48 / 50
最弱の魔法戦闘師、帰還する
しおりを挟む
「まさか、魔眼が発現した瞬間に覚醒するとは思いませんでしたよ……」
「はぁ、はぁ……避けるたぁズルいじゃねぇかよ」
だが、悪くはなかったな。
「『落ちろ』」
ズオォォオオンン!!
「!!!これはっ……!」
「ビビったか?」
「まさか……言霊?」
言霊か……。まぁ、そう捉えられても仕方がないか。それに、何がなんであれ、今はもっと重要なことがあるしな。
「取り敢えず……」
「くぅう……」
「次はお前の首だ。本当だったらもっと、いたぶってやろうと思ったが、そうもいかねぇ」
時間が惜しいからな。勿論、今のこいつをこのままにしていても、少しの間は害はないだろう。
だが、万全を期して来られたら、完全に負ける。俺は運が良かった。ただ本当にそう思う。
「チッ。さすがにこの状況はヤバイですね」
「そうかもな」
「では、今日はここら辺にしておきましょうか!」
「………逃がすとでも?」
「あなたはそうせざるお得ないですからね!」
「なに?」
どういうことだ?まさか、人質か?!……いや、出任せの可能性もある。早とちりして、こいつの思い通りになるのだけは勘弁だ。
「あなたは、既にあの水準に達してるのですよ」
「水準?どういう事だ?」
「知る必要はありませんが……」
一体何の話をしてるんだ?
「ただ、……時間一秒も無駄にできないのではありませんか?」
「……何が言いたい?」
出任せではないようだ。それに、ある水準とは一体……。
「殺すよりも見逃した方が、時間短縮になると言っているのですよ」
何か、知ってるような雰囲気だな。
「もし、戻れないようであれば、ラングランド王国まで来て下さい」
俺よりも、この状況を把握してるみたいだな。
「………分かった」
『良いのかよ!?』
今は、様子見だ。それに、こいつを完全に殺せる自信はない。
『で、でもよ……』
賢者が言ってることも最もなんだからよ。今は信じる方が良い。
「早く行け」
「助かります」
さて、どうやったら戻れるのやら……。
~~その頃~~
「想像以上に、面倒ですね」
「はあ、はぁ………(オレの神武·重複でも、倒しきれない……)」
「…………(勝てる、気がしねぇ……)」
「二人とも……(わたしはどうすれば……)」
「はぁ……あと五分程度でカムイさんも死にますし……あなたたちも、もう用済みです」
「チッ……まだまだこれからだろ!(結局レイトは意識は戻らねぇか)」
「いや、本当に死んでくださいよ。もう退屈しのぎにすら、なりませんから」
「『神武·重複』(もって一分程度。だが、ここをどうにか凌ぐ!)」
「俺もまだやれるぜ?(あのレイトの野郎……結局かよ)」
「お前らは用済みだと言ったよな?。私は王女に用があるのだ」
「だからって、退く訳には行かねぇんでね(俺ができる最大限のことをやる……たとえ死んだとしても……)」
「『空間切削』(………)」
「無理矢理はあまり好きではありませんが……」
「「「!!!(どこに……)」」」
「まさか……王女!(瞬間転移か、なにかか……?)」
「出来れば私もこんな手荒なマネはしたくはないのですがね……」
「わたしのことは良いから……逃げて……(多分、もう助からない。あの二人だけでも……)」
「逃げたところで最終的には死にますからね……。無意味な事は止めてください」
「フレミアを離せ。その人は弟から守れと言われてるんだ」
「その約束、守れそうにありませんね?」
「まぁ、確かにな……(あくまでも、オレも生き残るという仮定があればだがな!)」
「オレはオレの命をも懸けるつもりだ!(まだ、重複を維持できる。限界を越えるんだ!)」
「ほう……まだ操れるのですか……」
「俺も忘れるな!」
「……私のところに王女が居ることも忘れずに」
「んな事は、知ってるわ!(繊細な動きが必要だが……大丈夫!)」
「『空間切削』『空間圧縮』(俺は距離を詰めることと、相手の動きを制限する。カインドに攻撃は任すしかねぇ)」
「鬱陶しいったらありゃしませんね……『氷槍』」
「……なんのつもりだ?(フレミアに槍を向けるなんて……)」
「脅しのつもりか?(クソっ!予想外すぎだろ。何も出来ねぇじゃねぇかよ)」
「当初の予定通り、フレリアには死んでもらいます。ただそれだけです」
「……!!!止めろ!(間に合わない!くそ!)」
「この……『空間切削』(俺があの槍を受ければ良いんだ!カインド同様、俺も命をかける!)」
「まぁ、まぁ……落ち着けよ、お前ら」
「「「「!!!!」」」」
~~~~
なぁ、このあとどうすれば良いんだ?賢者はどっかに行っちまったしよ。
『うぅん。ま、一回あいつらと合流しようぜ』
そうだな。安全確認でもするか。
もし、居なかったらどうするよ?
