元戦闘奴隷なのに、チャイニーズマフィアの香主《跡取り》と原住民族の族長からの寵愛を受けて困っています

過去編

32

【神功左千夫】

彼は優しい。
マフィアの頭になる男だ、人の一人や二人、いや、もっと大人数を囲える気量が彼には有るだろう。
ずっと気にいってもらえればそこの一人にはなれるかもしれない。

駄目だな。
そんなことばかり考えているといつか本当に飽きられる。

ぐちゅぐちゅと泡立つ結合部に体が震える。
気持ち良さに息が弾み、体が幸福を覚える。

「……負けを……つける訳にはいきませんからね…ッ」

最後に何とか思いついた皮肉を述べてから首輪のリードを引っ張り、彼の上体を起こした。
わきの下に手を入れる様にし、彼をベッドヘッドの前のクッションへと背中を預ける様にする。
そうすると、座った体勢に近くなるのでそのまま僕は密着し、抜けかけたペニスを再び根元まで導く。

「……ふ、……く、……僕が、触れて、あげます…ッ」

ゆったりと笑みを浮かべてから、唇を重ねる。
そして、ペニスを相手の腹に擦りつける様にしながら括約筋に力を入れ、再び腰を動かした。
首に手を回し、彼を追い立てる様にして夢中で体を動かした。


【九鬼】

負けをつける訳にはいかない…か。
彼らしい言葉に思わず笑ってしまいそうになる。
そうだ、彼はこんな行為を愛情表現だとは思っていない。
ボクらはただの契約で身体を重ね、今は勝負をしている、ただそれだけのことだ。

絆されてしまっていた脳内が我に返ると、彼に体勢を変えられた。
本当に介護されているような感覚だ。

笑みを浮かべた彼が唇を重ねてくる。
やはり幸せだ。こんな、何気ないキスが。
彼がボクの上で乱れていく。
何度見ても、それは新鮮な快感になる。

「は、……っ、……イけそう、……っ……左千夫、クン……あと、二回、だっけ…？」

熱を帯びた視線を彼に向け、ながら、小刻みに息を吐いた。

「……一緒に、イこっか……」