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ケンジ(結婚後の兄)×アキヒロ(弟)
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今年もこの日がやってきた……バレンタイン…
“俺は今年も、仕事仲間からの義理チョコしか貰えないだろう”
朝、歯磨きしながらそう思った。
だって、俺の職場は結婚している人や彼氏持ちばかりだったからだ。
それに…誰かから本命チョコを貰ったとしてもあまり喜べない…
俺が欲しい…あげたい本命は…
「兄貴…今どうしてるかな……。」
俺の兄貴、ケンジだ。
兄貴はもう、結婚してしまっている。
俺は、兄貴への思いを告げぬまま現在を生きていた。
だって、兄貴を困らせたくない…。兄貴には…笑っていて欲しい。
そう自分で…思ってたはずなのに…こういうイベント事とかカップルとかを見るとどうしても…兄貴に会いたくなる…。
後悔が強くなる…
“あぁ…もう!ダメだダメだ!仕事のこと考えなきゃ!”
俺は、口をゆすごうと水を含むと、
___ピロンッ___
ポケットに入れていたスマホが鳴った。
通知音を聞いた瞬間、水を吹き出してしまった…
「兄貴の通知音…」
スマホを見ると、
〈今日の夜、行くから酒用意しとけ〉
とだけ書いてあった。
「兄貴が…家に来る…。」
頬が緩む感じがした。
【家に来る】その事実だけで幸せだ。
俺は、ルンルンの気分で会社へ行った…
「やばいやばい…急がなきゃ。」
俺は、兄貴に言われたとおり、酒を買って部屋を掃除していた。
「…よし。これで綺麗だろう。」
ファ○リーズをばらまいたからタバコの匂いとかはあまりしない…むしろ、フローラルな良い香りがする。
___ピンポーン___
玄関のチャイムがなった。
俺は、取り乱さないように深呼吸してから玄関に向かった…
「…はぁはぁ…アキ…ヒロ……。もう…イクぞ…。」
「いいよ…兄貴…。きて……」
……
「おい!聞いてんのか?」
妄想に浸ってたら頭を叩かれた。
「いってぇ!何すんだよ兄貴!」
「お前が聞いてないからだよ!…あー!どこまで話したか忘れちゃったじゃねーか!」
兄貴は家に来てからずっと愚痴っていた。
サトコさんが可愛い顔で怒ってばっかりだの、家事はめんどくさいだの……惚気か…
「…んでな!あいつ…」
“まだ話すのか…”
酔っ払った兄貴は止まらない…いや、止められない…だって、…
“最っ高に可愛い!!”
酒を飲んで頬を少し赤く染めて…すっごく可愛いんだ!
俺は、欲求を抑えるので必死だ。
「…あ!そうだ!」
兄貴がいきなり立ち上がって、自分のカバンを漁りだした。
「ほらこれ。」
小さな紙袋を差し出される。
中を見ると、クッキーが入っていた。
「多く作ったから渡して来いって言われてたんだった。」
兄貴が天使のようにニッコリ微笑む。
胸に矢が刺さったかのような感覚に陥る……
「まじで?美味そう!あとで食べてみるわ。」
俺も兄貴に笑顔を返した。
「おう!」
俺は、ふと思い出した……
バレンタインにあげるお菓子の意味を……
クッキーって……
___
バレンタインおわった…
誠に申し訳ございませんでしたァァァ!!!
“俺は今年も、仕事仲間からの義理チョコしか貰えないだろう”
朝、歯磨きしながらそう思った。
だって、俺の職場は結婚している人や彼氏持ちばかりだったからだ。
それに…誰かから本命チョコを貰ったとしてもあまり喜べない…
俺が欲しい…あげたい本命は…
「兄貴…今どうしてるかな……。」
俺の兄貴、ケンジだ。
兄貴はもう、結婚してしまっている。
俺は、兄貴への思いを告げぬまま現在を生きていた。
だって、兄貴を困らせたくない…。兄貴には…笑っていて欲しい。
そう自分で…思ってたはずなのに…こういうイベント事とかカップルとかを見るとどうしても…兄貴に会いたくなる…。
後悔が強くなる…
“あぁ…もう!ダメだダメだ!仕事のこと考えなきゃ!”
俺は、口をゆすごうと水を含むと、
___ピロンッ___
ポケットに入れていたスマホが鳴った。
通知音を聞いた瞬間、水を吹き出してしまった…
「兄貴の通知音…」
スマホを見ると、
〈今日の夜、行くから酒用意しとけ〉
とだけ書いてあった。
「兄貴が…家に来る…。」
頬が緩む感じがした。
【家に来る】その事実だけで幸せだ。
俺は、ルンルンの気分で会社へ行った…
「やばいやばい…急がなきゃ。」
俺は、兄貴に言われたとおり、酒を買って部屋を掃除していた。
「…よし。これで綺麗だろう。」
ファ○リーズをばらまいたからタバコの匂いとかはあまりしない…むしろ、フローラルな良い香りがする。
___ピンポーン___
玄関のチャイムがなった。
俺は、取り乱さないように深呼吸してから玄関に向かった…
「…はぁはぁ…アキ…ヒロ……。もう…イクぞ…。」
「いいよ…兄貴…。きて……」
……
「おい!聞いてんのか?」
妄想に浸ってたら頭を叩かれた。
「いってぇ!何すんだよ兄貴!」
「お前が聞いてないからだよ!…あー!どこまで話したか忘れちゃったじゃねーか!」
兄貴は家に来てからずっと愚痴っていた。
サトコさんが可愛い顔で怒ってばっかりだの、家事はめんどくさいだの……惚気か…
「…んでな!あいつ…」
“まだ話すのか…”
酔っ払った兄貴は止まらない…いや、止められない…だって、…
“最っ高に可愛い!!”
酒を飲んで頬を少し赤く染めて…すっごく可愛いんだ!
俺は、欲求を抑えるので必死だ。
「…あ!そうだ!」
兄貴がいきなり立ち上がって、自分のカバンを漁りだした。
「ほらこれ。」
小さな紙袋を差し出される。
中を見ると、クッキーが入っていた。
「多く作ったから渡して来いって言われてたんだった。」
兄貴が天使のようにニッコリ微笑む。
胸に矢が刺さったかのような感覚に陥る……
「まじで?美味そう!あとで食べてみるわ。」
俺も兄貴に笑顔を返した。
「おう!」
俺は、ふと思い出した……
バレンタインにあげるお菓子の意味を……
クッキーって……
___
バレンタインおわった…
誠に申し訳ございませんでしたァァァ!!!
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