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★★本編★★元戦闘奴隷なのに、チャイニーズマフィアの香主《跡取り》と原住民族の族長からの寵愛を受けて困っています

【Z日目・完堕ち精液奴隷】戦闘奴隷の射精管理と調教日誌

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【Z日目・完堕ち精液奴隷】戦闘奴隷の射精管理と調教日誌

▽▽ KUKI side ▽▽

「九鬼さぁぁぁああん!!」
「んー?どしたの?いのっち」
「……なんか、どーしたんすか?その嬉しいのか悲しいのかわかんねぇ表情。……じゃなくて、ヒドイッすよ。あんまりっス!この前地下で犯したヤツ神功さんだったじゃないっスか!なんで言っといてくれないんスか!」
「え~。わかるでショ?」
「俺、あの二人似過ぎててわかんねぇンすヨ!しかも色!神功の色をなんでウィステリアにしてたんですか!?あんな、ひっかけ問題みたいな……!俺は神功さんに……なんてことを……しかも酷いっす。九鬼さんはあの人のこと分かってんのに、なんで俺なんかに抱かせるんですかぁぁぁぁあ!?」
「あー。アレね。カメラの映像見たけどかなーりよかったヨ~」
「しかもまた地下に人集めてますよね?まだ神功さんにお仕置きしてんスか?いい加減にしとかねぇと流石のあの、菩薩のような神功さんでもアンタの事嫌いになりますよ……」
「それは大丈夫かなぁー……」
「大丈夫じゃないっす!俺は警告しましたからね!んでもってもう、お仕置きには加担しませんからね!」

会合が終わるとお目付役である井上が一番に話しかけてきた。
井上はウィステリアとしても抱かせたし、神功左千夫《じんぐう さちお》としても抱かせたんだが、結局ウィステリアと左千夫くんが同一人物であると言うことには辿り付かなかった。いつも通り適当に相槌を打っていると要件は済んだようで部下たちの取り纏めにいってしまう。
もう左千夫くんに嫌われるってことは無い。
だってもう、ボクに対して好きという感情も無ければ嫌いという感情もないから。
左千夫クンの代わりに食霊《しょくれい》 して回ったので勃起してチンコが痛い。突っ込む前に虐めて解消する必要があるなと口角を上げながら早足に朱華《ヂュファ》を置いてきた地下の部屋へと向かう。今頃ボクの部下に強請って精液を注いでもらってドロドロになっているかと思うと居てもたってもいられなかった。

別れ際の様子だとボクの精液に強く依存するように仕向けるのも案外簡単かもしれない。いや、今日の多人数に注がれるセックスプレイにハマってしまうかもしれない。まぁ、ハマったとしても朱華《ヂュファ》をボク程知り尽くした奴は居ないので問題は無いだろう。完全にボク専用の意志のない奴隷へと堕としてしまったらそこからはどうしてやろうか。喫茶【シロフクロウ】は続けさせてやってもいい。精液を餌に誘導すればうまく仕事をこなすだろう。ただボクがシフトに入れない日は入れるつもりはない。
奴隷化したら男だったら誰でも良いはずだし、無防備な状態なので勝手に他人に使われてしまうのは困る。これからの事を色々考えていると不意に、初めて二人で〝普通のデート〟した時の左千夫くんが楽しそうに笑った笑顔が頭を過った。もう、あの笑顔を見る事はない。そんな単純なこと百も承知の筈なのに一つ浮かんでしまうと止まらなかった。
〝無〟の表情を向けてくることもないし、それを通り越してめちゃくちゃ嫌そうに顔を歪める事もしない、否定もしないし、足を踏まれることもない。そして、ボクの精液には欲情するだろうけど、ボク自身に欲情してくる事もない。───好きだと、愛してると訴えかけてくれる事も微笑むこともないんだ。
早足に進めていた足がゆっくりになって止まってしまう。まさかボクに限ってこんなことになるなんて思いもしなかった。何度考えても彼を朱華《ヂュファ》を左千夫クンを能力の薬から解放させる未来しか浮かば無くて目頭が熱くなるほど表情が歪んだ。

「どうしよ……。キミを探す時間が長過ぎて、キミを手に入れたいと思う時間が長過ぎて……手に入れた後のことなんて考えてなかったヨ」

胸ポケットから能力解除用の薬剤が入った注射器のケースを取り出す。
あの薬も試作品だけどこの解除用の薬も試作品なので一本しかない。なので今、床に叩きつけて壊してしまったら間違いなく左千夫クンは完全に堕ちる。時間を掛ければ解除の薬はまた作れるだろうけど、体に蓄積された依存はそう簡単には戻らないだろう。戻すらな今しかない。でも、せっかく手に入ったのに……。
どれだけ望んでも手に入らなかったものが形を変えてだが手に入れることが出来た。今までのボクだったらそれで妥協できてた筈なのに。

「……悔しいなァ、今回は完全にボクの勝ちなのに。やっぱりボクは左千夫クンに対しては我慢はできるけど妥協できないみたい」

ザンネンだけど結論づいてしまうと戻す、と言う道しかない。
戻る保証なんて無いけど取り敢えず能力解除用の注射を打つ。
でもまー、せっかーく落としたんだし。今日一日くらいはもっかいおねだりする左千夫クンを堪能して、明日もシロフクロウは定休日だから明後日に間に合うように戻せば良いよね!と我ながら名案を思いつくとスキップしながら地下室へと向かった。
彼を精液奴隷にした時から喉につっかえていた思いが晴れてかなーりいい気分だ。でも、多分、いや絶対メチャクチャ睨まれるし、下手したら逃げられるかもしれない。それでも、反省してるフリして謝り倒して仮病でも使えばなんとか許してくれるだろうし、戻ってきてくれるだろう。左千夫くんはその辺りの懐は広い。
独房に続く分厚い特殊素材で出来た扉の前まで来ると、部屋の外まで蒸せた青臭いにおいが広がっていた。
朱華《ヂュファ》が犯されている色々な妄想を膨らませながら指紋認証して扉を開くと───。

