元戦闘奴隷なのに、チャイニーズマフィアの香主《跡取り》と原住民族の族長からの寵愛を受けて困っています

さくらんこ

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過去編

認めたくない

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薬師河×左千夫の次の日の話。ブジー使用有り、ドライオーガズム。九鬼×左千夫





【九鬼】


昨日の件を思い出しただけで腸が煮えくり返る。
左千夫クンのあんな表情、態度、全てが脳裏に焼き付いてしまって吐き気さえしてくる。
いっそ自分の心臓を貫いてこの感情を消し去ってしまいたぐらいに昨日の一件からずっと苛立っていた。 


ボクは彼の眠っている部屋へと向かっていた。
自ずと足早になり表情が歪んでいることに気づき舌打ちをする。
こんなに冷静になれないのは何時振りだろうか。


部屋の前につくと、ロックを解除する前に壁を思い切り殴る。
頑丈にできている壁なので、穴はあかなかったが酷くへこんでしまった。
切れて血のついた拳を舐め自分の心を落ち着かせるように息を吐くと、タッチパネルに暗証番号を打ち込んだ。 

自動ドアが開き、部屋の中には左千夫クンがいつも通り鎖で縛られたままベッドでぐったりとしていた。
起きているのかわからないが、こちらを向く気配もない。

そんな彼を見ると抑えたはずの気持ちが爆発しそうになった。
無理矢理それを笑顔に変えると、彼の枕元へと近づく。


「起きて、左千夫クン。もうすぐお仕事が始まるヨ」


彼を覗き込みながら、顔を隠すように垂れた前髪を掻きあげてあげる。 


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【神功 左千夫】


九鬼の足音がする。
起きないとまた殴られるんだろうけど、起きる気がしない。 

ご丁寧に僕の頭の方まで彼は回りこんできて、髪を掻きあげてくる。 
視線の先の彼はいつも通りの笑顔だった。 


一気に昨日のことが甦る。
誰かもわからない相手に翻弄され、最後は身を任せてしまった事実。
小さく手足が震え急くように唇を開いてしまう。 


「……昨日の………ッ」 


‘昨日の彼は誰なんですか’今、僕はこう、九鬼に尋ねようとした。
しかし、それを聞いてどうなる。
この男が教えてくれるかどうかも分からないし、仮に教えて貰ってどうなるんだ。
彼は仕事だと言った、正直もう、誰にも触られたくない。

九鬼の手を払いのけ、彼に背中を向けるようにして体を丸める。 


「今日は……シたくない。」


こんなこと言っても通用しないのは分かっている、それでも、何もしたくなくて僕は布団の中に潜りこむように体を丸めた。 


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【九鬼】


払いのけられた手が、なぜか物凄く痛いのが不思議だった。
それと同時にシたくないと言われ、怒りともとれない感情で片眉がピクリと動く。 
肩を掴んでこちらへ無理矢理向かせた後、顎を掴み持ち上げボクから顔を逸らせないようにする。 

「昨日はあんなに気持ちよがってたクセに?
アイツとヤるのはいいのに、ボクや他の奴はダメなの?」

言葉を漏らしてしまうと、再び自分の心の中に惨い感情が渦巻く。 

「絶対に許さないヨ?今日だってもちろんヤッてもらう。
気持ちイイのが好きなんでショ?」

顎を握っている手に力を入れた後、肩を抑えていた手で彼の頬をひっぱたく。

「あんな顔、ボクに見せつけて、さぞかし楽しかったんだろうネ?」

ある程度ビンタを繰り返した後、荒い息をしながら彼の下半身へと移動した。
用意しておいたブジーの入ったケースを荒く開き、彼の足を両足で組み込み身動きが取れないようにする。
すでに裸だったので服を脱がす手間はない。
萎えたペニスを白い陰毛を巻き込むように手に取った。

尿道口を覗き込み押し広げるように強く握り込む。
嬉しそうに口を開いたそこへと舌を入れ込んでぐりぐりと弄んでやった。 


「さ、おめかしシよっか?」 


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【神功 左千夫】


顔が九鬼の方へと向く。
なぜか今は彼を見たくなかった。
昨日のことを思い返させるような言葉。
あの男は、僕の顔を九鬼に向けていたのか?

もう、昨日のことには触れてほしくなかったのに、九鬼はそれを抉る様に突いてくる。 

射抜くように一度睨みつけるが、僕はそのまま視線を逸らしてしまう。
その後に頬を殴られたがなぜだかその方が僕の気持ちは楽だった。 

その後は下半身に手が伸びる。
いつも通りだと納得しているのに今日はものすごく嫌だった。
歪んだ顔で自分の性器を見つめる。


「――――――――ッ!!」


白い陰毛が九鬼の指に絡む。
割り開かれた尿道は赤く充血し、卑猥に蠢いていた。
そこに、九鬼の舌が触れ、沁みるような、心地いいような不思議な感覚が宿り、淡い吐息を零す。
乗られている足に力が入ると同時に拘束されている手で九鬼の頭を押し返した。 


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【九鬼】


彼に頭を押し返されると苛立ちが沸き上がってくる。
ペニスから顔を離すと、笑顔を向ける気にもならず、冷えた目で彼を睨みつけた。 

「イヤがるなヨ」

どうも今は冷静になれない。
彼の行動、言動、ひとつひとつが気に食わない。
今にも彼を殺してしまいたくなる「黒鬼」の感情を静かに垂れ流しながら死んだような目で彼を見つめる。 

