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63 ■ Welcome 01 ■――ウェルカム
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次の日の朝。
「お嬢様、昨日お帰りが遅かったので今になってしまいましたが、ヒース男爵家のブラウニー様からお手紙が届いております」
侍女さんがお手紙を届けてくれた!
わ、わーい!ブラウニーから手紙だなんて。
朝から元気でるうー。
『報』じゃなくてちゃんとした手紙を返してくれたんだね。
この間、私が入学パーティの話を手紙に書いたからその返事かな。
昨日会ったのに変な感じ。でも嬉しい。
ずっと一緒だったから、こういう手紙ってブラウニーから貰うの初めて!
ちゃんと封蝋がしてある。
なんだろうこのマーク。蛇?竜?
ヒース家の紋章かなんだろうか。まあいいや。
手紙はあらたまってもいない、簡単な内容だった。
『 プラムへ
手紙ありがとう。
入学パーティだが、一緒に行こう。
楽しみにしてる。
ブラウニー 』
うん、私達はこういう手紙でいいよね。
嬉しい。宝物にしよう。
……あ、そういえば入学パーティってドレスコードとかどうなるんだろう。
あれ……ドレス作って下さいって言わないといけないのかな…。すっごく気が引ける。
こないだ婚約式のドレス作ってもらったばかりなのに……。
しかも昨日の事件でパーティ行きづらいなぁ。
でもブラウニーと頑張るって約束したし、ちゃんと通わなきゃ。
「ん? 入学パーティに使えるドレスならもう何点か作っておいたはず! ごめんね!意見聞かなくて!!」
学校へ行く馬車の中。
リンデンお兄様に聞きました。したら秒で解決した。
ホントはこういう場合、お父様かお母様に聞くべきなんだろうけど、どうしてもリンデンに聞いてしまう。
話しやすいんだよね。
ていうか何点か!? そんなにいらないよ!? お金もったいない!
「というかね、初日にも言った気がするんだけど。自分のお部屋のクローゼット確認した?
入学パーティのドレスコードは派手なものでなければ割りと自由だったと思うよ。
わからなかったら好きなもの幾つか選んで、侍女にも聞いてごらん?
侍女がその中からふさわしいの選んでくれるから」
おお! 侍女さん! なんて頼もしい!!!
クローゼットは見たんだけど、豪華すぎてなんていうか自分が使ってもいいのかしら的な思いがあったのよ。
平民出身の理解を超えてたのよ! ビビっちゃったから今確認したのよ!
クローゼットって簡単に言うけど、ちょっとしたブティックというか洋品店みたいな規模はあったよ!
ブルボンスもおなじように豪華ではあったんだけど、ずっと気持ちが沈んでてどうでもいい気持ちだったからなんとも思ってなかったんだよね。
あの時は本当に世界のすべてが灰色に見えてた。
「アクセサリーとかも相談するといいよ。ベテランさんだからね、皆」
「た、たよりになるぅ~」
「ふふ。でも良かった!」
「なにが?」
「昨日学校行かないって泣いてたじゃない」
「……あ、あはは。ブラウニーと約束したの。頑張って通うって」
「うん、やっぱりブラウニーの力なんだね!」
「えへへ、ブラウニーに頑張れって言われたら、私なんだって頑張るんだ!」
「プラムは大好きな人がいて幸せだね。お兄ちゃんはちょっと安心したよ」
そんな事を話していたら、学院の近くに着いた。
「ここでいいんだよね? プラム。あ、ブラウニーおはよ!」
「うん」
「おはよ。リンデン。プラム……ほら」
ブラウニーに腰を掴まれてひょい、と馬車から降ろしてもらってしまった。
あ、嬉しい。
朝から抱きつけて嬉しい。
「おはよう、ブラウニー」
「おは、プラム」
私達は、校門の前での待ち合わせをやめた。
馬車には学校の少し手前で降ろしてもらって、二人で歩いて登校することにしたのだ。
だってそうしないと、おはようのキスとか見られちゃうじゃないの!!
またジャスミンみたいに男爵令息といちゃついて!みたいな事言われたくないし。
うるさいよ! いちゃつくよ! 他人の事はほっといてよね!
「じゃあ、また学院でね。先行ってるよ!」
リンデンは馬車で先に行った。
私達はこれから少しの距離だけど登校デートなのだ。ふふふ。
「クローゼットまだ見てないんだけど、ドレスは何選んでいいかわからないから、侍女さんに選んでもらうんだ~」
「そんなに用意されてんのか……。公爵令嬢って大変だな」
雑談しながら歩く。楽しい。もう学校に着かなくてもいいんじゃないだろうか。
このままバックレ……ん、げふん。
「あ、そうだ」
私はブラウニーにリンデンから注意されたことを伝えた。
「使う時は使わなきゃしょうがないけどな。……気をつける。確かにこの間の接続はちょっと短気過ぎたと反省してた。改めて……約束破って勝手に力使ってごめんな」
私はニコッと笑ってそれを返事とした。
「それにしてもリンデンはそんなに身体が悪かったのか」
「うん。私達の力が使えたら多分あっという間に治せると思うんだけど、リンデンお兄様がそれはするなって」
「オレもそれ一瞬でできると思うんだが……。観測所に観測されなければいいんだよな……壊すか観測所」
「ブラウニー!?」
「はは、冗談だ」
その笑顔、嘘くさい……!!
「駄目だからね」
悪戯っぽい顔で額をつん、とされた。何をするのだー。
好きだから許す。
そんな事しつつ、門をくぐる。
結局イチャイチャしながら登校してしまった!
校門手前からはイチャイチャやめようって約束してたのに! すみません!!
そしてブラウニーは、今日だけだぞ、と普通科の教室の前まで送ってくれた。
「よし、がんばってこい」
「お、おーう!」
「わかった、じゃあオレはオレの教室に行く。また昼休みにな」
「うん」
私はブラウニーを、手を振って見送ったあと、よし、と教室に入った。
平気平気。とりあえず足を進めて、自分の席へ。
チラチラ見られている……。
気にしない気にしない。
教科書広げて勉強してるフリ。
……友達は諦めた。授業だけ、授業だけしっかり受ければ……やっぱり寂しいなぁ!!
「お嬢様、昨日お帰りが遅かったので今になってしまいましたが、ヒース男爵家のブラウニー様からお手紙が届いております」
侍女さんがお手紙を届けてくれた!
わ、わーい!ブラウニーから手紙だなんて。
朝から元気でるうー。
『報』じゃなくてちゃんとした手紙を返してくれたんだね。
この間、私が入学パーティの話を手紙に書いたからその返事かな。
昨日会ったのに変な感じ。でも嬉しい。
ずっと一緒だったから、こういう手紙ってブラウニーから貰うの初めて!
ちゃんと封蝋がしてある。
なんだろうこのマーク。蛇?竜?
ヒース家の紋章かなんだろうか。まあいいや。
手紙はあらたまってもいない、簡単な内容だった。
『 プラムへ
手紙ありがとう。
入学パーティだが、一緒に行こう。
楽しみにしてる。
ブラウニー 』
うん、私達はこういう手紙でいいよね。
嬉しい。宝物にしよう。
……あ、そういえば入学パーティってドレスコードとかどうなるんだろう。
あれ……ドレス作って下さいって言わないといけないのかな…。すっごく気が引ける。
こないだ婚約式のドレス作ってもらったばかりなのに……。
しかも昨日の事件でパーティ行きづらいなぁ。
でもブラウニーと頑張るって約束したし、ちゃんと通わなきゃ。
「ん? 入学パーティに使えるドレスならもう何点か作っておいたはず! ごめんね!意見聞かなくて!!」
学校へ行く馬車の中。
リンデンお兄様に聞きました。したら秒で解決した。
ホントはこういう場合、お父様かお母様に聞くべきなんだろうけど、どうしてもリンデンに聞いてしまう。
話しやすいんだよね。
ていうか何点か!? そんなにいらないよ!? お金もったいない!
「というかね、初日にも言った気がするんだけど。自分のお部屋のクローゼット確認した?
入学パーティのドレスコードは派手なものでなければ割りと自由だったと思うよ。
わからなかったら好きなもの幾つか選んで、侍女にも聞いてごらん?
侍女がその中からふさわしいの選んでくれるから」
おお! 侍女さん! なんて頼もしい!!!
クローゼットは見たんだけど、豪華すぎてなんていうか自分が使ってもいいのかしら的な思いがあったのよ。
平民出身の理解を超えてたのよ! ビビっちゃったから今確認したのよ!
クローゼットって簡単に言うけど、ちょっとしたブティックというか洋品店みたいな規模はあったよ!
ブルボンスもおなじように豪華ではあったんだけど、ずっと気持ちが沈んでてどうでもいい気持ちだったからなんとも思ってなかったんだよね。
あの時は本当に世界のすべてが灰色に見えてた。
「アクセサリーとかも相談するといいよ。ベテランさんだからね、皆」
「た、たよりになるぅ~」
「ふふ。でも良かった!」
「なにが?」
「昨日学校行かないって泣いてたじゃない」
「……あ、あはは。ブラウニーと約束したの。頑張って通うって」
「うん、やっぱりブラウニーの力なんだね!」
「えへへ、ブラウニーに頑張れって言われたら、私なんだって頑張るんだ!」
「プラムは大好きな人がいて幸せだね。お兄ちゃんはちょっと安心したよ」
そんな事を話していたら、学院の近くに着いた。
「ここでいいんだよね? プラム。あ、ブラウニーおはよ!」
「うん」
「おはよ。リンデン。プラム……ほら」
ブラウニーに腰を掴まれてひょい、と馬車から降ろしてもらってしまった。
あ、嬉しい。
朝から抱きつけて嬉しい。
「おはよう、ブラウニー」
「おは、プラム」
私達は、校門の前での待ち合わせをやめた。
馬車には学校の少し手前で降ろしてもらって、二人で歩いて登校することにしたのだ。
だってそうしないと、おはようのキスとか見られちゃうじゃないの!!
またジャスミンみたいに男爵令息といちゃついて!みたいな事言われたくないし。
うるさいよ! いちゃつくよ! 他人の事はほっといてよね!
「じゃあ、また学院でね。先行ってるよ!」
リンデンは馬車で先に行った。
私達はこれから少しの距離だけど登校デートなのだ。ふふふ。
「クローゼットまだ見てないんだけど、ドレスは何選んでいいかわからないから、侍女さんに選んでもらうんだ~」
「そんなに用意されてんのか……。公爵令嬢って大変だな」
雑談しながら歩く。楽しい。もう学校に着かなくてもいいんじゃないだろうか。
このままバックレ……ん、げふん。
「あ、そうだ」
私はブラウニーにリンデンから注意されたことを伝えた。
「使う時は使わなきゃしょうがないけどな。……気をつける。確かにこの間の接続はちょっと短気過ぎたと反省してた。改めて……約束破って勝手に力使ってごめんな」
私はニコッと笑ってそれを返事とした。
「それにしてもリンデンはそんなに身体が悪かったのか」
「うん。私達の力が使えたら多分あっという間に治せると思うんだけど、リンデンお兄様がそれはするなって」
「オレもそれ一瞬でできると思うんだが……。観測所に観測されなければいいんだよな……壊すか観測所」
「ブラウニー!?」
「はは、冗談だ」
その笑顔、嘘くさい……!!
「駄目だからね」
悪戯っぽい顔で額をつん、とされた。何をするのだー。
好きだから許す。
そんな事しつつ、門をくぐる。
結局イチャイチャしながら登校してしまった!
校門手前からはイチャイチャやめようって約束してたのに! すみません!!
そしてブラウニーは、今日だけだぞ、と普通科の教室の前まで送ってくれた。
「よし、がんばってこい」
「お、おーう!」
「わかった、じゃあオレはオレの教室に行く。また昼休みにな」
「うん」
私はブラウニーを、手を振って見送ったあと、よし、と教室に入った。
平気平気。とりあえず足を進めて、自分の席へ。
チラチラ見られている……。
気にしない気にしない。
教科書広げて勉強してるフリ。
……友達は諦めた。授業だけ、授業だけしっかり受ければ……やっぱり寂しいなぁ!!
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