そこには美麗なボクの恋人、いや奴隷がいるには居たんだが………………。


「あおぉぉぉぉぉぉぉぉぉん♡ウィステリアさまぁぁぁぁん♡♡♡♡」


ビュクッと目の前で精液が弧を描いて飛び散っている。
しかしそれを受け止めて居るのは朱華《ヂュファ》でも左千夫クンでもウィステリアでもなくて……バケツだった。そして床に寝転がっている大男のチンコをピンヒールで踏みつけている左千夫クン、じゃなくてウィステリアと目が合う。いや、左千夫クンもウィステリアも同一人物だ。そんな事は分かってる。分かって居るんだけど。
その辺に無造作に転がって居るのは精液を貪り尽くされたボクの部下たちであった。全員下半身剥き出しでピクピクと痙攣はしているけど、意識がある奴は一人も居なかった。そして、それをやってのけている等の本人はピンヒールでまだ意識があったボクの部下のチンコを表情なく踏み付けていて、ズルッと陰茎を靴裏で扱いてまた射精させていた。「ゔ!♡♡♡♡」と、むさ苦しい喘ぎ声を上げながら射精したオトコの精液は完璧なアーチを描いでバケツへと飛び込んだ。女王様プレイの為にボンテージにしたのでは無いのだが、ウィステリアの色合いと、いつもみたいに微笑んでいないので完全にハマり役だなぁと、思考回路が現実逃避を起こしていると左千夫クンがボクに気づいてウィステリアの色合いのまま嬉しそうに笑って走ってくる。

「バ…………九鬼、おかえりなさい」
「へ?あ……な……」

左千夫クンがボクのそばまでくるとボクの手を引っ張って部屋の中の更に区切られている牢屋の中の剥き出しの便座へと向かっていく。黴臭い匂いに混ざって精液の独特なにおいが鼻につく。そして、便座のそばまで来ると左千夫くんは目元を染めながらボクに…………便器に溢れんばかりにたまった部下たちの精液を嬉しそうに微笑みながらお披露目してきた。

「約束、守りました。だから、その……───」

左千夫クンが何かを喋っていたがもうボクの思考回路が完全に停止して聞き取れなかった。これは一体どういう事だ。彼は精液奴隷になった筈だ。なのになぜこれだけの精液を目の前にして摂取を我慢できるんだ。ボクの部下が彼に余計な命令を出したのか?けど、意識を保っている者はもう周りには見当たらない。累々と辺りに横たわっている気絶したボクの部下は数え切れないが……。
昨日の様子なら便器であろうが、どこであろうが精液があれば啜るだろう。

完全に思考だけが動いていたので左千夫くんの次の挙動に気付なかった。すぐ近くまで来ていた彼がボクの腕に触れた。そして引っ張るようにして便座に腰掛けさせられて、ハッとした。その時にやっと思考が戻ってきたが、彼を見上げた頃にはボクの顔の横をピンヒールが通過して後ろの壁にめり込んだ。ボンテージと言っても腰だけのコルセットと手袋、ピンヒールブーツしか纏ってないので脚を上げたら色んな部分が丸見えだ。左千夫くんは首を軽く振ってピアスを揺らすと元の漆黒《くろ》い髪と朱い瞳へと色を戻した。グッと顔が近づいて来て、欲情したまま蠱惑的に微笑まれて、その冷たさにゾッとしたけど体が動かなかった。
そうだ……彼はボクの中に入って……身体拘束でき……て、そして、ボクの能力まで使える……!

「な……!?左千夫クン!?なんで、精液の虜になってる……筈……ッ!」
「なってますよ?……でも、くれないんですよネ?」
「え?……な?」
「貴方の約束を守って、僕、精液たくさん集めましたよ?だから、九鬼の……白翼《バイイー》の精液くれますか?って聞いたんですが返答が無かったので」
「い、いや、それは聞いてなかったボクが悪かったけど……!なに?どー言うこと!?」
「もういいんです。どうせ、貴方は嘘つきなので……くれるつもりが無い約束だったんですよね?なので、勝手にいただきますね」
「ちょ……まっ、さちっ!?朱華ッ!!」
「僕はただの貴方の精液奴隷ですから。勝手に貰って消えます」

トイレを囲むようにして壁が隆起する。ボクの能力を使って左千夫くんが造っているんだけど、元から燃費が悪い〝創造〟を他人に使われると更に燃費が悪くてグッと奥歯を噛み締めた。
そして狭い密室を作り上げると左千夫くんがボクのズボンの前を寛げ、既に誇張して臨戦態勢のムスコを引き摺り出すと満足そうに舌舐めずりし、顔を離した。
その時ボクが見た瞳の色は確かに赤紫色に揺れた。これは精液奴隷化の薬の能力に掛かっている証拠である。……いや、待てヨ。実験段階では発光の色は〝紫〟と言っていた。でも、さっきの色は〝赤紫〟である。左千夫くんの瞳の色が朱いので混ざっていると思ったがもしかして違うのか?そして彼は『貴方の精液奴隷』と言っていた。ボクの頭の中で一つの仮説が浮かぶ。それはあの催眠術が得意な左千夫くんが能力の薬の暗示に自己暗示を混ぜたのでは無いかと。
けど、ナニをドノヨウニと考える余裕を奪われるほどの衝撃的な光景が目の前に広がる。
くぱぁ……と大きく指で開かれたヴァギナ、そしてアナルから白濁液が覗く。膣も尻穴も前日に出したボクの精液にまだ満たされていた。潔癖症なところがある左千夫クンはセックスの後は必ず風呂に入る、風呂がなければ水でも浴びるので、想像もつかない痴態にゴクリと大きく喉が鳴った。「お腹壊しちゃうヨ」と、ボクとは到底思えない普通の返答しか浮かばなくて。

