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過去編(高校生)

那由多の仕返し③

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【日当瀬晴生】

もうどうにでもなれっと決心した傍からその心が打ち砕かれる。
千星さんが俺のアナルを綺麗だと言ったんだ。
言ったってことはきっと丸見えなんだと思った瞬間羞恥でもうどうしようも無かった。
俺は無理に内腿同士を合わせる様にして腰が上がったまま足を閉じた。

「も!勘弁して下さい!!俺、恥ずかしくて…しねます…!」

泣きたいと思った。色んな意味で。
しかし、また足を開く様に促されたので仕方なく足を開いていく。
俺は近くにあったもう一つの埃っぽい枕を手に取ると顔の上に置いて表情を隠した。

「……は、はやく…」


【千星那由多】

恥ずかしがっている晴生を見ると、変な気持ちになってくる。
勘弁しろと言われるともっとしてやりたくもなったが、そこは我慢しておいた。
俺もこんなことされたら恥ずかしくてしねるからだ。
足を開いて貰うと、早く、と促される。
その言葉にまた胸がときめいてしまった。
顔を隠されたので表情は見えなくなったが、まぁ今は仕方ないかと思いローションを手に取り、片手に大量にぶちまけた。
確か手であっためてからだよな、と丁寧に捏ねていく。

「とりあえず力抜いて、…痛かったら言えよ…」

そう言うとまずアナルの周りにローションを塗りつける。
本当にこんなちっさい穴に入るのかと、濡れた人差し指の先端だけを少しだけ挿入した。


【日当瀬晴生】

ローションがアナルの周りにぬられて行く。
温めてくれていたが空気に触れると妙な感覚になった。
ぬるついた指が俺のアナルに触れた瞬間異物感に体が引き攣った。

「――――ッ!!!!!!!」

痛くは無いが兎に角気持ち悪い。
しかし、気持ち悪いと言う訳にもいかず俺は必死に枕を握り締めた。

「だ…いじょう……ぶ……です。」

既に涙声だったけど何とかそう返せた、気がする。
頑張れ俺!男だろ!!

アナルは千星さんの指を拒むようにギュッと窄まってしまう。
勿論、力なんて抜ける筈もなかった。
俺は、千星さんのここにいれてると思うとやっぱ彼は凄いと改めて尊敬した。


【千星那由多】

大丈夫と言われたがかなり力んでいるし、涙声だ。
ちょっとかわいそうな気がしたが、ここで止めるのもな、と思いそのまま指をゆっくり一本挿入していく。
中はかなりキツく、指に腸壁が絡みついてきた。
アナルの中ってこんななのか、と思いながらゆっくり抜き差しをし始める。

「かなりキツそ……」

中を解してやるように指を中で優しくかき回すと、ぐちゅぐちゅと卑猥な音が俺の興奮を誘う。
太腿へとキスを落としてやり、どうにか緊張が解れないものかとゆっくり指の根元まで押入れて行った。


【日当瀬晴生】

「はっ……く……もう、俺、駄目かも知れま…せん……ッん!」

指が一本入っただけなのに吐きそうだ。
しかも異物感が物凄い。
無理だと言う言葉しか頭に浮かばない。
涙声で訴えながら枕からこっそり千星さんを見つめる。

そうしているうちに指が動き始めた。

「くぅ!……あ、中、まわしちゃッ……もう、駄目です、って、千星さ――ッ!」

アナルを掻きまわされることがこんなに苦痛だとは思わなかった。
千星さんは本当にこんなのが気持ちいいのだろうか。
また、指を沈められるころには俺は既に息絶え絶えであった。


【千星那由多】

かなり辛そうに弱音をあげているのを見るのは少し気がひけたが、いつもと違う晴生を見ると、少し興奮している自分もいた。

「…ごめん、頑張って…」

もうそれしか言えない。
丁寧に解した後、そろそろ二本目もいけるかと思い一度指を引き抜くと、二本目を追加する。
晴生の胎内が指に吸い付いてくる感覚は、少しクセになりそうだった。
ローションを塗り込み、押し拡げるように丹念に解しながら、片手で晴生のペニスに触れた。
快感を与えてやれば少しでも痛みが和らぐかと思い、ゆっくりと扱き始める。

