抱っこをするように軽々と俺を抱き上げる。
もし俺が女だったらときめくんだろうな。
やっぱり男同士だから駄目なのかな。
巽が好きかと聞かれると首を縦に振るのは難しいんだけど、そうするとこの沸き起こる罪悪感は何なんだろうかと考えてしまう。
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