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93 ■ I Loved You 01 ■――君を愛していた
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私は与えられた部屋で少しの間、寝てしまっていた。
その夢の中で私は本当に小さな少女だった。
――私は私がずっと過ごしてきた部屋のベッドで横になっている。
その傍らには絵本を持ったアカシアが座っている。
「アカシア、本当に行かなきゃだめ?」
「うん。そんな顔してどうしたの? あんなに人間界へ行きたがってたじゃないか」
「だって、アカシアは一緒じゃないでしょ?」
「……でも、人間界を勉強して、天空神を選ばなきゃ。間違っても魔王を選んじゃだめだよ」
「アカシアでよくない?」
私はアカシアの手をギュッと握った。
気持ちは…懇願にちかい。
そのはずだったんだけど、今の私には何も感じるところがない。
……??
「僕では世界が完成しないからね。君が他の候補達を選ばずに、その先の運命にたどり着いたなら僕とまたこうして会えるよ」
アカシアが寂しそうに微笑む。
「傍にはずっといる、約束するよ。ずっと見守っているから。だからおやすみ。次に目を覚ました時、君は人間の赤ちゃんだ。……愛してるよ、プラム」
「私もだよ、アカシア! 絶対絶対傍にいてよ!」
「それだけは、約束する。絶対にね」
私が選びたかったのはアカシアだった。
私が好きなのはアカシアだった。
すごくすごく好きだった。
それはわかるのに、その自分の気持ちが理解できない。
忘れてしま……いや、ちがう。
ん、ちがう?
場面が変わった。
ん…?
小さい私とブラウニーがいる。
二人が成長していく。
私はキラキラした瞳でブラウニーをずっと見つめ続けている。
私がブラウニーと教会を出ていく。
――胸が痛い。
何故。
天空神の資格者を選ばない。
そんな一般人(モブ)を選ぶくらいなら……何故……僕との記憶を封じた意味があったんだ?
そんな気持ちが胸に溢れる。
やるせなさと嫉妬と、消せない愛情と。
それでも果たさなくてはならない役割とルール。
ああ、これ、私の生まれる前の記憶と、アカシアの記憶が混ざって……
「だめだよ、プラム。この夢はここまでだ」
※※※
「起きてプラム」
目を覚ますと部屋にアカシアがいて、私の肩を揺さぶっていた。
「……アカシア」
どうしたんだろう、顔が……ありえないと思うんだけど、落ち込んだ顔をしている。
「見つかりたくないから、あまり長居はしないけど……」
声まで落ち込んでいる。
どうした?
「なんで元気ないの? ……ていうか、夢以外で会うのお久しぶりですね」
「……どうして」
「ん?」
「いつも通りなんだか。君は僕のせいで大怪我を負ったんだよ、もっと憎まれ口を叩いていい筈だ」
なんでそんな……泣きそうな瞳を……。
「ああ、そんな事。もう忘れてたよ。それに大体、あなたは、いつも私の事いじめて楽しんでるじゃない。精神的だろうと物理的であろうとあなたは私を傷つけたいんでしょう。私が気に入らな――」
「……っ」
アカシアが、私を抱きしめた。
「なっ!?」
「本当は……火に襲われている時も助けたかった。本当に死ぬかと思った」
「……はい!?」
「本当はいつだって助けたい。……ブラウニーにも他の攻略対象にだって渡したくないのに……」
「ちょっと……痛いです」
私は動揺していた。
急にどうしたんだ。
「なのに……その僕が君に酷い深手を追わせるなんて……」
――苦しそうな表情。どうして。
「……」
「私なんて、すぐ治るし……そこまで気にしなくても」
「治れば良いなんてもんじゃない。君だって死ぬ時は死ぬ。寿命だってある。これからもそれは忘れないで」
スッとアカシアが離れた。
「……なんてね。僕がそんな事言うわけないでしょ。びっくりした? これはサプライズだよ。監禁は退屈だからね」
歯切れが悪い。
正直、先程の言葉が彼の本当の気持ちだと感じるだけに、なんだか強く出れなくなってしまった。
「冗談に付き合う気分じゃないんだけど」
「そうだったね。ごめん……身体はもう元気そうで……良かった」
私から目を逸して言った。
やめてほしい、なんだか調子が狂う。
「そうそう、これは親切のつもりで言うんだけどね。もう口にすることはないとは思うけど……一言いっておく。ポムグラネイトは食べちゃだめだよ」
