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【8-2】乱れたお前に挿れたいのに…①
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×× tatumi side ××
「お疲れ様、那由多。」
「おー……。なんかもう散々な1日だった…。
つーか、お前もあれは酷いだろ!皆の前でベロチューすんなよな!!」
「二人っきりのほうが良かった?」
「………んな言い方されたら、なんか。」
無事に《idea─イデア─》 化出来た為、共同スペースでの集まりはお開きになった。
今日は元々那由多の部屋に行く約束があったのであれからそのまま那由多の部屋に行き、二人でご飯を食べた。
今は食後のコーヒーを淹れたところだ。
二人がけのソファーなので自然と那由多と密着するように腰を下ろす。
先程キスしたので警戒されているのだろうか那由多が俺と少し距離を開けるように身を引く。
焦っても仕方がないので、追いかけたくなる気持ちをグッと抑えて苦笑を零した。
にしても、今日のキスは忘れられない思い出になりそうだ。
舌を噛まれることもなかったし、見ている人全員が俺と那由多のキスを見届けてくれた。
マスターが《idea─イデア─》 化できない限りこれからは那由多と合法的にキスができることに決まったんだ。
こんなに心が踊ることはない。
いつか那由多からしてくれる日も近いかもしれない。
まずい、思い出すだけでまた俺の股間は熱くなる。
さっきトイレで軽く一発抜いたんだけど、那由多とのキスを思い返すだけで射精出来てしまいそうだ。
心情とは裏腹に、表向きはいつも通りのニコニコとした表情のまま那由多を見つめる。
どうしてもその唇に視線が行ってしまい、小さく眇めた。
「なんだよ…」
「ん?どうかした?
そうだ那由多、見せてくれるって言ってたお店のボードどんな感じ?」
「あー、大体できたんだけどよ。」
那由多は一度立ち上がると寝室の方へと向かい、大小様々なカフェボードを何種類か持って戻ってきた。
そこからは高校時代の文化祭を彷彿させるかのように、ここはこうだ、あっちはちょっと変えるべきだ、と、二人で色々意見を出し合い、清書できる形へしていく。
久々に二人で流れる時間は楽しかったし、とんでもない充足感を俺に齎〈もたら〉せた。
集中していたのであっという間に時間は過ぎ、明日も大学の講義を朝から入れてあるので自室へ戻ったほうがいい時間だ。
横に座る那由多にこっそりと視線を流す。
額の傷も俺の唾液を飲ませた直後だったので触れて意識するだけで治す事はできた。
跡形も残らず消えた傷にそっと手を伸ばす。
「それにしても、ラケちゃんが攻撃するなんて珍しいね。」
「それってあのフクロウの事だよな?アイツっていつも凶暴的なんじゃねぇの?」
「んー………、マスターが触ってるときは大人しいかな?」
「何だよそれ…なんで俺だけ…。つーか、巽はアイツが動くの知ってたのかよ。」
「ラケちゃんは元々イデアちゃんと一緒にいたシロフクロウだよ…、あー、那由多イデアちゃんのこと殆ど覚えてないもんね…。」
俺が前髪を上げるように額を触っても、那由多は逃げなかった。
突付かれた時の痛みを思い出したのだろう、複雑な顔をして頷いている。
正直、記憶を取り戻されたら俺は困る。
あの歪みまくった歯車を戻すことは難しいし、那由多の気持ちも俺に向くことは無いんだろう。
なのでそれ以上話が深くならないようにし、額に親指を触れさせるだけで手を引こうとした。
「那由多、そろそろ…──────ッ!!なゆ、た?」
俺が声を掛けるのと同時に那由多がこちらに倒れ込んでくる。
その体を受け止めると那由多が異常なほど熱いことに気づいた。
「お疲れ様、那由多。」
「おー……。なんかもう散々な1日だった…。
つーか、お前もあれは酷いだろ!皆の前でベロチューすんなよな!!」
「二人っきりのほうが良かった?」
「………んな言い方されたら、なんか。」
無事に《idea─イデア─》 化出来た為、共同スペースでの集まりはお開きになった。
今日は元々那由多の部屋に行く約束があったのであれからそのまま那由多の部屋に行き、二人でご飯を食べた。
今は食後のコーヒーを淹れたところだ。
二人がけのソファーなので自然と那由多と密着するように腰を下ろす。
先程キスしたので警戒されているのだろうか那由多が俺と少し距離を開けるように身を引く。
焦っても仕方がないので、追いかけたくなる気持ちをグッと抑えて苦笑を零した。
にしても、今日のキスは忘れられない思い出になりそうだ。
舌を噛まれることもなかったし、見ている人全員が俺と那由多のキスを見届けてくれた。
マスターが《idea─イデア─》 化できない限りこれからは那由多と合法的にキスができることに決まったんだ。
こんなに心が踊ることはない。
いつか那由多からしてくれる日も近いかもしれない。
まずい、思い出すだけでまた俺の股間は熱くなる。
さっきトイレで軽く一発抜いたんだけど、那由多とのキスを思い返すだけで射精出来てしまいそうだ。
心情とは裏腹に、表向きはいつも通りのニコニコとした表情のまま那由多を見つめる。
どうしてもその唇に視線が行ってしまい、小さく眇めた。
「なんだよ…」
「ん?どうかした?
そうだ那由多、見せてくれるって言ってたお店のボードどんな感じ?」
「あー、大体できたんだけどよ。」
那由多は一度立ち上がると寝室の方へと向かい、大小様々なカフェボードを何種類か持って戻ってきた。
そこからは高校時代の文化祭を彷彿させるかのように、ここはこうだ、あっちはちょっと変えるべきだ、と、二人で色々意見を出し合い、清書できる形へしていく。
久々に二人で流れる時間は楽しかったし、とんでもない充足感を俺に齎〈もたら〉せた。
集中していたのであっという間に時間は過ぎ、明日も大学の講義を朝から入れてあるので自室へ戻ったほうがいい時間だ。
横に座る那由多にこっそりと視線を流す。
額の傷も俺の唾液を飲ませた直後だったので触れて意識するだけで治す事はできた。
跡形も残らず消えた傷にそっと手を伸ばす。
「それにしても、ラケちゃんが攻撃するなんて珍しいね。」
「それってあのフクロウの事だよな?アイツっていつも凶暴的なんじゃねぇの?」
「んー………、マスターが触ってるときは大人しいかな?」
「何だよそれ…なんで俺だけ…。つーか、巽はアイツが動くの知ってたのかよ。」
「ラケちゃんは元々イデアちゃんと一緒にいたシロフクロウだよ…、あー、那由多イデアちゃんのこと殆ど覚えてないもんね…。」
俺が前髪を上げるように額を触っても、那由多は逃げなかった。
突付かれた時の痛みを思い出したのだろう、複雑な顔をして頷いている。
正直、記憶を取り戻されたら俺は困る。
あの歪みまくった歯車を戻すことは難しいし、那由多の気持ちも俺に向くことは無いんだろう。
なのでそれ以上話が深くならないようにし、額に親指を触れさせるだけで手を引こうとした。
「那由多、そろそろ…──────ッ!!なゆ、た?」
俺が声を掛けるのと同時に那由多がこちらに倒れ込んでくる。
その体を受け止めると那由多が異常なほど熱いことに気づいた。
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