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過去編(高校生)

気持ちいいこと④

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【日当瀬 晴生】


何ヵ月振りだろう。
久々の射精に全身が震える。
べったりとお互いの体液が掛かってしまったが気持ち悪くは無かった。
千星さんには申し訳なかったけど。

内緒。と、言った千星さんの赤くなった顔が余りにも可愛かったので俺もつられるように真っ赤に染まってしまった。 
それからしたキスにもう昔の記憶は思い出される事無く、自然に唇を重ねる事ができた。 

ああ…もっと気持ち良くしてやりてぇ。

それが素直な俺の気持ちだった、俺の元から離れようとする千星さんの腕を掴み、そのまま広いベッドに押し倒した。 
調度、液晶に映し出された二人も場面が展開している。
が、信じられない場所に指を挿入されている。

まてまてまて、ああ、…でも気持ち良さそう。
兄貴も、男のあそこには気持ち良いポイントがあるつってたし、何よりテレビの男はとてつもなく気持ち良さそうだった。 

「ちょっと。待ってて下さい。」

そう告げるとベッドヘッドへ向かう。
自分の腹をティッシュで拭い、そこから必要そうなものとティッシュのケースを持って千星さんの元に戻る。 

「リラックスしてて下さいね。あ、テレビみててもいいですけど……。」 

千星さんの脚の間に入り込みながら腹の精液をティッシュで拭う。
うまく出来るか分からないので小さく苦笑を零す。
千星さんの意識を違うところに逸らしている間に人差し指に袋から出したコンドームを付ける。
それに潤滑油になるようにお試しようの小さなパックに入っているローションの封を切り垂らして更に滑りをよくしていく。

それからゆっくりと右人差し指を突き立てていく。 


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【千星 那由多】


腕を掴まれたと同時に、ベッドへと押し倒される。
ぼやけていた頭が倒された衝撃で更に眩む。

なんだなんだなんだ??

俺は不安を感じていたが、ちょっと待っててくれと言われたので素直にその言葉にしたがった。
なんか、まだ、される?

心臓がバクバクと高鳴り始めたが、この後することってなんだよ?と自分を冷静に保っていた。
何かを持って戻ってきた日当瀬の手にはコンドームと何か小さなパックがあった。
コンドーム!?と俺が起き上がろうとした時軽く押し倒され、リラックスしてくださいと言われた。

俺はあわあわしていたが、気を紛らわすためにテレビへと視線を移す。
その画面には、アナルに、指を、突っ込まれてるシーンが流れていた。


ままままままさか、コレしようとしてんじゃないのかコイツ!!!!


俺はババッと起き上がり下半身を見ると、日当瀬は指にコンドームをつけ
なにかぬるぬるとしたものを丁寧にかけ終わり、俺のアナルに指を突き立てようとしていた。


「まっ―――ー!!…んっ」


アナルにゆっくり突き入れられている指に違和感しか感じない。
でもなんかモゾモゾして身体がビクつき変な気分だ。

「ちょっ!おまえ……っなにしっ…!」

日当瀬の手を掴んで止めようとしたが、それさえも余っていた片手でがっちりと制止されてしまった。 


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【日当瀬 晴生】


千星さんの抵抗を押さえ付けつつ指を奥までゆっくりと挿入していく。
寝転ぶのが嫌なのかと勘違いした俺はアナルの指を動かしながら足で内腿を押さえ付けるように固定しつつ千星さんの背中に枕を二つともセットする。
これでテレビと同じような体勢なったけど…。

根元まで入れた指をまずは円を掻き、ローションを塗りこめる。


「千星さん、深呼吸して下さい。力入れると痛いらしいですから。」 


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【千星 那由多】


力入れると痛い…だなんて言われたけど、こんな恥ずかしいことされて力入れない方がどうかしてる!
だけど確かに結構痛かったので、俺は顔を両手で隠しながら大きく深呼吸した。

ええい!こうなりゃどうとでもなれ!

