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2章
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「いや、もちろん偶然被っただけだと思うんだ。でも、俺の行動を観察してないと書けない内容な気がして……だからもしかしたら盗聴器とかつけられてて、会話を聞かれていたって可能性もあるな、と一応考えてな」
調べてみたら盗聴器の性能というものはそんなに優秀ではないらしく、外側から布で巻いてしまえば声を拾えないらしいと分かった。
だから洋服もパンツに至るまで全て脱いでしまうと、ホテルに備え付けてあった白いガウンで包んでからクローゼットの中へ押し込んだ。
これで一安心。
ビビり過ぎな気もするが、この一手間でゆっくり過ごせるのならば、その労力は惜しむべきではないだろう。
俺は腰にタオルだけ巻いてベッドの上に戻ったが、その時の紀香は目に見えて青ざめていた。
「奥さんに気付かれちゃったんでしょうかね?」
「そんなわけねぇって。これはホントに念のためだからな。紀香だってダンナにバレるのは絶対嫌だろ?」
俺が背中から抱きしめながら問うと、その腕の中で紀香はこくんと頷いた。
俺が紀香を選んだ理由はこの一点に尽きる。彼女は離婚を恐れる既婚者なのだ。
夫は航空会社の職員だ。お堅い男らしくて、妻の不倫なんて絶対に許さないだろう。それにこの縁談には紀香の両親が乗り気だっただけに、不倫なんてバレたら親からも責められる。だから紀香としては絶対に隠し通さねばならない。
その怯えっぷりこそが遊び相手としては最適なのである。
俺だってこういう火遊びがハイリスクであることは知っている。だからこそ相手にも同じくらいのハイリスクと覚悟を背負い、厳密な情報管理をできるよう望む。
前にうっかりインターンの女の子に手を出したら、向こうが本気になりすぎて困ったことがある。そういうのを防ぐためにも、既婚者であることは必須条件。俺と同じレベルで露見を恐れてくれる女じゃないと秘密の共有なんてとてもできないのだ。
「なぁ、それより今日はどんなの着てきた?」
いつまでも見えない影におびえてばかりじゃつまらない。俺はブラウスのボタンを外し、さっそく彼女の下着を確認した。
薄紫色のブラウスの下から現れたのは、豊満な胸部を覆う赤いレースのついたブラジャー。
「エロい色」
「だって、勝典さんが次は赤にしろってこの前……」
「そうだぜ。だからエロいなぁって」
決して美人とは言い難く、しかも肉が付きすぎてスタイルも良くない紀香にとって、この色は刺激的過ぎる。自分だって似合っていないことはよく分かっているだろうに、それでも俺のリクエストだったから無理してつけてきてくれたのだ。
そういう彼女の従順さを俺は気に入っている。
「せっかくだから外さないでおくか」
肩紐をずらし乳房だけは露にしたのに、ホックを外さないままという何とも中途半端な恰好で放置しておく。たるんだ肉がブラジャーに食い込んで紀香は窮屈そうだったが、文句は言わなかった。
むしろ乳首の尖端を固く尖らせ、口元からは早くも上ずった声を漏らしているくらいだ。
「早く食ってくれってか?」
「はい……」
「えー、どうしよっかな」
潤んだ目で見つめてくるのをニヤニヤ笑いながらはぐらかすと、俺はスカートの中へと手を突っ込んだ。彼女の秘所は俺が触れる前からぐちゅぐちゅに蕩け切っている。
「そういや、さっきのウニしゃぶ、美味かったよな」
「っ!」
「ねっとり濃厚なウニの旨味が、こう、舌にまとわりつく感じでさ」
「……ぁん、やぁ……」
「な、紀香も思っただろ?」
紀香はとてもじゃないが返事なんてできそうになかった。俺が問いかけつつも彼女の敏感なところを指先で弄るからだ。
それでも「なぁ、どうなんだよ? 美味かったか?」と重ねて問うと「う、うん……はぁ、あんっ、と、とっても、おいし……った!」と必死で返事をしてきた。
可愛いもんだ。
俺は頑張ったご褒美にそのまま指を使って彼女を軽くイかせてやると、こっちも食ってみろよ、と今度は俺のモノを紀香の口に突っ込んだ。
「こっちも美味いだろ」
「ん、ん……」
「なんだ、返事できないのか。じゃあ下のお口に聞いてみるかな」
彼女の唾液で濡れて屹立したモノを引き抜くと、スカートと真っ赤なランジェリーを脱がせて、ひくついた割れ目へ一息に突き立てる。
途端に襲ってくる快楽の波。俺は全身を震わせながら彼女の奥深いところを夢中で突いた。
「なぁ、どうだよ。いいか? 最高に美味いだろ?」
「う……んっ! はぁあ……すっごく、イイ……ふぁっ」
紀香は涙目で悦ぶ。男のモノを咥え込んで、しきりにあえぎ声を上げながら、体を震えさせるのだ。
彼女がこんなにも快楽に溺れる体になってしまった原因は、何を隠そう俺だったりする。超お堅い亭主との淡白なセックスしか経験したことが無かったのを、俺が教え込んだ。
ちょうど七年前のことだ。
単身赴任でロサンゼルスへ来ていた俺は、仕事中はともかく休日になると暇を持て余していた。瑠美子や歩を連れて来ていたら違ったのかもしれないが、アメリカでの仕事が決まったのはちょうど歩の小学校受験が終わった直後で、せっかく苦労して合格したのに外国へ行くなんて嫌だと言われたから、一人で来てしまったのだ。
そこで利用したのがSNS。俺も英語が得意って程でもなかったから、とにかく日本語が恋しくて現地に住む日本人と交流できるというサイトへ登録した。
そこで紀香に出会った。
調べてみたら盗聴器の性能というものはそんなに優秀ではないらしく、外側から布で巻いてしまえば声を拾えないらしいと分かった。
だから洋服もパンツに至るまで全て脱いでしまうと、ホテルに備え付けてあった白いガウンで包んでからクローゼットの中へ押し込んだ。
これで一安心。
ビビり過ぎな気もするが、この一手間でゆっくり過ごせるのならば、その労力は惜しむべきではないだろう。
俺は腰にタオルだけ巻いてベッドの上に戻ったが、その時の紀香は目に見えて青ざめていた。
「奥さんに気付かれちゃったんでしょうかね?」
「そんなわけねぇって。これはホントに念のためだからな。紀香だってダンナにバレるのは絶対嫌だろ?」
俺が背中から抱きしめながら問うと、その腕の中で紀香はこくんと頷いた。
俺が紀香を選んだ理由はこの一点に尽きる。彼女は離婚を恐れる既婚者なのだ。
夫は航空会社の職員だ。お堅い男らしくて、妻の不倫なんて絶対に許さないだろう。それにこの縁談には紀香の両親が乗り気だっただけに、不倫なんてバレたら親からも責められる。だから紀香としては絶対に隠し通さねばならない。
その怯えっぷりこそが遊び相手としては最適なのである。
俺だってこういう火遊びがハイリスクであることは知っている。だからこそ相手にも同じくらいのハイリスクと覚悟を背負い、厳密な情報管理をできるよう望む。
前にうっかりインターンの女の子に手を出したら、向こうが本気になりすぎて困ったことがある。そういうのを防ぐためにも、既婚者であることは必須条件。俺と同じレベルで露見を恐れてくれる女じゃないと秘密の共有なんてとてもできないのだ。
「なぁ、それより今日はどんなの着てきた?」
いつまでも見えない影におびえてばかりじゃつまらない。俺はブラウスのボタンを外し、さっそく彼女の下着を確認した。
薄紫色のブラウスの下から現れたのは、豊満な胸部を覆う赤いレースのついたブラジャー。
「エロい色」
「だって、勝典さんが次は赤にしろってこの前……」
「そうだぜ。だからエロいなぁって」
決して美人とは言い難く、しかも肉が付きすぎてスタイルも良くない紀香にとって、この色は刺激的過ぎる。自分だって似合っていないことはよく分かっているだろうに、それでも俺のリクエストだったから無理してつけてきてくれたのだ。
そういう彼女の従順さを俺は気に入っている。
「せっかくだから外さないでおくか」
肩紐をずらし乳房だけは露にしたのに、ホックを外さないままという何とも中途半端な恰好で放置しておく。たるんだ肉がブラジャーに食い込んで紀香は窮屈そうだったが、文句は言わなかった。
むしろ乳首の尖端を固く尖らせ、口元からは早くも上ずった声を漏らしているくらいだ。
「早く食ってくれってか?」
「はい……」
「えー、どうしよっかな」
潤んだ目で見つめてくるのをニヤニヤ笑いながらはぐらかすと、俺はスカートの中へと手を突っ込んだ。彼女の秘所は俺が触れる前からぐちゅぐちゅに蕩け切っている。
「そういや、さっきのウニしゃぶ、美味かったよな」
「っ!」
「ねっとり濃厚なウニの旨味が、こう、舌にまとわりつく感じでさ」
「……ぁん、やぁ……」
「な、紀香も思っただろ?」
紀香はとてもじゃないが返事なんてできそうになかった。俺が問いかけつつも彼女の敏感なところを指先で弄るからだ。
それでも「なぁ、どうなんだよ? 美味かったか?」と重ねて問うと「う、うん……はぁ、あんっ、と、とっても、おいし……った!」と必死で返事をしてきた。
可愛いもんだ。
俺は頑張ったご褒美にそのまま指を使って彼女を軽くイかせてやると、こっちも食ってみろよ、と今度は俺のモノを紀香の口に突っ込んだ。
「こっちも美味いだろ」
「ん、ん……」
「なんだ、返事できないのか。じゃあ下のお口に聞いてみるかな」
彼女の唾液で濡れて屹立したモノを引き抜くと、スカートと真っ赤なランジェリーを脱がせて、ひくついた割れ目へ一息に突き立てる。
途端に襲ってくる快楽の波。俺は全身を震わせながら彼女の奥深いところを夢中で突いた。
「なぁ、どうだよ。いいか? 最高に美味いだろ?」
「う……んっ! はぁあ……すっごく、イイ……ふぁっ」
紀香は涙目で悦ぶ。男のモノを咥え込んで、しきりにあえぎ声を上げながら、体を震えさせるのだ。
彼女がこんなにも快楽に溺れる体になってしまった原因は、何を隠そう俺だったりする。超お堅い亭主との淡白なセックスしか経験したことが無かったのを、俺が教え込んだ。
ちょうど七年前のことだ。
単身赴任でロサンゼルスへ来ていた俺は、仕事中はともかく休日になると暇を持て余していた。瑠美子や歩を連れて来ていたら違ったのかもしれないが、アメリカでの仕事が決まったのはちょうど歩の小学校受験が終わった直後で、せっかく苦労して合格したのに外国へ行くなんて嫌だと言われたから、一人で来てしまったのだ。
そこで利用したのがSNS。俺も英語が得意って程でもなかったから、とにかく日本語が恋しくて現地に住む日本人と交流できるというサイトへ登録した。
そこで紀香に出会った。
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