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エド(魔王)×シュン(魔道士) 

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 エド様と出会って、結構な時間が流れた。
「平和だなぁ…」
僕、シュンが窓から外を眺めながら、ボソッと呟くと…
「魔王ー!!出てこーーい!!」
門のところに人影があった。
どうやら、勇者が乗り込んできたらしい。
「エドさまぁ!」
僕は、エド様の所までけ足で向かった…



「エド様。勇者が来たみたいですよー!」
僕は、魔王…エド様が仕事をしている部屋に入りさっきのことを伝えた。
エド様は、羽根ペンを持って、書類に目を通していた。
「シュンのことを生贄いけにえにしたやつか?」
エド様が書類から目を離し、僕のことを見た。
「新しい勇者ですよ!」
僕が言うと、エド様は書類に目を戻し、
「…なら、ベルゼブブに任せよう。」
と言って、ベルゼブブさんを呼んだ…



数十分後…
勇者は、生け捕りにされた。
それをエド様は魔王の椅子に座って、勇者をじっと見ていた。僕はどこにいたかと言うと、エド様に抱きかかえられていた…
「離せっ!離せよ!」
手足をしばられて、芋虫いもむしのように地をう勇者。
「貴様が新しい勇者か…。」
エド様が言った。
「あぁ!そうだよ!」
勇者がキレ気味に言った。
「今の世は平和なはず…何故攻めてきた。」
エド様が聞くと、
「それは…」
と、口を固く閉ざし、じっとこちらを見つめていた。
数分間の沈黙ちんもくが続く…
先に口を開いたのは、勇者だった。
「…おにぃ…。」
その言葉が、僕に向けられているのだと理解するのに、数秒かかった。
「……そいつを離してやれ。」
エド様が言った。
家臣達が勇者の体に巻き付けられた紐を解いた。
「…っ!!」
勇者はすぐに立ち上がり、攻撃態勢をとった。
「シュンにぃを返せ!!」
勇者が言った。
「…アランくん…?」
僕が勇者に向かって言うと、
「そうだよ!シュンにぃ。助けに来たよ!」
と、返ってきた。
アランくんは僕より5歳年下の親戚の男の子で、いつも、僕のことを「シュンにぃ」と呼んで後ろを付いてくる…可愛い弟みたいに思っていた。
そう言えば、もう10年近く会ってなかった。
だから、すっかり大きくなって男らしくなってしまったアランくんを見て、なかなか思い出せなかった…

「魔王!シュンにぃをけて、俺と勝負だ!!」

アランくんが、エド様に向かって言った。
エド様は、僕を玉座に座らせ、
「…シュンは、私のものだ。」
と言って、アランくんと勝負することに……
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