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過去編
⚫︎初めての誕生日(モブ×左千夫/九鬼×左千夫/薬師河×左千夫)
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初めての誕生日(モブ×左千夫/九鬼×左千夫/薬師河×左千夫)
【神功左千夫】
昨日は一睡も出来なかった。
しかも、九鬼は手を出してくるどころか横で静かな寝息を立てて寝ていた。
本当に殺したくなるほどの殺意を覚えたが殺してしまうとこれを取るのが更に難しくなる。
持ってきていた替えのジャージに身を包むと貞操帯の痛みに耐えながらクラスメイトと朝食を取る。
今日は自由行動、自由帰宅なのが幸いだ。
これが終わったらさっさと帰ってしまおう、はっきり言って立ってるのも辛い。
朝食を取る間も何度かバイブが作動して体を丸める様にしてやり過ごした。
声を抑えるのももう限界だ。
膀胱がパンパンになってきたのか、痛みを持ちだしたのでトイレに向かう。
貞操帯のせいで立っては出来なかったので個室を開くとそこは和式トイレだった。
いろんな意味で屈辱で仕方が無い。
そこに跨いで尿道のカテーテルの蓋になっている部分を外すと自然に尿が漏れだした。
しかし、排尿感は無いのだ。
ただ小水が流れて行っているだけで出し切るまで止めることも出来ない。
蓋をしてしまえばいいのだが、出し切らないとまた直ぐに痛みが襲うだろう。
そう思っている際にまた、後ろのバイブが動き出す。
「………あっ!!……く……はッ……こんな……ときに」
バイブ音が静かなのが救いだなと余計なことを考えるしかやり過ごす方法は無い。
ペニスの管に蓋をし直すとトイレの個室から出る。
よたよたと歩きながらトイレを後にすると更に森の奥へと向かった。
その時僕は気付かなかった、誰かに後をつけられていることを…。
大きな大木を両手で殴る。
それでも快楽は全く飛ばない、ズボンの上からガシャガシャと貞操帯をずらそうとしたがびくともしない。
これは昨日から何度もやっているが諦めきれないのだ。
その時僕の目の前の木に影が映った。
後ろを振り返ろうとしたときには既に遅く僕の体は木に押さえ付けられてしまった。
「こんなところで何をしているのかな、神功君…?」
体育教師の声だ、彼はゆっくりと僕の体を弄り始めた。
僕は今携帯を所持していないし、せめて正面を向かないと催眠術は掛けることが出来ない。
まずい流れだ。
【体育教師】
神功左千夫…彼の事はずっと前から気になっていた。
整った顔立ち、スラリとした肢体、目を離すことができない美しい笑顔、全てが俺の好みだった。
もちろん彼は男で生徒だということも分かっている。
けれど、彼に触れたい、抱きたい―――――犯したい。
そんな欲求は彼を見るたびにどんどん強くなって行った。
この林間学校でもそんな感情を抑え込むのに必死で我慢していたが、そんな俺に素晴らしい転機が訪れる。
三日目、生徒達は自由行動だったので、他の先生方と片付けや羽目を外している生徒の指導などで忙しく動き回っていた。
しかし、俺は見つけてしまった。
森の奥へと向かっている神功君を。
その表情は曇っていて、今日一日体調が悪そうなことには気づいていた。
彼を心配していると同時に、その流れでどうにか彼を抱けないかという思考に辿り着いてしまう。
もう俺は我慢できなかった。
先生方にバレないように抜け出し、彼の後を追うと彼は下半身の何かを触るような行動を見せた。
何かを外そうとしている…?
彼は覗いている俺に気づいていないようで背を向けていたが、後ろから彼を見るとジャージの下半身のラインが堪らなく俺を興奮させる。
あの綺麗なケツへぶち込みたい……ぶち込みたい…。
気づけば彼の真後ろに立ち、気づいて振り向かれる前に木へと押し付けてしまっていた。
「こんなところで何をしているのかな、神功君…?」
手は止まらなかった。
彼の胸元から腰、全てを確認するように弄っていく。
下半身へと手を伸ばした瞬間、固い何かが当たった。
「…?」
彼を抑えつけたままジャージのズボンを思い切り脱がすと、そこには下着はあらず、貞操帯が木陰から射しこんだ光に照らされ黒光りしていた。
衝撃的だった。
優等生の彼がこんなものをつけているなんて。
それと同時に俺の下半身は一気に反り立っていく。
息を荒くし、貞操帯をガシャガシャと揺らしながら彼に向かって叫んだ。
「なんだ…これは!!優等生の君がこんなものをつけて!!
君は…変態だったのか!!先生は失望したよ!!
だ、だから…………こんなものをつけている生徒には、きちんと指導してやらんと、なぁ…」
語尾に熱が籠り、彼の甘い香りのする首筋を夢中で激しく舐め上げながら、乳首を抓りあげる。
膨らんだ股間を彼の身体になすりつけるように密着させると、幸福で声が漏れた。
俺はもう彼を犯す事しか頭にない。
アナルへと手を伸ばすと、どうやらそこは蓋になっており簡単に開くことができた。
指を無理矢理突っ込もうかと思ったが、何かが先にはめ込まれていることに気づく。
それはバイブだった。
「っ……こんなのずっといれてたのか…?淫乱め!!!」
彼の尻を何度か強く叩いてやると、アナルに嵌っているバイブをぐりぐりとかき回す様に動かしてやった。
【神功左千夫】
これはマズイな…。
どうにかして後ろの教師を抑えなけらばならないと分かっているのに頭が回らない。
「や、止めて下さい…先生。……きょ、教師とも有ろうお方が…そんなことをしては…ッ!!」
僕の言葉を聞いていない程彼は興奮していたらしい。
たまにこういうことは有る。
今までは難なくかわしてきたのだが今日は日が悪い。
否、きっと、欲情した僕が彼を引き寄せてしまったんだろう。
ズボンを引きずり降ろされると貞操帯が露わになる。
ここで引いてくれればよかったものの彼は逆に欲情してしまったらしい。
がっちりとしたガタイに押さえこまれてしまうと僕の体格では体を返すことが出来ない。
普段なら体を這う手は不快で、気持ち悪さしか感じないのに。
射精を塞がれているからか、とても気持ちいいものに感じてしまって思わず身震いを起こした。
「違うんです…ッ、ヒィ!!先生ッ…僕の話を、……ぁ!……ぐ!!掻きまわしたら……ぃ、痛ッ!ぅ!!」
抓られた乳首は既に芯を持ち、服に擦れるだけで愉悦だった。
血液が溜まるペニスを貞操帯が容赦なく押し付ける。
僕は木にしがみつくようにその激痛に耐えるしかない。
頭が真っ白になってどうしたらいいのか分からない。
尻を叩かれ、良い音が辺りに響き渡る、それすら快楽だった。
強引にバイブを動かされると苦痛で仕方なかったが、もしかしたら、このまま絶頂出来るかもしれない期待に僕は喉を動かした。
射精はできないが、このまま無理に前立腺を擦られ続けたらドライはできるかもしれない。
そうしたら、冷静になれてこの教師もどうにか出来るかもしれない。
むちゃくちゃに掻きまわされていたので、僕は自分から前立腺に当てる様に小さく腰を動かした。
浅はかだと思ったがもう、それくらいイきたくて仕方なかったんだ。
【体育教師】
「こんなことされて気持ちいいんだろうが!先生は悲しいぞ!!!」
俺はバイブで腸壁を犯していく。
彼が少し腰を動かしたことに気がよくなり、興奮で下半身も完全に勃起した。
我慢なんてできるわけがない。
抱きたかった神功が目の前でこんな痴態をさらしているんだ。
今すぐに挿れたい…!!
