わたしが眠りについたあとで

吉桜美貴

文字の大きさ
上 下
20 / 47

20. 完璧で素晴らしいもの

しおりを挟む
サマンサ王女の元へ向かった3人はサマンサ王女にユウキが合流した事を伝えた。
「ユウキさんお久しぶりです。無事に王都に着いたんですね。」
「はい。王女様のお陰で、村に騎士を派遣して頂きましたので安心して王都に来ることができました。」

(本当はあの時、カツヤとアイと離れたかったとは言えないよな。まあ王女様は王女様で勇者の為に必死なんだろうな~)
「いえいえ。カツヤ様に魔王討伐に集中してもらう為ですもの。これぐらい些細な事ですわ。」

「それで王女様。ユウキにも魔法使いの装備をお願いしたいんですが??」
(えっ?カツヤとアイの装備って王都で買ったんじゃないの?王女様がくれたの?何それ?ゲームと違ってるじゃん。ゲームじゃ100ゴールドしかくれなかったんだよな。そいゆうモノだと思ってたけど、よく考えたら100ゴールドって少ないよな。3人で竹の槍しか買えないもんな。どんだけケチ臭いんだよ!?って感じか。それを考えると装備品をくれるのはまあまあ現実的か」

「もちろんです。ユウキ様にも魔法使い様のローブと杖を用意いたします。」
(おおやったぞ。でももう一声がんばってみるか)
「ありがとうございます王女様。杖とは別にカツヤのような剣も頂きたいのですが可能でしょうか?私は魔法使いですが、魔法を使ってMPがなくなると魔物と戦えません。幸いカツヤと剣術に関しては訓練していましたので剣を頂ければどちらも使いこなせるかと思います。」
「なるほど・・・わかりました。剣なら騎士用のが多くありますので大丈夫ですよ。」

(やったぞ。言ってみるもんだな。)
「ユウキ?お前魔法使いなのに剣なんて使えるのか?」
(いやいや、魔法使いになった初日に剣術で気絶させたのはどこのどいつだよ?お前だろ?)
「ああ。カツヤ程じゃないけどあったら便利だからな。」

王女から魔法使いのローブと杖と騎士の剣をもらったユウキは準備を整えた。
準備が終わったので冒険に出る事にした。

ユウキ達は北のポルートを目指して冒険を始めた。道なりに北に進んでいけばポルートの街は見える。ゲームでは道なりにキャラクターを進ませれば5分以内にはつくだろう。実際に自分の足で歩いたらどれぐらいかかるのかはまだ検討がつかなかった。

(どれぐらいで次の村に着くんだろ?ゲームだったら夜が来てもひたすら歩き続けたけど、そういう訳にもいかないよな。夜になったら野営するだろうし・・・)

3人で北にむかって歩いていくと当然の様にモンスターが出た。
「俺に任せろ。ファイア!!」
この辺りのモンスターならファイア一発で十分瞬殺できた。
「ユウキ。すごい!!」
アイがユウキを褒める。
「さすが魔法使いだな。」
「ああ、まだMPがあまりないから10発ぐらいしか使えないけどな。」

ユウキは職業は英雄だが、カツヤとアイには隠している。実際はレベルは50あり、能力も平均で360程あるが、魔法使いレベル5でカツヤとアイには説明している。レベル5の魔法使いの能力は平均で20程である。ファイアの魔法は1回でMPを2消費するのでだいたい10回使えばMPが0になる計算だ。ちなみにカツヤはレベル7の勇者で能力はだいたい60程だ。アイは僧侶のレベル7で能力はだいたい25程である。

ユウキの魔法でモンスターを倒したり、カツヤが剣でモンスターを倒したり、傷を負ったらアイの回復魔法で回復したりしながら進むとその日の内に次の村が見えてきた。

「おっ!?あれ村じゃないか?たしかポルートに行くまでに村が一つあるって王女様が言ってたよな。あれがそうじゃないか?」
「たしかにあれっぽいね。てかカツヤ。お前よくその鎧であんな遠くの村が見えるな。戦闘もガチャガチャ動きにくそうに見えるけど、十分戦闘できてるしな。」
「だろ?見た目じゃないんだって」

そんな事を言いながら村についた。入って見るとなんだか空気が悪かった。さびれている感じだ。
「なんか王都と全然違うね。さびれてるっていうか・・・」
「そうだね。村の人に話を聞いてみようか?」

(多分、盗賊に村長の娘が攫われた後ぐらいなんだろうな~。村長の家は一番奥だろうけどとりあえず近くに居る人から話を聞いてみよう。)

ユウキは村に入って村人に話を聞いた。
「ここはリルの村だよ。今はちょっと問題が起きててね。盗賊が定期的にやってきて食料とかを奪って行くんだ。昨日は村長の娘さんが連れていかれてさ。どうしたらいいかわからずみんな暗くなってるんだ。」
「村長の家はどこだ?」
「あの一番奥の家だよ。」

ユウキ達は村長の家に向かって行った。カツヤは勇者らしく村長に自分が勇者である事をつげ、盗賊から村長の娘を取り返してやる。と話していた。
「盗賊どもは西の洞窟にいるはずじゃ。勇者様よろしくお願いします」
「おう。まかせておけ」

(これでイベント発生だな。でもカツヤのレベルって7だろ?このままじゃ盗賊を倒すのはちょっと苦労するよな??どうするんだ?)
「よし。じゃあ盗賊を倒して村長の娘さんを助けに行こうぜ」
「えっちょっとまってよ。カツヤ!もう暗いんだから今日は宿屋で休もうよ。」
「それもそうだな。今日は宿屋で休んで明日盗賊を倒しに行こう。」

(えっ、いきなり西の洞窟に向かうつもりか?死ぬぞお前?)
ユウキはカツヤが心配になったが、取り合えず今日は休んで明日考える事にした。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

明智さんちの旦那さんたちR

明智 颯茄
恋愛
 あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。  奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。  ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。  *BL描写あり  毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

処理中です...