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香主《シャン ジュゥ》九鬼【白翼《バイイー》】との出会い
香主《シャン ジュゥ》・九鬼【白翼《バイイー》】との出会い
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【▲▲ sachio ▲▲・幼少期】
また僕はどこかに売られていくらしい。
どこ行ってもすることは多分一緒。
毎日毎日注射され、激痛にのた打ち回って、訓練して。生きていたら次の日も同じことを繰り返す。
僕は自分の名前すら知らない。
記憶があるころには実験施設にいた。一般的にマフィアと呼ばれる組織の実験体だ。そういうところにいるので名前がなくても特に問題は無い。足の裏の識別番号さえ覚えていれば事足りる。
アルビノと言う特異体質であるので他の普通の子よりはまだ、待遇がいいのかもしれない。
後は実験の結果の数値がいいらしい。
大人の事情なんて僕にはわからないし、分かる気もないんだけど。
「暇です……」
窓もない地下室。
鳥かごのような牢屋に手と足に長い鎖のついた手錠をつけられた状態で放置されている。
体育座りをして身を丸めているが、薄着な為、はっきりいって寒い。
───はやく、商談終わってくれないかな。
【▽▽ KUKI side ▽▽・幼少期】
今日のおとうさんは商談の日。
実験体や実力のある子供を買うんだって。
ボクはおとうさんに買われたわけじゃない。本当の子供。
子供は買うものじゃないのにって、いつも思うんだけど、おとうさんには逆らえないからそういうことは言わないようにしてる。
商談中はいつも暇だから、屋敷の中をうろうろしてる。
あっちに行っちゃダメ、こっちに行っちゃダメって言われるから、行ける場所は限られていたけど、偶然地下に続く階段を見つけたので、覗いてみるとかび臭い地下牢が見えた。
看守のおじさんが誰かと電話していたので、目を盗んでこっそり侵入には成功した。
こういう場所はワクワクする。
バレないように奥の方へと進んで行くと、ボクくらいの小さなこどもたちがいっぱいいた。
怯えたような目でこちらを見ている子、ボロボロに傷ついた子、片目が無い子、たくさんの変わった子供たちがいた。
少し怖くなったけど更に奥へ行くと、ひときわ白い肌をした黒髪の男の子がいた。
一瞬にしてボクはその男の子に目を奪われた。
心臓がドキドキいってる。
バレないように静かに近づいていくと、彼の伏せられている瞳が赤いことにきづいた。
「目、宝石みたいだね!!」
ボクは看守のおじさんにバレないくらいの声で彼に話しかけた。
【▲▲ sachio side ▲▲・幼少期】
まさかの来客にパチパチと数回瞬いた。
気持ち悪い目だと言われたことはあるが、宝石などと表現されたことが無いので思わず自分の片目を抑える。
「宝石……。それより、君。牢屋から出れたならはやく逃げないと……」
しかしよく見ると牢屋の外にいる同じ歳くらいの少年はきちんとした身なりをしていた。
僕らが買われる側と言うならば、彼は買う側の人間だろう。
なら、見つかっても怒られるくらいで済むだろう。僕たちなら殺されるかお仕置きされるかだけど。
「調度いい。暇だったんです。僕とお話しませんか?」
話し相手を見つけた僕は立ち上がると牢屋の柵のギリギリまで歩いていきその前にちょこんと正座する。
ジャラジャラと鎖の耳障りな音が立つことに小さく苦笑した。
【▽▽ KUKI side ▽▽・幼少期】
「うん!お話しよ!」
ボクは満面の笑みを零し。
柵越しの彼へとなるべく近くなるように距離をつめた。
それから暫く彼と話し込んだ。
家のことや学校のこと、彼には家族はいないようだったけど、ボクの話を真剣に聞いてくれるのが何よりうれしかった。
親はひとつもボクの話を聞いてくれない、友達はみんなボクの家を怖がって遊んでくれない。
この家で孤独だということも彼に話した。
そして、彼の笑った顔が綺麗だった。
辛い思いをいっぱいしてきただろうに、それでもまだ笑顔は濁っていなかった。
ボクはこの子が気に入った。
たくさん話をして笑った後、彼になにかプレゼントをしたくなったボクは、自分の小指にはめていた指輪を外す。彼が目を丸くしたが、手をひっぱりそれを小指にはめてあげた。
「ボ…ボクの友達になって!」
照れながらそう言うと、反応が怖かったので俯いてしまった。
今まで何度も友達になろうと言っても断られてきたのを思い出したから。
【▲▲ sachio side ▲▲・幼少期】
彼はいろいろな話をしてくれた。
僕は研究所や訓練施設から出たことが無いので彼の話はどれもとても新鮮だった。
知識では教えられているがやっぱり、誰かが経験した話はとても面白い。
何度も何度も首を縦に振る。
彼が孤独だと聞くと眉が下がった。
僕も孤独だ。
親も兄弟も知らない。
でも、彼は親が居ても孤独だと言った。
どう返したら彼を元気づけられるかと考えていると手を取られその小指には指輪がはまっていた。
慌てて返そうと思ったが続いて彼から落ちた言葉には目を丸くした。
「僕でいいのなら……」
トモダチ。
勿論、日常的な知識は全て叩き込まれている。
そんな相手ができるとは思っていなかった。
ああ、今日ほどこの檻から出れない運命を恨んだことは無い。彼と僕を分けるこの柵さえなければ、僕はこの子と遊んだり、ゲームをしたり出来るのに。
「でも、僕は…ここから出れません。ここから出れたら、もっといい友達になれるのに…」
駄目な友達です。と、小さく呟いた。
勿論誰かに物をもらったことなんてない、それも無償で。小指に嵌ったリングをとても嬉しそうに見つめた後、とっても悲しい気持ちになってそれを指から外した。
「これは高価なものでしょ?子供の僕でも分かります。こんな、檻から出れないトモダチに渡しちゃだめです」
これは受け取れないけど、友達では居たい。
それを込めて綴った言葉。
そして指輪を返そうと檻の外に手を出したが彼は受け取ろうとしなくて困ってしまった。
【▽▽ KUKI side ▽▽・幼少期】
「僕でいいのなら」と言ってもらえたことに感動し、胸が高鳴る。
どんな高価な玩具でも、こんなに嬉しかったことは今までなかった。
ボクが喜びの表情を露わにしていると、彼はここから出れたら、と言った。
たしかにそうなんだ、この柵から出られればボクは彼とずっと一緒におしゃべりしたり、遊んだりできる。
彼は落ち込んだ表情を見せるとはめてあげたリングを外しボクへと返そうとした。
それを断る様に首を振る。
「ダメ!これは友達のしるしなの!それに君がここから出られなくたって…」
ボクはハッとした。
出れるじゃないか。
おとうさんに頼み込んで、彼をボクのものにしてもらうんだ。
彼はものじゃないから、下僕みたいな扱いは絶対にしないし、させない。
彼が返そうとする指輪を再び彼の手の中へと包ませ、その手をぎゅうっと握った。
「ボク、おとうさんに君を買ってもらえないか頼んでくる!
ううん、絶対に買ってもらう!それでここから出ていっぱい遊ぼう!!」
すぐにでもおとうさんの所へ行ってこのことを告げたかったボクは、看守のことも忘れて走り出そうとした。
「あ、その前に」
ポケットから少し袋がよれた大好きな飴玉を取り出す。
「お腹へってるでしょ?それ、あげるよ!」
そう言って彼に飴玉を差し出した。
【▲▲ sachio side ▲▲・幼少期】
彼は僕をここから出してくれると言った。
父親に僕を買ってもらうと…。
そんなことが本当に可能かは分からなかったが僕はその気持ちだけで満たされてしまった。
「分かりました。じゃあ、ここから出れたら返しますね?
貴方の横に居れるなら友達の印なんていらないでしょ?」
結局その指輪は僕の手の中に入ったままになってしまった。
そして彼は去り際に一つの飴をくれた。
ありがとうございます。と。言って受け取った飴を直ぐに口の中に放り込んだ。
「――――!!!!!!」
それは涙が出そうなほど辛かった。
でも、彼の笑顔からこの飴を好意でくれたことが分かったので、必死に涙が出そうなことを隠す。
「とっても…、…おいしい…です。」
認識番号は?といつもの癖で聞きそうになった。
普通なら名前と言うものがあるはず、名前を呼びたかったが名前は知らない。
名前を聞きたかったのだが、口の中の辛さと格闘している間に、彼は走り去ってしまった。
もし、もう一度会えたら名前を聞こう。
看守が彼に驚いていたようだが特に問題は無かった様子だ。
また一人になってしまったので足を包むように座りなおす。
口の中は辛い飴でとっても辛かったが心はとっても満たされていた。
きっと彼は僕の前に表れる。
そう確信していたのに………─────。
次に僕の前に現れたのはあの少年ではなく。
研究に狂った目をした一人の男だった。
久しぶりにあからさまに落胆してしまった。
きっと間に合わなかったんだろう。
いや、もしかしたら、元から僕はこの男に買われることが決まっていたのかもしれない。
男に見つからないように貰った指輪を舌の裏に隠す。
今日はとっても素敵な一日だった。
やっぱり、名前、…聞いとけばよかったな。
----------------------------------
あれから十数年後僕達は再開した。
度重なる実験で僕は彼の事を忘れていたけど、彼は僕の事を覚えていた。
そして記憶を取り戻した僕は今現在、九鬼……白翼《バイイー》の奴隷兼恋人である。
また僕はどこかに売られていくらしい。
どこ行ってもすることは多分一緒。
毎日毎日注射され、激痛にのた打ち回って、訓練して。生きていたら次の日も同じことを繰り返す。
僕は自分の名前すら知らない。
記憶があるころには実験施設にいた。一般的にマフィアと呼ばれる組織の実験体だ。そういうところにいるので名前がなくても特に問題は無い。足の裏の識別番号さえ覚えていれば事足りる。
アルビノと言う特異体質であるので他の普通の子よりはまだ、待遇がいいのかもしれない。
後は実験の結果の数値がいいらしい。
大人の事情なんて僕にはわからないし、分かる気もないんだけど。
「暇です……」
窓もない地下室。
鳥かごのような牢屋に手と足に長い鎖のついた手錠をつけられた状態で放置されている。
体育座りをして身を丸めているが、薄着な為、はっきりいって寒い。
───はやく、商談終わってくれないかな。
【▽▽ KUKI side ▽▽・幼少期】
今日のおとうさんは商談の日。
実験体や実力のある子供を買うんだって。
ボクはおとうさんに買われたわけじゃない。本当の子供。
子供は買うものじゃないのにって、いつも思うんだけど、おとうさんには逆らえないからそういうことは言わないようにしてる。
商談中はいつも暇だから、屋敷の中をうろうろしてる。
あっちに行っちゃダメ、こっちに行っちゃダメって言われるから、行ける場所は限られていたけど、偶然地下に続く階段を見つけたので、覗いてみるとかび臭い地下牢が見えた。
看守のおじさんが誰かと電話していたので、目を盗んでこっそり侵入には成功した。
こういう場所はワクワクする。
バレないように奥の方へと進んで行くと、ボクくらいの小さなこどもたちがいっぱいいた。
怯えたような目でこちらを見ている子、ボロボロに傷ついた子、片目が無い子、たくさんの変わった子供たちがいた。
少し怖くなったけど更に奥へ行くと、ひときわ白い肌をした黒髪の男の子がいた。
一瞬にしてボクはその男の子に目を奪われた。
心臓がドキドキいってる。
バレないように静かに近づいていくと、彼の伏せられている瞳が赤いことにきづいた。
「目、宝石みたいだね!!」
ボクは看守のおじさんにバレないくらいの声で彼に話しかけた。
【▲▲ sachio side ▲▲・幼少期】
まさかの来客にパチパチと数回瞬いた。
気持ち悪い目だと言われたことはあるが、宝石などと表現されたことが無いので思わず自分の片目を抑える。
「宝石……。それより、君。牢屋から出れたならはやく逃げないと……」
しかしよく見ると牢屋の外にいる同じ歳くらいの少年はきちんとした身なりをしていた。
僕らが買われる側と言うならば、彼は買う側の人間だろう。
なら、見つかっても怒られるくらいで済むだろう。僕たちなら殺されるかお仕置きされるかだけど。
「調度いい。暇だったんです。僕とお話しませんか?」
話し相手を見つけた僕は立ち上がると牢屋の柵のギリギリまで歩いていきその前にちょこんと正座する。
ジャラジャラと鎖の耳障りな音が立つことに小さく苦笑した。
【▽▽ KUKI side ▽▽・幼少期】
「うん!お話しよ!」
ボクは満面の笑みを零し。
柵越しの彼へとなるべく近くなるように距離をつめた。
それから暫く彼と話し込んだ。
家のことや学校のこと、彼には家族はいないようだったけど、ボクの話を真剣に聞いてくれるのが何よりうれしかった。
親はひとつもボクの話を聞いてくれない、友達はみんなボクの家を怖がって遊んでくれない。
この家で孤独だということも彼に話した。
そして、彼の笑った顔が綺麗だった。
辛い思いをいっぱいしてきただろうに、それでもまだ笑顔は濁っていなかった。
ボクはこの子が気に入った。
たくさん話をして笑った後、彼になにかプレゼントをしたくなったボクは、自分の小指にはめていた指輪を外す。彼が目を丸くしたが、手をひっぱりそれを小指にはめてあげた。
「ボ…ボクの友達になって!」
照れながらそう言うと、反応が怖かったので俯いてしまった。
今まで何度も友達になろうと言っても断られてきたのを思い出したから。
【▲▲ sachio side ▲▲・幼少期】
彼はいろいろな話をしてくれた。
僕は研究所や訓練施設から出たことが無いので彼の話はどれもとても新鮮だった。
知識では教えられているがやっぱり、誰かが経験した話はとても面白い。
何度も何度も首を縦に振る。
彼が孤独だと聞くと眉が下がった。
僕も孤独だ。
親も兄弟も知らない。
でも、彼は親が居ても孤独だと言った。