「ヂュ……ファ、ちょっと待って、あげる、あげるからッ!」
「はぁ♡無理です、もう、我慢できませッ♡♡」
「ま、ま、待って待って!ボク、今日食霊《しょくれい》 したから、〝トぶ〟!!」

色んなことが走馬灯のようにスローモンションに見えた。
部下の精液で満たされてると思って拘束しておかなかったのが誤算だった。そして、左千夫くんをなめていた。まさかあの状態で自己暗示を上掛けするなんて奇行を思いつくのは彼くらいだろう。
朱華《ヂュファ》のピンヒールが後ろの壁から抜けて、ボクの上に跨って、膣では無くてぬるっぬるのままのアナルへと先端を宛てがった。矢張りこのクスリは男相手にはいいが女相手には改良が必要、左千夫クン相手になると大幅な仕様変更が必要だな。との思考を最後にボクは〝ト〟んだ。


※精液ボテ※排出※嘔吐注意

▲▲ sachio side ▲▲

この男が約束を守らない事は何故か初めから分かっていた。
それでも僕は彼の精液が欲しいから。
勝手にこんな事をしたらこの後はどうなるんだろうか。殴られる?縛られる?お預けされる?……もう一生貰えない?…………それなら最後と思って味わい尽くそうと、ぐずぐずのアナルで奥深くまで咥え込んだらビュルっと胎内に精液が飛び散った。

「はぁ♡そんな、いきなりッ♡♡」

僕の瞳が赤紫に揺れる。
気持ちいい。奥からあったかくて全身を満たしていってもっと欲しくなる。
はぁ……と長く息を吐いてもっともっとと搾り取る為に腰を振ろうとしたら白翼《バイイー》の背面の壁からトイレのパイプが伸び出来て僕の四肢を拘束した。

「なッ!?」
「……動けない?あ、動ける……なんで?ま、いいか」

僕と会話しているわけではなく一人で白翼《バイイー》は話し始めた。そうだった彼は特異体質なので霊ヤラレ《れいやられ》中に興奮しすぎると別人格が現れる。その別人格はこんな感じで僕を拘束して、アナルにペニスを突っ込んで気が済むまで犯す奴だ。
パイプで空中に体を拘束されたままぐちゅん♡♡と音を立ててアナルの奥深くまでペニスが入ってきた。

「ッッァアアアアアアア♡♡♡♡」
「あったかい……ナカ、オレのでいっぱい」
「あッ♡あぁ♡♡イく、ッ!そんな、奥までおちんちん入れられたらイっちゃ♡♡く、っんんんん♡♡」
「ふっ…………はぁっ」
「ぁあああ♡ひゅごッ、ああぅ♡せーえき、出て……止まってなぁ♡♡♡」
「……ッ、はぁ……朱華のナカ……いい、好き、好き」

トランス状態の白翼《バイイー》は元から射精の合間の休憩が無いのに、今日は精液すらも放出しっ放しで止まらない突き上げと共に多量の精液が直腸に叩きつけられていく。けれど足を大きく広げられて空中に拘束されているのでどうしても突き上げの際に床に漏れ落ちてしまう。白翼《バイイー》の精液は全て摂取したいのに流れて行ってしまって視線を眇めた。

「白翼《バイイー》……せーえき、ぁあああん♡♡溢れちゃうッ、全部、全部中にいれたぁああああ♡♡♡」
「わかった」
「え?……ばい……い?あッ、あッ♡♡♡ああああああぁ♡」

トランス状態の彼と会話出来たことは無いので不思議な感覚だった。そう言えば拒否して殴られたことは数え切れないけどこうやって彼を受け入れた事は無かった気がする。
全拘束が解かれて、僕は便座へと手をつく形になった。足元が少し高くなって尻を突き出すとまた奥深くまでペニスが挿入されてくる。

「ッッはぁぁぁぁ♡♡♡くぅうぅん♡♡」
「キモチイイ?キモチイイの?オレ、もキモチイイ……ッ♡ナカ、奥まで入れて、ここで居たい、居る……いっっぱい、出る……はッ♡」
「ぁああああっん♡クる♡バイ……イの、せーえき、クる、きた♡♡あ、お腹の中満たされて♡♡」
「かわいい……素直……く、ッ。まだいる?」
「あー♡♡あぁあ♡♡♡いる♡もっと、いっぱい、ずっと欲しい、欲しいッ♡♡」
 ハオ(オッケー)♡」
「あっ♡ああああっ♡あん♡うーッ♡♡奥、ピアスゴリゴリしてるっ♡はぁ♡せーえき沢山、幸せっ♡おなか、いっぱいいいっっっ♡♡」

気持ちいい、きもちいい、きもちいい、腸壁から摂取されて行く精液が気持ちよすぎる。満たされる、幸せ、これ以上何もいらない。もっともっと注いで満たして、いっぱいになりたい。白翼バイイーの精液に染まりたい。気持ちよくなってもらっていっぱい出してもらって、もうずっとこのままでいる。

