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作戦遂行!
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准の車で駅まで送ってもらった。車を降り改札口まで来ると、見たことのある男性と、満面の笑みを浮かべた女性が俺達を待っていた。
「増田さん!清野さん取り戻せた?」
杉田が人懐こい笑顔で聞いてきた。
「初めまして!伊豆の○○放送の永野です!」
「あっ!この前ラジオでコウさんのお話紹介してた…」
「はい!私です。ジュンさん、コウさん。良かったですね…(涙)」
杉田が横で永野さんを見て笑っていた。
「笑ったり泣いたり忙しい人だな(笑)」
「だって嬉しいじゃないですか!ラジオが結んだ愛なんですよ!愛!」
真剣に抗議してくる永野さんを見る目が優しかった。
「あれ?杉田さん…。もしかして」
「清野さん!余計なこと言わない」
杉田に睨まれ、准は口をつぐんだ。
その様子を見て、航がクスッと笑った。
「何だよ。自分がうまくいったからって!」
「杉田さんはいい男だなって思ってさ(笑)」
「言ってることとやってることが違うだろ!」
笑うな!と杉田は航をにらんだ。でも、次の瞬間ニカッと笑った。
「泣いた?」
「…。まあね。だって俺、3年間ずっと捜してたんだからな。泣いたっていいだろ?」
「まぁな(笑)」
永野さんが准の指環に気づいた。
「プロポーズ大作戦。大成功!」
「えっ?何?」
「ラジオ局が結んだ愛が目の前にあるんだなって…。嬉しい(泣)」
「また泣いてる…」
杉田は仕方ないなとハンカチを手渡した。
「じゃあ俺、行きますね。准。またね」
「着いたら何時でもいいから電話して下さい」
「はい。するよ、電話。だって声聞きたいから」
赤くなる准を見て、永野さんまで赤くなった。
「何で永野さんまで赤くなってんの!」
杉田に突っ込まれ、永野さんは杉田の肩を思いっ切り叩いた。
「甘い!」
「恥ずかしいです。僕」
「いいじゃん。3年分だよ。許してやんな」
航はこんなにあったかい人達に好かれる准を好ましく思った。
「准。杉田さん、永野さん。ありがとうございます。また来ます(笑)」
航は改札を抜け、一度だけ振り返った。俺が一度は失った大切な人が、俺を見て微笑んでいた。
愛してる。
そう呟くと、東京へ向かう電車のホームへ階段を下りていった。
「増田さん!清野さん取り戻せた?」
杉田が人懐こい笑顔で聞いてきた。
「初めまして!伊豆の○○放送の永野です!」
「あっ!この前ラジオでコウさんのお話紹介してた…」
「はい!私です。ジュンさん、コウさん。良かったですね…(涙)」
杉田が横で永野さんを見て笑っていた。
「笑ったり泣いたり忙しい人だな(笑)」
「だって嬉しいじゃないですか!ラジオが結んだ愛なんですよ!愛!」
真剣に抗議してくる永野さんを見る目が優しかった。
「あれ?杉田さん…。もしかして」
「清野さん!余計なこと言わない」
杉田に睨まれ、准は口をつぐんだ。
その様子を見て、航がクスッと笑った。
「何だよ。自分がうまくいったからって!」
「杉田さんはいい男だなって思ってさ(笑)」
「言ってることとやってることが違うだろ!」
笑うな!と杉田は航をにらんだ。でも、次の瞬間ニカッと笑った。
「泣いた?」
「…。まあね。だって俺、3年間ずっと捜してたんだからな。泣いたっていいだろ?」
「まぁな(笑)」
永野さんが准の指環に気づいた。
「プロポーズ大作戦。大成功!」
「えっ?何?」
「ラジオ局が結んだ愛が目の前にあるんだなって…。嬉しい(泣)」
「また泣いてる…」
杉田は仕方ないなとハンカチを手渡した。
「じゃあ俺、行きますね。准。またね」
「着いたら何時でもいいから電話して下さい」
「はい。するよ、電話。だって声聞きたいから」
赤くなる准を見て、永野さんまで赤くなった。
「何で永野さんまで赤くなってんの!」
杉田に突っ込まれ、永野さんは杉田の肩を思いっ切り叩いた。
「甘い!」
「恥ずかしいです。僕」
「いいじゃん。3年分だよ。許してやんな」
航はこんなにあったかい人達に好かれる准を好ましく思った。
「准。杉田さん、永野さん。ありがとうございます。また来ます(笑)」
航は改札を抜け、一度だけ振り返った。俺が一度は失った大切な人が、俺を見て微笑んでいた。
愛してる。
そう呟くと、東京へ向かう電車のホームへ階段を下りていった。
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