7 / 14
《兄の焦燥》
しおりを挟む
「いや、待って、待って、待って」
マップに映し出された黒いアイコンは止まることなく、奥へ奥へと移動し続けている。距離が結構離れているが、段々こちらに近づいているようだ。
ただでさえ虫が苦手で潔癖症で山だの海だのが大嫌いなお兄様が魔物が出るかもしれない森の中にタイミングよく来るなんてことある? もしかして、お兄様と同じ名前の別人? ネームドヴィランって救済対象ってことよね……?
救済対象一覧のタブをタップし、表示された画面を見て、全身に衝撃が走った。兄をはじめ、名前とともにずらりと見覚えのある顔が表示されている。「セルジェ」「モネ」「フラム」「リコット」「アルバ」「アイビー」「クロコス」「フィデス」「アドニス」――。
「うわあああああ! なんで今まで忘れてたの、私! このゲーム、悪役全員私の推しだった……!! 推しが今この世に! 生きて存在してるってこと?!」
前世を思い出してからいっぱいいっぱいですっかり頭から抜けていたけれど、そもそも私がこのゲームを手に取ったきっかけもパッケージに載っていた魔王様のヴィジュアルがあまりに好みだったからだ。
とにかく私は魔王様に会うために淡々と王子達を攻略していたのだが、魔王編に入ってからがやばかった。日常編の悪役令嬢たちはビジュアルがこれまた好みだったもののそこまでキャラの掘り下げはなかったが、魔王編に入った途端、悪役の見せ場が増え、まんまと沼に落とされたのだ。
にもかかわらず、このゲーム! まじで悪役に容赦がなく、ほぼ確実に悪は死ぬ。そう、当時の私は悪役がやられるたびに心を痛め、ハッピーエンド妄想二次創作に逃げ、ほのぼの展開に救いを求めていた――。道理でやりこんでいたゲームのわりに攻略対象たちに一ミリもときめかなかったはずである。
「っていうことはつまり……、お兄様や推し達。そして私も、頑張れば救われる道があるっていうこと?」
ふよふよと私の目の前に漂っているばかりで、ウィンドウは答えてくれない――。
けれど、がぜん気力がわいてきた。
(とにかく、今はお兄様と合流しよう!)
お兄様のアイコンの位置をマップで確認して、歩いていく。奥に行けば行くほど鬱蒼とした木々が空を覆い隠していった。夜でもないのに真っ暗な森は不気味で、何か物陰から飛び出してきそうだ。案の定、時折現れては襲い掛かってくる低ランクの魔物を狩りつつ、足元に注意しながら進んでいく。
「お兄様、今どのへんだろう? もうそろそろ近くにいると思うんだけど……」
何度目かの位置確認をしていたら、ミッションタブが明滅しはじめた。新着のミッションだろうか。早速タブをタップしてみる。
-------------------
「ネージュ・ド・イスベルグ」が死亡していないため、
《兄の強襲》が破棄されました。
-------------------
続いて、「《兄の焦燥》が発生しました」とメッセージが続いた。
-------------------
《兄の焦燥》
妹を探し、兄は深い森の奥へと踏み込みました。
体力も魔力も枯渇し、満身創痍の彼に怪しい影が迫っています。
このままでは彼は抵抗むなしく、魔物に殺されてしまうでしょう。
制限時間内に兄と合流し、彼を守ってください。
「5:00」
-------------------
「……え?!」
カチリと、すぐさま制限時間が「4:59」と減っていく。ウィンドウのミッションを消し、素早くマップに切り替えて走り出した。ぐずぐずしている時間はない。木の根につまずいてよろめきながらも、歩みを止めず、ひたすらお兄様を目指す。
「お兄様ー!! どこですかー!」
叫んで、耳を澄ます。すると、微かな風切り音が聞こえてきた。あっちだ!
「お兄様! ここにいらした、の――」
「ネージュ?! ああ、無事、だったのか。よかっ、た」
三白眼を見開き、「ははっ」と力が抜けたような顔でほほ笑むお兄様の口元には血がにじんでいる。トレードマークの丸眼鏡もすっかり割れてしまっていて、衣服だってボロボロだ。破けたズボンの隙間から赤黒く光る何かが見えた。……血だ。
「ぐるるるる……」
「な、なぜこの森に、Aランクの魔物が――」
弱弱しい小さな竜巻が、黒犬の魔物――ヘルハウンド――をけん制しているが、あまり堪えている様子はない。赤い目は獰猛にぎらつき、今にもとびかかってきそうだ。しかも、授業では危険な魔物だが見た目は通常の犬とさほど変わらないと教わったのに大人二人分ほどの背丈に体毛が針山のように禍々しく尖っていた。
「ここは危険、だ。逃げなさい」
そこまで言って、お兄様はへにゃりと眉を下げた。
「ほん、とうは、兄さまが送ってやりたかったけれど、無理そう、なんだ。
すまない、が、一人で帰れるな?」
「やめてお兄様――」
――ガサガサ。
息絶えた冒険者の死肉を魔物が食らうことがあるらしい。お兄様を狙っているのだろうか、小型の魔獣達が茂みから期待したような目でこちらを見つめていた。
魔物討伐など、騎士だの冒険者だのの役目で公爵令嬢が魔物と対峙することなどそうそうない。かくいう私も、魔物と対峙したのは弱い魔物を適量お膳立てされたほぼ遠足といっていいような演習訓練だけだ。
高ランクの魔物に遭ったら、とにかく逃げろと教わっていた。実力不足の者がたとえ攻撃しても、高ランクの魔物の皮膚は鋼のように固く頑丈で、傷一つつけられないからと。
低ランクの魔物には十分、自分の魔術が通用することは知っていたけれど、これは――。
果たして、私の魔術が通用するのだろうか。
頬をばしりと叩いて気合を入れると、竦む足を無理やり動かし、お兄様の前に躍り出た。
マップに映し出された黒いアイコンは止まることなく、奥へ奥へと移動し続けている。距離が結構離れているが、段々こちらに近づいているようだ。
ただでさえ虫が苦手で潔癖症で山だの海だのが大嫌いなお兄様が魔物が出るかもしれない森の中にタイミングよく来るなんてことある? もしかして、お兄様と同じ名前の別人? ネームドヴィランって救済対象ってことよね……?
救済対象一覧のタブをタップし、表示された画面を見て、全身に衝撃が走った。兄をはじめ、名前とともにずらりと見覚えのある顔が表示されている。「セルジェ」「モネ」「フラム」「リコット」「アルバ」「アイビー」「クロコス」「フィデス」「アドニス」――。
「うわあああああ! なんで今まで忘れてたの、私! このゲーム、悪役全員私の推しだった……!! 推しが今この世に! 生きて存在してるってこと?!」
前世を思い出してからいっぱいいっぱいですっかり頭から抜けていたけれど、そもそも私がこのゲームを手に取ったきっかけもパッケージに載っていた魔王様のヴィジュアルがあまりに好みだったからだ。
とにかく私は魔王様に会うために淡々と王子達を攻略していたのだが、魔王編に入ってからがやばかった。日常編の悪役令嬢たちはビジュアルがこれまた好みだったもののそこまでキャラの掘り下げはなかったが、魔王編に入った途端、悪役の見せ場が増え、まんまと沼に落とされたのだ。
にもかかわらず、このゲーム! まじで悪役に容赦がなく、ほぼ確実に悪は死ぬ。そう、当時の私は悪役がやられるたびに心を痛め、ハッピーエンド妄想二次創作に逃げ、ほのぼの展開に救いを求めていた――。道理でやりこんでいたゲームのわりに攻略対象たちに一ミリもときめかなかったはずである。
「っていうことはつまり……、お兄様や推し達。そして私も、頑張れば救われる道があるっていうこと?」
ふよふよと私の目の前に漂っているばかりで、ウィンドウは答えてくれない――。
けれど、がぜん気力がわいてきた。
(とにかく、今はお兄様と合流しよう!)
お兄様のアイコンの位置をマップで確認して、歩いていく。奥に行けば行くほど鬱蒼とした木々が空を覆い隠していった。夜でもないのに真っ暗な森は不気味で、何か物陰から飛び出してきそうだ。案の定、時折現れては襲い掛かってくる低ランクの魔物を狩りつつ、足元に注意しながら進んでいく。
「お兄様、今どのへんだろう? もうそろそろ近くにいると思うんだけど……」
何度目かの位置確認をしていたら、ミッションタブが明滅しはじめた。新着のミッションだろうか。早速タブをタップしてみる。
-------------------
「ネージュ・ド・イスベルグ」が死亡していないため、
《兄の強襲》が破棄されました。
-------------------
続いて、「《兄の焦燥》が発生しました」とメッセージが続いた。
-------------------
《兄の焦燥》
妹を探し、兄は深い森の奥へと踏み込みました。
体力も魔力も枯渇し、満身創痍の彼に怪しい影が迫っています。
このままでは彼は抵抗むなしく、魔物に殺されてしまうでしょう。
制限時間内に兄と合流し、彼を守ってください。
「5:00」
-------------------
「……え?!」
カチリと、すぐさま制限時間が「4:59」と減っていく。ウィンドウのミッションを消し、素早くマップに切り替えて走り出した。ぐずぐずしている時間はない。木の根につまずいてよろめきながらも、歩みを止めず、ひたすらお兄様を目指す。
「お兄様ー!! どこですかー!」
叫んで、耳を澄ます。すると、微かな風切り音が聞こえてきた。あっちだ!
「お兄様! ここにいらした、の――」
「ネージュ?! ああ、無事、だったのか。よかっ、た」
三白眼を見開き、「ははっ」と力が抜けたような顔でほほ笑むお兄様の口元には血がにじんでいる。トレードマークの丸眼鏡もすっかり割れてしまっていて、衣服だってボロボロだ。破けたズボンの隙間から赤黒く光る何かが見えた。……血だ。
「ぐるるるる……」
「な、なぜこの森に、Aランクの魔物が――」
弱弱しい小さな竜巻が、黒犬の魔物――ヘルハウンド――をけん制しているが、あまり堪えている様子はない。赤い目は獰猛にぎらつき、今にもとびかかってきそうだ。しかも、授業では危険な魔物だが見た目は通常の犬とさほど変わらないと教わったのに大人二人分ほどの背丈に体毛が針山のように禍々しく尖っていた。
「ここは危険、だ。逃げなさい」
そこまで言って、お兄様はへにゃりと眉を下げた。
「ほん、とうは、兄さまが送ってやりたかったけれど、無理そう、なんだ。
すまない、が、一人で帰れるな?」
「やめてお兄様――」
――ガサガサ。
息絶えた冒険者の死肉を魔物が食らうことがあるらしい。お兄様を狙っているのだろうか、小型の魔獣達が茂みから期待したような目でこちらを見つめていた。
魔物討伐など、騎士だの冒険者だのの役目で公爵令嬢が魔物と対峙することなどそうそうない。かくいう私も、魔物と対峙したのは弱い魔物を適量お膳立てされたほぼ遠足といっていいような演習訓練だけだ。
高ランクの魔物に遭ったら、とにかく逃げろと教わっていた。実力不足の者がたとえ攻撃しても、高ランクの魔物の皮膚は鋼のように固く頑丈で、傷一つつけられないからと。
低ランクの魔物には十分、自分の魔術が通用することは知っていたけれど、これは――。
果たして、私の魔術が通用するのだろうか。
頬をばしりと叩いて気合を入れると、竦む足を無理やり動かし、お兄様の前に躍り出た。
0
お気に入りに追加
67
あなたにおすすめの小説
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
転生して捨てられたけど日々是好日だね。【二章・完】
ぼん@ぼおやっじ
ファンタジー
おなじみ異世界に転生した主人公の物語。
転生はデフォです。
でもなぜか神様に見込まれて魔法とか魔力とか失ってしまったリウ君の物語。
リウ君は幼児ですが魔力がないので馬鹿にされます。でも周りの大人たちにもいい人はいて、愛されて成長していきます。
しかしリウ君の暮らす村の近くには『タタリ』という恐ろしいものを封じた祠があたのです。
この話は第一部ということでそこまでは完結しています。
第一部ではリウ君は自力で成長し、戦う力を得ます。
そして…
リウ君のかっこいい活躍を見てください。
聖なる幼女のお仕事、それは…
咲狛洋々
ファンタジー
とある聖皇国の聖女が、第二皇子と姿を消した。国王と皇太子達が国中を探したが見つからないまま、五年の歳月が過ぎた。魔人が現れ村を襲ったという報告を受けた王宮は、聖騎士団を差し向けるが、すでにその村は魔人に襲われ廃墟と化していた。
村の状況を調べていた聖騎士達はそこである亡骸を見つける事となる。それこそが皇子と聖女であった。長年探していた2人を連れ戻す事は叶わなかったが、そこである者を見つける。
それは皇子と聖女、二人の子供であった。聖女の力を受け継ぎ、高い魔力を持つその子供は、二人を襲った魔人の魔力に当てられ半魔になりかけている。聖魔力の高い師団長アルバートと副団長のハリィは2人で内密に魔力浄化をする事に。しかし、救出したその子の中には別の世界の人間の魂が宿りその肉体を生かしていた。
この世界とは全く異なる考え方に、常識に振り回される聖騎士達。そして次第に広がる魔神の脅威に国は脅かされて行く。
お嬢様は、今日も戦ってます~武闘派ですから狙った獲物は逃がしません~
高瀬 八鳳
恋愛
強い女性が書いてみたくて、初めて連載?的なものに挑戦しています。
お読み頂けると大変嬉しく存じます。宜しくお願いいたします。
他サイトにも重複投稿しております。
この作品にはもしかしたら一部、15歳未満の方に不適切な描写が含まれる、かもしれません。ご注意下さいませ。表紙画のみAIで生成したものを使っています。
【あらすじ】
武闘系アラフォーが、気づくと中世ヨーロッパのような時代の公爵令嬢になっていた。
どうやら、異世界転生というやつらしい。
わがままな悪役令嬢予備軍といわれていても、10歳ならまだまだ未来はこれからだ!!と勉強と武道修行に励んだ令嬢は、過去に例をみない心身共に逞しい頼れる女性へと成長する。
王国、公国内の様々な事件・トラブル解決に尽力していくうちに、いつも傍で助けてくれる従者へ恋心が芽生え……。「憧れのラブラブ生活を体験したい! 絶対ハッピーエンドに持ちこんでみせますわ!」
すいません、恋愛事は後半になりそうです。ビジネスウンチクをちょいちょいはさんでます。
アホ王子が王宮の中心で婚約破棄を叫ぶ! ~もう取り消しできませんよ?断罪させて頂きます!!
アキヨシ
ファンタジー
貴族学院の卒業パーティが開かれた王宮の大広間に、今、第二王子の大声が響いた。
「マリアージェ・レネ=リズボーン! 性悪なおまえとの婚約をこの場で破棄する!」
王子の傍らには小動物系の可愛らしい男爵令嬢が纏わりついていた。……なんてテンプレ。
背後に控える愚か者どもと合わせて『四馬鹿次男ズwithビッチ』が、意気揚々と筆頭公爵家令嬢たるわたしを断罪するという。
受け立ってやろうじゃない。すべては予定調和の茶番劇。断罪返しだ!
そしてこの舞台裏では、王位簒奪を企てた派閥の粛清の嵐が吹き荒れていた!
すべての真相を知ったと思ったら……えっ、お兄様、なんでそんなに近いかな!?
※設定はゆるいです。暖かい目でお読みください。
※主人公の心の声は罵詈雑言、口が悪いです。気分を害した方は申し訳ありませんがブラウザバックで。
※小説家になろう・カクヨム様にも投稿しています。
婚約破棄された悪役令嬢。そして国は滅んだ❗私のせい?知らんがな
朋 美緒(とも みお)
ファンタジー
婚約破棄されて国外追放の公爵令嬢、しかし地獄に落ちたのは彼女ではなかった。
!逆転チートな婚約破棄劇場!
!王宮、そして誰も居なくなった!
!国が滅んだ?私のせい?しらんがな!
18話で完結
再会した彼は予想外のポジションへ登りつめていた【完結済】
高瀬 八鳳
恋愛
お読み下さりありがとうございます。本編10話、外伝7話で完結しました。頂いた感想、本当に嬉しく拝見しました。本当に有難うございます。どうぞ宜しくお願いいたします。
死ぬ間際、サラディナーサの目の前にあらわれた可愛らしい少年。ひとりぼっちで死にたくない彼女は、少年にしばらく一緒にいてほしいと頼んだ。彼との穏やかな時間に癒されながらも、最後まで自身の理不尽な人生に怒りを捨てきれなかったサラディナーサ。
気がつくと赤児として生まれ変わっていた。彼女は、前世での悔恨を払拭しようと、勉学に励み、女性の地位向上に励む。
そして、とある会場で出会った一人の男性。彼は、前世で私の最後の時に付き添ってくれたあの天使かもしれない。そうだとすれば、私は彼にどうやって恩を返せばいいのかしら……。
彼は、予想外に変容していた。
※ 重く悲しい描写や残酷な表現が出てくるかもしれません。辛い気持ちの描写等が苦手な方にはおすすめできませんのでご注意ください。女性にとって不快な場面もあります。
小説家になろう さん、カクヨム さん等他サイトにも重複投稿しております。
この作品にはもしかしたら一部、15歳未満の方に不適切な描写が含まれる、かもしれません。
表紙画のみAIで生成したものを使っています。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、第一王子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる