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78 ■ Lunatic 04 ■
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……回復に手を回している暇がないな。
オレは自分で自分に自動回復(パッシブ)を構築した。
そして、持ってきたダガーに命令を送る。
「断ち切れ!!」
ツールバックから飛び出たダガーが、アカシアの蔦と木の根を切り裂く。
全てのダガーに祝福を与える。
あの珠全部破壊してやる!
「させないよ」
アカシアが間合いに飛び込んできて、長い爪でオレの胴体を切り裂いた。
「……っ」
間合いに飛び込んできておいてタダで帰すと思うなよ!
オレは腰に挿していたショートソードを素早く抜き取り、ヤツの脇腹に突き刺した。
「ぐは……っこの!」
アカシアが血を吐いた。
こんな化け物なのに血は赤いのか。
闇の珠がごぅん、と鳴った。
まるで生きていて、身動きするような――何か来る。
アカシアから離れようとしたが、燃えてない森の暗闇から
無数の黒い手が伸びてきてオレの四肢を掴んだ。
「この野郎、束縛するのが大好きだな!」
「悪いけど、そんな趣味はないね。さて、このまま、お団子にしてあげようか。それとも引き裂いてあげようか。
それともこの森のように焼いてあげようか。水で溺れさせてあげようか? 土に生き埋めにしてあげようか?」
言葉はそう言いつつもオレを捉えていない闇の手が光の珠に伸びていく。
その手は光の珠から光り輝く剣を抜き出した。
オレは空中で遊ばせていたダガーを引き寄せ、
全てを曲刀に変化させ、闇の手を残らず切り落とした。
「プラムは、ずっとこの世界に降り立つのを楽しみにしていた!
なのに! お前を、お前を好きになったせいで! ……泣いてばかりだ!! ブラウニー!!」
……なんだ? 生まれる前の話とやらか?
昔話はてめえの心のなかにだけ留めとけ、オレは聞かん!
オレは今生しか見ない!
「お前がそれを言うのか!? お前だっていつもプラムをなじってんじゃねえか!!
いい加減プラムをあきらめろよ!」
「僕は『地母神』からプラム(わけみたま)を預けられた神の従僕。
彼女の保護者だ。彼女を育てる義務がある。
……そして僕はお前のことは認めない……!
あまつさえ皇太子から『神性』を奪いとるなんて!」
『神性』……?
皇太子から奪ったコレは……攻略対象の資格……もとい、『神性』?
ふーん、まあいいや、それより保護者だというのなら、挨拶しないとな。
「お父さん、こんばんは。プラムをオレに下さい」
「お前ふざけてるの!?」
だいたい子供をいじめる保護者なんて保護者じゃねえよ。
アドルフさんを見習え。
光の剣を持った闇の手が、一点集中してオレに向かってくる。
――こんなもの、と障壁を貼ろうとした時、ガクン、と力が抜けた。
一瞬、『絶対圏』との接続が切れた…?
「……っ」
急いで接続を試みる。
間一髪で障壁を貼り直した。
無数の剣が障壁を叩き割ろうと剣を振るう。騒音うるせえ。
どうするか。
また接続が一瞬でも途切れたらやばい。
ふと、胸中の銀の光塊を感じた。
『神性』――だっけ?
――しばらく放置していてたせいか、いつのまにか体中に根を張られているのを感じる。
やばい、これ後で取れるかな。
アカシアに絡まれたせいで後手に回っている。厄介な事になった。
口から血を流し続けるアカシアがこっちを睨んでいる。
なんだ、さっきの脇腹への攻撃効いてたのか。
殺しても死なないヤツかと思ってたけど、ひょっとしたら殺せるのかな。
……アカシアは喋れなくなったのか、心の声でも同時に頭に直接語りかけてくる。
うざい!
『いいか、教えてやる。そのおまえが盗んだもの。それは地母神の夫となる天空神のものだ。地母神の代理たるプラム(ぶんれい)が選んだ相手が、いずれこの世界地母神とともに完成させる主神になるんだよ! 運命から選ばれた人間が持つべきものなんだ! 運命の敷かれていないお前では神には到達できない!』
『……どうでもいいな。オレ人間だし。神とか到達する気もない』
『どうせお前は神に到達する前に死ぬ。身体がもたない。このままでは世界があるべき姿に育たない』
『それで世界が滅びてもオレには関係ない。世界が滅びるっていうならその時に隣に人間(ひと)としてプラムがいれば十分だ』
『自分のことばっかりだね』
『人間なんて皆基本そうだろ。いっぱい知ってるんじゃないのかそういうの。だいたい、おまえ。プラムの相手が皇太子でも結局、なんだかんだ認めないだろ。――自分が選ばれたいわけだから』
『……そんな訳ないだろう。僕の仕事は僕に書き込まれた記録を持ってして、世界を完成に導くアシストをすることだ。プラムの相手がちゃんとふさわしいならそれで構わない』
『嘘が好きだな。それとも我慢するために自分を騙してるのか?』
オレは口元だけで笑った。あいつの顔は苛ついてる、図星だ。
『口数の減らないヤツだね。好きに思えば良いさ。どの道今日ここでお前は殺すから』
そう言った時、障壁をすり抜けてひらひらと落ちてきた葉が落ちてきて、オレの腕に当たって落ちた。
また映像が見えた。
――小さなプラムと小さなアカシアが手を繋いで歩いている。
――可愛らしい部屋で小さなプラムが絵本を読んで、と少しだけ年上のようなアカシアにせがんでいる。
オレはそれを踏み潰した。
オレには必要ない情報だ。
ガキン、ガキン、と光の剣が折れていく。
さて、どうすればこいつを殺せる。あまり時間はなさそうだ。
障壁の中で考える。
ゴウン、と珠が動く音がした。
光の剣と闇の手が邪魔で視認できない。
しょうがないから心眼で確認する。
あれは、なんの珠だ。
闇とはちがう、真っ黒な…魔か?
珠は段々とデカくなっていく。
――それこそ、障壁を飲み込むかのように…
飲み込む……?
『もうね、君はね。狂ってる。そんな君は異界にでも行っちゃいなよ。人間のいない世界。そこで本当に気が狂ってしまうといい!』
脳にヤツの声が響く。
オレは胸の銀光に意識を集中した。
魔なら神で打ち破れるはずだ、コレを使う。ちょうどいい。
『絶対圏』の力を神性に集めて――
「う……っ?」
頭に激しい頭痛――衝撃が走った。
その瞬間、『絶対圏』の接続が切れた。
光の剣と、闇の手と、魔の大きな口が一斉にオレに向かってくる。
この……!!
――その時、プラムの声が響いた。
「ブラウニー!!!!」
「プラム!?」
プラムが、テレポートでその中間に割り込んできた。
――泣いてる。
「馬鹿!! 何やって…!!」
プラムが『絶対圏』のオレへの接続を復帰させる。
オレはプラムを受け止めようと地を蹴ったが――
プラムが、背中から光の剣に突き刺された。
「――」
「――プ……」
のけ反ったプラムの血が飛び散ってオレの全身を濡らす。
「プラム!? ……っ! プラム!!!!!」
アカシアの絶叫する声も聞こえた。
その絶叫と共に光の剣と闇の手が攻撃を停止し始めたが――
プラムが刺さった光の剣を、闇の手が振り払うように、魔の口へ――プラムを投げ入れる。
「「やめろ……!!」」
アカシアとオレの声がかぶる。
「モチ!【Fly,Y10X30】!!」
アドルフさんの声がした。
アドルフさん……っ!!!
アドルフさんとモチが、プラムを受け止めて、そのままの勢いで魔の口へ入ってしまった。
オレは空を蹴って後を追い、魔の口へ入ったが――
――二人の姿が見当たらない!!
心の眼で視ても存在が見当たらない……!?
唖然としたオレはその場で固まってしまい、
――魔の口はそのまま閉じられた。
オレは自分で自分に自動回復(パッシブ)を構築した。
そして、持ってきたダガーに命令を送る。
「断ち切れ!!」
ツールバックから飛び出たダガーが、アカシアの蔦と木の根を切り裂く。
全てのダガーに祝福を与える。
あの珠全部破壊してやる!
「させないよ」
アカシアが間合いに飛び込んできて、長い爪でオレの胴体を切り裂いた。
「……っ」
間合いに飛び込んできておいてタダで帰すと思うなよ!
オレは腰に挿していたショートソードを素早く抜き取り、ヤツの脇腹に突き刺した。
「ぐは……っこの!」
アカシアが血を吐いた。
こんな化け物なのに血は赤いのか。
闇の珠がごぅん、と鳴った。
まるで生きていて、身動きするような――何か来る。
アカシアから離れようとしたが、燃えてない森の暗闇から
無数の黒い手が伸びてきてオレの四肢を掴んだ。
「この野郎、束縛するのが大好きだな!」
「悪いけど、そんな趣味はないね。さて、このまま、お団子にしてあげようか。それとも引き裂いてあげようか。
それともこの森のように焼いてあげようか。水で溺れさせてあげようか? 土に生き埋めにしてあげようか?」
言葉はそう言いつつもオレを捉えていない闇の手が光の珠に伸びていく。
その手は光の珠から光り輝く剣を抜き出した。
オレは空中で遊ばせていたダガーを引き寄せ、
全てを曲刀に変化させ、闇の手を残らず切り落とした。
「プラムは、ずっとこの世界に降り立つのを楽しみにしていた!
なのに! お前を、お前を好きになったせいで! ……泣いてばかりだ!! ブラウニー!!」
……なんだ? 生まれる前の話とやらか?
昔話はてめえの心のなかにだけ留めとけ、オレは聞かん!
オレは今生しか見ない!
「お前がそれを言うのか!? お前だっていつもプラムをなじってんじゃねえか!!
いい加減プラムをあきらめろよ!」
「僕は『地母神』からプラム(わけみたま)を預けられた神の従僕。
彼女の保護者だ。彼女を育てる義務がある。
……そして僕はお前のことは認めない……!
あまつさえ皇太子から『神性』を奪いとるなんて!」
『神性』……?
皇太子から奪ったコレは……攻略対象の資格……もとい、『神性』?
ふーん、まあいいや、それより保護者だというのなら、挨拶しないとな。
「お父さん、こんばんは。プラムをオレに下さい」
「お前ふざけてるの!?」
だいたい子供をいじめる保護者なんて保護者じゃねえよ。
アドルフさんを見習え。
光の剣を持った闇の手が、一点集中してオレに向かってくる。
――こんなもの、と障壁を貼ろうとした時、ガクン、と力が抜けた。
一瞬、『絶対圏』との接続が切れた…?
「……っ」
急いで接続を試みる。
間一髪で障壁を貼り直した。
無数の剣が障壁を叩き割ろうと剣を振るう。騒音うるせえ。
どうするか。
また接続が一瞬でも途切れたらやばい。
ふと、胸中の銀の光塊を感じた。
『神性』――だっけ?
――しばらく放置していてたせいか、いつのまにか体中に根を張られているのを感じる。
やばい、これ後で取れるかな。
アカシアに絡まれたせいで後手に回っている。厄介な事になった。
口から血を流し続けるアカシアがこっちを睨んでいる。
なんだ、さっきの脇腹への攻撃効いてたのか。
殺しても死なないヤツかと思ってたけど、ひょっとしたら殺せるのかな。
……アカシアは喋れなくなったのか、心の声でも同時に頭に直接語りかけてくる。
うざい!
『いいか、教えてやる。そのおまえが盗んだもの。それは地母神の夫となる天空神のものだ。地母神の代理たるプラム(ぶんれい)が選んだ相手が、いずれこの世界地母神とともに完成させる主神になるんだよ! 運命から選ばれた人間が持つべきものなんだ! 運命の敷かれていないお前では神には到達できない!』
『……どうでもいいな。オレ人間だし。神とか到達する気もない』
『どうせお前は神に到達する前に死ぬ。身体がもたない。このままでは世界があるべき姿に育たない』
『それで世界が滅びてもオレには関係ない。世界が滅びるっていうならその時に隣に人間(ひと)としてプラムがいれば十分だ』
『自分のことばっかりだね』
『人間なんて皆基本そうだろ。いっぱい知ってるんじゃないのかそういうの。だいたい、おまえ。プラムの相手が皇太子でも結局、なんだかんだ認めないだろ。――自分が選ばれたいわけだから』
『……そんな訳ないだろう。僕の仕事は僕に書き込まれた記録を持ってして、世界を完成に導くアシストをすることだ。プラムの相手がちゃんとふさわしいならそれで構わない』
『嘘が好きだな。それとも我慢するために自分を騙してるのか?』
オレは口元だけで笑った。あいつの顔は苛ついてる、図星だ。
『口数の減らないヤツだね。好きに思えば良いさ。どの道今日ここでお前は殺すから』
そう言った時、障壁をすり抜けてひらひらと落ちてきた葉が落ちてきて、オレの腕に当たって落ちた。
また映像が見えた。
――小さなプラムと小さなアカシアが手を繋いで歩いている。
――可愛らしい部屋で小さなプラムが絵本を読んで、と少しだけ年上のようなアカシアにせがんでいる。
オレはそれを踏み潰した。
オレには必要ない情報だ。
ガキン、ガキン、と光の剣が折れていく。
さて、どうすればこいつを殺せる。あまり時間はなさそうだ。
障壁の中で考える。
ゴウン、と珠が動く音がした。
光の剣と闇の手が邪魔で視認できない。
しょうがないから心眼で確認する。
あれは、なんの珠だ。
闇とはちがう、真っ黒な…魔か?
珠は段々とデカくなっていく。
――それこそ、障壁を飲み込むかのように…
飲み込む……?
『もうね、君はね。狂ってる。そんな君は異界にでも行っちゃいなよ。人間のいない世界。そこで本当に気が狂ってしまうといい!』
脳にヤツの声が響く。
オレは胸の銀光に意識を集中した。
魔なら神で打ち破れるはずだ、コレを使う。ちょうどいい。
『絶対圏』の力を神性に集めて――
「う……っ?」
頭に激しい頭痛――衝撃が走った。
その瞬間、『絶対圏』の接続が切れた。
光の剣と、闇の手と、魔の大きな口が一斉にオレに向かってくる。
この……!!
――その時、プラムの声が響いた。
「ブラウニー!!!!」
「プラム!?」
プラムが、テレポートでその中間に割り込んできた。
――泣いてる。
「馬鹿!! 何やって…!!」
プラムが『絶対圏』のオレへの接続を復帰させる。
オレはプラムを受け止めようと地を蹴ったが――
プラムが、背中から光の剣に突き刺された。
「――」
「――プ……」
のけ反ったプラムの血が飛び散ってオレの全身を濡らす。
「プラム!? ……っ! プラム!!!!!」
アカシアの絶叫する声も聞こえた。
その絶叫と共に光の剣と闇の手が攻撃を停止し始めたが――
プラムが刺さった光の剣を、闇の手が振り払うように、魔の口へ――プラムを投げ入れる。
「「やめろ……!!」」
アカシアとオレの声がかぶる。
「モチ!【Fly,Y10X30】!!」
アドルフさんの声がした。
アドルフさん……っ!!!
アドルフさんとモチが、プラムを受け止めて、そのままの勢いで魔の口へ入ってしまった。
オレは空を蹴って後を追い、魔の口へ入ったが――
――二人の姿が見当たらない!!
心の眼で視ても存在が見当たらない……!?
唖然としたオレはその場で固まってしまい、
――魔の口はそのまま閉じられた。
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