俺の顔はすでに真っ赤だったと思うが、少し体勢が起き上がったので、指の隙間から日当瀬の顔を見る。
その目はかなり真剣だった。

ああ、こんなキレイな顔してんのに俺のアナルいじってるかと思うとちょっと興奮する。
俺は無駄に深呼吸しながらそんな変なことを考えていた。
日当瀬の行為にどんどん自分のペニスが反応してきているとは知らずに。 


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【日当瀬 晴生】


千星さんが俺が真剣にアナルを弄っている事に興奮したという事実に気付く事無く。
純粋にアナルに指を入れられていることに気持ちがいいと勘違いした俺は少し眉を寄せる。 

もしかして初めてじゃないのか…?
でも、中々入らねぇし。

色んな疑問に顔付きは真剣なまま、締め付けられる中でも指が動く程度にローションが伸びると次は前立腺を探し始める。 

…確か、指の二関節目辺りの腹側のしこり、ここかな?

グッと人差し指でその場所を押し上げ上側に押し上げながらゆっくりと擦り。
千星さんの様子を伺う。 


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【千星 那由多】


されるがままに力を抜いていたが、俺の中のある部分を日当瀬が触った時に変な声が上がる。


「ひあっ!!」


咄嗟に顔を覆っていた手を口にやり、日当瀬に目をやると少し驚いた顔をしている。
まずい、なんか、そこ気持ちいい…なんて言えるわけもなかったが、日当瀬は気を良くしたのか俺の反応に構わずその部分を擦りだした。 

「んっんっ…んんっ…!」

手で押さえていたが喘ぎは漏れてしまい、腰が浮く。
自分のペニスはかなり固くなり始めていたのが分かった。 

さっきまで痛かったのが嘘のように気持ちがよく、息があがる。
頭の中がぐるぐると回り、全身に快感が走りおかしくなりそうだった。 


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【日当瀬 晴生】


見つけた!! 


どうやら俺の知識は間違っていなかったらしく、千星さんのいいところが見つかった。
更にコンドームの中に指を増やして二本の指で前立腺を攻める。

「気持ち良いですか?ここ、前立腺っていって男なら誰でも気持ち良いらしいので、そのまま感じてて大丈夫ですよ。」 

必死に気持ち良さを隠そうとするのがまた可愛い。
日本人は恥ずかしがり屋だと言うが千星さんはその通りに思えた。
捕まえていた両足は解放する変わりに更に足を開かせるように自分の足を開く。
開いている手ではペニスを扱き上げ、快楽を直結してやり。

「奥が感じる人もいるらしいので探してみましょうか?」

俺も千星さんの痴態に興奮が収まらず言葉が擦れる、指を奥まで入れると順々に感じる場所を探すように動かす。
その間もペニスへの愛撫は続け。 


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【千星 那由多】


日当瀬が淡々と気持ちいい部分の説明をする。
このまま感じて大丈夫とか言われたけど、これ感じるとかのレベルじゃない…んだけど!


「んっ…ふっ…んんっ…!」


アナルに挿入されていた指を増やされ、余計に刺激が増す。
ペニスまで扱かれ出したらたまったもんじゃない。
気持ちよすぎてすでに先端からは先走りがあふれ出していた。
いやらしく攻めたてる日当瀬の顔はかなり興奮しているようだった。 

やばいやばいやばい。
なんで俺こんな姿日当瀬に見せてんの…。

白い手が俺のペニスを扱き、アナルに突っ込まれた指からはくちゅくちゅと音が響いていた。
奥へと侵入してくる指が探るように蠢く。

あ、コレ、やばい、奥も気持ちいい…!

再び俺は腰をビクビクと浮かせ、息を荒げる。
さすがに自分の手で塞いでいた口が息苦しくなり一度離して日当瀬に言葉を投げかける。

「んっ…はぁっ…ひっ日当瀬ッ…も、もうイイから…っん!」

正直これ以上やられるとペニスの刺激も直結してイッてしまいそうだった。
俺だけ気持ちよくさせられていくのは恥ずかしかったし、日当瀬にも悪いと思った。


「じゅっじゅうぶんっ…きもちっイイからっ!もぉ…やめて…!」 


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【日当瀬 晴生】


本当に気持ち良さそうな千星さんを見ていると、もっと気持ち良くさせてあげたくなる。

奥の感じる場所を探していると明らかに他とは反応が違う場所を見つけるとニッコリと笑みを浮かべる。ニヤリに見えたかも知れないが。
二本の指をバラバラに動かし絶え間なくその場所をタッチする。


「ここですね。」


そこを弄り初めてからの千星さんはヤバイ。
可愛いのはさっきからずっと可愛かったのだが、何よりもエロい。
いや…エロ過ぎる。
色々おれもヤバくって、視線を俯き気味にしながらペニスやアナルを見つめるが、濡れたそこは余計にエロくて視線のやり場に困り始める。 

「……ッだめです、そのままイって下さい。」

こんな状態で千星さんを放置する訳には行かないが俺も色々限界に近かったので、
二本指で前立腺から奥を大きく速く突き上げると共に、ペニスを射精に導くように擦り上げた。 


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【千星 那由多】


俺の訴えも聞き入れず、日当瀬は中を突き上げてきた。

「あッひぁっやめっ…!」

ペニスの扱きも早くなり、俺は身体を浮かせながらシーツを強く握る。
脳内が麻痺して、口からは唾液が漏れ、身体はかなり汗ばんでいた。
頭を横に振りながら拒否しているが、もう、限界だ。
ぐちゅぐちゅといやらしい音が響き、ペニスはガチガチに反り立っている。

「あっぁっアッひっもっイッイクッ!」

俺の言葉に反応したのか日当瀬はこちらに顔を向けるとアナルとペニスへの刺激速度を上げる、顔は笑っているような気がした。
その表情に更に興奮してしまい、俺は一気に絶頂へと向かう。


「はっはるっきっアッあッあァッ!
あ…ぃっイクッイッ……――――――っ!!」


思わず日当瀬の名前を呼ぶ。
瞬間頭の先から足の先まで身体全体に快感が駆け巡り、俺の身体は大きく跳ねながら、射精してしまった。
脱力した身体はベッドに深く落ち、俺は息を荒げながら快感の余韻に浸る。


ああー…マジで、これ、恥ずかしすぎるんですけど…。 


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【日当瀬 晴生】


バスローブが完全にはだけて露出した肌すら赤くて、千星さんが感じてくれているのが分かる。

後は取り敢えずエロい。
もうその一言に尽きる。
今流れているAVなんて比べものにならないエロさに俺の顔も真っ赤だろう。

これから先、女を抱いてもきっとこんな気分にはならないと思えるほど俺は興奮し、バスローブの隙間から見えるほどペニスは勃起していた。 


「―――――――っ!!!!」


そこで晴生は反則っス、千星さん!!!

中庭で呼ばれた時とは全然違う高揚。
だめだ。もう限界だと思った瞬間に千星さんはイった。
そして限界だった俺の鼻からはポタポタと血液が落ち、慌てて鼻を手で押さえる。 


「すすすすすいません、千星さん!!!あまりに可愛くて、エロくて、俺もう限界です!風呂いってきます。」 


指を引き抜き、早々にまくしたてると俺は風呂へと消えた。


勿論そこで一発抜いたのは言うまでもない話だ。 


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【千星 那由多】


鼻血を出した日当瀬は数分経ってから部屋へと戻ってきた。
俺はケツが痛かったが時計を見ると20時近くになっていたので、急いで二人で着替えてホテルを後にする。

人生経験…以上のものをしてしまった気がする。
俺と日当瀬はお互い顔を見れずに沈黙のまま、とぼとぼと歩いて帰る。 

家が見えてきた。
ああ、日当瀬とここでお別れか。
なんかさみしいな、なんて思ってしまう俺がキモいが、その感情と共に俺はなぜか立ち止まっていた。

日当瀬がこの時初めてこちらをきちんと見て、「千星さん?」と問いかけてくる。


「……」


俺は意を決して日当瀬の両腕を掴んだ。
一瞬たじろいだ表情をしたが、俺はお構いなく日当瀬の唇にキスを落とす。
軽く、触れるだけのキス。
離れると日当瀬の顔は真っ赤で、何が起きたのかわからないと言った顔をしていた。

「きょっ今日はありがとな!キキキスぐらいなら…またいつでもしてイイから…」

裏返る声を押さえながら近所の人に聞こえないように小声で言う。
それだけ言うと、茫然としてる日当瀬を後にして家へと向かった。

キス以上も、してもいいかなんて思ったのは絶対に内緒だけどな。 




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