「白翼《バイイー》……僕、もうずっと、このままがいい……ッずっと繋がって……僕に精液下さぁっ♡♡」
好啊 ハオアー(いいよ)。ずっと、……ずっと、いっしょ」

便座に腕を付いていて前屈みになっていた体に白翼が服を脱いで僕に覆い被さってきた。脱ぎ捨てた服から銀色のケースが落ちて床に転がる。横目で自然と追ってしまったけどそれよりも隙間なく密着した白翼《バイイー》の体温が気持ちよかった。おかしい……気持ちいいのは白翼の精液で肌の触れ合いからそんな感情が生まれるはずは無い。
今始まった腰の打ち付けみたいにアナルのナカの気持ちいいところを擦られて穿たれているわけじゃ無いのに……!
困惑に頭を抱えたがすかさず腰の打ちつけが始まって僕は体を丸めた。

「…………ッああああ♡♡はぁ、はッん♡♡」
「朱華《ヂュファ》……好き、愛してる……はぁ、愛してるよ、ずっと、ずっと、ずーっと愛してる……ッ」

甘い甘い言葉が僕の耳朶を誘惑する。
ずっと、ずっと頭に靄がかかった状態なのに彼が嘘つきだって事は分かってる。そして、愛してるって言われて僕が悲しくなるって事は彼のことを好きなんだろう。どうせもう馬鹿みたいになってるんだから本当の馬鹿になってこの愛も信じてしまったらもっと気持ちいいんのかもしれない。

「はぁ……僕も愛してる」
「朱華?……」
「ぁあ♡♡だから、もっと、もっと精液くださぁ♡♡」
「好《ハオ》……」

霊ヤラレ《れいやられ》中の彼の譫言に返答するのは初めてだったがどうやら意思疎通ができない訳では無いようだ。でも精液が注がれるともうそんな事はどうでもよくなる。僕の気持ちも何もかも快楽が飲み込んでいった。ただ矢張り彼の愛してるは受け入れる事が出来ず、途端に頭痛が酷くなる。

「あぁあああ♡♡♡ゔ……ゔ♡……あ、はぁ♡あん♡あ!」

頭が割れるように痛んで僕は薬を求めるように突き上げられながら床に転がった銀色のケースに手を伸ばした。本能的にそこに注射のアンプルがあると分かってしまったからだ。白翼《バイイー》が止まらないのではぁ、はっ♡と乱れた呼吸のまま震える手でケースを開いた。何種類かの薬剤があったがいつも打たれているものがわかっているので迷わずそれを手に取る。セットしようとするのだけど突き上げが更に激しくなって身悶えてしまった。

「あ!白翼ッ、注射……打つから、……はぁ♡♡んんん♡♡」
「…………不行 プゥーシィン(ダメ)
「や、ぁ♡あああ♡なんで♡♡はぁ、……ッんんん♡♡其れは貴方がッ♡♡」

何故か白翼《バイイー》は薬を取り上げてしまい、精液が溜まっている目の前の便器に放り投げた。僕は慌てて薬剤を取ろうとしたがレバーを押されて、溜まっていた部下達の精液と一緒に流れてしまった。集めろと言われて集めた精液が排水溝へと流れていく。けど、僕は白翼の精液だけ貰えればいいので不都合はなかったが薬は欲しかったので視線を眇めた……その時、首筋に鋭い痛みが走った。

「は?……ぅ?あ?」
「こっち。正解」
「ッッん!…………い、ん♡♡」

別の薬が入った注射器の針が首筋に埋まる。プランジャーロッドが押し込まれていくと僕の表情がひどく歪んだ。
次は何の薬なのか、でもこの注がれている精液さえあれば何でも耐えれる。
はぁ、はぁ……とだらしなく口を開けて呼吸を繰り返し、ゆっくりと体を侵していく薬の感覚に負けないくらい強い打ちつけが始まった。
僕の嫌いな注射針と薬が体内に入ったせいで色んな想いは何処かに消えてしまい、思考も薄れていく。下腹部が膨れるほど中にしどどに注がれる精液に溺れ、酔い、自らも腰を揺らして白翼《バイイー》を誘う。

「はぁ♡♡ぁああっ、は♡精液♡♡せーえき、いっぱい♡♡♡バイ……イのせ……えき、お腹の中ッ♡♡」
「………………」

僕は後ろから突き上げてくる白翼のことすら霞むほど精液に酔っていく。もうなにも考えなくてよくて、今は、……彼の体液を注がれている時だけが幸せだと体が勝手に刻んでいく。
グプン♡グプン♡と大きく音を立てて抽挿《ちゅうそう》が繰り返される。中が、奥が、精液が直腸を満たしてパンパンに膨らませて更に大腸、小腸へと流れ込んでいく。人肌より少し冷たい体液はそれでも温かく、僕を満たして、離さなくて、ずっとずっとこのままで居たい。
──────そう思ったのに。

「ああああ♡あ♡はぁ、……んん♡♡あぁあああ、あ゙?お、え、……あ、え?」

精液によって腹がボテっと妊娠しているかのように膨らみきったころ肉体に異変が起きた。胃が押し上げられて生理的な嘔吐感が襲ってくる。何も食べてないので胃液が上がってきて突き上げられた瞬間吐いてしまった。出たのが精液じゃ無くて良かった等と思考を回してる間もなく突き上げられて、両手を後ろに引っ張られて背が撓る。大きく突き出している腹に変に圧が掛かってしまいまた胃が変に収縮した。
その時僕は、後ろの白翼がやっと気づいてくれたと言うかのように目を輝かしていた事に気づかなかった。
おかしい、精液を注がれ続けているから気持ちいい筈なのに、これだけあれば幸せなはずなのに、腹が痛い、意識がクラクラする。