「……あ、さっきの」
「そう」
「あれは魔王の儀式だ。週7日……連続してすべての曜日に一粒でも食べると、異界から出れなくなる呪いにかかる」
「はい!?」
「……そこの飲み物も気をつけるんだ。液体でも同じことだからね。一応捨てておくか。えっと……これと、これ、これも。魔王(アイツ)はね。コレクションが趣味なんだよ。気に入ったものを全部手に入れたがる。そして地母神への執着はすごいから、その代理の君のことは絶対帰さないつもりだよ」
アカシアは一部のドリンクを、取り出し、中身を近くにあった鉢植えに捨てた。
「……どうして助けてくれるの」
「そうしてあげたい、と思ったから、それだけだよ。……できるだけ、異界を出るのを助けてあげる。これは本当のことだから言っておくんだけど、それがかなったら僕はもう君に会うことは……しない」
「ど、どうして」
願ったり叶ったりのはずなのに、衝撃(ショック)を受ける。
「僕はいわば神側の存在だから、人間を助けることができて当たり前だ。つまり、僕に助けられる事は堕落を意味する。世界の運命のレールが堕落を選択する確率が上がってしまう。
だから今まで、君に接する時は嫉妬も勿論あったけど、意地悪や試練も伴うことで少しバランスとってたんだ。でももう終わりにするね」
「終わり……?」
「もう君の前にも君の夢にも現れない。君の傍からいなくなる。おかしな話だよね。ずっと君の傍にいたかったのに、傍にいる為にはそんな卑劣な事しなくちゃならない、とかね……。
僕はブラウニーに、お前といるとプラムが泣いてばかり、と言ってしまったけれど、どの口が言う、って感じだ」
……。
「えっと…」
言葉がでない。何故だ。せいせいするって言いたかったはずだ。
「ブラウニーは本当に良い子だよ。君を思うのに一切の迷いがない。僕の思いは彼の思いに勝てないだろうとはつくづく思っていた。僕はどこかで君を諦めていたからね。君が幸せになれれば相手は僕じゃなくていいって。……なのにズルズルと思いを引きずって嫉妬して、醜かったね。でも、君を自ら死なせる程の傷をこの僕が負わせてしまって、やっと……目が覚めたよ。 ――これからは、遠くで……君の幸せを祈ることにする」
何故かそれを言われることで、私の目から、涙が落ちた。
……どこか、自分の記憶に穴が開いている気がする。
そこに在ったはずのものが、まるで在るかのように。
無いはずの心が痛くなった。
「僕はこの世界の中心の大樹。どこにだって根を張っているし、どこにだって枝や葉が伸びている。
もし、ふと僕を思い出してなにか話したいことがあったら、答えることはないけれど、ちゃんと聞こえているから。愚痴ぐらいは言いにおいで。君には必要ないかもしれないけれどね」
言えない。
そんなもの必要ないって言えない。
私は今、とても大切な人を失くそうとしているのではないだろうか。
そんな予感がひしひしとするのに――わからない。
私にとってこの人は胡散臭くて、いやみったらしくて、ブラウニーや教会の仲間を死にそうな目に合わせた酷い奴だ。
それを忘れちゃいけない、きっとこれは……また私を騙そうと……。
「信じられないと思うけど、僕はブラウニーという子が嫌いじゃなかった。彼だってこの世界の子だ。そして心根が真っ直ぐな良い子だ。うらやましいほど綺麗な魂をして。神になれる器ではないけれど、良い彼を選んだね……まあ、ルーカスの神性を奪った時はホントこいつどうにかしないと、と思ったけどね。ボクは天空神の誕生も勿論、祝福する側だからね」
苦笑しながらアカシアが私の頭を撫でた。
覚えていないのに、その感覚がどこか知っている。
多分大切なことだったはず……。
その夢の中で私は本当に小さな少女だった。
――私は私がずっと過ごしてきた部屋のベッドで横になっている。
その傍らには絵本を持ったアカシアが座っている。
「アカシア、本当に行かなきゃだめ?」
「うん。そんな顔してどうしたの? あんなに人間界へ行きたがってたじゃないか」
「だって、アカシアは一緒じゃないでしょ?」
「……でも、人間界を勉強して、天空神を選ばなきゃ。間違っても魔王を選んじゃだめだよ」
「アカシアでよくない?」
私はアカシアの手をギュッと握った。
気持ちは…懇願にちかい。
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……??
「僕では世界が完成しないからね。君が他の候補達を選ばずに、その先の運命にたどり着いたなら僕とまたこうして会えるよ」
アカシアが寂しそうに微笑む。
「傍にはずっといる、約束するよ。ずっと見守っているから。だからおやすみ。次に目を覚ました時、君は人間の赤ちゃんだ。……愛してるよ、プラム」
「私もだよ、アカシア! 絶対絶対傍にいてよ!」
「それだけは、約束する。絶対にね」
私が選びたかったのはアカシアだった。
私が好きなのはアカシアだった。
すごくすごく好きだった。
それはわかるのに、その自分の気持ちが理解できない。
忘れてしま……いや、ちがう。
ん、ちがう?
場面が変わった。
ん…?
小さい私とブラウニーがいる。
二人が成長していく。
私はキラキラした瞳でブラウニーをずっと見つめ続けている。
私がブラウニーと教会を出ていく。
――胸が痛い。
何故。
天空神の資格者を選ばない。
そんな一般人(モブ)を選ぶくらいなら……何故……僕との記憶を封じた意味があったんだ?
そんな気持ちが胸に溢れる。
やるせなさと嫉妬と、消せない愛情と。
それでも果たさなくてはならない役割とルール。
ああ、これ、私の生まれる前の記憶と、アカシアの記憶が混ざって……
「だめだよ、プラム。この夢はここまでだ」
※※※
「起きてプラム」
目を覚ますと部屋にアカシアがいて、私の肩を揺さぶっていた。
「……アカシア」
どうしたんだろう、顔が……ありえないと思うんだけど、落ち込んだ顔をしている。
「見つかりたくないから、あまり長居はしないけど……」
声まで落ち込んでいる。
どうした?
「なんで元気ないの? ……ていうか、夢以外で会うのお久しぶりですね」
「……どうして」
「ん?」
「いつも通りなんだか。君は僕のせいで大怪我を負ったんだよ、もっと憎まれ口を叩いていい筈だ」
なんでそんな……泣きそうな瞳を……。
「ああ、そんな事。もう忘れてたよ。それに大体、あなたは、いつも私の事いじめて楽しんでるじゃない。精神的だろうと物理的であろうとあなたは私を傷つけたいんでしょう。私が気に入らな――」
「……っ」
アカシアが、私を抱きしめた。
「なっ!?」
「本当は……火に襲われている時も助けたかった。本当に死ぬかと思った」
「……はい!?」
「本当はいつだって助けたい。……ブラウニーにも他の攻略対象にだって渡したくないのに……」
「ちょっと……痛いです」
私は動揺していた。
急にどうしたんだ。
「なのに……その僕が君に酷い深手を追わせるなんて……」
――苦しそうな表情。どうして。
「……」
「私なんて、すぐ治るし……そこまで気にしなくても」
「治れば良いなんてもんじゃない。君だって死ぬ時は死ぬ。寿命だってある。これからもそれは忘れないで」
スッとアカシアが離れた。
「……なんてね。僕がそんな事言うわけないでしょ。びっくりした? これはサプライズだよ。監禁は退屈だからね」
歯切れが悪い。
正直、先程の言葉が彼の本当の気持ちだと感じるだけに、なんだか強く出れなくなってしまった。
「冗談に付き合う気分じゃないんだけど」
「そうだったね。ごめん……身体はもう元気そうで……良かった」
私から目を逸して言った。
やめてほしい、なんだか調子が狂う。
「そうそう、これは親切のつもりで言うんだけどね。もう口にすることはないとは思うけど……一言いっておく。ポムグラネイトは食べちゃだめだよ」
「……あ、さっきの」
「そう」
「あれは魔王の儀式だ。週7日……連続してすべての曜日に一粒でも食べると、異界から出れなくなる呪いにかかる」
「はい!?」
「……そこの飲み物も気をつけるんだ。液体でも同じことだからね。一応捨てておくか。えっと……これと、これ、これも。魔王(アイツ)はね。コレクションが趣味なんだよ。気に入ったものを全部手に入れたがる。そして地母神への執着はすごいから、その代理の君のことは絶対帰さないつもりだよ」
アカシアは一部のドリンクを、取り出し、中身を近くにあった鉢植えに捨てた。
「……どうして助けてくれるの」
「そうしてあげたい、と思ったから、それだけだよ。……できるだけ、異界を出るのを助けてあげる。これは本当のことだから言っておくんだけど、それがかなったら僕はもう君に会うことは……しない」
「ど、どうして」
願ったり叶ったりのはずなのに、衝撃(ショック)を受ける。
「僕はいわば神側の存在だから、人間を助けることができて当たり前だ。つまり、僕に助けられる事は堕落を意味する。世界の運命のレールが堕落を選択する確率が上がってしまう。
だから今まで、君に接する時は嫉妬も勿論あったけど、意地悪や試練も伴うことで少しバランスとってたんだ。でももう終わりにするね」
「終わり……?」
「もう君の前にも君の夢にも現れない。君の傍からいなくなる。おかしな話だよね。ずっと君の傍にいたかったのに、傍にいる為にはそんな卑劣な事しなくちゃならない、とかね……。
僕はブラウニーに、お前といるとプラムが泣いてばかり、と言ってしまったけれど、どの口が言う、って感じだ」
……。
「えっと…」
言葉がでない。何故だ。せいせいするって言いたかったはずだ。
「ブラウニーは本当に良い子だよ。君を思うのに一切の迷いがない。僕の思いは彼の思いに勝てないだろうとはつくづく思っていた。僕はどこかで君を諦めていたからね。君が幸せになれれば相手は僕じゃなくていいって。……なのにズルズルと思いを引きずって嫉妬して、醜かったね。でも、君を自ら死なせる程の傷をこの僕が負わせてしまって、やっと……目が覚めたよ。 ――これからは、遠くで……君の幸せを祈ることにする」
何故かそれを言われることで、私の目から、涙が落ちた。
……どこか、自分の記憶に穴が開いている気がする。
そこに在ったはずのものが、まるで在るかのように。
無いはずの心が痛くなった。
「僕はこの世界の中心の大樹。どこにだって根を張っているし、どこにだって枝や葉が伸びている。
もし、ふと僕を思い出してなにか話したいことがあったら、答えることはないけれど、ちゃんと聞こえているから。愚痴ぐらいは言いにおいで。君には必要ないかもしれないけれどね」
言えない。
そんなもの必要ないって言えない。
私は今、とても大切な人を失くそうとしているのではないだろうか。
そんな予感がひしひしとするのに――わからない。
私にとってこの人は胡散臭くて、いやみったらしくて、ブラウニーや教会の仲間を死にそうな目に合わせた酷い奴だ。
それを忘れちゃいけない、きっとこれは……また私を騙そうと……。
「信じられないと思うけど、僕はブラウニーという子が嫌いじゃなかった。彼だってこの世界の子だ。そして心根が真っ直ぐな良い子だ。うらやましいほど綺麗な魂をして。神になれる器ではないけれど、良い彼を選んだね……まあ、ルーカスの神性を奪った時はホントこいつどうにかしないと、と思ったけどね。ボクは天空神の誕生も勿論、祝福する側だからね」
苦笑しながらアカシアが私の頭を撫でた。
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多分大切なことだったはず……。
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