そのまま笑顔無く、ブジーへと手を伸ばした。
大きさが疎らなブジーの中から、8mmの凹凸が無いものを手に取りそっと口づける。
黙々と彼の拒絶を無視しながらローションをそれに塗り込むと、彼のペニスを引っ張る様に掴みあげた。 

ブジーを彼の尿道口へとゆっくりと入れ込んでいく。
痛みだか快感だかで声をあげる彼を無視しながら、するすると差し込み、彼の身体が酷く反応する位置を確認する。 


「ここ、キモチイイとこだよネ?」


彼の反応から見て、前立腺へと到達したブジーをゆっくりと上下にじらすように動かした。 


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【神功 左千夫】


僕を殺すと言わんばかりの瞳が僕を射抜く。
こんなに感情的な瞳を見るのは初めてだ。
地を這うような声に背筋が凍て付く。
視界に入る器具に自然と眉が寄り、表情に影が差す。 

「嫌だ……。九鬼。……九鬼、止めろ……。」 

震えるような言葉を掛けても彼は全く聞いていない様子で、手を押し返そうとしてもびくともしない。 


「――――っ!!!!!ぁ゛あ!!は、……ぅ、あ゛!!」 


尿道を無理矢理広げられる痛みに汗が伝い落ちる。
ペニスに異物が入ってしまうと恐怖で下手に抵抗できずに、キリキリと九鬼の手に爪を立てるだけになってしまう。 

彼の手の甲や腕には僕が付けた爪痕で蚯蚓腫れが酷い。 

尿道ブジーがある一点で止まる。
調度ペニス側にある前立腺を刺激され僕は体を弓なりに反らせた。 

「――――っ、ちがっ。……く、……ん!!はっ!!」 

完全に開発していかれている尿道に悲鳴が上がる。
唇を噛みしめるように声に耐え。表情を見られないようにと俯く。
両手は邪魔をする様に彼の手を握りしめ、押さえられている足を支点に腰をしならせる。 

しかし、僕の思いとは反対に完全にペニスは勃起し、脈打つ。
尿道口がいやらしくブジーに絡みついていた。 


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【九鬼】


彼の爪で手の甲に血が滲んで行く。
痛い、が彼に傷つけられていると思うとどうにも興奮してしまう自分がいた。
彼の制止を無視しながら、ゆっくりとブジーを抜き差しし、前立腺を責める。

「抵抗したって無駄だヨ。
気持ちいいコト、君は止められなんでショ?」 

このままブジーを抜かれてしまっては困ると思い、一旦ブジーから手を離す。
彼の両腕の鎖を片手で掴んだまま、上体を起こしている彼のこめかみに拳を食らわせ、身体が横にしなると、裏拳で反対側の頬を殴る。
そのままぐらつく彼を後ろへ押し倒し、両腕の鎖をベッドヘッドについている別の鎖へと手早く繋ぐ。 

「せっかくちょっと自由にしてあげてたのに…」 

これで抵抗はもうできない。
再び下半身へと戻ったボクは、ブジーをそのままにし銀色の宝石があしらわれたコックリングを取り出した。
それを少し勃起しているペニスの根元へとはめ込み、射精できないようにとグッと固定する。


「さ、おめかし完了だヨ」


彼の姿はなんとも滑稽だったがその姿に興奮さえ覚えてしまう。
こんな彼の姿をお望みの人はたくさんいる。
今日も散々弄ばれればイイ。

いつものイタズラな笑顔を彼に向け、ブジーを軽く抜き差ししてやる。
ボクのペニスはこの行為で勃起していたが、今はボクの番じゃない。

暫く抜き差しして遊んでやっていると、室内放送が入る。

『クキ、お客サマがお待ちデス』

ローレンツの声だった。
その言葉に監視カメラの方へと目を向け、手を上げて返事をする。
ベッドの上から降りると、彼の枕元へ行き綺麗な黒い髪を手に取った。
そこへ口づけ、両の口端を上げてにっこりと微笑みを向ける。


「さ、存分に楽しんでヨ、捕らわれの姫君サマ」 


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【神功 左千夫】


「ぐっ―――………ッう!!」


容赦のない殴打に口の中が切れる。
酷いことをされればされるほど昨日のセックスを思い出し複雑な表情が浮かんだ。
口内の鉄が錆びたような味に気を取られていると完全に拘束されてしまう。
しかも彼が持っているもの、それをどこにつけられるかを考えただけで血の気が引いた。 


「――――ッ!!いった……く、……ぁ……あ、んん!!!」 


根元にきつく止められたコックリング。
陰毛が挟まる痛みもあったがそれ以上に狭くなった尿道を弄られる行為に悲鳴が漏れた。 
ばたつかせれない足を必死に動かそうとし、上半身を揺らしていると彼は僕の上から退いていった。 

僕にとっては彼との行為が一番体力的にも精神的にもきついので、小さく安堵の息を吐く。
髪がシーツに広がるころに彼は部屋から出て行った。



僕の思惑と外れ、今日はそれからが拷問のようだった。
九鬼はペニスに入れているものは抜くなと言ったのだろう。
コックリングもブジーも抜いてもらえる気配が無い。
今日は客の方が仮面をかぶっていたので目隠しはされていないが相変わらず口枷は嵌められている。
いや、嵌められていて良かった、きっと何もつけていなかったら僕は客に懇願していただろう。
「イかせてくれ」と。