「あ、まっ!吐くッ、でる、で、ちゃぁ、お、え゙♡あ゙はっ……!」
「はぁ♡朱華好き……好き……はやく、はやく……戻る。ん♡」

白翼《バイイー》には僕の言葉は聞こえているはずなのに意思疎通できた会話は成立しなかった。パツン───♡♡♡っと大きく突き上げられてしまうものだからどうしても嘔吐いてしまう事を止められなかった。体を後ろに折り曲げられ、腹が変な形になり、胃が迫り上がって折り曲げられて、便座に嘔吐して全身が───嫌悪感に震えた。

「──────ッはぁ!?あ゙!?なに、……な、これ、は……ぁ?僕は……?」

ズキンッ───と頭が痛んで僕の瞳が紫色に揺らめいた後その薄い光が宝石のようにパン───っと弾けた。僕が、僕の思考がクリアになる。クリアになった途端受け入れなければならない現実に全身身震いを起こした。

「おかえり」

何の含みもない純粋な『おかえり』が背後から響く。
現状は把握しているつもりだ、僕は白翼《バイイー》の薬によって精液奴隷に堕とされるはずであった。しかし僕はそれを拒むために、能力に掛かる直前に白翼の瞳に映る自分の姿に自己暗示をかけて誰の精液でもではなく、〝白翼の精液〟だけに満たされるように能力の効果を改変して上掛けした。でも、それが、何かによって、いや、朧気に記憶がある……これは、白翼が打った注射のせいで能力の薬の効果が薄れたのか。しかも後ろで僕を相手にしているのは霊ヤラレ《れいやられ》で〝ト〟んでしまっている彼で…………。

「戻った。朱華ッ……ッ、好き、愛してる、いっぱい、いっぱいあげる……ね」
「あ……あッ、ゔ……あ!ぁあああ♡♡」

グリンっッと的確に前立腺を擦り上げてきて目の前に火花が散った。意識がある時の九鬼のように嫌がらせに痛いほど擦ったりはしないが丁度良い気持ちよさで白翼が僕の体を抱きしめたため自由になった片手で口を押さえた。
ダメだ、気持ち良いけど吐きそう。
能力の薬の効果が薄れてしまったので腹を膨らますほど多量に注がれたことに対して嫌悪感しか生まれなかった。当たり前だ、こんな胃が迫り上がる程小腸まで全てを体液でパンパンにされて気持ち良い筈がない。でも、今後ろで犯してるのは〝ト〟んでしまった九鬼なので……拒否すれば殴られる。体を差し出せば……彼が満足すれば終わる。
どうする、どっちにすべきだ。殴られる?我慢する?そもそもちゃんと能力の効果は切れてるのか?僕のメンタルはまだ──────保つのか?
……そうだった。僕にはもう九鬼は興味が無いんだ。
薬に侵されていた間の記憶は朧げなのに、一番最後に九鬼としたセックスが鮮明に脳裏に浮かんだ。
仕方なく、嫌々で、結局嘘ばかりで……、飽きて捨てる手前だった。ならもう、……いい、自分を取り戻せたしこれを最後に消えよう。
だって、霊ヤラレ《れいやられ》中の白翼《バイイー》は───。

「はぁ♡♡愛してる、朱華。あいして、……る、好き、オレの……もの、ボクの……も、の、好き、ずっと一緒♡」

耳元で注がれる純粋な愛の言葉に自然と胸が熱くなった。
彼《霊ヤラレ中の九鬼》はまだ僕を愛してくれているから。なら、受け入れることにした。

「僕も好き…………あ、うッ、んんッ!い、ゔ♡♡」
「オレ?……精液?」
「え?…………はッ、あ♡♡」

白翼《バイイー》の突き上げが止まって、まっすぐな瞳で覗き込んできた。
思いもよらなかった。霊ヤラレ《れいやられ》中の彼と会話した事は無い。
そういえば、僕が能力に侵されている間も会話していたような記憶があるが頭が痛んでうまく思い出せ無かった。
これは、どう返答すれば良いんだろうか……。最後だし、出来るだけ彼の納得がいく返答にしたい。

「ッ……どっち……も」

嘘ではない。
今現段階では気持ち悪いけど白翼の精液を受け入れるのは別に嫌ではない。
しかし、どうやら返答が違ったようで無表情に近い白翼の眉間に皺が寄った。

「不可以《不正解》」
「ぇ?ごめ、んな……ッんん、なっに?……ッ、ぐ、ゔぷ!?」

その時信じられないくらいの激痛が体の中を襲った。
胃が迫り上がるどころか焼けるように痛い。それだけだったらまだいい、これは腸だけじゃなく胃が膨れて…………!?


