元戦闘奴隷なのに、チャイニーズマフィアの香主《跡取り》と原住民族の族長からの寵愛を受けて困っています

令和6年最新話★★★

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「おっはよ～♪」
「おはようございま……ッ！？」
「なんでボクが起きるまで居てくれなかったの？」
「それ……はっ」

結局一睡もすることなく九鬼との待ち合わせ場所へと向かった。かなり早く着いたはずなのに既に人影がそこにあり更に足を早める。
暦上は二月。まだ日が昇るには時間があり、かなり冷え込む季節なので上質な白いダッフルコートを羽織り、白い吐息を零していた九鬼は気配に感づくなり、早足で距離を詰めてくるどころか、グッと腕の辺りを掴まれた。
昨日は情事の後、僕の方が早く目覚めたのでそのまま帰った。ヤる事はヤっているのだから問題は無いはずだ。それに顔を合わせると帰り難くなってしまう、僕は九鬼を愛しているからだ。
こんな重い返答を九鬼は必要としていないだろう。たださえ僕以外にも〝大事な人〟が居るのだから。
眉根だけ寄せて言い淀んでいたら九鬼は肩を竦めた。