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最弱の魔法戦闘師、圧倒する
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こんな摩訶不思議なことが起きたのに、変に冷静だ。頭痛と体の痛みが引いた。
少し痛むが気にする程じゃねぇか。
「ふぅ……じゃあ続きやるか」
『な、なんなんだお前は!?』
「れ、レイト?ホントにレイトか?」
「カインド……心配するな」
本能。居るか?
『何を心配してやがる。俺様が居なくなるわけねぇだろ!』
ふっ。そりゃ良かったよ。
「発現」
刀の刃が長くなったな。神武が変わったのに、逆に手に馴染む。
これが、カムイの……俺の神武か。
「来い、人形。俺が遊んでやるよ。『瞬撃』」
『そんな技……!!がはっ!?』
間合いが広くなったな。極端に距離を詰める必要もないし、楽だな。
「まだ、たったの腕一本だろ?」
『き、貴様ぁ!…………っ!!』
「どこ見てるんだ?」
無意識の内に距離を詰めていた。体が思うように動く。とても軽い。
「『冷針』」
『クソっ!魔法も使えるのかよ!』
「両手ぐらいで喚くなよ」
なにもしていないのに浮遊することすらできる。
『こんなん卑怯だろ!おかしいだろ!貴様は本当に何者なんだよ!!』
「うぅん………強いて言えば、神、かな」
『神だとぉ!?ふざけたことをぬかしやがって!ぶち殺す!』
「夢じゃなく目標を立てろ」
今までは目で追うのもやっとだった。なんなら見失うことすらあった。
今は人形の行動がゆっくりと動いてる。
次の一手が手に取るように分かる。
「ほらよっ!」
『かはっ!』
「少し浅かったな『螺旋·削取』」
『うがぁあ!!』
あれだけやっても死なないのか。まぁ、動く事は不可能だろうな。
「賢者に……レイグルに遺言はあるか?」
『貴様だけは絶対に殺す』
「そうか?じゃあな」
…………タイミング良く出てきやがったな。
「何してんだ?師匠の邪魔をするなんてよ」
「それは大切なもんなんでね」
純粋に神武で刺そうとしただけだが、こんなちっぽけな魔力で出来た魔法の盾すら貫通できないとはな。
今の俺は前とは筋肉量も技術もないな。技術は大丈夫として、この筋肉量の差はどうするべきか。
「レイトの時とは色々と違うんだな」
「何のために時間を掛けて来たと思ってんですか」
最後に見た賢者は老人だったが、今は青年になってやがる。
敬語なんか使いやがって。気持ち悪いったらありゃしねぇな。
「出来ればお前とは戦いたく無いんだけどなぁ」
「すみませんね。それは出来ないもんで」
はぁ。面倒だな。こうなるとは知っていたが、実際に体験するとやる気が失せる。
「えっ?」
「レイグル。最後の警告だ。もう一本の腕が惜しければ、退け」
「血の気が多いですね。昔はもっと温厚だったのに」
「色々と思い出しちまってな。ビンタ一回で済まそうと思ったがそうはいかねぇな」
今はレイグルと戦う必要はない。人形を始末するのが先だ。
「ほぉ。昔の師匠は隙がなく出来なかったのですがね。今は弱点が一つありますね」
「ん?何を言ってやがる」
切り落とした手がくっついてやがる。
気持ち悪い野郎になっちまったな、おい。
「我……私が精神に関する魔法が得意なのは覚えてますか?」
「あたかも自分の功績のようにな……。俺のお陰だろ?」
だが、手の内を明かすとはな。いや、今の俺では防ぎようがないと解釈したのか?
確かにその通りではあるな。まぁ、発動する前にやれば良いんだ。
「『瞬鋭の陣』」
「はぁ………さっきも見ましたよね?腕を切り落としても意味ないんですよ」
「さぁ、どうかな」
「ん?」
俺だって学び続けてるんでね。
「なるほど……。魔力回路を塞いだのですか……小癪なマネを思い付きますね」
「誉め言葉として受け取っておく」
「まぁ、無意味なんですけどね」
魔力で接合してるわけではないのか。接合する時も思ったが、魔力で接合してないとなると、本格的に人間かどうかすら疑うぞ。
「カインド、グロス」
「な、なんだ?」
「王女を……フレリアを守っててくれ。頼む」
「あ、あぁ!オレらに任せろ!」
仲間が居るってのは良いもんだな。
「にしても、こんな事良くやりましたねぇ。こんなんじゃ、使い物になりませんよ」
「手加減が出来ないんでね」
「弟子の最高傑作を破壊するなんて。師匠失格ですね」
「言ってろ。次はお前の番だからな」
本能。気をしっかり保て。
『急になんだよ』
多分、最終的に賢者の魔法を受けることになると思う。出来るだけ、抵抗するんだ。
でなければ、悪夢を見ることになる。分かったな?