『そうだな……まぁ、賢者のところに行くしかねぇよな?』
だよな?俺も、流石に許せねぇよ。
『お前は今もだろ?現実に戻ったとしても、すぐに殴り掛かるなよ?』
そんなことは分かってる。感情に任せた行動は……身を滅ぼしかねないからな。
慎重に行動するさ。
~~~~
「おぉい。みんな居るか?」
「……レイ?」
「フィア……?みんなは無事?」
「うん」
そっか。じゃあ、守れたってことだよな……。今回は。
「どうしたの、レイ?」
「……いや、何でもないよ」
これで、良かったんだよな。解決したんだよな……。
『あぁ』
「……うっ…」
「!!大丈夫?」
「うん……」
この感覚……前に一度経験がある。そうだ。俺がここに来る前にも、こんな感じのが……。
「戻れるんだな……」
「??急にどうしたの?」
「ありがと……もしもう一度会えたら……僕は幸せだよ」
「えっ?急にどうしちゃったの?どこかに行っちゃうの?」
どこか、か……まぁ、そうだな。少なくとも、もうフィアに会うことは出来ない。
こんなこと、流石に言える訳ねぇよ。
「ごめん。本当に精神が参ってるみたいでさ。死ぬかと思ったんだ」
段々と意識が朦朧としてきてる。俺が何を喋ってるのか、そもそも会話をしてるのか。
そんなことすらも朧気だ。
「またね、フィア」
これだけは、俺自身がハッキリと任意に言えた最後の言葉だと思う。
「はぁ、はぁ……避けるたぁズルいじゃねぇかよ」
だが、悪くはなかったな。
「『落ちろ』」
ズオォォオオンン!!
「!!!これはっ……!」
「ビビったか?」
「まさか……言霊?」
言霊か……。まぁ、そう捉えられても仕方がないか。それに、何がなんであれ、今はもっと重要なことがあるしな。
「取り敢えず……」
「くぅう……」
「次はお前の首だ。本当だったらもっと、いたぶってやろうと思ったが、そうもいかねぇ」
時間が惜しいからな。勿論、今のこいつをこのままにしていても、少しの間は害はないだろう。
だが、万全を期して来られたら、完全に負ける。俺は運が良かった。ただ本当にそう思う。
「チッ。さすがにこの状況はヤバイですね」
「そうかもな」
「では、今日はここら辺にしておきましょうか!」
「………逃がすとでも?」
「あなたはそうせざるお得ないですからね!」
「なに?」
どういうことだ?まさか、人質か?!……いや、出任せの可能性もある。早とちりして、こいつの思い通りになるのだけは勘弁だ。
「あなたは、既にあの水準に達してるのですよ」
「水準?どういう事だ?」
「知る必要はありませんが……」
一体何の話をしてるんだ?
「ただ、……時間一秒も無駄にできないのではありませんか?」
「……何が言いたい?」
出任せではないようだ。それに、ある水準とは一体……。
「殺すよりも見逃した方が、時間短縮になると言っているのですよ」
何か、知ってるような雰囲気だな。
「もし、戻れないようであれば、ラングランド王国まで来て下さい」
俺よりも、この状況を把握してるみたいだな。
「………分かった」
『良いのかよ!?』
今は、様子見だ。それに、こいつを完全に殺せる自信はない。
『で、でもよ……』
賢者が言ってることも最もなんだからよ。今は信じる方が良い。
「早く行け」
「助かります」
さて、どうやったら戻れるのやら……。
~~その頃~~
「想像以上に、面倒ですね」
「はあ、はぁ………(オレの神武·重複でも、倒しきれない……)」
「…………(勝てる、気がしねぇ……)」
「二人とも……(わたしはどうすれば……)」
「はぁ……あと五分程度でカムイさんも死にますし……あなたたちも、もう用済みです」
「チッ……まだまだこれからだろ!(結局レイトは意識は戻らねぇか)」
「いや、本当に死んでくださいよ。もう退屈しのぎにすら、なりませんから」
「『神武·重複』(もって一分程度。だが、ここをどうにか凌ぐ!)」
「俺もまだやれるぜ?(あのレイトの野郎……結局かよ)」
「お前らは用済みだと言ったよな?。私は王女に用があるのだ」
「だからって、退く訳には行かねぇんでね(俺ができる最大限のことをやる……たとえ死んだとしても……)」
「『空間切削』(………)」
「無理矢理はあまり好きではありませんが……」
「「「!!!(どこに……)」」」
「まさか……王女!(瞬間転移か、なにかか……?)」
「出来れば私もこんな手荒なマネはしたくはないのですがね……」
「わたしのことは良いから……逃げて……(多分、もう助からない。あの二人だけでも……)」
「逃げたところで最終的には死にますからね……。無意味な事は止めてください」
「フレミアを離せ。その人は弟から守れと言われてるんだ」
「その約束、守れそうにありませんね?」
「まぁ、確かにな……(あくまでも、オレも生き残るという仮定があればだがな!)」
「オレはオレの命をも懸けるつもりだ!(まだ、重複を維持できる。限界を越えるんだ!)」
「ほう……まだ操れるのですか……」
「俺も忘れるな!」
「……私のところに王女が居ることも忘れずに」
「んな事は、知ってるわ!(繊細な動きが必要だが……大丈夫!)」
「『空間切削』『空間圧縮』(俺は距離を詰めることと、相手の動きを制限する。カインドに攻撃は任すしかねぇ)」
「鬱陶しいったらありゃしませんね……『氷槍』」
「……なんのつもりだ?(フレミアに槍を向けるなんて……)」
「脅しのつもりか?(クソっ!予想外すぎだろ。何も出来ねぇじゃねぇかよ)」
「当初の予定通り、フレリアには死んでもらいます。ただそれだけです」
「……!!!止めろ!(間に合わない!くそ!)」
「この……『空間切削』(俺があの槍を受ければ良いんだ!カインド同様、俺も命をかける!)」
「まぁ、まぁ……落ち着けよ、お前ら」
「「「「!!!!」」」」
~~~~
なぁ、このあとどうすれば良いんだ?賢者はどっかに行っちまったしよ。
『うぅん。ま、一回あいつらと合流しようぜ』
そうだな。安全確認でもするか。
もし、居なかったらどうするよ?
『そうだな……まぁ、賢者のところに行くしかねぇよな?』
だよな?俺も、流石に許せねぇよ。
『お前は今もだろ?現実に戻ったとしても、すぐに殴り掛かるなよ?』
そんなことは分かってる。感情に任せた行動は……身を滅ぼしかねないからな。
慎重に行動するさ。
~~~~
「おぉい。みんな居るか?」
「……レイ?」
「フィア……?みんなは無事?」
「うん」
そっか。じゃあ、守れたってことだよな……。今回は。
「どうしたの、レイ?」
「……いや、何でもないよ」
これで、良かったんだよな。解決したんだよな……。
『あぁ』
「……うっ…」
「!!大丈夫?」
「うん……」
この感覚……前に一度経験がある。そうだ。俺がここに来る前にも、こんな感じのが……。
「戻れるんだな……」
「??急にどうしたの?」
「ありがと……もしもう一度会えたら……僕は幸せだよ」
「えっ?急にどうしちゃったの?どこかに行っちゃうの?」
どこか、か……まぁ、そうだな。少なくとも、もうフィアに会うことは出来ない。
こんなこと、流石に言える訳ねぇよ。
「ごめん。本当に精神が参ってるみたいでさ。死ぬかと思ったんだ」
段々と意識が朦朧としてきてる。俺が何を喋ってるのか、そもそも会話をしてるのか。
そんなことすらも朧気だ。
「またね、フィア」
これだけは、俺自身がハッキリと任意に言えた最後の言葉だと思う。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる