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俺のも…触って?②

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∞nayuta side∞


なんか巽がいつもと違う。
俺が訪問して、彼が中に入れることをこんなに渋るとこはない。
しかも、なんか、スゲェー色っぽい。
マスターとはまた違う漢って感じの色っぽさだけど。
いや、マスターも男なんだけど。
あの人ああ見えて、俺よりもムッキムキだし。

いつもと違う巽に俺の心の中に不安が湧いたが、促されるままに部屋へと進む。
巽の部屋は畳張りのところもあって全体的に実家感があり落ち着く。
晴生みたいに、めちゃくちゃ統一されてオシャレな感じでもないし。
剣成みたいに座るとこもなく、筋トレの器具しか置かれていないとかではない。

用意された座椅子に腰掛けようとした瞬間、巽が風呂に入るといいだす。
だからパジャマを着ていなかったのか?
でも、下でもシャワーを浴びていた気もする。
とりあえず一人にされるのは俺的にはめちゃくちゃ困るので思い余って言葉に出てしまった。
間抜けな顔で、驚いた巽の顔を見たが、その時視界に初めて入った彼のパンツは……かなり男前に盛り上がっていた。

「那由多……本気?」

「お、…男に二言はないッ!!」

「それ、使いどころ、間違ってる気がするけど…。
ああ、コレ…?ごめん、《霊ヤラレ》っぽいんだよね。
だから一人で抜いてこようと思ったんだけど…………那由多一人で待ってられる?」

巽は本当に風呂に入る訳ではなかったようだ。
俺の視線が巽のパンツから外れなかったからか、巽はその説明をし始めた。
《霊ヤラレ》ってあれだよな、前、晴生と一緒に居るときになったやつ。
巽はいつも通りの笑顔だけど内心はメチャクチャムラムラしてるってことか。
巽の指先が俺の頬に触れる。
確かに色っぽさもあるし、呼吸も少し上擦っていて何よりも苦しそうな感じはする。
でも、一人で待つのは嫌だし、風呂について行って巽のオナニーを見てるのもなんか違う気がするし、断じてそんな趣味はない。
返答に困った俺はなんとも言えない表情で巽を見上げてから、彼の手に自分の手を重ね、視線を外した。

「…じゃあ、擦りあいっこしよっか?
エッチなことしてたら、お化けって来ないんでしょ?」

それは聞いたことあるような気がするけど!
煮え切らない俺の返答に巽が動きを見せる。
巽の手に重ねていた手を引っ張られ、奥の部屋の布団が敷いている少し段差のある畳ベッドへと腰掛けさせられた。

「え……ちょっ。」

「那由多だって、《食霊》してないけど、《紅い魂》には接近してるんだからマメに抜いといたほうがいいと思う、し…」

「確かにこの前、抜いた後に楽になったけど…よ。」

「那由多、もう、《霊ヤラレ》になったの?」

「ん。マスターと晴生に《食霊》について教えてもらった日、あったろ?あの時にちょっと…。」

「ふーん。一人で抜いたんだ?」

「いや、そんときは、フラフラだったから、晴生が横に居てくれた……」

「ふーん…。」

何を素直に全部話してるんだろうかと思ったがなんとなくはぐらかす事はできなくて、晴生とのことを告げた。
晴生も危ないって言ってたし、仕方がないはず。
巽に視線を上げることなくごにょりと説明すると、既に下着を脱いだ巽が俺の後ろに座った。
俺を股の間に座らせるようにして巽は俺の肩に額を置く。

「…日当瀬とは、触りあいっこしたの?」

「はぁ!?しねぇーよ!………AV鑑賞会みてぇなやつ、しただけ。」

「……そっか。」

後ろにいる巽の張り詰めていた空気が少し軽くなった。
なんだかこの距離になるのは久々で自然と緊張が走る。
巽が服の裾から手を伸ばしシャツを捲りあげるように脱がせてくる。
肩越しに不服そうに視線を向けたけれど、シャツが邪魔で相手の表情をうかがえない。

「なんで、上も脱がすんだよ……」

「ちょっと、人肌が欲しい…かな、人の、性器、見るの気持ち悪いだろうし、この儘の体勢でさせて。」

別に小さい頃はさんざん見てたんだし、気持ち悪くはねぇけど、抵抗がないかと言われれば返答に悩む。
後ろの巽の声はなだらかだが確実に呼吸が弾み切羽詰まっていた。
本当ならひとりで思う存分発散したかったであろうところを、邪魔したわけだから我慢する事にする。
下のズボンと下着を脱ぎさってしまうと、巽の熱に当てられたかのように頭を持ち上げている自分のペニスがあった。
巽、晴生も《食霊》しなくても《紅魂》触れるだけでも《霊ヤラレ》にはなるっつってたからそのせいにしとこう。
俺は気乗りしなかったが自分の性器に触れようとした瞬間、巽の手が俺の性器を握って、俺は瞬いた。

「え?おい?…」

「ん?各々でするより、二人でムラムラするほうが、お化け出てこないかなーって。
大丈夫、俺、オナニーは左手でする派だから、右手は空いてる」

そういう問題じゃない。
そして、幼馴染のそんなコアな性事情は聞きたくなかった。
お化けは出てこないほうがいいけど、何か色々失いそうっ!
しかも、なんか、なんつーか、これって何で興奮すればいいんだ!?

「てか、AVとかつけなくて、いいのかよ…ッ」

俺はチラッと巽を見ると、巽が肩から顔を上げて、肩越しに俺を見下ろす。
俺の体に視線を這わせる妙な間が有ってから、俺と再び視線を合わせた。

「んー……………………………要らないかな。」

品物を見定めるようかの視線に肌が慄く。
巽はいつものように笑っているのに何処かその微笑みは冷たさを感じた。
ただ、少しの違和感は直ぐに巽の手によって紛れていく。
巽が俺のペニスを激しく擦り始めたからだ。

「ッ………………………!………?」

なんでだろう、なんつーか。
自分でするよりも気持ちいい?
なんか、俺のいいとこ熟知してる?

俺は思わず片手で口を覆った。
足も閉じてしまったが、ペニスが完全に勃起してしまったため巽が手淫するスピードは落ちなかった。
自分の意志とは関係なく上がっていく熱に酷く戸惑い、焦りで呼吸が弾む。

「ちょ…ちょ、タンマ……ッ……巽ッ、待てって…」

「んー?…足閉じられると、ちょっとやり難いかも…?」

両手で口を押さえ、漏れそうな声を抑える。
待てと言ったら巽は手の動きを緩めてくれた。
俺を深く、背中を巽の体にもたれ掛からせるように誘導され、内腿の筋を辿るように足を開かせてくる。
肩越しに覗える巽の表情はいつもの余裕はない。
それでも、自分の言うように動いてくれるコイツに少し気を許すように体重を掛ける。

「………ゆっくりするね。」
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