ズボンを脱ぎ捨てると、彼の足を閉じさせ、股の間にペニスを擦りつける。
これだけでもイッてしまいそうだった。
「はーッ…はーッ…もう…もう先生……だめだ…っ」
荒く息を吐きながら、余裕のない声を漏らすと、中を掻き乱していたバイブを一気に引き抜いてやった。
さっきまで彼の中に入っていたバイブの先端をべろべろと舐め上げる。
彼の味が口内に広がって興奮で頭がおかしくなってしまいそうだ。
そのまま彼のアナルへ勃起したペニスを突きつけるとおもむろに腰を動かし始めた。
「アッアアアッたまらん!神功君の中ッたまらんんんん!!!」
あんなものを突っ込まれていたにも関わらず、彼の中はとてつもなく締まりがよかった。
彼の首筋へと涎を垂らしながら、バイブもじゅぼじゅぼと舐め上げる。
「んぐううううう!!イグッ!!イグぞおおおお!!!」
数回突き上げただけで俺は彼の中へと射精してしまった。
幸福で、身体が激しく痙攣する。
これが夢でも現実でも、もう、どうでもいい。
【神功左千夫】
「あぐっ……まっ……て、先生ッ!……はっ、ちょ、やめてくだ―――ッ!!痛いッ、痛ッ、ぐ!!」
胎内を荒らしているバイブは直ぐに引き抜かれてしまった。
僕は一つ過ちを犯していた。
後ろで僕を犯しているのは普通の教師なのだ。
九鬼のようにねちっこく行為をしてくれる訳が無い。
昔の研究者のように自分の欲望を吐き出してそれで終わりなんだ。
直ぐに胎内を割る様にペニスが入ってきた。
体全体が木に擦りつけられて痛い。
それだけ押し付けられても僕のペニスには何も感じない。
はやく、はやく、イかなければ終わってしまう。
僕の思いも虚しく、後ろの先生は直ぐに射精した。
そして、腰の動きがゆっくりになると涙を流した。
イけない…こんなんじゃイけない……。
「………ぅ、……もう、イかせて……イかせて」
木に額を付けすすり泣く様に声を上げる。
僕の頭の中は一人の人物でいっぱいだった。
また、胎内で先生のペニスに血液が集まるのが分かった。
もう嫌だ、こんなめちゃくちゃに突き上げられたって、イけない、気持ち良くない。
そう思った瞬間、後ろの気配が無くなる。
「うぐ!!!?」
僕が木から顔を上げ、後ろを振り向くと先程まで僕に突っ込んで腰を振っていた体育教員は頬を思いっきり殴られ気絶していた。
そして、直ぐ前に人影が移動する。
その気配は紛れもない、九鬼のものだった。
現実が理解できない、彼が僕を助けてくれたのか。
「……九鬼………――――ッ」
彼の名を呼び彼を見上げた。
内腿には他人の体液が伝って気持ち悪い。
いつものようにニコニコしている彼が其処に居ると思ったのに僕の予想は外れた。
「何のつもり?」
そこに居た彼に僕の喉は引き攣る、冷たい声に冷や汗がどっと出た。
恐怖で唇が震えた。
そこに居るのは、そう、この前戦った時に見せた表情、黒鬼そのものだった。
【九鬼】
少し目を離した隙だった。
さっさと左千夫クンと一緒に帰ってしまおうと思っていたのに、彼は一人でふらりとどこかへ行ってしまっていた。
その彼をやっと見つけた時に、ボクは「一番嫌な光景」を目にしてしまった。
ボクは昔から、自分の大好きな人や物が、ボクの目の届かない所で楽しいことをしていたり、使われたり、壊されたりするのが大嫌いだ。
それが、今目の前で起こっている。
左千夫クンが男に犯されていた。
大好きな人を誰かに犯されている、というシチュエーションに怒りを覚えたのではなく、彼がボクの目の届かない所で卑猥なことをしているのが許せなかった。
せめて犯されるならボクの目の前でして欲しい。
この特殊な感情に名前をつけることが、未だにボクはできなかった。
体育教師を殴り飛ばしてから、彼の目の前に立つ。
自分でも気づいてはいたが、この時のボクは、もう「ボク」ではなかった。
「何のつもり?オレの見てないとこで何やってんの?」
怯えた表情を見せる彼の首を絞めるように木へと強く押し付けると、口端だけあげて笑う。
「助けに来たわけじゃねぇから。
お前が易々とオレの見てないところで犯されてるっつーことに怒ってんだよ」
そう言うと彼の腹に膝蹴りを数発くらわせ、首を絞めていた手を離す。
だらりと垂れさがった身体が力なく地に落ちると、彼の顎を無理矢理掴んでこちらへ向けさせた。
「あいつにイかせてもらいたかったのか?この淫乱が。
バイブも取るなって約束したはずなんだけどなぁ…」
地面に落ちていた、あの男の唾液でベタベタになったバイブを手に取り、再びそれをアナルへと突き刺す。
前立腺をじらす様に刺激しながら、彼を見て笑った。
「イかせてくださいって言ったらイかせてやるぞ?」
もちろん今彼がどんなに頼み込もうが、イかせる気などない。
彼を快楽の淵に立たせては止める、その行為を何度も何度も繰り返してやる。
【神功左千夫】
呼吸が引き攣る、動悸がする。
当たり前だ、僕は彼と同じ位置に立てていない。
完全に彼に体が支配されたのが分かった。
振るわれる暴力より心が痛い。
「ぁ―――ぐ!!!ク!!かはっ……あ゛、……ィ!!そんな……勝手……です、元はと言えば――――!!!!」
完全に体は彼に怯えていた。
嫌われるかもしれない、その恐怖が一番強かった。
しかし、そんなことお構いなしに彼は無理矢理僕の瞳を見つめる。
地に伏せていた顔を無理矢理上げられたが反抗できない。
「――――ッゥゥ!!!あぐ!いやっ!やめてッ!!だ、め…です、あ゛あ!ひぐ!ぅ……イかせてッ、イかせてクダサイ…!!」
ぬるついたバイブが突っ込まれる。
もう体も心も限界なのに容赦なく前立腺を突き上げられた。
焦った僕は早々と彼におねだりをする。
先程の男とは違い的確にポイントを抉られ直ぐに高みに昇って行くけど、彼は僕を完全に分かっていて、絶頂前に止めてしまう。
勿論、僕のおねだりなんてもう彼は聞いていないんだ。
「は……お願い…した…おねがい…したの……に……ぁああ!!やだ、も、無理……ッ、痛いッ、痛いッ!!」
場所も忘れて僕は叫んだ。
ぽたぽたと涙が頬を伝う。
逃げる様に体を丸めたのに仰向けになる様に転がされてしまった。
そして、またバイブの抜き差しが始まる。
駄目だ、もう痛みと恐怖と快楽で狂ってしまう。
何時間経っただろう、いや、もしかしたらそんなに時間は経過していなかったのかもしれない。
僕は口端から涎をダラダラと垂らし、もう、声も掠れてほとんど出なかった。
一生懸命九鬼を押し返していた腕や脚はだらんと地に沈んだままで、指先を動かすこともままらなかった。
また、九鬼の手が動く。
僕の体はビクビク痙攣したけど、もう抗う体力が無かった。
快楽だけが上がって行き、そして、彼の手が止まると冷めて行く。
涙が地面を濡らした。
僕の体力が限界に来てそのまま声無く意識を飛ばす。
もう、どこが痛いか分からない位全身が痛かった。
【九鬼】
「…寝ちゃったか……」
彼の意識が無くなったので、ざわついていたボクの中の黒鬼も静かになっていく。
待たせていた車に彼を運び込むと、そのまま家まで運んでいった。
体育教師はもうどうでもいい。
あの一発で記憶ぐらいは飛んでいるだろう。
さて、これからが楽しみだ。約束を破った彼をお仕置きしてあげなければいけない。
奥底から込み上がる笑いを堪えるようにボクは口元を抑え静かに笑った。
マンションの空き室へ彼を連れ込むと、ひとまず貞操帯のペニス側の蓋を開く。
尿が流れ出ると、管を抜き取り、その後に用意しておいたブジーをゆっくりと挿した。
彼は完璧に気を失っているのか、目は覚まさない。
その唇に軽くキスを落とす。
「起きたら大変なことになってるとも知らないで…よく寝てる」
髪を撫でながら微笑んだ後、能力を使い部屋を二つに割るような壁を作る。
左千夫クンの腰元を支えるように壁ができあがると、ボクがいる方に上半身、向こう側に下半身、という身動きが取れない体勢になった。
ある程度はもうすでに用意してもらっていたので、大体の設備も整っている。
これからすることは…まぁパーティみたいなものだ。
誕生日を迎えた彼を、みんなに祝ってもらう。
そして、ボクはここで一人彼の善がり苦しむ顔を楽しむんだ。
彼は今からたくさんの汚い大人達にハメられることになるだろう。
まだ目覚めることがない彼の前にイスを置き、そこに座って彼の頬を軽く叩いた。
「ね、起きてヨ、左千夫クン」
何度か叩いた所で彼は小さく反応を返した。
【神功左千夫】
どうやら僕は気を失っていたようだ。
頬を叩かれて初めて自分が部屋に居ることに気付いた。
「………?―――ッ!!?こ、これはどういうことですか、九鬼!!」
まずは朧げに辺りを見渡した。
それから腰に違和感を感じる。
と、言うか動けないんだ。
僕は壁の穴にすっぽり嵌ってしまって抜け出せない。
穴と言っても隙間など無く、僕の腰回りにフィットしている。
腰から上、即ち上半身だけ目の前で椅子に座っている九鬼に晒されている状態になっている。
下半身は違う部屋に晒されていることになるので体を捩ってもどうなっているかは見えない。
相変わらず貞操帯は嵌められたままの様でペニスが圧迫されている。
尿道もまだ何かが嵌ったままだ。
僕が彼を睨みつけてからじたばたしていると、突如尻を撫で上げられた。
「──────ッ、誰……。」
『九鬼さーん。今回はかなり上玉じゃないですか?こんな可愛いケツにつっこんじゃって良いんですか?』
隔たる壁で完全に防音になっているのか声は上に有るスピーカーから聞こえた。
もしかして…。
僕はまた、見ず知らずの相手に犯されるのか。
意味が分からない。
彼にとっての僕とは何なのだろうか。
絶望に染まった瞳で見上げた九鬼は相変わらずの笑みで僕を見下ろしていた。
【九鬼】
やはり彼はこの状態に驚いたみたいだ。
