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6章 夏休み
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「破水ってどういうことだよ?」
意味が分からぬまま大慌てで車に乗り込むと、先に車へ戻っていたカンナが説明してくれた。
「それがね、何の前触れもなく、いきなりパチンっていったのよ」
「??」
「分かんないよねぇ。あたしも初めてだからさっぱり分かんないんだけど、とにかく羊水がぼとぼと漏れてきている感じ」
それだからか、カンナはその辺りにあったタオルを丸めて股の間に押し当てていた。
「羊水がなくなったら赤ちゃんが……」
不安で泣き出しそうな葵の頭をカンナは優しく撫でた。
「大丈夫よぉ。赤ちゃんの頭で穴はふさがるから、全部が流れ出るわけじゃないし。陣痛もまだだから、このまますぐ生まれるってわけでもない。こういうお産の始まり方も珍しくないんだってさ」
「それでもすぐに病院に行かなきゃならないのは確かだけどな」
皆を落ち着かせようとカンナは笑ってくれているのに、優樹はかなり険しい表情を浮かべていた。つられて篤樹たちの間にも緊迫感が漂う。
やがて車は母屋の前でとまり、優樹は「ばあちゃん! カンナちゃんが破水したわ! タオルくれよ!」と家の中に向かって大声で叫んだ。
「おやまぁ。そんなに早く表へ出たいなんて、せっかちな子だこと」
さすがにおばあちゃんは何一つ動じることない風だったが、篤樹たちは何をしていいのかも分からずおろおろするばかり。
優樹は入院のための準備が入ったボストンバッグを家の中から持って出てきた。車の中で自ら病院に電話していたカンナは通話を切ると「優クン、連絡ついた。今から来ていいってさ」と言う。
「よし、じゃあ行ってくる。お前ら、牛の世話とか、後のことは任せたぞ」
「えええ?!」
「後は寝る前の見回りだけだからなんとかなるだろ」
「なんともならねぇよ!」
篤樹の叫びも、大慌ての優樹には通じなかった。結局ものすごい勢いで車は発進してしまい、篤樹たちはその場に取り残されてしまったのだ。
「あっちゃん……」
急に静まり返ってしまった夜の闇の中で、葵は不安げな顔をして篤樹をみつめてくる。隣をみれば、弟も同じような顔をしていた。
「……大丈夫ですよ、俺がなんとかしますから」
この状況でそれ以外のセリフなど言えようか。篤樹は自分に言い聞かせるように、大丈夫大丈夫と何度も口の中で呟いたのだった。
それから後は予想通りに大変なことになったが、葵や智樹も精一杯牛の世話を頑張り、篤樹も分からないところは優樹に電話で聞くなどして、なんとか仕事を終わらせることができた。
時刻はすでに夜中の11時。おばあちゃんが風呂の支度をしてくれていたのでとりあえず智樹を風呂に入れ、彼を寝かしつけている間に、葵にも風呂に入ってもらった。
疲れていたのか、元々寝つきの良い智樹は布団の中にもぐりこんだ途端、糸が切れたように眠りに落ちてしまう。
1階に降りてくると、ちょうど風呂から出てきた葵と入れ替わり、篤樹も風呂に入らせてもらった。なんだかいろいろありすぎて疲れてしまったが、無事に牛の世話も終えたことだし、お湯に入ると気持ちもほぐれていく。
……このお湯、先輩も入ったんだな。
そんなことにふと気づいて赤面する。いやいや、お泊りするってのはそういうこと。これくらいのことでいちいち意識していたら身が持たない。
まぁおばあちゃんもいるわけだし、この後も二人っきりにはなれないんだろうな、なんて考えながら風呂を出てきたら、葵が居間のソファに座って一人、ドライヤーで髪の毛を乾かしていた。彼女の頭上にある居間の電気自体は消えていて、すぐ隣の食卓の明かりだけがついているから、彼女のいるところはほんのり薄暗い。どうしてこんなことに……もしかしたら電気のスイッチの場所が分からなかったのかもしれない。
「あれ? おばあちゃんは?」
「もう遅いから、今日は寝ますって」
葵は普段からすっぴんだから、風呂上りといっても顔が変わるわけではないけれど、でも心なしか頬は上気し、シャンプーやボディーソープの匂いも纏っていつもと違う雰囲気だ。なんとなく直視できなくて、篤樹は居間の電気をつけず、部屋を暗いままにしておいた。
葵はドライヤーを置くと、台所からジュースを二本持ってきてくれた。
「冷蔵庫に入ってたんだ。これくらいは飲んでもいいよね」
篤樹には缶のコーラを差し出し、自分用には瓶入りのオレンジジュースを持っている。
「構わないと思いますよ。でもこれだけ深夜労働して報酬がジュース一本なんて、安く使われましたね」
「ははは、そだね」
ソファに並んで座ると、缶と瓶の底をかちんと合わせた。
「かんぱーい」
こんな些細なことでも、二人だと特別なイベントに思えてくるから不思議だ。
「あ、これ美味しい」
ジュースを一口含んだ後、葵は目を見張った。
「私、炭酸がダメだからさ。コーラなんて特に苦手なんだよね」
「そういうの、なんか先輩っぽいですね」
「何それ」
葵は可笑しそうに笑う。その笑顔に吸い込まれてしまいそうになった篤樹は慌てて彼女から体を引き剥がした。
「……えーっと、なんかすみません。こんなことに巻き込んじゃって」
思いがけず二人きりでの夜を過ごすことになり、この時の篤樹は少々怖気づいていた。とにかく何かしゃべっておこうと思って詫びると「すみませんじゃないよ」と間髪入れずに言われてしまった。
「……ありがとうございます」
「よろしい。よくできました」
葵はしたり顔で頷く。そして残り半分になっていたオレンジジュースを、一気に飲みきってしまった。
「あっちゃんはやっぱりカッコいいね」
「え?」
「牛たちの世話もちゃんとできてさ。お兄さんもそんなあっちゃんだから任せて行けたんだと思うよ」
「俺なんて全然ですよ。さっきだってホタル一つまともに触れなかったわけだし」
「そんなことないよ。嫌いなのに触ろうって頑張ってくれたのは嬉しかったし、それに智くんと張り合っちゃうとこがすっごく可愛かった」
「え……」
小学生の弟相手に妬いていたのがバレていたのだ。篤樹は赤面したが、葵はくすくす笑っている。
「姐さん女房はミラクル起こすんだってさ」
「ミラクル?」
なんだか今日の葵は話題の切り替えが早い。篤樹はついていくだけで必死だ。
「お兄さんが言ってたの。カンナさんが年上ってどんな感じなんですかって聞いたら、ミラクル起こすとこがたまんないって。ははは、今日なんて本当に起こしてくれたよね」
確かにミラクルだとは思う。わざわざ篤樹たちが泊りに来た日に産気づかなくてもいいのに。確か予定日までまだ一ヶ月ぐらいあるんじゃなかったか?
「カンナさんって、ジブリ映画なんかに出てくる元気な女の人のイメージにぴったり」
「そうですね」
「しっかりしてて、頼りになって、いつもみんなの太陽みたいで……あぁいう感じって羨ましいなぁ」
カラになった瓶を握りながら、葵は遠い目をする。
「前に話してたドラマの主人公もあんな感じだった。うちのお母さんもそう。私だってあぁいう人になりたいってずっと思ってるけど、なかなかうまくいかないんだよね」
あまりに寂しそうに言うから、篤樹はそんなことないですよ、と言ってあげたのだ。
「先輩も十分、姉さん女房の資質はあります」
「え?」
「だってミラクル、起こしてますから。初めて会った日の、あの紅茶は無かったなぁ」
「そこ?」
葵は吹き出してしまっていた。
「実験室でやりたいことが紅茶淹れることだなんて、普通は言いません」
「そりゃ、悪かったねぇ」
「そうですよ。先輩に会ってから、ずっと奇跡の連続です。毎回、予期しないことばっかりで。今日もこんなだし」
「それ、私のせい?」
「先輩がいなかったら、俺もここに来ていません。だから全部先輩のおかげですよ」
あぁ違う。この言い方だと、今の状況が葵のせいだと責任を押し付けているだけになっている。そうじゃなくて……。
やはり緊張してしまっているようだ。どうしてもうまい言葉が見つからなくて焦っている篤樹に、葵はふっと目を細めて微笑みかけてきた。
「あっちゃん」
「え?」
声のトーンが一段変わったものだから、篤樹はびくっと体を震わせた。
「私のこと、今も好きでいてくれてる?」
「ど、ど、どうしたんですか?」
あまりの急展開についていかれず、どもってしまうほど動揺する。しかし葵はもっと驚かすようなことを口にしたのだ。
「私もあっちゃんが好き」
意味が分からぬまま大慌てで車に乗り込むと、先に車へ戻っていたカンナが説明してくれた。
「それがね、何の前触れもなく、いきなりパチンっていったのよ」
「??」
「分かんないよねぇ。あたしも初めてだからさっぱり分かんないんだけど、とにかく羊水がぼとぼと漏れてきている感じ」
それだからか、カンナはその辺りにあったタオルを丸めて股の間に押し当てていた。
「羊水がなくなったら赤ちゃんが……」
不安で泣き出しそうな葵の頭をカンナは優しく撫でた。
「大丈夫よぉ。赤ちゃんの頭で穴はふさがるから、全部が流れ出るわけじゃないし。陣痛もまだだから、このまますぐ生まれるってわけでもない。こういうお産の始まり方も珍しくないんだってさ」
「それでもすぐに病院に行かなきゃならないのは確かだけどな」
皆を落ち着かせようとカンナは笑ってくれているのに、優樹はかなり険しい表情を浮かべていた。つられて篤樹たちの間にも緊迫感が漂う。
やがて車は母屋の前でとまり、優樹は「ばあちゃん! カンナちゃんが破水したわ! タオルくれよ!」と家の中に向かって大声で叫んだ。
「おやまぁ。そんなに早く表へ出たいなんて、せっかちな子だこと」
さすがにおばあちゃんは何一つ動じることない風だったが、篤樹たちは何をしていいのかも分からずおろおろするばかり。
優樹は入院のための準備が入ったボストンバッグを家の中から持って出てきた。車の中で自ら病院に電話していたカンナは通話を切ると「優クン、連絡ついた。今から来ていいってさ」と言う。
「よし、じゃあ行ってくる。お前ら、牛の世話とか、後のことは任せたぞ」
「えええ?!」
「後は寝る前の見回りだけだからなんとかなるだろ」
「なんともならねぇよ!」
篤樹の叫びも、大慌ての優樹には通じなかった。結局ものすごい勢いで車は発進してしまい、篤樹たちはその場に取り残されてしまったのだ。
「あっちゃん……」
急に静まり返ってしまった夜の闇の中で、葵は不安げな顔をして篤樹をみつめてくる。隣をみれば、弟も同じような顔をしていた。
「……大丈夫ですよ、俺がなんとかしますから」
この状況でそれ以外のセリフなど言えようか。篤樹は自分に言い聞かせるように、大丈夫大丈夫と何度も口の中で呟いたのだった。
それから後は予想通りに大変なことになったが、葵や智樹も精一杯牛の世話を頑張り、篤樹も分からないところは優樹に電話で聞くなどして、なんとか仕事を終わらせることができた。
時刻はすでに夜中の11時。おばあちゃんが風呂の支度をしてくれていたのでとりあえず智樹を風呂に入れ、彼を寝かしつけている間に、葵にも風呂に入ってもらった。
疲れていたのか、元々寝つきの良い智樹は布団の中にもぐりこんだ途端、糸が切れたように眠りに落ちてしまう。
1階に降りてくると、ちょうど風呂から出てきた葵と入れ替わり、篤樹も風呂に入らせてもらった。なんだかいろいろありすぎて疲れてしまったが、無事に牛の世話も終えたことだし、お湯に入ると気持ちもほぐれていく。
……このお湯、先輩も入ったんだな。
そんなことにふと気づいて赤面する。いやいや、お泊りするってのはそういうこと。これくらいのことでいちいち意識していたら身が持たない。
まぁおばあちゃんもいるわけだし、この後も二人っきりにはなれないんだろうな、なんて考えながら風呂を出てきたら、葵が居間のソファに座って一人、ドライヤーで髪の毛を乾かしていた。彼女の頭上にある居間の電気自体は消えていて、すぐ隣の食卓の明かりだけがついているから、彼女のいるところはほんのり薄暗い。どうしてこんなことに……もしかしたら電気のスイッチの場所が分からなかったのかもしれない。
「あれ? おばあちゃんは?」
「もう遅いから、今日は寝ますって」
葵は普段からすっぴんだから、風呂上りといっても顔が変わるわけではないけれど、でも心なしか頬は上気し、シャンプーやボディーソープの匂いも纏っていつもと違う雰囲気だ。なんとなく直視できなくて、篤樹は居間の電気をつけず、部屋を暗いままにしておいた。
葵はドライヤーを置くと、台所からジュースを二本持ってきてくれた。
「冷蔵庫に入ってたんだ。これくらいは飲んでもいいよね」
篤樹には缶のコーラを差し出し、自分用には瓶入りのオレンジジュースを持っている。
「構わないと思いますよ。でもこれだけ深夜労働して報酬がジュース一本なんて、安く使われましたね」
「ははは、そだね」
ソファに並んで座ると、缶と瓶の底をかちんと合わせた。
「かんぱーい」
こんな些細なことでも、二人だと特別なイベントに思えてくるから不思議だ。
「あ、これ美味しい」
ジュースを一口含んだ後、葵は目を見張った。
「私、炭酸がダメだからさ。コーラなんて特に苦手なんだよね」
「そういうの、なんか先輩っぽいですね」
「何それ」
葵は可笑しそうに笑う。その笑顔に吸い込まれてしまいそうになった篤樹は慌てて彼女から体を引き剥がした。
「……えーっと、なんかすみません。こんなことに巻き込んじゃって」
思いがけず二人きりでの夜を過ごすことになり、この時の篤樹は少々怖気づいていた。とにかく何かしゃべっておこうと思って詫びると「すみませんじゃないよ」と間髪入れずに言われてしまった。
「……ありがとうございます」
「よろしい。よくできました」
葵はしたり顔で頷く。そして残り半分になっていたオレンジジュースを、一気に飲みきってしまった。
「あっちゃんはやっぱりカッコいいね」
「え?」
「牛たちの世話もちゃんとできてさ。お兄さんもそんなあっちゃんだから任せて行けたんだと思うよ」
「俺なんて全然ですよ。さっきだってホタル一つまともに触れなかったわけだし」
「そんなことないよ。嫌いなのに触ろうって頑張ってくれたのは嬉しかったし、それに智くんと張り合っちゃうとこがすっごく可愛かった」
「え……」
小学生の弟相手に妬いていたのがバレていたのだ。篤樹は赤面したが、葵はくすくす笑っている。
「姐さん女房はミラクル起こすんだってさ」
「ミラクル?」
なんだか今日の葵は話題の切り替えが早い。篤樹はついていくだけで必死だ。
「お兄さんが言ってたの。カンナさんが年上ってどんな感じなんですかって聞いたら、ミラクル起こすとこがたまんないって。ははは、今日なんて本当に起こしてくれたよね」
確かにミラクルだとは思う。わざわざ篤樹たちが泊りに来た日に産気づかなくてもいいのに。確か予定日までまだ一ヶ月ぐらいあるんじゃなかったか?
「カンナさんって、ジブリ映画なんかに出てくる元気な女の人のイメージにぴったり」
「そうですね」
「しっかりしてて、頼りになって、いつもみんなの太陽みたいで……あぁいう感じって羨ましいなぁ」
カラになった瓶を握りながら、葵は遠い目をする。
「前に話してたドラマの主人公もあんな感じだった。うちのお母さんもそう。私だってあぁいう人になりたいってずっと思ってるけど、なかなかうまくいかないんだよね」
あまりに寂しそうに言うから、篤樹はそんなことないですよ、と言ってあげたのだ。
「先輩も十分、姉さん女房の資質はあります」
「え?」
「だってミラクル、起こしてますから。初めて会った日の、あの紅茶は無かったなぁ」
「そこ?」
葵は吹き出してしまっていた。
「実験室でやりたいことが紅茶淹れることだなんて、普通は言いません」
「そりゃ、悪かったねぇ」
「そうですよ。先輩に会ってから、ずっと奇跡の連続です。毎回、予期しないことばっかりで。今日もこんなだし」
「それ、私のせい?」
「先輩がいなかったら、俺もここに来ていません。だから全部先輩のおかげですよ」
あぁ違う。この言い方だと、今の状況が葵のせいだと責任を押し付けているだけになっている。そうじゃなくて……。
やはり緊張してしまっているようだ。どうしてもうまい言葉が見つからなくて焦っている篤樹に、葵はふっと目を細めて微笑みかけてきた。
「あっちゃん」
「え?」
声のトーンが一段変わったものだから、篤樹はびくっと体を震わせた。
「私のこと、今も好きでいてくれてる?」
「ど、ど、どうしたんですか?」
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グループ会社本社社長 佐藤
社長秘書課長 五十嵐
以前の小説名は「男性優位で不平等な社内で女の顔を持って逞しく泳ぐ彼女たち」です。
今回、題名を変え、改稿して再度、公開しました。
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