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最弱の魔法戦闘師、下準備をする
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自由時間だし、何をするべきか。魔力総量はそう簡単には増えないからなぁ……。
筋肉量も一朝一夕でどうこうできるものではない。
つまり、この体でどのくらい思い通りに動くことができるのか。
俺がすべきことはこの体を知る。その上でこの体に慣れなくてはな。
「レイ?考え事?」
「ん?うん。もっと強くならないとってね」
俺だけが知る秘密の場所なんて無いからな。どこでやれば良いのやら。
「何か出来ることある?」
「そうだなぁ……」
流石に練習相手って訳にはいかないしな……。そうだ。秘密の場所がないか聞いてみるか。
「修業ができる場所って知ってる?出来ればあまり知られてないような場所」
「うぅん……そうだねぇ……」
少し考えてから何を思い付いたようで。俺には全くの当てがないと言うのに……。
「そう言えば、さっき居た峠の裏側……あまり人を見ないよ」
裏側……。あの険しい山道か。あっちは傾斜も凄いから魔物も来なかったな。
不意打ちも無さそうだし、最適か……?あとは、移動手段が分かれば……。
これは自分で考えるか。そんなに頼るのもな。
「ありがと。もっと強くなって……フィアを守るから。絶対に」
「うん。期待してる!」
少し照れくさいが、俺がすべき事だ。絶対に強くなって、過去を変える。
そうすれば、この空間からも抜けられる筈……。
こっちの時間とあっちの時間が同じならば……。これだけは考えないようにしよう。
これが、俺の中の最悪の事態だからな。
戻れさえすれば、どうとでもなる。
「五日間でどの程度この体に馴染めるか。これが肝か」
本能。本能はこの体の間合いは把握出来たか?
『微妙だな。けど、大体は掴めた』
じゃあ、少し動きを見せて欲しいんだけど、良いか?
『別に良いぜ。じゃあ、移動しようぜ』
そうだな。
~~~~
「さっきぶりだな……さて、どう降りたものか」
急な斜面と鬱蒼とした木々。視界も悪ければ、足場も悪い。
だが、贅沢は言っていられないし、この環境に慣れなくてはな。
「取り敢えず、滑って行くか!」
ちょっと楽しそうだな。
『まぁ、ミスをしたら最悪死ぬけどな』
スリルがあって良いだろ?俺はこう言うの案外好きだぞ。
『それを言われちゃぁなぁ……俺様だって、ワクワクしてるぜ!』
だろ?じゃあ、思い切り行くぜ!
「うぉ!うぉぉおお!?うわぁぁあ!!」
想像以上に地面が湿っぽいな!停止できるか不安になってきたぞ。
「『神武発現』」
やっぱり……なんでか神武はカムイのものなんだよなぁ……。まぁ、こっちの方が使いやすいし、良いけどな。
『なぁ、ふと思ったんだが、カインドは居ないのか?』
居ないけど……なんで?
『前に、お前の村が魔物に襲われたって言ってたろ?』
あぁ……。俺の記憶が正しければ、この襲撃で二度目なんだ。
『えっ?』
おかしいよな。頻繁に出る筈がない魔物に……それも襲撃されるんだぜ?
俺は魔物に好かれてるのかなぁ。
『んな冗談言うなよな』
「おっ!ここにも平地はあるのか!」
適当な場所を平地にしようと思ってたから、その分の時間を短縮できるのは嬉しいな。
「少し木を斬り倒すか」
ついでに感覚を掴むためにな。
「ふぅぅ……はっ!」
『………あはははははは!!!』
わ、笑うなよ!仕方がないだろ?!まだ慣れてないんだからよ!!
『す、すまんて……。でも、仕方がないだろ?あれだけ気合い入れて……思い出したら、あはははは!!』
一回空振っただけだろ?!そんなに笑うなよな!てか、そんなに笑うならお前がやれよ!
『良いぜ、やってやろうじゎねぇかよ』
出来なかったら、覚えてろよ?壮大に笑ってやるからな。
『そうはならねぇと思うがな!』
~~~~
「ふむふむ……実体持って確信した」
(何をだよ?)
「この体………雑魚過ぎるな」
(………ぶちのめすぞ?)
「まぁ、待て待て」
(話し合いの余地は無いな)
落ち着けよ!何も弱いからって、欠陥って訳じゃねぇからな?
(いや、欠陥しかねぇだろ?本格的にバカになりやがったな)
まぁ、見てろ。前に言ったろ?お前の体の使い方は熟知してる。
それに、お前にはまだ教えてないことがあるだろ?
(教えてないこと?)
「これの事だ」
(……っ!!それは!?)
昔……言っても二日三日前ぐらいかな。お前と出会ったばっかりの時に見せた、瞬間転移。
(でも、なんでそれを?)
これな……。魔力が一定以上あると出来ないんだ。
(えっ?)
人間が一度に放出できる魔力は限られているんだ。魔力総量が少なければ少ないほど、その限度は少なくなる。
(そりゃ考えればな……でも、それと何が関係あるんだ?)
少ないと言うことは魔力操作がしやすいんだ。魔力を一点から放出しやすいんだ。
(もう、焦れったいな。結論から言え)
つまり、こう言うことだ。
(はっ?)
まぁ、魔力総量が少ないのに、物凄い威力だよな。
(それもそうだが、大気が割れたぞ!空気が一瞬消えたぞ!?)
これを使えば空気抵抗無しに動けるし、相手の意識が一瞬飛ぶ。
すると、瞬間転移したように見える。
(じゃあ、魔力操作を練習すれば魔力総量が増えても出来るんじゃねぇか?)
あんな物をそう易々と出来るわけねぇだろ。
まぁ、魔力を相当使って一定以下にすれば出来るだろうがな。
「練習あるのみだ」
(んで……結構ズレたけど、やれ)
「な、なんの事だか……」
(やれ)
くそっ!もうどうにでもなれ!
「はっ!」
(まぁ、そんなもんだろ……落ち込むなよ)
「バカにしやがって!」
取り敢えず、間合いから覚えていくぞ!
(はいよぉ)
筋肉量も一朝一夕でどうこうできるものではない。
つまり、この体でどのくらい思い通りに動くことができるのか。
俺がすべきことはこの体を知る。その上でこの体に慣れなくてはな。
「レイ?考え事?」
「ん?うん。もっと強くならないとってね」
俺だけが知る秘密の場所なんて無いからな。どこでやれば良いのやら。
「何か出来ることある?」
「そうだなぁ……」
流石に練習相手って訳にはいかないしな……。そうだ。秘密の場所がないか聞いてみるか。
「修業ができる場所って知ってる?出来ればあまり知られてないような場所」
「うぅん……そうだねぇ……」
少し考えてから何を思い付いたようで。俺には全くの当てがないと言うのに……。
「そう言えば、さっき居た峠の裏側……あまり人を見ないよ」
裏側……。あの険しい山道か。あっちは傾斜も凄いから魔物も来なかったな。
不意打ちも無さそうだし、最適か……?あとは、移動手段が分かれば……。
これは自分で考えるか。そんなに頼るのもな。
「ありがと。もっと強くなって……フィアを守るから。絶対に」
「うん。期待してる!」
少し照れくさいが、俺がすべき事だ。絶対に強くなって、過去を変える。
そうすれば、この空間からも抜けられる筈……。
こっちの時間とあっちの時間が同じならば……。これだけは考えないようにしよう。
これが、俺の中の最悪の事態だからな。
戻れさえすれば、どうとでもなる。
「五日間でどの程度この体に馴染めるか。これが肝か」
本能。本能はこの体の間合いは把握出来たか?
『微妙だな。けど、大体は掴めた』
じゃあ、少し動きを見せて欲しいんだけど、良いか?
『別に良いぜ。じゃあ、移動しようぜ』
そうだな。
~~~~
「さっきぶりだな……さて、どう降りたものか」
急な斜面と鬱蒼とした木々。視界も悪ければ、足場も悪い。
だが、贅沢は言っていられないし、この環境に慣れなくてはな。
「取り敢えず、滑って行くか!」
ちょっと楽しそうだな。
『まぁ、ミスをしたら最悪死ぬけどな』
スリルがあって良いだろ?俺はこう言うの案外好きだぞ。
『それを言われちゃぁなぁ……俺様だって、ワクワクしてるぜ!』
だろ?じゃあ、思い切り行くぜ!
「うぉ!うぉぉおお!?うわぁぁあ!!」
想像以上に地面が湿っぽいな!停止できるか不安になってきたぞ。
「『神武発現』」
やっぱり……なんでか神武はカムイのものなんだよなぁ……。まぁ、こっちの方が使いやすいし、良いけどな。
『なぁ、ふと思ったんだが、カインドは居ないのか?』
居ないけど……なんで?
『前に、お前の村が魔物に襲われたって言ってたろ?』
あぁ……。俺の記憶が正しければ、この襲撃で二度目なんだ。
『えっ?』
おかしいよな。頻繁に出る筈がない魔物に……それも襲撃されるんだぜ?
俺は魔物に好かれてるのかなぁ。
『んな冗談言うなよな』
「おっ!ここにも平地はあるのか!」
適当な場所を平地にしようと思ってたから、その分の時間を短縮できるのは嬉しいな。
「少し木を斬り倒すか」
ついでに感覚を掴むためにな。
「ふぅぅ……はっ!」
『………あはははははは!!!』
わ、笑うなよ!仕方がないだろ?!まだ慣れてないんだからよ!!
『す、すまんて……。でも、仕方がないだろ?あれだけ気合い入れて……思い出したら、あはははは!!』
一回空振っただけだろ?!そんなに笑うなよな!てか、そんなに笑うならお前がやれよ!
『良いぜ、やってやろうじゎねぇかよ』
出来なかったら、覚えてろよ?壮大に笑ってやるからな。
『そうはならねぇと思うがな!』
~~~~
「ふむふむ……実体持って確信した」
(何をだよ?)
「この体………雑魚過ぎるな」
(………ぶちのめすぞ?)
「まぁ、待て待て」
(話し合いの余地は無いな)
落ち着けよ!何も弱いからって、欠陥って訳じゃねぇからな?
(いや、欠陥しかねぇだろ?本格的にバカになりやがったな)
まぁ、見てろ。前に言ったろ?お前の体の使い方は熟知してる。
それに、お前にはまだ教えてないことがあるだろ?
(教えてないこと?)
「これの事だ」
(……っ!!それは!?)
昔……言っても二日三日前ぐらいかな。お前と出会ったばっかりの時に見せた、瞬間転移。
(でも、なんでそれを?)
これな……。魔力が一定以上あると出来ないんだ。
(えっ?)
人間が一度に放出できる魔力は限られているんだ。魔力総量が少なければ少ないほど、その限度は少なくなる。
(そりゃ考えればな……でも、それと何が関係あるんだ?)
少ないと言うことは魔力操作がしやすいんだ。魔力を一点から放出しやすいんだ。
(もう、焦れったいな。結論から言え)
つまり、こう言うことだ。
(はっ?)
まぁ、魔力総量が少ないのに、物凄い威力だよな。
(それもそうだが、大気が割れたぞ!空気が一瞬消えたぞ!?)
これを使えば空気抵抗無しに動けるし、相手の意識が一瞬飛ぶ。
すると、瞬間転移したように見える。
(じゃあ、魔力操作を練習すれば魔力総量が増えても出来るんじゃねぇか?)
あんな物をそう易々と出来るわけねぇだろ。
まぁ、魔力を相当使って一定以下にすれば出来るだろうがな。
「練習あるのみだ」
(んで……結構ズレたけど、やれ)
「な、なんの事だか……」
(やれ)
くそっ!もうどうにでもなれ!
「はっ!」
(まぁ、そんなもんだろ……落ち込むなよ)
「バカにしやがって!」
取り敢えず、間合いから覚えていくぞ!
(はいよぉ)
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