客の数人が言っていた‘ドライオーカズム’男性の性交に置いては良く聞く言葉だが僕の体はまだこれを知らない。
知らないというよりはそういう相手をうまく交わしてきた形だ。 

今日も射精を塞がれたまま散々前立腺を刺激された。
もう限界だと思う前にイったふりをして相手のペニスを締め付けてやる。
その間に相手がイってしまうという形で交わしてやる。

ただし、リスクはある。
結局僕は一度もイけていないのだ。
ペニスはコックリングのせいで浅黒く充血し、痛々しい状態になっている。 
もどかしすぎる感覚を呼吸を繰り返すことでしか散らせない。 


客は僕の手のみでなく足までも鎖で拘束していたため、帰っても何もすることが出来なかった。
ただただ、精液に塗れたまま荒い呼吸を繰り返し、邪魔な口枷に歯を立てる。

そうしているうちに人の気配を感じた。 


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【ローレンツ】


「ブザマですね…ジングウ…」


精液のにおい、湿った空気、そこにいるジングウの姿は目の見えないワタクシでも容易に想像できた。
寧ろ物凄く想像を掻きたてられ妙に興奮してしまう。
ワタクシは笑いを堪えきれず口端を震わせながら笑みを零した。 

「アナタがそんな状態ナノデ、クキに身なりを整えてヤレと言われマシタ」 

弱ったオーラのするところへと向かい、彼の目の前へと立つともっていた大きい桶のお湯をそのまま彼へとぶっかけた。 

「おっとシツレイ、ワタクシは目が見えないノデ」 

今のカレはもっと惨めな姿になっているだろう。
更に笑いが込み上げてきたが、口元を抑え我慢する。

カレの濡れた身体を確認するヨウに顔、胸、腹、ペニスへと指を這わせ、尿道に入れられているであろうブジーを指ではじいてやr。
少し甲高い金属音が響きわたった。
それを何度も指ではじきながら、ワタクシはジングウへと顔を向ける。 


「ワタクシはアナタがダイキライでネ…同じ幻術師なのにアナタはスゴク強イ。
クキにも一目置かれテイル…ナゼなんだ?
ワタクシは神を憎めばイイのですカ?
何故コンナにもジングウとワタクシはチガウのか…ト」 


最後に思い切り指をはじいたところで背中に仕込んでおいたナイフを取り出す。
それを彼の首元へと突き付けタ。


「つまり…アナタには今スグ死んでホシイんデス」 


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【神功 左千夫】


人の声がする。この声はローレンツという男だ。
学校内の出来事は把握している。
ドイツからの留学生となれば名前と顔位は知っている。
それがまさかこんなことになるとは思わなかったが。 

どうやら彼は目が見えないようだ。
しかし、幻術という能力を使うにはうってつけだろう。
目が見えないと、言うことは無限に想像ができると言うことだから。 


「――――!!!!!」


降り注ぐ湯。
口枷を嵌められたままの口内に入った分は飲むしかない。
仕方なく喉を動かし酸素を取り入れる。
どうやら彼は僕を良く思ってないようだ。
熱湯じゃ無かっただけマシかと考えていると、いたずらにブジーを弄ばれ始めた。 

やっと、熱が引き始めたのに、また燻ぶられていく。 


「ン!!――――――ッ!!……ン、ぐっ」 


カシャカシャと鎖の音が室内に響く。
その音と同時にボソボソと言葉を落とされ、とても聞き取りずらいが内容は妬みのようだ。
その後の行動にはもう、呆れるしか無い。

これは九鬼が望んだことでは無いだろう。
部下の独断か…。
彼も愛されているものだな、と、思うが無駄な抵抗はしない主義なのでそのままじっとその男を見つめてやる。 


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【九鬼】


グッとカレの首元へとナイフをあてがい力を入れようとした瞬間だった。 


「なにしてるの?」


ワタクシの真後ろ、耳元に唇が触れるほどの距離で囁いたのはクキだった。
心臓が跳ね上がり背筋が凍え、握っているナイフの力が抜ける。
囁かれるまでオーラにまったく気づかなかったと言うのに、今のカレのオーラはまがまがしいほどに真っ黒で、恐怖しか感じなかった。 

「いけないナ、ローレンツは」

そう言ってワタクシが握ったナイフをスッと取り上げた。
そのナイフの腹を自分の手のひらにあて一定のリズムを刻みながらクキはジングウの横へと移動する。 

「ココ、武器持ち込み禁止だヨ?君は身体洗ってあげるだけでよかったんだけど」

「ス、スイマセン…」 

一瞬殺意のこもったオーラを放ったクキは、ワタクシに向かってナイフを投げつけた。
動くこともできないまま、それは頬を掠め後ろのダーツボードへと刺さった音がした。 

「お、ブルに刺さった」

そう言ってクキが笑ったのが分かったので、恐怖でワタクシも無意味な笑みがこぼれる。 

「笑ってんナ、さっさと失せろ」 

カレの顔はきっと今目だけが笑っていない。
そのオーラで全身が恐怖の闇に飲み込まれそうになり頭の中が目まぐるしく回る。
結局何もコトバを返すコトが出来ず、ワタクシは部屋から逃げるように出て行った。 


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【神功 左千夫】


惨めな死様になりそうだと考えていると九鬼の言葉が響いた。
助かったと言うべきか、しかし結局助かっても地獄であることには変わりないのだ。 

やはりローレンツの独断だったようで、九鬼から禍禍しい気が溢れる。


この男の傍に居ると裏社会の事を思い出す。
彼はきっとこっちの人間なのだろう。
肌を焼くような殺気は心地いい。
どうやらローレンツは九鬼の逆鱗に触れた様子だ。
捕虜へと暴行などよくある話だろうに。

ナイフを突き付けられた首は少し皮膚が裂けたようでシーツを赤く汚していく。
ぐっしょりと濡れた体は冷え始め、少し寒かった。
濡れたシーツの感触も気持ち悪く、早く解放して欲しいが…。 


僕はカシャリと拘束されたままの鎖を揺らした。 


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【九鬼】


ローレンツが出ていったのを確認すると、左千夫クンに笑顔を向けた。

「ボク左千夫クンの命の恩人だネ」

そう言っても彼の反応は薄かった。
皮肉や反論のひとつでも無いと、ボクは楽しくない。
もちろん口枷のせいで喋れないんだケド。

彼の口枷を外してやるが、ブジーとコックリングはそのままにしておく。
側に落ちている身体を拭くはずだったタオルで顔を拭ってあげた。
髪が濡れ、顔に張り付いている彼の顔は、散々な行為の後だったせいもあり妙に色っぽく見える。 

「こうやってアイツも君の顔拭いてあげてたネ」

そう嫌味のような言葉を左千夫クンへ向けた後、柱に繋がれている鎖を解き、両手のみ前で拘束する。
彼はまたどこかに連れていかれる不安で暴れたが、無視して彼の身体をお姫様抱っこのように抱きあげた。 

「暴れないでヨ、ビショビショだと風邪ひくでショ?
一緒にお風呂はいろっか。キレイにしたげる」 

そう言うとボクは彼を自分専用のバスルームへと連れていった。 


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【神功 左千夫】


命の恩人と言われると聞こえはいい。
それは事実だが捕虜への扱いは酷いと思う。 

特に返す言葉も無かったので視線を逸らせていると口枷が外れた。
唾液が糸を引く様に嫌気が差したが疲れた顎が楽になった。
しかし、その後に向けられた言葉に僕はいらっとしてしまい、暴れた。 

どうしてこいつはこんなにも昨日の行為を蒸し返すのか。
それから抱えられる体に更に抵抗したがどうやら行先は風呂のようだ。 

正直暴れるたびに体内から漏れる体液は不快でしかない。 

僕は情事後に入れる風呂が好きだったので抵抗はやめた。
視線を合わせることはしないが。

「一人で入れます。」 

淡泊に告げる。
連れて行かれた場所は、僕の部屋に付いている風呂でも、情事後に入る簡易のシャワー室でも無かった。
このマンションは全て彼のものなのだろう。
嫌味にも程があるな。

風呂まで着くと彼の腕から降りようと体を揺らした。
正直に言うと今すぐにでも、ペニスの器具を外して自慰をしたい。
早く九鬼にどこかに行って欲しかった。 


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【九鬼】


ボク専用のバスルームは広い。
バスルーム、と言っても簡易ベッドはあるし、サウナもあるし、テレビもある。
もちろんここに人を入れたのは今日が初めてだった。

「ボクがお世話してあげるって言ってるのに、連れないネ」 

彼をシャワー近くの固定されて動かないイスに座らせると、鎖を背もたれへと繋げ逃げられないようにする。
服を全て脱ぎ、裸体を彼に晒すと口端を上げてイタズラ微笑んだ。

「綺麗にしよっか」

シャワーの蛇口を回し、少し熱めに温度に設定する。
お湯の噴出口の幅も狭め、水圧も激しくさせると、彼の乳首へと噴射した。
そのままぐるぐると円を描きながら、まるでホースで水を浴びせるように彼の身体へ這わせていく。 

別に彼の身体が精液まみれでも平気だった。
誰かの体液で汚れた彼の姿を見るのは興奮するからだ。 
逆に、薬師河のようなやり方は大嫌いだった。
丁寧に壊れ物のように扱うセックスなんて偽善だ。ボクは認めてやらない。 

ふいに昨日のことを思い出すと、抑えていた怒りがわき上がってくる。
その感情に舌打ちをした後、乳首から顔へ、わざと鼻付近を狙って息ができないようにさせる。 


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【神功 左千夫】


風呂と言うよりは部屋に近かった。
慣れた動作で椅子に拘束されてしまう。
余裕があった鎖が背もたれに掛けられることによって余裕が無くなってしまった。
これでは後ろ手で拘束されているのと何も変わらない。 

「お世話?…こんな風にして何人の人と遊んできたのですか、貴方は。」 

彼の言い方が気に食わなかったので皮肉を返してやる。
相手が服を脱ぐ姿は今日初めて見た。
鍛え上げられた肢体。色も白く、女であれば放って置かないだろう。
そんな男の性癖がここまで歪んでいると考えると少し勿体無くも思える。
暫く無言で見つめていると、思ってもみなかった、方法で彼は僕を責めた。 


「――――っ!!ぃ!!……はっ、……くッ、……な!!や…め」 


細くなったシャワーの湯は的確に僕の乳首を水圧で愛撫する。
ピンと芯を持った乳首に水圧が掛り続けると赤く充血していく。
熱めの湯は冷えた体には心地よく、鳥肌が立ってしまった。 

しかし、それだけでは収まらずその水は僕の顔に向けられた、腰をずらす様にして避けるがそこにまで湯は追いついてくる。
こんなことをするなら先ほど殺された方がまだマシだったかも知れない。
酸素を吸うタイミングを逃したため息が続かない。
自由な足を伸ばして相手を蹴り付けようとしたが僕の足が届く範囲に彼は居ない。
無様に足が宙を掻くのみだった。

「あ!!ぐっ、……げほっ、が……は……ぅ。は………ン!………ぅ!!」 

只でさえ水には嫌な思い出が沢山ある。
容赦なくたたきつけられる水、顔を横に振る一瞬しか酸素を得ることが痛い。
鼻に入った水が痛い、キーンと酷い耳鳴りが襲ってくる。
吐き出しても吐き出しても襲いかかってくる。
どれくらいの時間そうされていたかは分からないが、とても長い時間に感じられた。
僕の体は死を近くに感じたのか、惨めに器具を嵌められたペニスがガチガチに勃起していた。 


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【九鬼】


ボクは無心で彼の顔へとシャワーの湯を放っていた。
息ができない彼がもがく姿を冷めた目で見つめる。
ふいに彼のペニスが勃起していることに気づいたボクは、顔への噴射を止め、ペニスへと向かって竿をなぞる様に湯を放った。 

「やっぱり君は変態だネ」

そう言って何度も何度も勃起したペニスをなぞる。
彼の反応を楽しんでいると、自然と自分のペニスも反り立って行くのがわかった。
今日は彼を抱いていない。
腰が疼くのを感じ、シャワーの噴出を止めた。 

「キレイにするのは終わり」


そう言うと彼の座っている固定されたイスを力任せに横へと蹴り込む。
丈夫な出来ではあったが、床ごと足が剥がれると彼は座った状態のまま横向きに倒れ込んだ。
彼の手元へと回り、背もたれから鎖を離しイスを引っこ抜くと、壁へ思い切り投げつけた。
それは姿見に当たり、鏡が割れた音が室内に響き渡る。

横を向いたまま倒れている彼を後ろの壁へと持たれかけさせ上体を起こしてやる。
そのまま少し足を開きその上にまたがるように乗っかると、尿道にささっているブジーをイタズラに上下へと動かした。 

「もうココも限界なんでショ?一回イきたい?
言ってくれたらイカしてあげるよ?」 


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【神功 左千夫】


「げはっ!!がはっ……!ふっ、は……ぁ、ぅ!!ンー!!…ひぃっ!」 


やっと顔へと噴出が終わった。
きれいになったどころか僕の顔は咽たときの唾液や涙で逆に汚れた。
きっと目も真っ赤に充血しているに違いない。

変態と罵られながらペニスをシャワーで愛撫されると一気に体が快楽に流れる。
男の生存本能だから仕方ないと言ってやりたかったがその声は悲鳴に近い喘ぎを零すだけだった。 


「も……ッ、―――!?………はっ……ゥ………っ」 


九鬼の行動はきっちりと僕の体力を根こそぎ奪う。
僕の体は電流が流れることには慣れてしまったがその分体力も傷も回復が遅い。
鏡が割れる音が響く。
ローレンツの時の傷が開いてタイルを赤く染める。
更に擦り傷が無数に出来た。体はあ痣だらけで割れた鏡に映る自分は見るも無残だ。 

起き上がる体力も無く引きずられるように体を起こされる。
今から何をされるかなんて考えたくなかった。
抵抗しても無駄だと分かりながら拘束された両手で九鬼の胸を押す。 

「はっ!!イッ……くっ、……ぃ…あ!!イ゛、い゛!!―――ッ!!」 

ガリガリと九鬼の胸を引っ掻く。
素肌に僕の爪が当たる感覚が艶めかしかった。
コックリングに締められた尿道を無理やり割り開くように抜き差しされる感覚はもう、痛いのか気持ちいいのかわからなくなっていた。
彼が言った言葉に僕は目を見開く。


イきたくて仕方ない。
けれどこの男に強請るのは嫌だ。
体をガクガク震わしながら、僕は肯定も否定も出来ず、赤く染まった情けない瞳で九鬼を見つめた。 


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【九鬼】


「こーんなにいやらしい顔してるのに…ほんとはイキたいんでショ?」

引っ掻かれる手を払いのけながら、ブジーを抜き差しする。
けれど相変わらず彼は強請っては来ない。
それはわかっていることだった。

ボクはゆっくりと差し込まれたブジーを取り除くと、コックリングも外してやる。
あんまり刺激するとすぐにイってしまいそうだったので、ペニスにはあまり触れないようにした。 

彼から離れ、ブジーの入ったケースを取りに行く。
その中から凹凸のある先ほどよりも太いブジーを取り出し再び彼の元へと向かった。
それにジェルをたっぷりと付けながら彼の顔を見つめる。


「イキたいって言わなくても、今から嫌ってほどイかしてあげるから」 


そう言うとペニスの尿道口からゆっくりと凹凸のブジーを差し込んでいく。
尿道は吸い付く様にそれを受け入れ、深く深く侵入していく。
前立腺辺りまで辿りつくと、抜き差ししながらそこを突いてやり、片手は勃起したペニスを扱き、喘ぐ彼をじっと見つめた。 


「ほら、キモチイイでショ?ここ、イイんでショ?」 


舌舐めずりをしながら彼の表情を伺う。 


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【神功 左千夫】


彼は刺激なくブジーを抜いてしまった。
更にコックリングも外される。
直ぐにでも扱いて射精したかったがそれよりも早く彼が僕のペニスを握った。

目の前に晒されたのは先ほどよりも太いブジーで妙な形をしていた。 

もう限界だった僕はこの日初めて、泣きそうに表情を崩した。 


「―――――ヒィ!!!!ぁああああ!!もう、無理!!だ…めっ!!動かすなっ!!ぁー、あー!!!」 


限界を超えた体はガクガクと震える。
これだけの刺激を受けても射精を塞がれていては僕はイくことが出来ない。
上半身を捻り、必死に拘束されている手で九鬼を押しやっていると頬を引っ掻いてしまった。
その事実にビクンっと更に体を揺らし怯えた目を相手に向ける。 


「気持ちイ…っ!!ひぁ!!ぁああ!!きもちい…ぃ!!っもう、イった、イったから、やめて……やめっ!!!」 


涙が瞳から溢れた。
イったと言ったらやめてくれるかと考えた僕の口からは嘘の懇願が零れる。
それでも、やはり僕の体は絶頂にはいけなくてその寸前の一番もどかしい気持ちよさが続いて気が狂いそうだった。
頭を何回も横に振り、やめてと懇願する。
こんな無様な自分を見せたくは無かったがもう、自分では止められなかった。


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【九鬼】


頭を振り乱しながら懇願する彼は美しかった。
それを見るだけでも満足してしまいそうになったが、更に笑みを深めて彼へと言葉を投げかけた。 

「イッたの?…本当だとしてもやめないヨ。
今日は君をいっぱい気持ちよくしてあげるって決めてるカラ」 

そのまま前立腺を刺激するようにブジーの抜き差しを繰り返し、ペニスを扱いてやる。
自分のペニスは固く反り立ち、ピクピクと震えていた。
しかし、これでもかなりの刺激なのに、彼はまだドライオーガズムに達する気配はなかった。 

ため息を付くと、ブジーを動かす手は止めずに、片方の指を二本無理矢理彼のアナルへと押し込む。
かなりの男を相手にした後だったので、指はすんなりと彼の中に飲み込まれていった。
精液がまだ残っていたのか、中は思った以上にぬるぬるしている。
ローションいらずというのはこういうことか。


「こっちでも、刺激してあげるネ」


そう言って指で優しく前立腺を擦った後、指を束ね押し上げるように激しく刺激する。
ブジーもゆっくりと上下に抜き差ししながら、彼のよがる顔を見て興奮し息を荒くした。 


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【神功 左千夫】


「――――はっ!!も、ヒァ!!ぁあああ!!…ぁあああ!アアアッ!!あ!――ッ!!」 


声が押さえられない、頭がクラクラする。
喘ぎすぎて唇が渇いてきた。
イったと言っても、全く九鬼は手を緩めることは無かった。
もう、狂いそうなほどイきたい。

力の入らない両手で相手を押す。
もう、それしか抵抗が出来ない。
抑えつけられている体は何度も何度も大きく跳ねた。
涙の膜で前が見えない。

アナルに指を入れられ、前立腺を擦り上げられると声も出ないほど悶絶した。
目は見開き、ガクガクと体は震える。
視界が真っ白に霞み始めた。

ここまでは何度か凌辱されたことがある。
このときこぞって相手は‘ドライ’という言葉を使っていた。
この先に行くのがとてつもなく怖い。
しかし、もどかし過ぎておかしくなりそうだ。
どうしたらいいか分からない位の快楽に翻弄されながらも達する直前に腹筋を緩めてしまう。
そうすると、この地獄から抜けられない。


「はぁ!!クキ…く…きっ!!もう、無理、無理ッ、もう、イった、いやだ、…やめ…や…めっ!!」 


もう、何を言っているのかも分からない。
口端から唾液を滴らせ、アナルはきゅうきゅうに指を締め上げる。
歪んだ視界で九鬼を見つめ、最後に小さく、イかせて…お願い、と、唇は動いた。 


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【九鬼】


彼の叫ぶような喘ぎ声に腰が疼いて鳥肌が立つ。
まだイッたフリをしようとしている彼は、どうやらドライオーガズムになるのを我慢しているようだった。
そして、容赦なくアナルと尿道から前立腺を刺激していると、彼からやっと聞こえる程度の言葉が漏れた。 


ボクは嬉しさで震えてしまうほど胸が高鳴った。


いつも強情な彼が、初めてボクに強請ってくれた言葉だ。
これが嘘でもかまわなかった。
潤んだ瞳を目を見開きながら見つめ、いつもと違う笑みがこぼれそうになったがそれを隠すように笑った。 

「やっと言ってくれたネ」

そう言うとアナルから指を引き抜き、ボクはガチガチになったペニスを手に取る。
そして彼から取り外したコックリングを自身の根元へとはめ込んだ。
ギチギチと締め付けられ、酷い痛みを感じる。

「ボクも正直今君の中に挿れたらどうなるかわかんないから、これで、思う存分君をイカしてあげる」 

そう言って口端を上げ笑うと、アナルの中へと一気にペニスを突きつけた。
締まりのいい腸内がガチガチのペニスへと絡みつき、前立腺を沿う様に腰を振る。
ブジーで同時に前立腺を突き、腰を一定の早さでおもむろに動かし続ける。 


----------------------------------------------------------------------- 


【神功 左千夫】


目の前に現れたのはいきり立つ九鬼のペニス。
今、あんなものを挿れられたら僕は壊れてしまう。
嫌だ、嫌だと首を振っている間に九鬼は自分のペニスに何かを施し、僕の体内へと一気に挿入してくる。 

壊れそうなほどの衝撃が走った。
声にならない声で喘ぎ必死に九鬼を押しやる。
頭の中が真っ白で、奥を突かれる度に入口になにか金属製のものが当たった。

九鬼はいくら締め付けても達することはなかった。
今までの相手なら既に射精している。
不意に彼が彼自身に着けているものが分かってしまった。
そして、彼の言葉に意味も。


僕につけていたコックリングを自分につけるなんてばかげている。


彼は自分だけが気持ち良ければそれでいい筈だ。
なのに、痛い目をしてまでそんなことをする必要があるのか。
そんなことに意識を散らした瞬間。
グリっと前立腺から奥までを抉られ、今までにない脈打ち方で相手のペニスをコックリングまで飲み込むように締め付け。
僕の目の前が白くチカチカと光った。


「――――――――――――――――っ!!??」 


----------------------------------------------------------------------- 


【九鬼】


彼がペニスを締め付けて来る。
コックリングで欲望を止めておかなければすぐにでも射精していただろう。
無心に腰を振り続け、汗が噴き出し彼の身体へと落ちる。

射精がせき止められていても、ボクは満たされていた。

何故だかわからない。
いつもなら自分が気持ちよくなって吐きだせばおしまいだった。
相手の身体だけをボクの体液で染めてしまえばそれでよかった。

悔しかったが、少し薬師河の言うことがわかった気がした。


「すっごい…気持ちいいヨ…」


正直ギチギチになったペニスにコックリングをつけるのはかなり痛いものがあった。
けれど、それ以上に気持ちがいい、そんな単純な言葉しか出てこないくらいに。

息を荒げながら腰を奥まで突き上げ、ブジーの手も止めない。
すると、彼の反応が見るからに変わった。
それを見るとボクはブジーを更に前立腺を刺激するように奥へと差し込んだ。
ペニスも大げさに激しく彼の中を掻き乱すように突き上げる。 


「ホラ…イッて…イッてる左千夫クンが見たい…」


自分でもゆるんだ優しげな表情で彼を見ているのはわかった。
口元から唾液が垂れ落ち、身体が妙に熱いが心はいつもと違う快感で満たされようとしていた。 


----------------------------------------------------------------------- 


【神功 左千夫】


「はっ!!ぁ!あッ!!ぁあああ!!あ!!――――ンー――ッ!!!?」 


体内で滾る熱に限界が来た。
射精していないのに射精した時のような快楽が押し寄せてくる。
尿道から前立腺を引っ掻かれたときそれは爆ぜた。
初めての快感に僕は激しく体を痙攣させる。

カシャリと鎖を響かせながら両手を大きく上げ、九鬼に抱きつくようにそれを首の後ろに回す。
常の状態ならこのまま首を絞めることも可能であっただろうが、
僕は今、完全に快楽に負けていた。

九鬼の背中を引っ掻き、縋り、抱きつこうとする。
自ら体を寄せようと九鬼を引っ張る。
完全に感じ切った恍惚な表情で九鬼を見上げ唇を震わせる。 


「―――きもちい……っ!善すぎて………こわ……ッ……ィ!!」 


体が痙攣する。
搾り取る様な締め付けを九鬼のペニスに与えてるのに彼は射精しない。
前立腺を刺激されている限り快楽は続く、射精しているような感覚が今も続いている。
余り長くなるとどうなるか分からなかったが今は気持ちよくて仕方が無かった。

気持ちいい。彼に犯されているのにもう、頭にはその言葉しか浮かばない。
体内をペニスで擦られる度に得も言わぬ快楽が駆け巡る。
もう、口も閉じていられない。

赤い舌を覗かせながら僕は喘いだ。 


----------------------------------------------------------------------- 


【九鬼】


ヤバイ、ダメだ、こんな左千夫クンを見ていると興奮と嬉しさが全身を駆け巡る。
一瞬首を絞められるのかと思ったが、繋がれた両手は背中へと回り、ボクを引き寄せようとしている。 

どうやら彼はドライオーガズムに達したようだった。
今までと比にならないくらいの妖艶な表情と甘い喘ぎは、自ずと腰の動きを速めていく。
背中をひっかかれている痛みさえも何も感じないほどに頭の中が彼しか認識していない。 

覗いた舌に自分の舌を絡める。
舌を噛まれてしまう、なんて考えなかった。
貪るように彼の唇、舌、全てを本能のまま堪能し彼の唾液を共有する。 


「はっ…も…ボクダメだ…」


自分の表情は多分余裕がなかっただろう。
一度唇を離しそう言うと、ブジーの手は止めずにペニスを引っこ抜いた。 

ガチガチの自身の根元は浅黒くなり、見た目でもわかるくらいに脈打っている。
そこからコックリングの留め金を外すと、彼の目へと視線を戻した。 

「多分、すぐ、イく…左千夫クン…かわいすぎてずるいヨ…」 


そう言った後、彼の中へ奥まで一気に一突きする。
締め付けがヤバイ、絡んでくる腸壁が我慢していたものを全て奪い去ろうとする。 

奥歯を噛みしめながら激しく何度か打ち付け、ブジーも更に前立腺を刺激するように突き上げた。
身体を彼のすぐ側まで寄せ、唇ギリギリの所で彼の吐息と喘ぎを感じ取る。
目を離さずに、本能のまま腰を振った。


「イッ………――――ッ!!!」


更に彼の奥を突いた瞬間に我慢していた大量の精液全てを彼の中へと放つ。
放つと言っても、意思とは関係なくイッてしまったようなものだった。
何度も大きく身体もペニスもビクビクと脈打ち、すさまじい快感で、脳内が霞んでしまう。 


----------------------------------------------------------------------- 


【神功 左千夫】


夢中でキスを返してしまった。
縋る者はそれしかないと言うかのように僕は足も絡めてしまう。 

ペニスを引き抜かれるときの摩擦ですら甘く感じてしまう。
その間も絶えず尿道の前立腺を擦られていたので絶頂を感じたままだった。 


「はっ!……ァアッ!!ア…あっ!!………いいッ!!……よ…すぎ…て、おかしくっ……ッンンンン!!!!」 


また直ぐに九鬼のペニスが体内に入ってくる。
熱い熱の杭は先ほどよりも大きく容赦なく僕の胎内を掻きまわす。
更に性器へと加えられる刺激で僕はまたイったような感覚を得てしまう。 

もうすでにイっている筈なのに、何度も何度も波が打ち寄せてきて気が狂いそうなほど気持ちよかった。
九鬼が最奥で爆ぜた後も搾り取る様に腸壁を絡め、肌が粟立った。 

目の前の九鬼が余りにも情けない表情をしていたので。 


不覚にも愛おしく感じてしまった。 


----------------------------------------------------------------------- 


【九鬼】


「っ…はっ…はぁ…っ」


腸壁に搾り取られていく感覚を感じながら、暫く力なく腰を打ち付けていた。
身体は脱力しきっている。
そんなに動いていないと言うのに、なぜだかわからなかった。
彼をゆるみきった表情で見つめ、荒い息を整えていく。 

腰の打ち付けをやめても、ブジーの手は止めずに彼に何度もキスを繰り返した。 


左千夫クンが好きで好きでたまらない。
ずっとずっと一生こうしていたい。


「ヤバイ…ほんと…もう…」


この先の言葉を言おうとした瞬間、ハッと我に返った。
自分の中の本心を彼に伝えてしまいそうになることを躊躇ったボクは、
首後ろに回っている彼の手からくぐる様にすり抜け、アナルからペニスを引き抜いた。
大量の吐きだしたボクの精子が彼の中から溢れでてくるのを見て、なんだか空しい気持ちになった。 

その感情を隠すようにいつものように口端を上げてイタズラな笑顔を彼に向けた。 


「気持ちヨカッタ♪」


そう言うとブジーをもったいぶる様にゆっくりと引き抜いてあげる。
全て抜けきった後、彼の尿道口からせき止められていた精液がどくどくと溢れてきた。
彼のペニスへと顔をよせ、溢れ出てきたそれを水を飲むように飲み込む。 

彼の精液はなぜか甘い気がした。
ある程度溢れ出てきたものを飲み込んだ後、口端を拭きながら立ち上がり、大きく息を吐く。 

「ボク疲れちゃったから部屋戻るネ。
君一人でここ使っていいヨ」

そう言うと両手の鎖を外してあげた。 

「言わなくてももうわかってると思うケド、逃げても無駄だカラ」 

それだけ告げると僕は握っていたブジーをゴミ箱へと捨て、彼に背を向けて部屋を出た。 


----------------------------------------------------------------------- 


【神功 左千夫】


「……はっ……ン。……ンー……ッ……ぅ……はっ」 


彼の射精はとうに終わったはずなのに、まだブジーを弄る手が止まらない。
それどころか、甘いキスをまた、された。

今までのような強要で無く、まるで昨日の誰かにされたような恋人のようなキス。
彼が何か呟こうとしたところで言葉は止まってしまい、そこからはいつもの彼だった。


「――――ッ…………ンっ………はっ、あ、あ。」


ブジーを引き抜かれるときに鼻にかかった吐息が漏れた。
はっきりいってもう、手も足も動く気がしない。
更に搾り取る様に精液を吸い取られると足先までビクビクと震えた。
僕の尿道は真っ赤に腫れ、熱を持っていた。


いつものように部屋から出ていく、九鬼。
しかし、それが彼であると認めたくない僕が居た。

こういうときは僕は深く考えず現実を受け入れる。
しかし、どうやら今回は深く考えた方がよさそうな気がした。

体、洗わないと……。 


そうは思ったものの疲労感の方が勝り、僕はそのまま意識を手放した。 





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