▽▽ KUKi side ▽▽〈霊ヤラレ〉

好き 好き 好き
愛してる 離れない 離したく無い
オレの中の感情はそれしかない。本能の部分しか要らない。
コレでも色んなことを我慢してるからボクは我慢しない。
キミの気持ちなんて考えないし、ボクの気持ちは受け入れてもらう。
でも、オレが一番じゃ無いのは困る。
精液と同列にされてしまったので、そんなに精液が好きならと全て満たしてやる。
ボクの能力は体液を使うので腸から胃に掛けての弁をこじ開けて逆流させるなんて簡単な事だ。胃液や腸液が変なところに流れて臓器が損傷しても、精液を使って〝創造〟して治す。
今は気分がいいので、少しは朱華の言うことを聞いて胃まで精液で満たしたのに。

「お゙ぇええええッッッ!!ご、……めん、なさ…………ッ」

盛大に便座に吐いてしまった。
要らないのか?要るのか?ワカラナイ。
やっぱり自分を曲げるのは良いことが無いみたいだ。
朱華《ヂュファ》の顔を便座の中に鼻先がつからないギリギリまで押し込んで腸壁を突き上げた。

「お゙!あ゙ぁぁぁぁ♡!!は、……ぅ、え゙ええ゙!!」

タプンと大きくお腹が揺れてそしてまた嘔吐していた。
生臭い臭いとすえた胃酸のにおいが立ち込めたけど慣れてるから気にはならない。
それよりも……。
朱華が便座に溜まった吐き出した精液を舐めようとしていた。
まだ、何も言ってないし、それ、汚い。
なので、少し押さえ付けてる手を緩めたら首をこっちに捻った。

「飲む?」
「……!?……の、のみま……ッ」
「精液、いる?」
「…………ッ、…………ッう」

飲むと聞いたら怯えて首を縦に振って、要るかと聞いたら、ボロボロと涙が溢れた。
朱華《ヂュファ》は泣き虫だ。そして、嘘吐きだ。
でもその涙はとても、うまい。
レロっと涙を舐め上げると小さく震えていた。いつも思うけどもっと素直になるべきだ。
オレみたいに。

レロレロとぜーんぶ舐め取って最後にちゅっと胃液なのか精液なのか分からなかったけど汚れた唇に口付けたら更に堰を切ったように涙が溢れた。

「もう、精液要らないッ……お腹痛いです……でも、これで最後だから……貴方が……お前が、呑んで欲しいなら呑むし、……中に射精したいなら受け入れる……何をされても……僕はお前が……好きだから、愛してるから」

頭も顔もぐっちゃぐっちゃだったけど、男前に吐き出された本心にボクの心が震えた。
どーでも良いと思いたいけど、やっぱりオレが一番でいて貰わないと困る。
素直なのは好き、受け入れてくれるのは好き
拒否は嫌い、抵抗も嫌い
ズルリとペニスを引きずり出すと後ろから抱えるように抱き上げた。
膝下から抱えている手でお腹を揉んでやると朱華《ヂュファ》の顔が引き攣った。

「ま、まっ!ごめんなさい、ごめん、な……あ、出る、で、出る!ぁ゙あああッ!!」

質量が有るものが引き抜かれたので赤く熟れた腸壁が見えていたが、朱華の尻蓋をきゅ♡きゅ♡と括約筋に力を入れて締めた。
要らないものは出した方がいいに決まってるから無駄な抵抗だった。
ぶ、ビュルルルルルっと音を立てて便器の中にボクの精液が飛び散る。朱華は声にならない叫び声をあげて首を振った。
この素直じゃない彼は嫌いだ。
片足を離して便座の上に立たせて片足だけを持ち上げる。
そして、胃のなかもスッキリさせると素直になるかと、口の中に指を突っ込んだ。

「え゙!?お゙、ぇえええ゙……ぅ、はぁ……はぁ……あ、あ……」

口蓋垂まで指を入れて縦に開く。
嘔吐反射を誘って、更に能力で精液を動かすと耐えれず吐き出す。
それからどれくらいの時間繰り返したか分からないけどお尻の穴からも、口からも不要な精液をぜーんぶ綺麗に出したらお腹がぺちゃんこになって元の朱華に完全に戻った。
蒼白い顔で放心状態で便器の中を見つめてる彼はやっぱり綺麗だ。

「分かってた……分かってるんです……僕が物ほどの価値も無いって」

唇を震わせなながら言った言葉の意味が理解できない。
次はきれいにしないといけないので便器の蓋を締めて座らせたら紅い真っ赤に腫れた瞳で見上げてきた。

かわいい。


▲▲ sachio side ▲▲

最後なのに。
最後くらい。
との考えに至ることがそもそも間違ってる。
霊ヤラレ《れいやられ》の白翼相手に返答を間違えるとこうなる事は知っていた。
疑って間違って、まっすぐに答えても間違って。
もうなんて言ったら良いのかわからなかった。

そう、これが僕が九鬼に降った《くだった》後の未来だ。
彼の一挙一動に揺さぶられて、ご機嫌を伺って、結局何も出来ないまま終わるんだ。
知ってた、知ってたのに。
最後くらい満たしてあげたかったな、と、烏滸がましい思いが僕を支配して酷く苦く笑んだ。

さようならかな、と、思ったが次はホースを持っていてまだ終わってないことに深く眉が寄る。
捨てるのに洗う意味がわからない。一生懸命考えて出た答えは、僕の体の中に一滴たりとも精液を残したく無いだった。それなら納得できるから早く終わらせてもらおうと口を開いた。

「あ゙お゙!ゔえ゙!!……!」

ホースが二本に増えて上からも下からも洗われた。
体の中を掻き回されまくって既に激痛なのに更に冷たさも加わってガタガタガタと全身が震えた。
何度も水を飲まされて吐き出されて、満たされて出さされて。プレイではなく本当にただ洗浄された。
酸欠で意識が霞んで、全身が低体温になる直前に終わって、少しでもこの行為で白翼を満たせたのかとそこまで期待せずに見上げたら、───引っ張りあげられると同時にぎゅーッッと強く抱き締められた。