「すごい吸い付いてくる…晴生ん中…」

喘ぐ晴生の声が枕の下から聞こえ、腰が疼いた。
できることなら顔も見たいが、恥ずかしがって絶対に見せてくれないだろう。


【日当瀬晴生】

訴えても俺の優しい千星さんは許してくれなかった。
これは本気だってことだ。
なら我慢しなきゃいけないって分かっては居るんだが、やっぱり無理!
気持ち悪い。

いつ根を上げようかと枕に顔をうずめながら悩んでいた時に俺に変化が起こった。

「――――ッ!!!!は、ぁ、……せ、ん……ぅあ!」

アナルから痺れるような快楽が上がった。
多分これが前立腺ってやつだ。
しかし、これはますますマズイ、こんな快楽に俺は耐えれそうにない。
俺はベッドヘッドにずれ上がる様にして千星さんの指から逃げた。


【千星那由多】

暫く胎内で指を動かしていると、晴生の反応が少し変わった。
もしかして前立腺を擦ったのかと思い、その場所へと指をあてる。

「晴生の気持ちいとこ、ここ?」

逃げる晴生を追いかけながら、撫でるように擦ってやると、気持ちよさそうな声があがる。
二本の指で押し上げてやりながら、ペニスの扱きも止めなかった。
気を良くした俺は、途中で指をもう一本増やすと、執拗にその部分を攻めたてていく。

「…一回イッてみる…?」

そう言うと、尻についているローションをすくい上げ、ペニスにもなすりつけた。
そのままぐちゅぐちゅと大きく扱き、同時に快感を与えてやる。
多分この時の俺の顔は、酷く欲に塗れていたと思う。


【日当瀬晴生】

「ヒッ!……ぁ、そこ、……そ、……ふ、ぁ!……く、イかなくて……いいッ……ン」

枕に顔を埋め、声を押さえても押さえても押さえきれないほど体が勝手に反応する。
先程イきかけていた感覚がペニスに戻ってくる。
同時に快楽を与えられると体がそれを欲していき、俺は千星さんの腕に足を絡めるように閉じた。
頭も、ベッドヘッドと言っていいのか、壁についてしまい、逃げ場が無い。

感じたことのない快楽に俺は枕を握ることしかできなかった。

「駄目です……熱くて、おかしく……ッ!」


【千星那由多】

「…おかしくなっていいよ、もっと、気持ちよくなって…っ」

喘ぐ晴生と、目の前に広がる卑猥な光景を見ているだけでもペニスは硬くなっていた。
更に攻めたてるように前立腺を指で突き上げ、音をわざと立てるように三本の指を抜き差ししてやる。
言葉とは裏腹にガチガチになっている晴生のペニスは、早く解放して欲しそうにひくついていた。

「イったら俺の、挿れてあげるから……イって?…俺も、早く晴生と繋がりたい……から…っ」

太腿に舌を這わせながら、優しくお願いするように甘い声をかける。
正直早く晴生の胎内に挿入したい気持ちでいっぱいだった。


【日当瀬晴生】

「―――ッ!!!?んなッ!…く、あ!…はっ!…くぅ!あ、も、……駄目ッ、です、せん…ぼし、さぁ!ぁ、あッ――――――ッん!!!!!!!」

沸き上がる快楽が凄まじい。
出来れば経験したくない感覚に体が包み込まれると訳が分からなくなってくる。
涙が零れ、顔が真っ赤に染まる。

そのまま俺の体は千星さんに追い立てられるように射精してしまった。
自分の体に体液が飛ぶのが分かる。
アナルも千星さんの指に食いつく様に締まる。

感じたことの無い脱力感に枕越しの天井を見つめたまま俺は放心状態に陥った。


【千星那由多】

承諾の言葉に胸が高鳴り、腰が震えた。
晴生の唇へと軽くキスを落とすと、身を起こし枕元にあったコンドームへと手を伸ばす。
そして封を切って……から気づいたが、俺はコンドームをつけたことがない。
もちろん晴生がつけているのを見ていたりはしたが、絶対にうまくつけれる自信がなかった。

ど、……どうしよう……。
いや、落ち着け俺。ここは装着に失敗して破れたりするより、素直に晴生に教えて貰った方がいいよな…。
折角決心してくれたのに、待たせる訳にもいかないし…。

「あ、あのさ、晴生…」

俯きながら小さく声を落とす。

「わ、悪いんだけど……コ、コンドームの付け方教えて……」

情けなくて語尾が掠れ、顔は多分真っ赤だっただろう。


【日当瀬晴生】

コンドームを開ける音がしたので、来る!っと思い、覚悟を決めたのに想像もしていない言葉が降ってきた。
俺は瞬きながら千星さんを見つめたが、なんだかそれで、気が抜けてしまった。

「……はは。難しいですよね、ソレ。」

それだけ告げると俺は置き上がって千星さんの亀頭にコンドームを置く。
それから溝に引っかからないように気を付けながらコンドームを滑らせていき、最後に馴染ませた。
真っ赤な千星さんが可愛くてその鼻先にキスをしておいた。

「これで、大丈夫だと、思います…。」

妙に気恥かしくて俺は視線を外した。


【千星那由多】

「あ、ありがとう…」

ああ、俺めっちゃくちゃダサい…。鼻先にキスをされると余計に照れてしまった。
晴生も恥ずかしそうに視線を外したので、ムードを持ち直さなければと頬へとキスを落とす。
そして顔をギリギリまで寄せ、晴生をじっと見つめた。

「…じゃあ、挿れる」

それだけ告げると晴生を再び押し倒した。
その流れでばっちりコンドームがついたペニスにもローションを垂らしておく。
少しだけ温めるように扱いてから、晴生の足を大きく開いた。
照明でローションがいやらしく光り、少し赤みがかったアナルはひくついている。

「い、いきます…」

意味がわからないが、何故か敬語になってしまった。
大きく息を吸った後、そのままペニスの先端を晴生のアナルへと押し当てた。


【日当瀬晴生】

再び押し倒されると布団に沈む。
見上げた千星さんは見るからに緊張していて自然と俺の体も硬くなる。

「は、はい……」

なんの返事だと自分で自分を突っ込みたかったがペニスがアナルへ当たるとそれどころじゃ無くなった。
ゆっくりと押し入ってくる、ゆっくりなんだがかなりの圧迫感に俺の体は丸まった。
そして、痛いほどしめつけてしまう。

「はっ!……いッて………う、……ッ!」

激痛に両目が閉じ、表情が強張る。
必死にシーツを握り締めるが余りの痛さに体が震えるのが分かった。
どうにかやり過ごそうと俺は大きく呼吸を繰り返す。
これ、確か千星さんに言ったけど、いざ自分がするとなればかなり難しかった。


【千星那由多】

ゆっくりとペニスを挿入していくが、指を入れていたことなど比にならないくらいの締め付けだった。
痛そうな顔をする晴生を見て、罪悪感が込み上げてくる。
これが初めての挿入か、と無意味な思いにふけりながらも、軽く抜き差ししながら慣らすように挿入していった。

「きっつ……」

思わずそんな言葉が漏れてしまうが、とにかく根元まで挿入してしまおうと、眉を顰めながら深く腰を落として行く。
そして、やっとの思いで根元まで挿入した瞬間に、妙な達成感を覚えた。
挿入したまま晴生に覆いかぶさると、嫌がると思ったが、長い前髪を耳へとかけてやる。

「へへ……なんとか、入った……痛いよな、ごめんな?」

思わずゆるんだ笑みが零れてしまった。


【日当瀬晴生】

「―――ッ!!は、やっぱ……ぁ、あ、はぁ……ぅ、く!」

無理と何回言いそうになっただろうか。
それほど挿入の時間は長く感じられた。
何度か結合部を見て確認しようと思ったがそれはそれで恥ずかしくて出来ない。

そうしているうちに上から笑い声が聞こえた。
途端に視界がクリアになる。
俺の双眸が捉えた千星さんの笑顔は格別で、繋がっていることを忘れるほどに感動してしまった。
それから、じんわりと繋がったんだと言う実感がわいてくる。

「……俺の、ほうこそ、……力、抜けなくて、すいません…」

恥ずかしさは拭えなかったので耳まで赤くして謝罪した。

この時はいろいろテンパッいて掻きあげられた髪を下ろすことなんて忘れていた。

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