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33わ『面談』
しおりを挟む二人が奥のギラの部屋に行ったからこの広い部屋に俺と黒木先生の二人っきりか
ま、奥への侵入経路はここを通るしかなさそうだし全然大丈夫だよな
「かけるちゃぁん、座ってぇ」
「はい、黒木先生」
え、何これ面談ですか?
机を挟んで目の前に座らされたんだけど
「かけるちゃぁんはこの世界に来る前は何してたのぉ?
全く連絡もないしすごく不安だったのよぉ」
「あ…言ってませんでしたっけ
一応浪人してました」
「…聞いてないよぉ
でも安心したわぁ
予備校とか通ってるのぉ?
大学はどこを目指してるのぉ?
今勉強は大丈夫なのぉ?」
「そんなに一気に聞かないでください」
「ごめんねぇ
すごく気にしてたのよぉ」
「ま、予備校は通ってます
大学は…まだ決まってないというか…成績が伸びてないですね」
「ぅーん
もっと早くぁたしに相談してくれれば何でも手伝ったのにぃ
もうそんなに時間もないよねぇ」
あ、これマジな面談だわ
「そうですね
なんか面談って懐かしいですね」
「かけるちゃぁんは最後の方学校に来てなかったから最後の面談もやってないのよねぇ」
「あ、その節はすいません
少し病んでて…」
「夏休みぐらいから急に性格変わったよねぇ
今はだいぶ元に戻ってて安心だよぉ
ふふ、卒業式の日とか酷かったわねぇ」
「うぅ、すいません」
そういえば卒業式の日もこの人俺に話しかけてきてなんか言ってたな
なんか必死に説得されたような気がするな
忘れたけど
「でも大学に行くならなんとかして急いでこの世界から帰らないとねぇ
受験終わっちゃうし、勉強する時間もなくなるわねぇ」
そうか…
そう考えると俺は黒木先生には悪いけどやっぱりイデアルから帰りたくない…とか考えちまうな…
「そうですね、頑張りましょう」
本心が伝わらないように全力で笑ったつもりだけど大丈夫かな
「じゃあ渡す書類とかあるから帰ったら一度高校に来てねぇ
準備しておくからぁ」
「わかりました」
「それとぉ…
ぁたしにだけ敬語は使わなくていいよぉ
ももちゃぁんもたかはしくんも使ってないでしょぅ」
「そう言われましても…
敬語を止めると先生として扱ってないみたいで少し抵抗がありますね」
「ぁたしにとっていつまでもあなたたちはぁたしの生徒にかわりはないから大丈夫よぉ
かけるちゃぁんのことを見捨てたりもしないわよぉ
ほらぁ、一緒にこの世界から元の世界に帰る仲間として今より仲良くしていきましよぅ」
「うーん、わかった
改めてよろしく、黒木先生」
「ふふ、それでいいわねぇ」
…多分黒木先生この話をするために俺と一緒に起きててくれたんだな
あくびしてるし
今後はあまり心配をかけないようにしよう
「じゃあぁたし身体洗うわぁ」
「え、そんなこと出来るの?」
「ぅん
魔法で出来るよぉ」
「…じゃあ天希と勇哉が寝る前にもやってあげてくださいよ!
汚れたまま寝てるじゃないですか!」
「だからぁ、敬語じゃあなくていいってぇ
確かに忘れてたわねぇ」
…この人こういう所抜けてるよな
ま、可愛いからいいけど
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