どう返したら彼を元気づけられるかと考えていると手を取られその小指には指輪がはまっていた。
慌てて返そうと思ったが続いて彼から落ちた言葉には目を丸くした。
「僕でいいのなら……」
トモダチ。
勿論、日常的な知識は全て叩き込まれている。
そんな相手ができるとは思っていなかった。
ああ、今日ほどこの檻から出れない運命を恨んだことは無い。彼と僕を分けるこの柵さえなければ、僕はこの子と遊んだり、ゲームをしたり出来るのに。
「でも、僕は…ここから出れません。ここから出れたら、もっといい友達になれるのに…」
駄目な友達です。と、小さく呟いた。
勿論誰かに物をもらったことなんてない、それも無償で。小指に嵌ったリングをとても嬉しそうに見つめた後、とっても悲しい気持ちになってそれを指から外した。
「これは高価なものでしょ?子供の僕でも分かります。こんな、檻から出れないトモダチに渡しちゃだめです」
これは受け取れないけど、友達では居たい。
それを込めて綴った言葉。
そして指輪を返そうと檻の外に手を出したが彼は受け取ろうとしなくて困ってしまった。
【▽▽ KUKI side ▽▽・幼少期】
「僕でいいのなら」と言ってもらえたことに感動し、胸が高鳴る。
どんな高価な玩具でも、こんなに嬉しかったことは今までなかった。
ボクが喜びの表情を露わにしていると、彼はここから出れたら、と言った。
たしかにそうなんだ、この柵から出られればボクは彼とずっと一緒におしゃべりしたり、遊んだりできる。
彼は落ち込んだ表情を見せるとはめてあげたリングを外しボクへと返そうとした。
それを断る様に首を振る。
「ダメ!これは友達のしるしなの!それに君がここから出られなくたって…」
ボクはハッとした。
出れるじゃないか。
おとうさんに頼み込んで、彼をボクのものにしてもらうんだ。
彼はものじゃないから、下僕みたいな扱いは絶対にしないし、させない。
彼が返そうとする指輪を再び彼の手の中へと包ませ、その手をぎゅうっと握った。
「ボク、おとうさんに君を買ってもらえないか頼んでくる!
ううん、絶対に買ってもらう!それでここから出ていっぱい遊ぼう!!」
すぐにでもおとうさんの所へ行ってこのことを告げたかったボクは、看守のことも忘れて走り出そうとした。
「あ、その前に」
ポケットから少し袋がよれた大好きな飴玉を取り出す。
「お腹へってるでしょ?それ、あげるよ!」
そう言って彼に飴玉を差し出した。
【▲▲ sachio side ▲▲・幼少期】
彼は僕をここから出してくれると言った。
父親に僕を買ってもらうと…。
そんなことが本当に可能かは分からなかったが僕はその気持ちだけで満たされてしまった。
「分かりました。じゃあ、ここから出れたら返しますね?
貴方の横に居れるなら友達の印なんていらないでしょ?」
結局その指輪は僕の手の中に入ったままになってしまった。
そして彼は去り際に一つの飴をくれた。
ありがとうございます。と。言って受け取った飴を直ぐに口の中に放り込んだ。
「――――!!!!!!」
それは涙が出そうなほど辛かった。
でも、彼の笑顔からこの飴を好意でくれたことが分かったので、必死に涙が出そうなことを隠す。
「とっても…、…おいしい…です。」
認識番号は?といつもの癖で聞きそうになった。
普通なら名前と言うものがあるはず、名前を呼びたかったが名前は知らない。
名前を聞きたかったのだが、口の中の辛さと格闘している間に、彼は走り去ってしまった。
もし、もう一度会えたら名前を聞こう。
看守が彼に驚いていたようだが特に問題は無かった様子だ。
また一人になってしまったので足を包むように座りなおす。
口の中は辛い飴でとっても辛かったが心はとっても満たされていた。
きっと彼は僕の前に表れる。
そう確信していたのに………─────。
次に僕の前に現れたのはあの少年ではなく。
研究に狂った目をした一人の男だった。
久しぶりにあからさまに落胆してしまった。
きっと間に合わなかったんだろう。
いや、もしかしたら、元から僕はこの男に買われることが決まっていたのかもしれない。
男に見つからないように貰った指輪を舌の裏に隠す。
今日はとっても素敵な一日だった。
やっぱり、名前、…聞いとけばよかったな。
----------------------------------
あれから十数年後僕達は再開した。
度重なる実験で僕は彼の事を忘れていたけど、彼は僕の事を覚えていた。
そして記憶を取り戻した僕は今現在、九鬼……白翼《バイイー》の奴隷兼恋人である。
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