多分きっと俺は君が好きだった

さくらんこ

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過去編(高校生)

心の底②

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【千星那由多】

晴生の口調が冷たいのは、激しくしろと言ったせいだろうが、やけに胸に突き刺さってくる。
いつものような甘い言葉は囁かれることがない。
それは嫌なはずなのに、そのギャップに興奮することも確かだった。

口の中に指を無理矢理突っ込まれると、無遠慮に動かされ、その行為に顔を歪める。
さっさと舐めろと言われると、何故か腰が疼いてしまった自分の情けなさから、逃げるように思考を逸らした。

そしてそのまま大人しく言われるがままに舐め始める。
晴生の指で口の中を犯されているのを実感してしまうと、いけない気持ちばかりが込み上がってきた。
喉奥を突かれると嘔吐感で吐きそうになってしまったが、涙目になりながら耐えるように必死でぐちゅぐちゅとしゃぶり続ける。
すると、急に指を引き抜かれた。

「ぅ…え…?」

そしてそのまま晴生のペニスが俺のアナルへと宛がわれたのがわかった。
まさかと思って止めに入ろうとしたが、それよりも先に乾いたアナルへと晴生のペニスが無理矢理に突っ込まれてしまう。

「――――ンッあぁああッ!!!」

さすがに何もしていない状態での挿入は酷く痛かった。
痛みに叫び声をあげたが、その痛みで更にペニスは勃起していく。
いつもならきちんと慣らしてくれて、コンドームもつけてくれる。
それなのに今は真逆だ。
俺が命令したせいで。

確かに激しい…けど、これじゃなんか……犯されてるみたいで…。

嫌だ、嫌なはずだ。
それでも晴生のこの行為は俺の興奮を高めて行く。
晴生の手をひっかく様に爪を立てながら、容赦なく動かれる痛みで酷く顔が歪み涙が流れたのがわかった。

「はるっ…はるきッ……痛ッ……痛い……!!」

薄らと目を開きながら晴生の顔を見つめる。

俺は、これが晴生だから興奮しているのだろうか。
それとも、誰にでもこんなことをされれば興奮してしまうのだろうか。

答えはわかっていたが、気づかないフリをするように、ぐっと痛みに耐え続けた。

  
【日当瀬晴生】

千星さんがもの凄く痛そうだ。
俺のペニスもぎゅうぎゅうに締め付けられて痛い。

あれ、俺もしかして激しいの意味間違ってる?

俺の手に爪を立てられる。
そして痛い痛いと言う千星さんを見ているとなんだか違う気がして、挿れたばかりのペニスを引き抜いた。

「すいません。ちょっと勘違いしてたみたいです。」

どうも、この激しいでは無いようだ。
じゃあ、激しいとはなんだろうか。

頭をフル回転させていると昔俺の兄貴が言っていたドライオーガズムを思い出した。

それを試してみるかと俺は彼の前から一度退いた。
そして、救急箱を持ってくる。
前回同様その奥底のコンドームを取り出すと中にはカードと一緒にバイブが入っていた。

“おめでとう、晴生”と書いてあったその字は夏岡さんのものだった。
もしかして、恋人ができたと勘違いされたのだろうか…。
いや、しかし、今は嬉しいプレゼントだありがたく使わせて貰うことにする。

コンドームの袋を破ると中身を取り出す。
そうして千星さんの足を容赦なく開くと勃起しているペニスの根元をぎゅっと痛い位にコンドームで結んでいく。

「気持ち良くなるためだと思って我慢してください。
千星さん、四つん這いになって、尻こっちに向けて貰えますか?」

指示を出す間にバイブにたっぷりとローションを塗って置く。
これで先程みたいに痛むことは無い筈だ。
  
【千星那由多】

「んぁッ!」

急にペニスが引き抜かれるとその刺激で声が漏れた。
もしかして俺が痛いと言っていることでやめたのかと思ったが、どうやらそれは違ったみたいだった。
そのまま晴生は何かを考えるような仕草をし、俺から離れる。
それを視線だけで追いながら、晴生が側から離れた寂しさで胸が苦しくなったのがわかった。
とりあえず荒くなった息を落ち着かせる。

晴生は救急箱を漁り、何かを持ってくるとその手にはコンドームとバイブが握られていた。
なんであんなとこにバイブなんかが入ってんだよ、と突っ込みたくなったが今は言わないでおこう。
どうやらコンドームをつけて行為をしてくれるみたいだ。……と思ったが、それはまったくの間違いだった。
コンドームは晴生のペニスではなく、俺のペニスの根元にきつく結ばれた。

「――――いッ……!」

使い方間違ってるぞ、と言いたかったが、どうやらこれからやることに関係があるらしい。
でもこれされたら俺射精できないんじゃないのか?
四つん這いになってこちらを向けと言われたが、多分あのバイブを挿入されるんだろう。
何が起きるのかわからない恐怖でたじろいでしまい、行動に移すことができない。
そもそも晴生の目の前で自分から四つん這いになるのは恥ずかしい。

「な、なんか怖いから……無理……ッ」

小さく言葉を落とすと、晴生から視線を逸らした。

  
【日当瀬晴生】

「…………。」

無理と言われて俺は沈黙する。
これは、命令では無い。
止めてくれと言われている訳でもないので続行しろと言うことか。

一先ずバイブを転がすと、千星さんを押さえ付けながら両手首を彼のネクタイで結んだ。

激しいだからこれくらいしてもいい筈だ。

千星さんは怯えていたが今からすることは痛いことではないので大丈夫だろう。
うつ伏せは後でさせることにして取り合えず今は足の間へと入り込んだ。

「後ろ向きの方が楽だと思うんですが…。
まぁ、今はいいです。取り合えず、足開いてくださいね。」

転がしていたバイブを手に取りながら、ボトルの先をアナルへと押し込み、そのままローションを注入する。
それから、ゆっくりとアナルを割り開くようにしてバイブを埋めて行く。

二、三度、前立腺を擦り上げてから、スイッチをオンにした。
まずは一番下の振動だけのものだ。
下から上へと前立腺を押し上げる様にして、振動を与え続ける。

「ここですよね、千星さんのイイトコロ。
ゆっくり感じててくださいね、俺、頑張って激しくしますから。」

首を傾ける様ににっこりと笑みを浮かべた。

  
【千星那由多】

押し黙っていると、晴生は急に手をネクタイで縛り始めた。
もちろんペニスはコンドームできつく括られたままだ。

「なぁ…何、すんの?…」

教えてくれと言いたいが聞けない。
これから激しくされるのだろうか?
期待か不安かわからないものが入り混じって喉が鳴る。

途端にアナルへとローションボトルを突っ込まれると、そのまま中へと流し込まれていった。
冷たい感触に身体が跳ねると、すぐにバイブを挿入されてしまう。

「ひ、ん、…ぅン……ッ……う」

冷たいそれが中へと侵入してくると、自然と眉を顰めてしまう。
前立腺を擦られると、小刻みに身体が反応してしまった。
電動歯ブラシを入れられたことはあるが、バイブは使ったことがないので、この先どうなるのかがわからない。
それより、ペニスの根元を縛られていることが不安でたまらない。

「な、はるき……この、コンドーム……――――んあぁッ!!!!」

なんでつけているのか、と言う前に振動が与えられた。
止まっていた快感がどんどんと込み上げてくると、喘ぎが漏れた。
晴生の笑みが何故か怖く見える。

「やッ、そこっ、だめ……ッ…!……ッ……うぅッ!!」

振動音とローションの音が室内に響き渡ると、余計に興奮が増していく。
少し萎えかかっていたペニスが再び大きくなっていくと、締め付けられる痛みに顔を歪めた。
けれどそれよりも快感が上回ってくる。

「あッ…無理……!ッ……気持ち、気持ちーけど……っ!」

ペニスの根元を縛られていると塞き止められている感じがして辛い。
上に縛られている手をペニスの方へと持っていくと、コンドームを指先に引っ掻けて取るように動かした。

  
【日当瀬晴生】

「あ!千星さん!ダメですよ、触っちゃあ…。もー、仕方ないですね。」

前立腺に当てることを集中していると千星さんがペニスに手を伸ばした。
俺は溜息を吐いて、ぐっとバイブを奥まで押し込み手を離す。
そうして、更に強くコンドームを縛り付けた。

それから力任せにうつ伏せにすると自分のベルトを使ってベッドヘッドへとネクタイで結んだ両手を拘束した。
これで、自分ではとることが出来ない。

「外さない方がきもちいいんです。大丈夫、俺を信じてください。ちょっとこっから集中しないといけないんで話しかけても無駄ですからね。」

どうも、今の俺は千星さんの言葉に左右されてしまう。
彼は激しくして欲しいらしいのでこれが終わるまでは彼の言葉を聞かないでおこう。
彼の喘ぎ声まで聞こえなくなるのは哀しいが仕方が無い。

俺は携帯を取り出すとイヤフォンを耳へと装着する。
そうして爆音で音楽を流し始めるとそのままバイブを持ち直して、振動を中に、そしてピストンスイッチのボタンをいれた。

奥まで入れていたバイブを少し引くと、下に押す様にして前立腺へと当てる。
ここからは持久戦だ。
相手が泣きわめくまではこのままだ、何を言っても聞こえないし、腰を揺らそうものなら追い掛けて前立腺を刺激してやる。

おそるおそるこちらに視線を向けてきた千星さんににこっと笑みを浮かべた。

 
【千星那由多】

コンドームを外そうとしたのに、それは晴生によって阻まれてしまった。
更に強く根元を縛られると、痛みで顔が歪む。
そのまま俺は無理矢理体勢を変えられ、抵抗する間もなくベルトで両手の自由を更に奪われてしまう。

外さない方が気持ちいいと言われても、なんだか怖い。
晴生を信じていないわけじゃなかったが、これから起きることが想像がつかなくて身体が強張ってしまう。
自分の「命令」を後悔し始めた俺は、晴生に小さく呟いた。

「俺が悪かった………全部、外して……ッ」

しかし、晴生は既に耳を音楽で塞いでいる。
音漏れしているそれを聞きながら、何度か大きい声で名前を呼んだが反応はない。

「…晴生っ!!晴生!!……―――――んあぁぁッ!!!」

胎内に挿しこまれているバイブの勢いが更に強くなった。
振動が強くなると共に、蠢き出したそれに身体が小さく跳ねながら反応する。
手元のベルトを何度も引っ張ったが、強く結ばれていてベッドが揺れるだけだ。
取ってくれという視線を向けるように振り向くと、晴生の笑顔はまったくさっきと変わっていなかった。

「も、いやだ…怖い……!やめて…ッやッ……んんんッ!!」

前立腺を容赦なく刺激してくるそれに、頭を振りながら抵抗の意思を見せる。
ただ、抵抗しても気持ちがいいことは確かだった。
胎内がそれに対して締まってしまうと、唇を噛みしめながら、必死で快感を紛らわせる。
けれど快楽も喘ぎも止まることは無い。
そして晴生に「やめろ」という命令も今は届かない。

この容赦なく快楽を押し上げる行為から逃げるように、ベッドヘッドへともがきながら身を寄せていった。

  
【日当瀬晴生】

千星さんが何か言葉にしているようだが俺には聞こえなかった。
きっとつやっぽい声で喘いでいるんだろうと思うとそれを聞きたくて仕方が無い。
想像するだけで更に自分のペニスに血液が集まった。

体の痙攣具合からみて、そろそろ限界の筈だ。

でも、まだ泣き叫ぶほどはよがっていないので更に刺激を加える様に自分の手でバイブをピストンさせる。
抜いたり刺したりしながら、絶え間なく前立腺を擦ってやる。
あいている手では陰嚢を揉んだ。

「イきたくて堪らなくなったら、腹筋に力入れて見て下さい。」

逃げる千星さんを追い詰める様に更に自分の体も前に進める。
単調な愛撫だがそれが一番ドライを掴みやすい筈だ。

「今からするのは射精無しの絶頂です。なので、なにも不安なことはありませんよ、千星さん。」

陰嚢を刺激していた手で更にペニスも擦ってやる、泣き叫ぶほど追い詰めるのはかわいそうだけど、その後の快楽はとんでもないらしいので、今は行為に集中した。

  
【千星那由多】

俺が逃げても晴生は追ってくる。
どんどん快感が押しあがって行き、ペニスは赤黒くなってきていた。

「んァッ…も、もう、ダメ…!!!―――っはるッ!はるきッ!!ぃ……や、イく、イっ…なんか……なッ…ぅう、う…!!!」

執拗に前立腺を擦りあげられながら、いつもと違う快感が全身を巡ろうとしていた。
何なのか全くわからない。
射精したい、今すぐ出したい。
それなのに出せない。

射精なしの絶頂というものの意味がわからなかった。
けれどもう俺の限界はすぐそこまで来ている。
目尻から溜まった涙がシーツへ落ち、身体を小さく痙攣させながら、頭を思い切り振り乱す。

堪らなくイきたい。

そう思った俺は、晴生の言われた通りに、自然と自分の腹筋へと力を入れていた。
ペニスまで扱かれると、もう全てがどうでも良くなってしまい、快感に神経が集中していく。

「ヒッ、ぁ、――――あッ、も、やめッ…はるき……ッイか…イ、イかせ…ッ…イッ…い、………んうぅううううッ――――――!!!!」

大きく身体が反り上がった。
快感が下半身から全身を巡っていき、ガクガクと身体が震える。
射精の感覚とはまた違ったその快感は、絶えることなくまだまだ俺を追いこんで来る。

「ヒッ、イ、いっ、イッた!!やめ………なにッこ、れ…も、アァアアッ!きもちッ…きも、…んぅッ!!!!おかッ…おかしくな、るッ!!!はるき…!ダメ…む、り!!!…あぁああッ!!!!」

口端から唾液が垂れ落ち、視線が定まらないまま、快感に喘ぎまくった。
ありえない程の気持ちよさで頭が真っ白になりそうだ。
身体はおかしくなったように、大きく何度も痙攣し、暴れるせいで激しくベッドが軋んでいた。

これが射精無しの快感なのだろうか。
今まで味わったことが無い気持ちよさで、俺はいつの間にか叫び喘いでいた。

  
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