「綺麗……かわいい、愛してる……。愛してる……離さない」

耳が拾った言葉に瞠目した。

髪もぐちゃぐちゃで、顔も泣き腫らして浮腫んでいて、冷たくなって血色も悪い。こんな僕が───

「嘘吐き……うそ、つき、綺麗なわけ無いだろ……こんな、こんなッ」
「朱華……好き」
「もう、嘘つかなくていい。……もう、良い加減に……して下さい」
「朱華?」

心がきれいだとか、中身が綺麗だとかそんな事は思った事ないが自分の顔は綺麗だと知ってる。
でも、今はそれすらも無い。
抵抗する気さえ失せた彼の腕の中はとても温かくて、勝手に最後のご褒美にしてしまおうと背中に手を回そうとした瞬間引き剥がされた。…………寒い、辛い。

「朱華 綺麗」
「……嘘吐き」
「オレ 嘘つかない」
「そんなカタコトで中国人みたいなこと言わないでください」

曇りのない瞳がまっすぐに僕を見つめてきたが彼の本性を知っているので見なかった事にした。
彼は本当に中国人なので自分の返答は矛盾しているなっと片隅で思ったが、なりふり構ってられなかった。
子供のようにぶすっとした顔になったが、そのまままたギューっと抱き締められた。
……意味がわからない。

「我爱你 朱華 
 朱華 我爱你」
「……嘘吐き。どちらから言おうと変わらない」
「オレ 嘘吐かない」
「さっき、聞きました」

霊ヤラレ《れいやられ》の彼はあまり表情がない。でも表情があるいつもの九鬼すら喰えないので何も信じられない。
白翼はぎゅっと僕を抱き締めたまま離さず、ガシガシと頭を掻いていた。
全て嘘でも僕は別に構わないので、この体温だけ、と今度こそ背中に手を回した。
そのまま時が流れる……ずっとこのまま、ずっとこのままでいれたらと思って

───早一時間。白翼《バイイー》は動くことが無かった。
矢張り、意味がわからない。
相手の方が体温が高いが流石にそろそろ寒い、常識的に考えて風邪を引く。……僕は引かないけど。
ちらっと白翼《バイイー》の顔を見たら自然と目が合った。
本当に吸い込まれそうな透き通ったシルバーの瞳をしている。

「満足?」
「え?」
「朱華《ヂュファ》 ギュッとしたかった」
「…………ッ……それは」
「オレも抱き締めていたい オレのこと信じる気、なった?」
「……?なんのこと」
「オレ 嘘つかない」

理解し難かったけど白翼は僕が抱き締めたいと思ったからずっと抱き締めさせてくれたらしい。そしてまた同じ事を告げられる。流石に一時間もこんな酔狂な僕のお願いに付き合ってくれたのだからそれくらいは信じてやろうと首を縦に振る。

「愛してる 朱華」
「僕も愛してますよ。……でももう君の本体には飽きられてしまったので」
「?……ありえない」
「薬の誘惑に負けた僕には興味無いみたいです」
「朱華 ありえない」
「でもそれが現実です。お前もきっと直ぐ僕に興味が無くなる。でも、最後に……愛してもらえたのは嬉しかった……ありがとうございます。白翼《バイイー》」

この抱擁はきっと僕から離れないと終わらないんだろうな。
最後にもう一度だけぎゅっと抱きしめると自ら手を離した。
さようならの時間だ。最後くらい笑って離れようと口角を歪めて下がろうとしたら体がふわっと浮いた。

「ありがとう要らない 言わなくても 好き」
「ばいい……?」

彼は僕を横抱きにしてそこから蓋をしめた便器の上に腰掛けると僕を膝に跨がせた。
離れ難くなるのでやりたいことがあるならさっさと済ませて欲しい。
胸のピアスに手が近づいたのでそういえば装飾品の類は返却していないので引きちぎられるのかなっと悲鳴を上げないように奥歯を噛み、目を閉じるとズルリッッっと───お尻の穴に彼のペニスが埋まった。
胸も愛撫されてもう、理解が及ばない。

「な……にして」
「セックス……は、キモチイ♡♡」
「なっ!……はぁ♡♡なんで、さっき洗った、精液出した」
「朱華《ヂュファ》が要らないっていった」
「……ッ!?……え?」
「でも、出したくなったから……はぁ♡出す」
「な、あああ♡♡♡やッ♡」
「拒否は嫌 でも今日は殴りたく無いから殴らない」
「───ッん♡♡♡♡はぁ♡♡」
「ヂュファ……ッ、愛してる 好き♡……はぁ♡♡♡」
「…………も、わからないッ、やっぱり嘘ッ」

騎乗位なのにクタクタの体は動けなくて揺さぶられるままに突き上げられた。
でも……気持ちよかった。

「朱華、ヂュ……ファ……愛してる……」
「嘘だ……う、そ…………んん♡♡」

僕があまりにも首を横に振ったからか突き上げが止まってしまった。
殴らないって言われたけどやっぱり殴られるのかな……と、視線を逸らしたら唇が塞がれる。
深く唇が合わさって奥まで舌が絡んでくる。駆け引きがない純粋な貪るような口付けにされるがままになって酔いしれながら舌を押し付けていると、ツ……と銀糸を引きながら離れた白翼《バイイー》の顔はご満悦に口角が上がっていた。

「オレ嘘つかない、だってボクは、ボクの本能だから」

…………は?
困惑を何回おかわりしても足りないくらい混乱して、理解に苦しんだ。
彼は別人格のようなものだと思っていたが……本能だと言った。
驚きすぎて声も出ない。

