スモール ワンダーランド

ちっちゃな生き物との出会い

 今日は小さな人間の大好きな人たちに会いに行く日です。
 いつも行く度に、小さな人間が大好きな食べ物を用意してくれているからです。

「今日は何が食べれるのかな～？」
 ウキウキ気分で歩く速度も上がります。
 大きな人間も一緒に歩いています。
 まだ小さな人間が一人では行けないからです。

「来たよ～～！」
 そのまま食べ物のある場所まで行こうとしたら、ドアが開きません。
「？？？」
 一生懸命小さな人間が開けようと努力してもびくともしません。
 その内、小さな人間の存在に気付いたのか、中から声が掛かります。
「ドアが壊れて、修理中だから、外からまわっておいで」
 でも、小さな人間は言われた事が理解出来ず、一生懸命考えました。
 その時、小さな人間の足元をちっちゃな生き物が颯爽と通り抜け、ドアの下に空いてる小さな穴から向こう側に行ってしまいました。

「？ もしかしたら………」
 まずは顔を入れてみます。
「入る～！」
 次は足をそろり。
「大丈夫そう！」
 頭からズリズリ、小さな穴に引っ掛からないように気を付けて進みます。
 途中、お腹の辺りが詰まりそうになったけど、何とか無事に通り抜ける事が出来ました。

「出来た～～！！」
 その場に立ち上がりかけたら、いきなり顔に何かが当たります。
「？？？」
 目を向けると、先に通り抜けたちっちゃな生き物が待ち構えているではないですか。
 何をされたか分からない小さな人間はちっちゃな生き物の前に座り込み、ちっちゃな生き物の顔を覗き込みました。
 すると、ちっちゃな生き物が片手を振り上げて、小さな人間の頭を叩き倒しました。

 ちっちゃな生き物は自分専用の出入口を小さな人間が使った事が許せなかったようです。
 でも、小さな人間にはちっちゃな生き物の気持ちが理解出来ず、ビックリして固まってしまいました。
 少ししたら、ちっちゃな生き物はどこかに行ってしまいました。

 まだ固まっている小さな人間をそのままにして………。