身動きなんて取れないから、睨みつけられるだけで終わるんだけど。
あちら側の声がスピーカーに届いた。
この壁は防音になっているので、マイクを繋げなければあちらにも声は届かない。
「んーいいヨー。彼、淫乱だからこんなことされて嬉しがってるヨ。めいっぱい楽しんでって」
左千夫クンに笑顔を向けながら客人へと返事を返す。
さて、事が始まる前に彼に取り付けておかなければならないものがある。
銀色の首輪のようなものを取り出すと、それを彼の首へと嵌めた。
「今からたくさんの人に弄ばれちゃうけど、君が勝手にイかないように制御しとこうと思って。
イきそうになったら電流流れるから。気をつけてネ」
ガッチリと彼の首元へはめ込むと、頭をよしよしと撫でてあげた。
彼は何故ボクがこんな酷いことをするのだろうと思っているだろう。
もちろんそれは彼が好きだからだ。
酷い事をしているなんてボク自身は微塵も思っちゃいない。
そもそもこれは彼がボクの約束を破った罰だ。
「これぐらいで済んでよかったって思ってよネ。あの時ボク完全にキレてたから」
椅子に座りなおすと頬杖を付き、彼の上半身のみを眺める。
なんとも滑稽だ。
これから彼が乱れる姿を一人で堪能できるなんて想像するだけで興奮してしまう。
マイクをオンにすると、開始の合図を送った。
「レッツショーターイム♪」
【神功左千夫】
「……ッ!違います────。九鬼……そんな、僕……もう……」
勿論壁越しに居る輩はそんな僕の言葉など聞いていない。
九鬼の友達かはたまた、彼の所属しているマフィアの下っ端か、ただ招かれた客か。
僕には顔を確認することも出来なかったが。
頭を撫でられると泣きそうに顔が歪んだ。
しかも、彼はこれくらいでと表現する。
確かにあんな一般人に襲われたのは、想定外だったが、こんな仕打ちをしなくてもいいと思う。
あの時の彼を思い出すだけで体が震えるのが分かった。
「レッツショーターイム♪」
その言葉を合図に僕への愛撫が始まった。
一度体を洗われたのか胎内の気持ち悪さは無かった。
これからどうせ汚れると言うのにその辺りの神経は僕には分からない。
無遠慮にアナルに瓶を突っ込まれる。そうして中身を流しこまれた瞬間に僕は拳を握り締め俯いた。
「あぁ!!!痛いッ、……はぅ!ぐ……ん、んん!!」
それは昨日も塗られたスパイスだった。
一気に僕の体の熱が上がる。
他の一人がペニスの貞操帯の無い先端にも満遍なく塗り始めた。
液体を遠慮なく注がれると、その後は粉も塗りこまれていく。
皮膚が辛さで火傷して下半身が別のものに思えるほどに激痛だった。
「おい。なんか、叫んでるみたいだけど、大丈夫かよ。」
「大丈夫だって、九鬼さんが好きにしろつーことはこれぐらいじゃ満足しねーってことだよ。
道具もいっぱい置いてあるし、しっかり遊んでやれ。
そう言えば、九鬼さん、最近クラブにあんまり来ませんね。本命でも出来ましたか?」
僕が完全に激痛と格闘している中、壁の向こうの人物は悠長に九鬼と会話していた。
そして、早々と違う人物が僕の中にペニスを挿入していく。
「はっ!コイツんなかマジ、キチぃ…。すぐいっちまいそうだぜ?」
「マジかよ、俺にも早く回せよな。」
四、五人居るのか色んな人物の声が聞こえた。
一人目は早々と僕の中で果てたようだ。
貞操帯の中の僕のペニスも痛み始めた。
なんとか、抜けることが出来ないかと壁に手を付きながら体を押し出そうとするが徒労に終わるだけだった。
【九鬼】
彼の表情が歪み、室内に悲痛な叫びがこだました。
向こう側の部下たちはボクが「楽しんで」と言えば容赦なく攻めたてるだろう。
目の前で乱れる彼を見るのはたまらなく興奮し、下半身が徐々に膨らみを増していく。
あちら側からの声がスピーカーから聞こえる。
「本命?さて、どうかナ~……ま、また気が向いたら行かせてもらうヨ」
今までボクは夜中はほとんど眠らずに夜遊びをしていた。
クラブ、キャバクラ、風俗…よく遊び回ったものだ。
ただ、今は付き合い程度でしか顔も出していない。
「…こんなに大好きな左千夫クンを置いて、遊びに出かけられるわけがないもんね」
マイクをオフにし、彼にだけ伝えるように囁く。
頬を撫で、睨みつけてくる瞳を見つめるだけで興奮があふれ出し、熱の籠った息を吐いた。
「好きだよ、左千夫クン」
今こんなことを言っても、彼には全く伝わらないだろう。
それでいいんだ。
唇を舌でなぞる様にキスを落とし、イタズラに微笑んだ。
【神功左千夫】
彼がまた嘘を吐く。
こんな時ぐらいもう少しマシな嘘をついて欲しい。
仮にも今日は僕の誕生日なんだ。
舐めるようなキスは心地よかった。
少しそれに浸りそうになったが慌てて僕はそれを掻き消す様にその舌に噛み付く。
結局避けられてしまった為噛み付くことは叶わなかった。
また、次の人物が挿入してくる。
その間に違う人物が尿道に有るブジーを動かし始めた。
激痛と一緒に快楽が沸き起こり、快楽が勝ち始める。
締まらない口からダラダラと涎が垂れ意識が霞み始める。
「は!!!あ゛あ゛ぁぁぁ!!!!あ、やめて、やめて、も、イく、イく……ッ、ぁ゛…!?ヒッ!ぎッ……ぅあ、アアアッ!!!」
もうイく、そう思った瞬間全身に電流が流れ体を弛緩させてしまう。
また、焼けるような現実に燻ぶられている様な状態に無理矢理戻される。
そうなるとまた直ぐに体は絶頂を迎えようとするので、何度も何度も僕の体に電流が流れた。
「ぁああああッ!!!おかしくな―――ぁ゛あ゛!!!ひぐ!!ぅ、ぐ!!ぁああああああ゛!!頭がッ!頭がッ!!」
痛い。どこもかしこも痛い。
そして、気持ちいい、もどかしい、出したい、射精したい。
そればかりが頭を支配する。
僕の陰嚢は貞操帯の中でパンパンに膨らんでいた。
気絶しても容赦なく突き上げられる為目を覚ます。
もう、何人に犯されたのかも分からない。
あれから湯を流しこまれ中を洗われた。
次は催淫剤を塗りこめられ、精液を注がれる。
尻を叩かれ、蹴られ、良いことなんて何もない。
僕の気力の方が先に尽きてしまいそうなほど、ぐったりと地に顔を伏せた。
「はぁ………はぁ………ぁ………く………ひ、……ぐ」
客の入れ変わりが唯一の休憩だった。
顔は涙と鼻水と涎でぐちゃぐちゃだ。
九鬼は相変わらず、僕には興味を示さず、前の椅子に座ったままだった。
また、後ろで気配がする。
その恐怖に喉を上下させた。
【九鬼】
あちら側からはマイクが常にオンになっているので、彼を眺めながら大体下半身がどんなことをされているのかが想像がついた。
狂うような喘ぎをあげる彼を眺めながら、優雅に読書をしていると、あちら側の状況が変わったようだった。
『ちょ、あんた誰──────』
その声を最後に繋がっていたマイクがオフにされた。
静まり返る部屋に左千夫クンの荒い息遣いが響く。
「…?」
おかしいなと思い、席を立とうとした瞬間、左千夫クンの反応が明らかに変わった。
「ぁ……ぁ、待って、待って。……そこは、ぁ、そこも……ぁああっ!!!だめっ、ごめんなさい、ごめんなさい、ぼ、僕が、僕が悪かったから、僕が、……もうだ、め、…九鬼、……やめ、させて……ぁ、ああっ!!」
先ほどとは違い、かなり気持ちよさそうに喘いでいる。
今までは痛みが勝っていたような表情だったが、その顔も異様に緩み、やめさせてほしいと言いつつもかなり感じているようだった。
考えられることはひとつ、隣の部屋で挿入する人物が変わった。
ボクの部下で彼をここまで感じさせることができる奴なんて思いつかない。
それにマイクが切られたのも気になる。
悲願しながら喘ぐ左千夫クンを置いて、隣の部屋へと向かった。
ドアを開けると、部下が数人倒れているのが見えた。
そして今起きている状況がわからないと言った瞳で部屋へ入ったボクの顔を見ている。
その原因は左千夫クンの真後ろに立っている黒髪の人物…。
「……なーんで君がここにいるのかなぁ……薬師河」
それは絶有主高校の副会長、薬師河悠都だった。
「面白いことやってるって聞いたから……来たよ」
左千夫クンのアナルを指で弄りながら、余裕そうな笑顔を向けた。
ボクはこいつがどちらかと言うと嫌いだ。
左千夫クンを拷問した時に、吐き気がするほど甘いセックスを見せつけられたせいもあったが。
それとは別に、こいつは左千夫クンの事を良く知っているのが気に食わない。
性格や好みはもちろん、身体の中のことも…色々だ。
「君を呼んだ覚えはないケド?」
「そうだね、でも左千夫の誕生日なのに祝ってあげないなんてかわいそうじゃないか」
話しが噛みあわないためボクは深くため息をついた。
その間も薬師河は左千夫クンを攻めたてた。
彼の喘ぎがスピーカーから響き渡るのがまた胸糞悪い。
「…何言っても止めそうにないネ……ま、いいよ、楽しんだら」
「え、いいの?じゃあ……借りるね、君の左千夫を」
また嫌味な言い方をする奴だ。
ここで闘うのも無駄骨だろうし、意味がないのもわかっているので、ひらひらと手を振りながら、ボクはさっきの部屋へと戻った。
【神功左千夫】
非情にも九鬼は僕を置いて出て行ってしまった。
先程までとは違う的確に前立腺を僕が好むスピードで突き上げて行く。
この感覚は前にも経験した。
露呪祢でリンチにあった時だ。
「はぁ、九鬼……ッ!!そこに、そこに、居るのでしょ、やめさせて、やめッ、ぁああああ!!も、イかせて、イけない、ぃああああッ!!だめ、だめッ」
あちらの部屋のマイクが切られたのか全く声が聞こえなかった。
本当に誰なんだ。
そして、なんでこんなに気持ちがいい。
僕は絶頂前のもどかしい状態でずっと止まったままだ。
イきそうになり、電流を流され弛緩、そして、痙攣を繰り返している。
頭を振り、髪を振り乱しながら僕は喘いだ。
しかし、挿入されている指は全く止まる気配が無い。
その時、九鬼が戻ってきたので彼に欲に塗れたぐちゃぐちゃの顔を向ける。
「く、き……く…き、僕が、僕が、悪かったです…ひぐ、油断した、僕が悪かったから……もう、許して下さい…ッ、おねがいします。ぁあああっ、だめ、イく―――――ッううう!!!はッ、イきたい、イきたッ、ンン!!」
九鬼は先程より機嫌が悪い様子で僕には目もくれず、また、椅子へと戻って行った。
余りの我慢できない快楽にどうしたらいいか分からなくなった僕は両手を思いっきり地面へと打ち付けた。
そうすると、途端にブジーを尿道から引き抜かれ、自然と体が撓る。
【薬師河悠都】
「またこんな酷いことされてるんだね…」
彼に声は届かない。顔さえも見れない。
この方がボクにとっては都合がいいけど、せめて彼の顔だけは見て帰りたかった。
そんなことを考えながら、彼の前立腺を指で刺激し続ける。
スピーカーから聞こえる声からして、ドライもできない状態なんだろう。
この状況で前立腺を刺激しつづけたらたまったもんじゃないのはわかる。
「でも……九鬼にこの後いっぱい気持ちよくしてもらうんでしょ?」
独り言をつぶやきながら、彼のペニスに刺さったブジーを抜き取った。
勃起もままならないペニスは赤らみ、とても息苦しそうだ。
本当に彼は酷いことをする。
周りの取り巻きも九鬼が来たので手を出す事はないようだった。
そのまま彼のアナルを拡げると、赤く充血した周辺がヒクヒクと痙攣している。
そこに長い舌を挿しこむと、彼の中の気持ちいい部分を器用に突いてやる。
少しヒリヒリと舌が痛い。
何かを注がれていたのだろう。僕の舌で綺麗にしてあげないと。
その一心で彼の中を舌で抉って行く。
周りにはたくさん玩具があったが、僕は玩具を使うのはあまり好きではない。
自分のモノだけで相手を満足させてやりたかった。
でも彼はイケないし…。
舌を抜き取ると唾液が伝って地面へと落ちる。
濡れたアナルがボクの物を欲しがっているように思えた。
「いくつも咥えていたのにね、いつの間に君はそんなに淫乱になったんだい?」
左千夫がどこか遠くに行ったような気がした。
あの頃は二人で夢中で抱き合っていたと言うのに。
「…少し僕を思い出させてあげないといけないね」
そう言うと僕はすでに勃起した自分のペニスを取り出し、持って来ていたコンドームを取り付けた。
周りがそれを見て息を飲むのがわかったので、小さく苦笑を漏らす。
そのまま彼の身体に密着し、アナルにペニスの先端を宛がうと、先端だけ挿しこんでやる。
さて、このまま止まっていたら、左千夫はどんな反応を示すかな。
欲しがって喘ぐだろうか。
それともやめろと言うだろうか。
僕から声をかけることはできない。
そのまま左千夫の声がするまで、微動だにせずその状態で彼からの「お願い」が上がるのを待った。
【神功左千夫】
「はッ………んん……もう、痛い…から、止めて……はぁ……ぁあッ!!いっ!……ぅぅ。」
もうすすり泣くしか出来なかった。
足をばたつかせても相手に当たりすらしない。
柔らかいモノがアナルを押し割って入ってくる。
舌で有ろうが、異様に長い。
指とは違う柔らかい攻め、僕はもともと燻ぶって死にそうだと言うのに、そんな柔らかい刺激を与えられたら堪らない。
しかし、彼の唾液のおかげか炎症はだいぶましになったようだ。
直ぐ前の九鬼しか縋るものが無くて僕は手を伸ばし、彼の足首を掴んだり離したりを繰り返す。
「………ッ――――?…………ぅ、……、どういう、ぁ………ッ―――。」
舌が抜かれたのでいよいよ性器が入ってくると思った。
予想通り僕のアナルは割り開かれていったのだけど。
こともあろうことか入口を広げただけで彼は止まってしまったのだ。
いつ挿入されるのかと僕の思考はそちらばかりに行く。
すると自然に何度もアナルを締め上げてしまい、彼の先端を咥えこもうとする。
その、自分の浅はかさに性器が反応しようとするが、貞操帯で押さえこまれている為想像を絶する痛みだけが体中を支配する。
そう、快楽が全くなくなってしまったんだ。
僕の体を痛みだけが支配する。
そして、期待だけはずっと与えられている。
目の前の九鬼に切羽詰まった表情を向けるが、彼はこちらを見てもくれない。
また、ぽろぽろと涙が零れた。
もう、さっさと終わらせて欲しかった。
「………お願いです……く……ぃ、ぅ、もう、はやく……挿れて、くだ……さい…」
俯きながら言葉を綴る。
最後の方は涙で掠れて言葉にならなかった。
なんで僕はこんな状況で強請っているのだ。
僕は感づいてしまっている。今、壁を隔てている相手に逆らえないことを。
【薬師河悠都】
「うん…いい子だね、左千夫は」
スピーカーから聞こえた声に満足感を覚えた。
彼の背中をまるで頭をでるかのように優しく撫でてやる。
だけど僕はそこから挿入はしなかった。
挿入するにはまだ条件がある。
ペニスを抜き取ると彼の身体に密着し、背中に舌を這わせ、唇を付けたまま言葉を落とした。
彼はどうやら身体に唇を触れることで言葉が伝わるようなので、ボクの声を聞かせなくても大丈夫だろう。
「……左千夫…ミルキングって…知ってる?」
貞操帯をつけているくらいだ、多分聞いたことぐらいはあるだろう。
ミルキングとは、快感も解放感もなく体液だけを搾り取る言わば「罰」のようなものだ。
彼は多分ここ暫くずっと射精をさせてもらっていないだろうからかなり溜まっているはずだ。
それは身体にもとてもよくない…というのは建前だが。
快感も無く体液だけ搾り取られたら、彼は一体どうなるだろうか。
九鬼は怒るかもしれない。
左千夫は快感もなく体液だけを出す事なんて嫌がるだろうか。
そんなことを考えながら、再びペニスの先端を宛がった。
次は少しだけ抜き差しさせたが、この微妙な挿入は今の彼にとっては苦痛だろう。
「ミルキング…させてくれるなら、もっと僕のペニス、左千夫の中に挿れてあげる。
挿れたいでしょ?突いて欲しいでしょ?
もちろん、九鬼にはバレないように返事してね……」
今日の僕は、少し機嫌が悪いかもしれない。
【神功左千夫】
ミルキング……。
医療用語でも有った様な気がする。
詰まっているもの、溜まっているものを押し出す。
直訳すると搾乳だったような気がする。
しかし、この状態で言っているのは多分、僕の溜まっている体液を押し出すと言うことだろう。
そんなこと、こんな状態で出来るのか。
そこまでは分からない。
僕の背中を撫でる手は懐かしかった。
その手に僕は逆らうことが出来ない。
触れた唇が落とす言葉をひとつ残らず拾い上げる。
ちらりと前の九鬼を見上げる。
相変わらず彼は僕の方を見てくれなくて、その寂しさを紛らわす様に足を伸ばした。
不格好だが、壁の向こうの相手に足を絡めるようにして引き寄せる。
僕にとっての合図だが、彼は分かっただろうか。
駄目だと分かっていて後ろの彼の言葉に従ってしまう。
顔を隠す様に俯くと僕は唇を噛みしめた。
【薬師河悠都】
左千夫が足を絡ませてきた。
それは多分彼なりの「OK」という合図だろう。
僕は静かに笑みを浮かべると、彼の背中にキスを落とした。
挿入途中だったペニスをアナルへと割り入れる。
イけていない分、彼の中はかなりきつく締まっていたので、気持ちいい息が漏れた。
固く勃起した自身に腸壁が絡みつき、僕の気持ちまで彼は離してくれない。
まずは前立腺を擦るように最大限に焦らしながら、彼の意識を僕に集中させる。
今の君の気持ちを支配しているのは僕だよという意味を込めて。
ある程度快感を昇らせてあげた後、前立腺より手前にある精嚢をペニスの先端で撫で上げた。
ここを刺激すれば体液のみ流れ出る。
ペニスを塞いでいる蓋を開けてあげ、そのまま執拗に精嚢を的確に突いてやった。
彼の中は九鬼より知り尽くしていると自負している。
そう易々と左千夫を渡すわけにはいかないんだ。
笑みが自然と深くなる。
早く彼の中に欲望を解き放ちたくなるが、今は我慢だ。
【神功左千夫】
「ぐ……くぅ……はっ、ぁ、アッ!!……ぅぅ、……そこは、駄目だって……ひ!!」
なぜか押し入ってきたペニスは僕の感じる場所を焦らす様に突き上げてきた。
両手で顔を覆うようにして沸き起こる、快楽と苦痛に耐え、腸壁がペニスに絡む。
もう、頭はそれでいっぱいだった。
そうしているうちに、ゆっくりとした動きで入口を擦られた。
「―――――――――ひぅ……な、何??……ぁ、………やだ、……あ、ぅ。」
ツン、と、した感覚が走ったあと
僕の意識とは関係なく。
無理矢理押し込められているペニスからポタポタと体液が滴る。
もう、訳が分からなかった。
それから、擦られる度にポタポタポタポタと体液が滴る。
射精している感じは無い、どちらかとういうと排尿している感じに近い。
沢山出せるわけでもないし、快感も無かった。
顔を覆ったまま床を見つめる。
もう、もどかし過ぎてどうしてらいいかた分からず、足が床を引っ掻いた。
陰嚢の張りはマシになったが、逆にどうしたらいいか分からなくなった。
九鬼の顔も見れず、ポタポタと涙を流す。
「もう、早く……突いて……下さい。」
全身を震わせながら小さな声で告げた。
【薬師河悠都】
彼のペニスから流れ出た体液を精嚢を何度も押し上げながら手で受け止める。
粘り気のあるそれを手に絡めると、自分の口へと運んだ。
勃起していないペニスから流れ出るそれは、ほんとうに牛の乳を搾っているような感じだった。
これで少しは身体は軽くなっただろうか。
しかし、快感は感じられないだろうから、更に気持ちはもどかしく、僕を必要とするはずだ。
案の定、スピーカーから漏れてきた声は、僕を求めていた。
九鬼はこんな彼の声を聞いて、一体どういう反応をしているのだろうか。
優しく微笑んだ後、精嚢を攻めたてていたペニスを前立腺へと狙うポイントを変える。
ねちっこくそこを突き上げながら、彼の喘ぎを存分に堪能する。
「っは…そろそろ、僕も乱れようかな…」
僕の呟きは聞こえていないので、前立腺をまだ攻め続けると見せかけて、本能のまま奥へとペニスを根本まで一気に挿しこんだ。
甘い息が漏れ、身体が反り上がる。
さすがにボクのペニスじゃ左千夫の中は窮屈だったが、そのまま激しく身体をぶつけるように腰を動かした。
酷く絡みついてくる腸壁がたまらない。
締まりのいい胎内を感じていると、口端から唾液が伝った。
何度も何度も激しく突き上げる。
左千夫の声がスピーカーを劈いてきた。
彼は今、どんな顔をして喘いでいるのだろうか。
「もう、だ、め…だ……イくよ……さち…――――ッ」
ビクビクと胎内でペニスが打ち震え、搾り取るように射精後も腰を打ちつけた。
身体がのけ反った後、荒く息を吐きながら、彼の背中に唇を這わす。
「気持ちよかった……今度会う時は、左千夫のことも気持ちよくさせたいな…。お誕生日おめでとう」
そう言うと、ペニスを抜き取り、コンドームを外す。
中に大量に溜まった精液を彼の背中から尻にかけて垂れ流してやった。
本当は顔にかけるか飲ませてあげたかったけれど。
気持ちのいい笑みを零し、僕は左千夫から離れた。
さて、最後に九鬼に渡しておかなきゃいけないものがある。
【神功左千夫】
「ぁ!あ!あ゛!!避けッ、くぅ!!ぐ……ひッ、ぃああああッ、ァァアアアッ!!お腹が、おなか、破け……るッ、んんっ、ッッああああ――――!!!!」
前立腺を擦られ始めて直ぐに僕の体に電流が流れた。
そこで弛緩する筈だったが、規格外なペニスを押し込まれることにより体が撓った。
そこから、電流が流れっぱなしの地獄だった。
無理矢理イかされてしまうが、イけないのだ。
本当に電流に寄り絶頂だけが止められていた。
相手のペニスが余りにも大きいせいで、収まりきらなかった体液がまたペニスの先から滴りポタポタと床を汚した。
もう、僕のペニスは押さえ付けられ過ぎて惨めな状態になっているだろう。
彼が絶頂し、引き抜いた瞬間に僕の体は壁に支えられているだけとなる。
ぐったりと弛緩し、はっきり言って何もかもどうでも良くなった。
最後に背中に触れる唇の動きから読み取れる言葉に、彼は僕の誕生日を知っていた。
本当に、誰なのだ、彼は。
最後に、優しい手つきでアナルに何かを入れこまれた。
先程の彼のペニスに比べると取るに足らなかったので僕はピクンと動いただけだった。
今は脱力と目の前の九鬼への罪悪感が強い。
「ごめんなさい……、ごめんなさ……、ッ……。」
僕は九鬼に何度も謝るしか無くて。
それでも、彼は椅子から立ち上がるとまた、部屋から出て行ってしまった。
【神功左千夫】
昨日は一睡も出来なかった。
しかも、九鬼は手を出してくるどころか横で静かな寝息を立てて寝ていた。
本当に殺したくなるほどの殺意を覚えたが殺してしまうとこれを取るのが更に難しくなる。
持ってきていた替えのジャージに身を包むと貞操帯の痛みに耐えながらクラスメイトと朝食を取る。
今日は自由行動、自由帰宅なのが幸いだ。
これが終わったらさっさと帰ってしまおう、はっきり言って立ってるのも辛い。
朝食を取る間も何度かバイブが作動して体を丸める様にしてやり過ごした。
声を抑えるのももう限界だ。
膀胱がパンパンになってきたのか、痛みを持ちだしたのでトイレに向かう。
貞操帯のせいで立っては出来なかったので個室を開くとそこは和式トイレだった。
いろんな意味で屈辱で仕方が無い。
そこに跨いで尿道のカテーテルの蓋になっている部分を外すと自然に尿が漏れだした。
しかし、排尿感は無いのだ。
ただ小水が流れて行っているだけで出し切るまで止めることも出来ない。
蓋をしてしまえばいいのだが、出し切らないとまた直ぐに痛みが襲うだろう。
そう思っている際にまた、後ろのバイブが動き出す。
「………あっ!!……く……はッ……こんな……ときに」
バイブ音が静かなのが救いだなと余計なことを考えるしかやり過ごす方法は無い。
ペニスの管に蓋をし直すとトイレの個室から出る。
よたよたと歩きながらトイレを後にすると更に森の奥へと向かった。
その時僕は気付かなかった、誰かに後をつけられていることを…。
大きな大木を両手で殴る。
それでも快楽は全く飛ばない、ズボンの上からガシャガシャと貞操帯をずらそうとしたがびくともしない。
これは昨日から何度もやっているが諦めきれないのだ。
その時僕の目の前の木に影が映った。
後ろを振り返ろうとしたときには既に遅く僕の体は木に押さえ付けられてしまった。
「こんなところで何をしているのかな、神功君…?」
体育教師の声だ、彼はゆっくりと僕の体を弄り始めた。
僕は今携帯を所持していないし、せめて正面を向かないと催眠術は掛けることが出来ない。
まずい流れだ。
【体育教師】
神功左千夫…彼の事はずっと前から気になっていた。
整った顔立ち、スラリとした肢体、目を離すことができない美しい笑顔、全てが俺の好みだった。
もちろん彼は男で生徒だということも分かっている。
けれど、彼に触れたい、抱きたい―――――犯したい。
そんな欲求は彼を見るたびにどんどん強くなって行った。
この林間学校でもそんな感情を抑え込むのに必死で我慢していたが、そんな俺に素晴らしい転機が訪れる。
三日目、生徒達は自由行動だったので、他の先生方と片付けや羽目を外している生徒の指導などで忙しく動き回っていた。
しかし、俺は見つけてしまった。
森の奥へと向かっている神功君を。
その表情は曇っていて、今日一日体調が悪そうなことには気づいていた。
彼を心配していると同時に、その流れでどうにか彼を抱けないかという思考に辿り着いてしまう。
もう俺は我慢できなかった。
先生方にバレないように抜け出し、彼の後を追うと彼は下半身の何かを触るような行動を見せた。
何かを外そうとしている…?
彼は覗いている俺に気づいていないようで背を向けていたが、後ろから彼を見るとジャージの下半身のラインが堪らなく俺を興奮させる。
あの綺麗なケツへぶち込みたい……ぶち込みたい…。
気づけば彼の真後ろに立ち、気づいて振り向かれる前に木へと押し付けてしまっていた。
「こんなところで何をしているのかな、神功君…?」
手は止まらなかった。
彼の胸元から腰、全てを確認するように弄っていく。
下半身へと手を伸ばした瞬間、固い何かが当たった。
「…?」
彼を抑えつけたままジャージのズボンを思い切り脱がすと、そこには下着はあらず、貞操帯が木陰から射しこんだ光に照らされ黒光りしていた。
衝撃的だった。
優等生の彼がこんなものをつけているなんて。
それと同時に俺の下半身は一気に反り立っていく。
息を荒くし、貞操帯をガシャガシャと揺らしながら彼に向かって叫んだ。
「なんだ…これは!!優等生の君がこんなものをつけて!!
君は…変態だったのか!!先生は失望したよ!!
だ、だから…………こんなものをつけている生徒には、きちんと指導してやらんと、なぁ…」
語尾に熱が籠り、彼の甘い香りのする首筋を夢中で激しく舐め上げながら、乳首を抓りあげる。
膨らんだ股間を彼の身体になすりつけるように密着させると、幸福で声が漏れた。
俺はもう彼を犯す事しか頭にない。
アナルへと手を伸ばすと、どうやらそこは蓋になっており簡単に開くことができた。
指を無理矢理突っ込もうかと思ったが、何かが先にはめ込まれていることに気づく。
それはバイブだった。
「っ……こんなのずっといれてたのか…?淫乱め!!!」
彼の尻を何度か強く叩いてやると、アナルに嵌っているバイブをぐりぐりとかき回す様に動かしてやった。
【神功左千夫】
これはマズイな…。
どうにかして後ろの教師を抑えなけらばならないと分かっているのに頭が回らない。
「や、止めて下さい…先生。……きょ、教師とも有ろうお方が…そんなことをしては…ッ!!」
僕の言葉を聞いていない程彼は興奮していたらしい。
たまにこういうことは有る。
今までは難なくかわしてきたのだが今日は日が悪い。
否、きっと、欲情した僕が彼を引き寄せてしまったんだろう。
ズボンを引きずり降ろされると貞操帯が露わになる。
ここで引いてくれればよかったものの彼は逆に欲情してしまったらしい。
がっちりとしたガタイに押さえこまれてしまうと僕の体格では体を返すことが出来ない。
普段なら体を這う手は不快で、気持ち悪さしか感じないのに。
射精を塞がれているからか、とても気持ちいいものに感じてしまって思わず身震いを起こした。
「違うんです…ッ、ヒィ!!先生ッ…僕の話を、……ぁ!……ぐ!!掻きまわしたら……ぃ、痛ッ!ぅ!!」
抓られた乳首は既に芯を持ち、服に擦れるだけで愉悦だった。
血液が溜まるペニスを貞操帯が容赦なく押し付ける。
僕は木にしがみつくようにその激痛に耐えるしかない。
頭が真っ白になってどうしたらいいのか分からない。
尻を叩かれ、良い音が辺りに響き渡る、それすら快楽だった。
強引にバイブを動かされると苦痛で仕方なかったが、もしかしたら、このまま絶頂出来るかもしれない期待に僕は喉を動かした。
射精はできないが、このまま無理に前立腺を擦られ続けたらドライはできるかもしれない。
そうしたら、冷静になれてこの教師もどうにか出来るかもしれない。
むちゃくちゃに掻きまわされていたので、僕は自分から前立腺に当てる様に小さく腰を動かした。
浅はかだと思ったがもう、それくらいイきたくて仕方なかったんだ。
【体育教師】
「こんなことされて気持ちいいんだろうが!先生は悲しいぞ!!!」
俺はバイブで腸壁を犯していく。
彼が少し腰を動かしたことに気がよくなり、興奮で下半身も完全に勃起した。
我慢なんてできるわけがない。
抱きたかった神功が目の前でこんな痴態をさらしているんだ。
今すぐに挿れたい…!!
ズボンを脱ぎ捨てると、彼の足を閉じさせ、股の間にペニスを擦りつける。
これだけでもイッてしまいそうだった。
「はーッ…はーッ…もう…もう先生……だめだ…っ」
荒く息を吐きながら、余裕のない声を漏らすと、中を掻き乱していたバイブを一気に引き抜いてやった。
さっきまで彼の中に入っていたバイブの先端をべろべろと舐め上げる。
彼の味が口内に広がって興奮で頭がおかしくなってしまいそうだ。
そのまま彼のアナルへ勃起したペニスを突きつけるとおもむろに腰を動かし始めた。
「アッアアアッたまらん!神功君の中ッたまらんんんん!!!」
あんなものを突っ込まれていたにも関わらず、彼の中はとてつもなく締まりがよかった。
彼の首筋へと涎を垂らしながら、バイブもじゅぼじゅぼと舐め上げる。
「んぐううううう!!イグッ!!イグぞおおおお!!!」
数回突き上げただけで俺は彼の中へと射精してしまった。
幸福で、身体が激しく痙攣する。
これが夢でも現実でも、もう、どうでもいい。
【神功左千夫】
「あぐっ……まっ……て、先生ッ!……はっ、ちょ、やめてくだ―――ッ!!痛いッ、痛ッ、ぐ!!」
胎内を荒らしているバイブは直ぐに引き抜かれてしまった。
僕は一つ過ちを犯していた。
後ろで僕を犯しているのは普通の教師なのだ。
九鬼のようにねちっこく行為をしてくれる訳が無い。
昔の研究者のように自分の欲望を吐き出してそれで終わりなんだ。
直ぐに胎内を割る様にペニスが入ってきた。
体全体が木に擦りつけられて痛い。
それだけ押し付けられても僕のペニスには何も感じない。
はやく、はやく、イかなければ終わってしまう。
僕の思いも虚しく、後ろの先生は直ぐに射精した。
そして、腰の動きがゆっくりになると涙を流した。
イけない…こんなんじゃイけない……。
「………ぅ、……もう、イかせて……イかせて」
木に額を付けすすり泣く様に声を上げる。
僕の頭の中は一人の人物でいっぱいだった。
また、胎内で先生のペニスに血液が集まるのが分かった。
もう嫌だ、こんなめちゃくちゃに突き上げられたって、イけない、気持ち良くない。
そう思った瞬間、後ろの気配が無くなる。
「うぐ!!!?」
僕が木から顔を上げ、後ろを振り向くと先程まで僕に突っ込んで腰を振っていた体育教員は頬を思いっきり殴られ気絶していた。
そして、直ぐ前に人影が移動する。
その気配は紛れもない、九鬼のものだった。
現実が理解できない、彼が僕を助けてくれたのか。
「……九鬼………――――ッ」
彼の名を呼び彼を見上げた。
内腿には他人の体液が伝って気持ち悪い。
いつものようにニコニコしている彼が其処に居ると思ったのに僕の予想は外れた。
「何のつもり?」
そこに居た彼に僕の喉は引き攣る、冷たい声に冷や汗がどっと出た。
恐怖で唇が震えた。
そこに居るのは、そう、この前戦った時に見せた表情、黒鬼そのものだった。
【九鬼】
少し目を離した隙だった。
さっさと左千夫クンと一緒に帰ってしまおうと思っていたのに、彼は一人でふらりとどこかへ行ってしまっていた。
その彼をやっと見つけた時に、ボクは「一番嫌な光景」を目にしてしまった。
ボクは昔から、自分の大好きな人や物が、ボクの目の届かない所で楽しいことをしていたり、使われたり、壊されたりするのが大嫌いだ。
それが、今目の前で起こっている。
左千夫クンが男に犯されていた。
大好きな人を誰かに犯されている、というシチュエーションに怒りを覚えたのではなく、彼がボクの目の届かない所で卑猥なことをしているのが許せなかった。
せめて犯されるならボクの目の前でして欲しい。
この特殊な感情に名前をつけることが、未だにボクはできなかった。
体育教師を殴り飛ばしてから、彼の目の前に立つ。
自分でも気づいてはいたが、この時のボクは、もう「ボク」ではなかった。
「何のつもり?オレの見てないとこで何やってんの?」
怯えた表情を見せる彼の首を絞めるように木へと強く押し付けると、口端だけあげて笑う。
「助けに来たわけじゃねぇから。
お前が易々とオレの見てないところで犯されてるっつーことに怒ってんだよ」
そう言うと彼の腹に膝蹴りを数発くらわせ、首を絞めていた手を離す。
だらりと垂れさがった身体が力なく地に落ちると、彼の顎を無理矢理掴んでこちらへ向けさせた。
「あいつにイかせてもらいたかったのか?この淫乱が。
バイブも取るなって約束したはずなんだけどなぁ…」
地面に落ちていた、あの男の唾液でベタベタになったバイブを手に取り、再びそれをアナルへと突き刺す。
前立腺をじらす様に刺激しながら、彼を見て笑った。
「イかせてくださいって言ったらイかせてやるぞ?」
もちろん今彼がどんなに頼み込もうが、イかせる気などない。
彼を快楽の淵に立たせては止める、その行為を何度も何度も繰り返してやる。
【神功左千夫】
呼吸が引き攣る、動悸がする。
当たり前だ、僕は彼と同じ位置に立てていない。
完全に彼に体が支配されたのが分かった。
振るわれる暴力より心が痛い。
「ぁ―――ぐ!!!ク!!かはっ……あ゛、……ィ!!そんな……勝手……です、元はと言えば――――!!!!」
完全に体は彼に怯えていた。
嫌われるかもしれない、その恐怖が一番強かった。
しかし、そんなことお構いなしに彼は無理矢理僕の瞳を見つめる。
地に伏せていた顔を無理矢理上げられたが反抗できない。
「――――ッゥゥ!!!あぐ!いやっ!やめてッ!!だ、め…です、あ゛あ!ひぐ!ぅ……イかせてッ、イかせてクダサイ…!!」
ぬるついたバイブが突っ込まれる。
もう体も心も限界なのに容赦なく前立腺を突き上げられた。
焦った僕は早々と彼におねだりをする。
先程の男とは違い的確にポイントを抉られ直ぐに高みに昇って行くけど、彼は僕を完全に分かっていて、絶頂前に止めてしまう。
勿論、僕のおねだりなんてもう彼は聞いていないんだ。
「は……お願い…した…おねがい…したの……に……ぁああ!!やだ、も、無理……ッ、痛いッ、痛いッ!!」
場所も忘れて僕は叫んだ。
ぽたぽたと涙が頬を伝う。
逃げる様に体を丸めたのに仰向けになる様に転がされてしまった。
そして、またバイブの抜き差しが始まる。
駄目だ、もう痛みと恐怖と快楽で狂ってしまう。
何時間経っただろう、いや、もしかしたらそんなに時間は経過していなかったのかもしれない。
僕は口端から涎をダラダラと垂らし、もう、声も掠れてほとんど出なかった。
一生懸命九鬼を押し返していた腕や脚はだらんと地に沈んだままで、指先を動かすこともままらなかった。
また、九鬼の手が動く。
僕の体はビクビク痙攣したけど、もう抗う体力が無かった。
快楽だけが上がって行き、そして、彼の手が止まると冷めて行く。
涙が地面を濡らした。
僕の体力が限界に来てそのまま声無く意識を飛ばす。
もう、どこが痛いか分からない位全身が痛かった。
【九鬼】
「…寝ちゃったか……」
彼の意識が無くなったので、ざわついていたボクの中の黒鬼も静かになっていく。
待たせていた車に彼を運び込むと、そのまま家まで運んでいった。
体育教師はもうどうでもいい。
あの一発で記憶ぐらいは飛んでいるだろう。
さて、これからが楽しみだ。約束を破った彼をお仕置きしてあげなければいけない。
奥底から込み上がる笑いを堪えるようにボクは口元を抑え静かに笑った。
マンションの空き室へ彼を連れ込むと、ひとまず貞操帯のペニス側の蓋を開く。
尿が流れ出ると、管を抜き取り、その後に用意しておいたブジーをゆっくりと挿した。
彼は完璧に気を失っているのか、目は覚まさない。
その唇に軽くキスを落とす。
「起きたら大変なことになってるとも知らないで…よく寝てる」
髪を撫でながら微笑んだ後、能力を使い部屋を二つに割るような壁を作る。
左千夫クンの腰元を支えるように壁ができあがると、ボクがいる方に上半身、向こう側に下半身、という身動きが取れない体勢になった。
ある程度はもうすでに用意してもらっていたので、大体の設備も整っている。
これからすることは…まぁパーティみたいなものだ。
誕生日を迎えた彼を、みんなに祝ってもらう。
そして、ボクはここで一人彼の善がり苦しむ顔を楽しむんだ。
彼は今からたくさんの汚い大人達にハメられることになるだろう。
まだ目覚めることがない彼の前にイスを置き、そこに座って彼の頬を軽く叩いた。
「ね、起きてヨ、左千夫クン」
何度か叩いた所で彼は小さく反応を返した。
【神功左千夫】
どうやら僕は気を失っていたようだ。
頬を叩かれて初めて自分が部屋に居ることに気付いた。
「………?―――ッ!!?こ、これはどういうことですか、九鬼!!」
まずは朧げに辺りを見渡した。
それから腰に違和感を感じる。
と、言うか動けないんだ。
僕は壁の穴にすっぽり嵌ってしまって抜け出せない。
穴と言っても隙間など無く、僕の腰回りにフィットしている。
腰から上、即ち上半身だけ目の前で椅子に座っている九鬼に晒されている状態になっている。
下半身は違う部屋に晒されていることになるので体を捩ってもどうなっているかは見えない。
相変わらず貞操帯は嵌められたままの様でペニスが圧迫されている。
尿道もまだ何かが嵌ったままだ。
僕が彼を睨みつけてからじたばたしていると、突如尻を撫で上げられた。
「──────ッ、誰……。」
『九鬼さーん。今回はかなり上玉じゃないですか?こんな可愛いケツにつっこんじゃって良いんですか?』
隔たる壁で完全に防音になっているのか声は上に有るスピーカーから聞こえた。
もしかして…。
僕はまた、見ず知らずの相手に犯されるのか。
意味が分からない。
彼にとっての僕とは何なのだろうか。
絶望に染まった瞳で見上げた九鬼は相変わらずの笑みで僕を見下ろしていた。
【九鬼】
やはり彼はこの状態に驚いたみたいだ。
身動きなんて取れないから、睨みつけられるだけで終わるんだけど。
あちら側の声がスピーカーに届いた。
この壁は防音になっているので、マイクを繋げなければあちらにも声は届かない。
「んーいいヨー。彼、淫乱だからこんなことされて嬉しがってるヨ。めいっぱい楽しんでって」
左千夫クンに笑顔を向けながら客人へと返事を返す。
さて、事が始まる前に彼に取り付けておかなければならないものがある。
銀色の首輪のようなものを取り出すと、それを彼の首へと嵌めた。
「今からたくさんの人に弄ばれちゃうけど、君が勝手にイかないように制御しとこうと思って。
イきそうになったら電流流れるから。気をつけてネ」
ガッチリと彼の首元へはめ込むと、頭をよしよしと撫でてあげた。
彼は何故ボクがこんな酷いことをするのだろうと思っているだろう。
もちろんそれは彼が好きだからだ。
酷い事をしているなんてボク自身は微塵も思っちゃいない。
そもそもこれは彼がボクの約束を破った罰だ。
「これぐらいで済んでよかったって思ってよネ。あの時ボク完全にキレてたから」
椅子に座りなおすと頬杖を付き、彼の上半身のみを眺める。
なんとも滑稽だ。
これから彼が乱れる姿を一人で堪能できるなんて想像するだけで興奮してしまう。
マイクをオンにすると、開始の合図を送った。
「レッツショーターイム♪」
【神功左千夫】
「……ッ!違います────。九鬼……そんな、僕……もう……」
勿論壁越しに居る輩はそんな僕の言葉など聞いていない。
九鬼の友達かはたまた、彼の所属しているマフィアの下っ端か、ただ招かれた客か。
僕には顔を確認することも出来なかったが。
頭を撫でられると泣きそうに顔が歪んだ。
しかも、彼はこれくらいでと表現する。
確かにあんな一般人に襲われたのは、想定外だったが、こんな仕打ちをしなくてもいいと思う。
あの時の彼を思い出すだけで体が震えるのが分かった。
「レッツショーターイム♪」
その言葉を合図に僕への愛撫が始まった。
一度体を洗われたのか胎内の気持ち悪さは無かった。
これからどうせ汚れると言うのにその辺りの神経は僕には分からない。
無遠慮にアナルに瓶を突っ込まれる。そうして中身を流しこまれた瞬間に僕は拳を握り締め俯いた。
「あぁ!!!痛いッ、……はぅ!ぐ……ん、んん!!」
それは昨日も塗られたスパイスだった。
一気に僕の体の熱が上がる。
他の一人がペニスの貞操帯の無い先端にも満遍なく塗り始めた。
液体を遠慮なく注がれると、その後は粉も塗りこまれていく。
皮膚が辛さで火傷して下半身が別のものに思えるほどに激痛だった。
「おい。なんか、叫んでるみたいだけど、大丈夫かよ。」
「大丈夫だって、九鬼さんが好きにしろつーことはこれぐらいじゃ満足しねーってことだよ。
道具もいっぱい置いてあるし、しっかり遊んでやれ。
そう言えば、九鬼さん、最近クラブにあんまり来ませんね。本命でも出来ましたか?」
僕が完全に激痛と格闘している中、壁の向こうの人物は悠長に九鬼と会話していた。
そして、早々と違う人物が僕の中にペニスを挿入していく。
「はっ!コイツんなかマジ、キチぃ…。すぐいっちまいそうだぜ?」
「マジかよ、俺にも早く回せよな。」
四、五人居るのか色んな人物の声が聞こえた。
一人目は早々と僕の中で果てたようだ。
貞操帯の中の僕のペニスも痛み始めた。
なんとか、抜けることが出来ないかと壁に手を付きながら体を押し出そうとするが徒労に終わるだけだった。
【九鬼】
彼の表情が歪み、室内に悲痛な叫びがこだました。
向こう側の部下たちはボクが「楽しんで」と言えば容赦なく攻めたてるだろう。
目の前で乱れる彼を見るのはたまらなく興奮し、下半身が徐々に膨らみを増していく。
あちら側からの声がスピーカーから聞こえる。
「本命?さて、どうかナ~……ま、また気が向いたら行かせてもらうヨ」
今までボクは夜中はほとんど眠らずに夜遊びをしていた。
クラブ、キャバクラ、風俗…よく遊び回ったものだ。
ただ、今は付き合い程度でしか顔も出していない。
「…こんなに大好きな左千夫クンを置いて、遊びに出かけられるわけがないもんね」
マイクをオフにし、彼にだけ伝えるように囁く。
頬を撫で、睨みつけてくる瞳を見つめるだけで興奮があふれ出し、熱の籠った息を吐いた。
「好きだよ、左千夫クン」
今こんなことを言っても、彼には全く伝わらないだろう。
それでいいんだ。
唇を舌でなぞる様にキスを落とし、イタズラに微笑んだ。
【神功左千夫】
彼がまた嘘を吐く。
こんな時ぐらいもう少しマシな嘘をついて欲しい。
仮にも今日は僕の誕生日なんだ。
舐めるようなキスは心地よかった。
少しそれに浸りそうになったが慌てて僕はそれを掻き消す様にその舌に噛み付く。
結局避けられてしまった為噛み付くことは叶わなかった。
また、次の人物が挿入してくる。
その間に違う人物が尿道に有るブジーを動かし始めた。
激痛と一緒に快楽が沸き起こり、快楽が勝ち始める。
締まらない口からダラダラと涎が垂れ意識が霞み始める。
「は!!!あ゛あ゛ぁぁぁ!!!!あ、やめて、やめて、も、イく、イく……ッ、ぁ゛…!?ヒッ!ぎッ……ぅあ、アアアッ!!!」
もうイく、そう思った瞬間全身に電流が流れ体を弛緩させてしまう。
また、焼けるような現実に燻ぶられている様な状態に無理矢理戻される。
そうなるとまた直ぐに体は絶頂を迎えようとするので、何度も何度も僕の体に電流が流れた。
「ぁああああッ!!!おかしくな―――ぁ゛あ゛!!!ひぐ!!ぅ、ぐ!!ぁああああああ゛!!頭がッ!頭がッ!!」
痛い。どこもかしこも痛い。
そして、気持ちいい、もどかしい、出したい、射精したい。
そればかりが頭を支配する。
僕の陰嚢は貞操帯の中でパンパンに膨らんでいた。
気絶しても容赦なく突き上げられる為目を覚ます。
もう、何人に犯されたのかも分からない。
あれから湯を流しこまれ中を洗われた。
次は催淫剤を塗りこめられ、精液を注がれる。
尻を叩かれ、蹴られ、良いことなんて何もない。
僕の気力の方が先に尽きてしまいそうなほど、ぐったりと地に顔を伏せた。
「はぁ………はぁ………ぁ………く………ひ、……ぐ」
客の入れ変わりが唯一の休憩だった。
顔は涙と鼻水と涎でぐちゃぐちゃだ。
九鬼は相変わらず、僕には興味を示さず、前の椅子に座ったままだった。
また、後ろで気配がする。
その恐怖に喉を上下させた。
【九鬼】
あちら側からはマイクが常にオンになっているので、彼を眺めながら大体下半身がどんなことをされているのかが想像がついた。
狂うような喘ぎをあげる彼を眺めながら、優雅に読書をしていると、あちら側の状況が変わったようだった。
『ちょ、あんた誰──────』
その声を最後に繋がっていたマイクがオフにされた。
静まり返る部屋に左千夫クンの荒い息遣いが響く。
「…?」
おかしいなと思い、席を立とうとした瞬間、左千夫クンの反応が明らかに変わった。
「ぁ……ぁ、待って、待って。……そこは、ぁ、そこも……ぁああっ!!!だめっ、ごめんなさい、ごめんなさい、ぼ、僕が、僕が悪かったから、僕が、……もうだ、め、…九鬼、……やめ、させて……ぁ、ああっ!!」
先ほどとは違い、かなり気持ちよさそうに喘いでいる。
今までは痛みが勝っていたような表情だったが、その顔も異様に緩み、やめさせてほしいと言いつつもかなり感じているようだった。
考えられることはひとつ、隣の部屋で挿入する人物が変わった。
ボクの部下で彼をここまで感じさせることができる奴なんて思いつかない。
それにマイクが切られたのも気になる。
悲願しながら喘ぐ左千夫クンを置いて、隣の部屋へと向かった。
ドアを開けると、部下が数人倒れているのが見えた。
そして今起きている状況がわからないと言った瞳で部屋へ入ったボクの顔を見ている。
その原因は左千夫クンの真後ろに立っている黒髪の人物…。
「……なーんで君がここにいるのかなぁ……薬師河」
それは絶有主高校の副会長、薬師河悠都だった。
「面白いことやってるって聞いたから……来たよ」
左千夫クンのアナルを指で弄りながら、余裕そうな笑顔を向けた。
ボクはこいつがどちらかと言うと嫌いだ。
左千夫クンを拷問した時に、吐き気がするほど甘いセックスを見せつけられたせいもあったが。
それとは別に、こいつは左千夫クンの事を良く知っているのが気に食わない。
性格や好みはもちろん、身体の中のことも…色々だ。
「君を呼んだ覚えはないケド?」
「そうだね、でも左千夫の誕生日なのに祝ってあげないなんてかわいそうじゃないか」
話しが噛みあわないためボクは深くため息をついた。
その間も薬師河は左千夫クンを攻めたてた。
彼の喘ぎがスピーカーから響き渡るのがまた胸糞悪い。
「…何言っても止めそうにないネ……ま、いいよ、楽しんだら」
「え、いいの?じゃあ……借りるね、君の左千夫を」
また嫌味な言い方をする奴だ。
ここで闘うのも無駄骨だろうし、意味がないのもわかっているので、ひらひらと手を振りながら、ボクはさっきの部屋へと戻った。
【神功左千夫】
非情にも九鬼は僕を置いて出て行ってしまった。
先程までとは違う的確に前立腺を僕が好むスピードで突き上げて行く。
この感覚は前にも経験した。
露呪祢でリンチにあった時だ。
「はぁ、九鬼……ッ!!そこに、そこに、居るのでしょ、やめさせて、やめッ、ぁああああ!!も、イかせて、イけない、ぃああああッ!!だめ、だめッ」
あちらの部屋のマイクが切られたのか全く声が聞こえなかった。
本当に誰なんだ。
そして、なんでこんなに気持ちがいい。
僕は絶頂前のもどかしい状態でずっと止まったままだ。
イきそうになり、電流を流され弛緩、そして、痙攣を繰り返している。
頭を振り、髪を振り乱しながら僕は喘いだ。
しかし、挿入されている指は全く止まる気配が無い。
その時、九鬼が戻ってきたので彼に欲に塗れたぐちゃぐちゃの顔を向ける。
「く、き……く…き、僕が、僕が、悪かったです…ひぐ、油断した、僕が悪かったから……もう、許して下さい…ッ、おねがいします。ぁあああっ、だめ、イく―――――ッううう!!!はッ、イきたい、イきたッ、ンン!!」
九鬼は先程より機嫌が悪い様子で僕には目もくれず、また、椅子へと戻って行った。
余りの我慢できない快楽にどうしたらいいか分からなくなった僕は両手を思いっきり地面へと打ち付けた。
そうすると、途端にブジーを尿道から引き抜かれ、自然と体が撓る。
【薬師河悠都】
「またこんな酷いことされてるんだね…」
彼に声は届かない。顔さえも見れない。
この方がボクにとっては都合がいいけど、せめて彼の顔だけは見て帰りたかった。
そんなことを考えながら、彼の前立腺を指で刺激し続ける。
スピーカーから聞こえる声からして、ドライもできない状態なんだろう。
この状況で前立腺を刺激しつづけたらたまったもんじゃないのはわかる。
「でも……九鬼にこの後いっぱい気持ちよくしてもらうんでしょ?」
独り言をつぶやきながら、彼のペニスに刺さったブジーを抜き取った。
勃起もままならないペニスは赤らみ、とても息苦しそうだ。
本当に彼は酷いことをする。
周りの取り巻きも九鬼が来たので手を出す事はないようだった。
そのまま彼のアナルを拡げると、赤く充血した周辺がヒクヒクと痙攣している。
そこに長い舌を挿しこむと、彼の中の気持ちいい部分を器用に突いてやる。
少しヒリヒリと舌が痛い。
何かを注がれていたのだろう。僕の舌で綺麗にしてあげないと。
その一心で彼の中を舌で抉って行く。
周りにはたくさん玩具があったが、僕は玩具を使うのはあまり好きではない。
自分のモノだけで相手を満足させてやりたかった。
でも彼はイケないし…。
舌を抜き取ると唾液が伝って地面へと落ちる。
濡れたアナルがボクの物を欲しがっているように思えた。
「いくつも咥えていたのにね、いつの間に君はそんなに淫乱になったんだい?」
左千夫がどこか遠くに行ったような気がした。
あの頃は二人で夢中で抱き合っていたと言うのに。
「…少し僕を思い出させてあげないといけないね」
そう言うと僕はすでに勃起した自分のペニスを取り出し、持って来ていたコンドームを取り付けた。
周りがそれを見て息を飲むのがわかったので、小さく苦笑を漏らす。
そのまま彼の身体に密着し、アナルにペニスの先端を宛がうと、先端だけ挿しこんでやる。
さて、このまま止まっていたら、左千夫はどんな反応を示すかな。
欲しがって喘ぐだろうか。
それともやめろと言うだろうか。
僕から声をかけることはできない。
そのまま左千夫の声がするまで、微動だにせずその状態で彼からの「お願い」が上がるのを待った。
【神功左千夫】
「はッ………んん……もう、痛い…から、止めて……はぁ……ぁあッ!!いっ!……ぅぅ。」
もうすすり泣くしか出来なかった。
足をばたつかせても相手に当たりすらしない。
柔らかいモノがアナルを押し割って入ってくる。
舌で有ろうが、異様に長い。
指とは違う柔らかい攻め、僕はもともと燻ぶって死にそうだと言うのに、そんな柔らかい刺激を与えられたら堪らない。
しかし、彼の唾液のおかげか炎症はだいぶましになったようだ。
直ぐ前の九鬼しか縋るものが無くて僕は手を伸ばし、彼の足首を掴んだり離したりを繰り返す。
「………ッ――――?…………ぅ、……、どういう、ぁ………ッ―――。」
舌が抜かれたのでいよいよ性器が入ってくると思った。
予想通り僕のアナルは割り開かれていったのだけど。
こともあろうことか入口を広げただけで彼は止まってしまったのだ。
いつ挿入されるのかと僕の思考はそちらばかりに行く。
すると自然に何度もアナルを締め上げてしまい、彼の先端を咥えこもうとする。
その、自分の浅はかさに性器が反応しようとするが、貞操帯で押さえこまれている為想像を絶する痛みだけが体中を支配する。
そう、快楽が全くなくなってしまったんだ。
僕の体を痛みだけが支配する。
そして、期待だけはずっと与えられている。
目の前の九鬼に切羽詰まった表情を向けるが、彼はこちらを見てもくれない。
また、ぽろぽろと涙が零れた。
もう、さっさと終わらせて欲しかった。
「………お願いです……く……ぃ、ぅ、もう、はやく……挿れて、くだ……さい…」
俯きながら言葉を綴る。
最後の方は涙で掠れて言葉にならなかった。
なんで僕はこんな状況で強請っているのだ。
僕は感づいてしまっている。今、壁を隔てている相手に逆らえないことを。
【薬師河悠都】
「うん…いい子だね、左千夫は」
スピーカーから聞こえた声に満足感を覚えた。
彼の背中をまるで頭をでるかのように優しく撫でてやる。
だけど僕はそこから挿入はしなかった。
挿入するにはまだ条件がある。
ペニスを抜き取ると彼の身体に密着し、背中に舌を這わせ、唇を付けたまま言葉を落とした。
彼はどうやら身体に唇を触れることで言葉が伝わるようなので、ボクの声を聞かせなくても大丈夫だろう。
「……左千夫…ミルキングって…知ってる?」
貞操帯をつけているくらいだ、多分聞いたことぐらいはあるだろう。
ミルキングとは、快感も解放感もなく体液だけを搾り取る言わば「罰」のようなものだ。
彼は多分ここ暫くずっと射精をさせてもらっていないだろうからかなり溜まっているはずだ。
それは身体にもとてもよくない…というのは建前だが。
快感も無く体液だけ搾り取られたら、彼は一体どうなるだろうか。
九鬼は怒るかもしれない。
左千夫は快感もなく体液だけを出す事なんて嫌がるだろうか。
そんなことを考えながら、再びペニスの先端を宛がった。
次は少しだけ抜き差しさせたが、この微妙な挿入は今の彼にとっては苦痛だろう。
「ミルキング…させてくれるなら、もっと僕のペニス、左千夫の中に挿れてあげる。
挿れたいでしょ?突いて欲しいでしょ?
もちろん、九鬼にはバレないように返事してね……」
今日の僕は、少し機嫌が悪いかもしれない。
【神功左千夫】
ミルキング……。
医療用語でも有った様な気がする。
詰まっているもの、溜まっているものを押し出す。
直訳すると搾乳だったような気がする。
しかし、この状態で言っているのは多分、僕の溜まっている体液を押し出すと言うことだろう。
そんなこと、こんな状態で出来るのか。
そこまでは分からない。
僕の背中を撫でる手は懐かしかった。
その手に僕は逆らうことが出来ない。
触れた唇が落とす言葉をひとつ残らず拾い上げる。
ちらりと前の九鬼を見上げる。
相変わらず彼は僕の方を見てくれなくて、その寂しさを紛らわす様に足を伸ばした。
不格好だが、壁の向こうの相手に足を絡めるようにして引き寄せる。
僕にとっての合図だが、彼は分かっただろうか。
駄目だと分かっていて後ろの彼の言葉に従ってしまう。
顔を隠す様に俯くと僕は唇を噛みしめた。
【薬師河悠都】
左千夫が足を絡ませてきた。
それは多分彼なりの「OK」という合図だろう。
僕は静かに笑みを浮かべると、彼の背中にキスを落とした。
挿入途中だったペニスをアナルへと割り入れる。
イけていない分、彼の中はかなりきつく締まっていたので、気持ちいい息が漏れた。
固く勃起した自身に腸壁が絡みつき、僕の気持ちまで彼は離してくれない。
まずは前立腺を擦るように最大限に焦らしながら、彼の意識を僕に集中させる。
今の君の気持ちを支配しているのは僕だよという意味を込めて。
ある程度快感を昇らせてあげた後、前立腺より手前にある精嚢をペニスの先端で撫で上げた。
ここを刺激すれば体液のみ流れ出る。
ペニスを塞いでいる蓋を開けてあげ、そのまま執拗に精嚢を的確に突いてやった。
彼の中は九鬼より知り尽くしていると自負している。
そう易々と左千夫を渡すわけにはいかないんだ。
笑みが自然と深くなる。
早く彼の中に欲望を解き放ちたくなるが、今は我慢だ。
【神功左千夫】
「ぐ……くぅ……はっ、ぁ、アッ!!……ぅぅ、……そこは、駄目だって……ひ!!」
なぜか押し入ってきたペニスは僕の感じる場所を焦らす様に突き上げてきた。
両手で顔を覆うようにして沸き起こる、快楽と苦痛に耐え、腸壁がペニスに絡む。
もう、頭はそれでいっぱいだった。
そうしているうちに、ゆっくりとした動きで入口を擦られた。
「―――――――――ひぅ……な、何??……ぁ、………やだ、……あ、ぅ。」
ツン、と、した感覚が走ったあと
僕の意識とは関係なく。
無理矢理押し込められているペニスからポタポタと体液が滴る。
もう、訳が分からなかった。
それから、擦られる度にポタポタポタポタと体液が滴る。
射精している感じは無い、どちらかとういうと排尿している感じに近い。
沢山出せるわけでもないし、快感も無かった。
顔を覆ったまま床を見つめる。
もう、もどかし過ぎてどうしてらいいかた分からず、足が床を引っ掻いた。
陰嚢の張りはマシになったが、逆にどうしたらいいか分からなくなった。
九鬼の顔も見れず、ポタポタと涙を流す。
「もう、早く……突いて……下さい。」
全身を震わせながら小さな声で告げた。
【薬師河悠都】
彼のペニスから流れ出た体液を精嚢を何度も押し上げながら手で受け止める。
粘り気のあるそれを手に絡めると、自分の口へと運んだ。
勃起していないペニスから流れ出るそれは、ほんとうに牛の乳を搾っているような感じだった。
これで少しは身体は軽くなっただろうか。
しかし、快感は感じられないだろうから、更に気持ちはもどかしく、僕を必要とするはずだ。
案の定、スピーカーから漏れてきた声は、僕を求めていた。
九鬼はこんな彼の声を聞いて、一体どういう反応をしているのだろうか。
優しく微笑んだ後、精嚢を攻めたてていたペニスを前立腺へと狙うポイントを変える。
ねちっこくそこを突き上げながら、彼の喘ぎを存分に堪能する。
「っは…そろそろ、僕も乱れようかな…」
僕の呟きは聞こえていないので、前立腺をまだ攻め続けると見せかけて、本能のまま奥へとペニスを根本まで一気に挿しこんだ。
甘い息が漏れ、身体が反り上がる。
さすがにボクのペニスじゃ左千夫の中は窮屈だったが、そのまま激しく身体をぶつけるように腰を動かした。
酷く絡みついてくる腸壁がたまらない。
締まりのいい胎内を感じていると、口端から唾液が伝った。
何度も何度も激しく突き上げる。
左千夫の声がスピーカーを劈いてきた。
彼は今、どんな顔をして喘いでいるのだろうか。
「もう、だ、め…だ……イくよ……さち…――――ッ」
ビクビクと胎内でペニスが打ち震え、搾り取るように射精後も腰を打ちつけた。
身体がのけ反った後、荒く息を吐きながら、彼の背中に唇を這わす。
「気持ちよかった……今度会う時は、左千夫のことも気持ちよくさせたいな…。お誕生日おめでとう」
そう言うと、ペニスを抜き取り、コンドームを外す。
中に大量に溜まった精液を彼の背中から尻にかけて垂れ流してやった。
本当は顔にかけるか飲ませてあげたかったけれど。
気持ちのいい笑みを零し、僕は左千夫から離れた。
さて、最後に九鬼に渡しておかなきゃいけないものがある。
【神功左千夫】
「ぁ!あ!あ゛!!避けッ、くぅ!!ぐ……ひッ、ぃああああッ、ァァアアアッ!!お腹が、おなか、破け……るッ、んんっ、ッッああああ――――!!!!」
前立腺を擦られ始めて直ぐに僕の体に電流が流れた。
そこで弛緩する筈だったが、規格外なペニスを押し込まれることにより体が撓った。
そこから、電流が流れっぱなしの地獄だった。
無理矢理イかされてしまうが、イけないのだ。
本当に電流に寄り絶頂だけが止められていた。
相手のペニスが余りにも大きいせいで、収まりきらなかった体液がまたペニスの先から滴りポタポタと床を汚した。
もう、僕のペニスは押さえ付けられ過ぎて惨めな状態になっているだろう。
彼が絶頂し、引き抜いた瞬間に僕の体は壁に支えられているだけとなる。
ぐったりと弛緩し、はっきり言って何もかもどうでも良くなった。
最後に背中に触れる唇の動きから読み取れる言葉に、彼は僕の誕生日を知っていた。
本当に、誰なのだ、彼は。
最後に、優しい手つきでアナルに何かを入れこまれた。
先程の彼のペニスに比べると取るに足らなかったので僕はピクンと動いただけだった。
今は脱力と目の前の九鬼への罪悪感が強い。
「ごめんなさい……、ごめんなさ……、ッ……。」
僕は九鬼に何度も謝るしか無くて。
それでも、彼は椅子から立ち上がるとまた、部屋から出て行ってしまった。
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