「本能?」
「是《シー(そう)》 オレが好きならボクも好き。オレが好きなのにボクが嫌いはない。したいことしかしない。嘘言わない。朱華《ヂュファ》愛してる」

白翼の言葉はもう……支離滅裂だった。

「好きなのに殴るんですか?」
「好きだから、嫌って言われる嫌、殴る」
「好きなのにあんな冷たい態度取るんですか?」
「?ボクの普段のコト?…………計算?」
「───ッ、た、他人に抱かせるのは?」
「見たいから?」
「…………!?……分かりたく無いけど……それは合ってる気がします」
「普段のボクは……難しい オレもわからないでも……」
「あ♡はぁ、……待って、イきそ…………っ」
「イくの いい、 ダメじゃな……い」
「イき過ぎたら辛い……ッ」
「ダメ……イかせる。愛してる……ッ好き、離さない……は♡」
「あッ、ぁ♡♡……ああ、イく、……イ……♡♡」
「ん……オレも……イ……く♡」

突き上げが再開されると堪らず中が脈打った。
意識が無い時に散々イっていたようで少ししか精液は飛ばなかった。白翼《バイイー》も腸壁が波打つのに逆らって突き上げながら射精したけど止まることなくセックスは続いた。
本能が好きなら……もしかして白翼《バイイー》はまだ僕のことが好き?
もしかしたら今まで通りに戻れる?
少しの希望だけど別に霊ヤラレ《れいやられ》では無い彼の反応を見てから離れてもいいかと、絆されてしまう程耳元で愛の言葉が続いた。

「愛してるッ、……愛してるッ……離さないッ、離れない、ずっと一緒……ずっと、ずっと」
「───ぁ───っ…………はぁ♡…………───ぁ!……う、……ぁ♡」

身も心も満たされた……しかし、霊ヤラレ《れいやられ》の九鬼のセックスはなかなか終わらなかった。
溜め込むと長くなる傾向があると新しいデータが取れたはいいが、彼はどれだけ溜め込んだんだ……。
最終的には床に転がって僕に覆い被さったまま抱き締めて電池が切れたように動かなくなった。
勿論僕も意識を失った。


▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


▽▽ KUKI side ▽▽

かなーり時間が経過してからボクは意識を、……ボクを取り戻した。
しかし、もうすでに事は全て終わってしまっていた。
体も痛いし、チンコも痛い。

「うー……アイタタタ、チンコ痛い……でも、スッキリしてる。コレはやり尽くした後の感覚……!!」

目覚めは最高で最悪だった。
ボクは霊ヤラレ《れいやられ》最中に〝ト〟んでしまうとその間の記憶は無くなってしまう。
どれだけセックスをしても相手のことだけでなく、自分の気持ちよさも覚えていない。そして、ザンネンなことに左千夫クンが密室を造ったのでビデオにも撮れていない。いつの間にか全裸できれいとは言い難い床に仰向けに転がっているけど清々しいほどにスッキリはしていた。折角左千夫くんの為に蓄積していた精液も使い果たしてしまったようだ。

「……ッ、んん……頭……が」

直ぐ横に視線を向けると同じく左千夫くんが転がっていて直ぐそばに能力解除用の空になった注射器が割れて転がっていた。
もーこうなったら素直にシテヤラレタと認めるしかないのでハァーと大きく息を吐いてから左千夫くんを無理矢理抱きしめて引っ張ってくると自然と目が合った。そして次の瞬間、〝殺す〟と言わんばかりに眉が寄って殺気立ったので笑ってしまった。

「プッ、ハハハハッ」
「ばい……九鬼、僕怒ってるんですが……」
「ゴメンゴメン~。やっぱり左千夫クンはこうじゃないとネ~」
「意味が……わかりません。それよりも僕は風呂に入りたい」

確かに異臭が漂ってるし、左千夫クンもボクも精液まみれでお世辞にもきれいとは言えなかった。
それでもいつも通りの彼の言葉にどこかホッとしてしまって情けなく眉が下がった。
メチャクチャ嫌そうな顔のまま立ちあがろうとしたのでそのまま抱き上げて密室も能力で元の床へと戻すと額に口付けした。

「……ッ、自分で……!」
「このアジトのお風呂おっきいヨ~。だから、一緒に入ろっか?」
「……しかた、無いですね」

ボクはいつも通りに左千夫クンに笑いかけた筈なんだけど左千夫くんはボクの表情を見た後一度固まっていた。それから顔を赤くして渋々だけど了解の意を貰えたので部屋の後処理を部下である井上に頼んでから大浴場に向かった。
左千夫くんがボクの首に腕を回して肩口に顔を隠してしまったので彼の瞳が赤く揺らめいたことをこの時のボクは気づかなかった。


end

〈あとがき〉
美麗な彼氏の男の潮吹き講座→戦闘奴隷の射精管理と調教日誌やっと完結しました!!
お付き合いいただきありがとうございます。

この後、【Z日目★後日・完堕ち香主《シャン ジュゥ》の精液奴隷】が公開されます。ただのドEROですがもう少しお付き合い下さい!笑
駆け引きのない後日EROをどうぞ~。あ、でも追加オチは【Z日目★後日・完堕ち香主《シャン ジュゥ》の精液奴隷】にあります!お楽しみに!

今回かなり反響があり嬉しい限りです。
感想等いただけると泣いて喜びます。
そして、次回は高校生時代に戻って付き合うまでの馴れ初め予定です。これは内容が濃く、エッチは薄くなります。薄くなると言ってもプレイ内容の話ですが。笑
その後は、勝手に能力共用おせっせと、【許嫁が乗り込んできて気付いたけど、僕のほうが悪役令嬢(令息)だった(仮)】が始まる予定です。今後共よろしくお願いします!いるかとう
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