『意味は分からねぇが、分かった。任せろ』
あぁ。取り敢えず、俺がやれって言ったら気をしっかりと保つようにしてくれ。
『おうよ』
ありがと。本能。半分はお前に掛かってるからな。
さてと。俺は俺が出来ることを精一杯やるとするか。
あとの事を考えると出来るだけ、レイグルの体力を消耗させたいんだが……。
「『魔法剣』」
「俺と接近戦するってのか?」
「魔法が完成するまでの時間稼ぎにですよ。久し振りに稽古でも付けてくださいよ」
「仕方がねぇな。死んでもしらねぇからな?」
「覚悟してますよ」
昔は良い奴だったんだけどな。一体何が、こいつをこれほどまでに歪ませたのか。
「昔よりは動きが良くなってるな」
「そんな長いカタナを振り回しながら言わないでくださいよ」
こいつは再生するから良いだろうが………俺は回復系統の魔法は苦手だからな。
出来るだけ傷を負わないようにしなければ……。長期戦はこっちが不利か。
攻めるしかないのか……。
「………っ!!!流石に辛いですね」
「言ってろ!『瞬撃』」
「チッ……!!」
「やっぱ飛ぶよなぁ」
「!!!まさか!」
どれだけ一緒に旅をしたと思ってんだよ。お前の癖は知ってんだよ。
「くっ!」
「やっぱ成長したな。良く耐えたな」
「はぁ、はぁ、はぁ………魔法が完成する前に殺られそうですね」
魔方陣の構築を始めたか。さっき半壊したから再構築には相当時間が掛かるだろう。
「『重複一閃』」
三重構成の斬撃。魔法で盾を作ろうが意味は無いだろうな。
「くぅぅう!!」
また耐えたか。相当魔力を消費したはずだがな。
「ま、『魔法剣』」
「『魔法解体』」
「なっ!?」
魔法剣の構造が分かればこちらのものだ。破壊するなど造作もない。
「どうかしたか?まさか、前世の俺じゃないから出来ないと思ったのか?」
少し痛むが気にする程じゃねぇか。
「ふぅ……じゃあ続きやるか」
『な、なんなんだお前は!?』
「れ、レイト?ホントにレイトか?」
「カインド……心配するな」
本能。居るか?
『何を心配してやがる。俺様が居なくなるわけねぇだろ!』
ふっ。そりゃ良かったよ。
「発現」
刀の刃が長くなったな。神武が変わったのに、逆に手に馴染む。
これが、カムイの……俺の神武か。
「来い、人形。俺が遊んでやるよ。『瞬撃』」
『そんな技……!!がはっ!?』
間合いが広くなったな。極端に距離を詰める必要もないし、楽だな。
「まだ、たったの腕一本だろ?」
『き、貴様ぁ!…………っ!!』
「どこ見てるんだ?」
無意識の内に距離を詰めていた。体が思うように動く。とても軽い。
「『冷針』」
『クソっ!魔法も使えるのかよ!』
「両手ぐらいで喚くなよ」
なにもしていないのに浮遊することすらできる。
『こんなん卑怯だろ!おかしいだろ!貴様は本当に何者なんだよ!!』
「うぅん………強いて言えば、神、かな」
『神だとぉ!?ふざけたことをぬかしやがって!ぶち殺す!』
「夢じゃなく目標を立てろ」
今までは目で追うのもやっとだった。なんなら見失うことすらあった。
今は人形の行動がゆっくりと動いてる。
次の一手が手に取るように分かる。
「ほらよっ!」
『かはっ!』
「少し浅かったな『螺旋·削取』」
『うがぁあ!!』
あれだけやっても死なないのか。まぁ、動く事は不可能だろうな。
「賢者に……レイグルに遺言はあるか?」
『貴様だけは絶対に殺す』
「そうか?じゃあな」
…………タイミング良く出てきやがったな。
「何してんだ?師匠の邪魔をするなんてよ」
「それは大切なもんなんでね」
純粋に神武で刺そうとしただけだが、こんなちっぽけな魔力で出来た魔法の盾すら貫通できないとはな。
今の俺は前とは筋肉量も技術もないな。技術は大丈夫として、この筋肉量の差はどうするべきか。
「レイトの時とは色々と違うんだな」
「何のために時間を掛けて来たと思ってんですか」
最後に見た賢者は老人だったが、今は青年になってやがる。
敬語なんか使いやがって。気持ち悪いったらありゃしねぇな。
「出来ればお前とは戦いたく無いんだけどなぁ」
「すみませんね。それは出来ないもんで」
はぁ。面倒だな。こうなるとは知っていたが、実際に体験するとやる気が失せる。
「えっ?」
「レイグル。最後の警告だ。もう一本の腕が惜しければ、退け」
「血の気が多いですね。昔はもっと温厚だったのに」
「色々と思い出しちまってな。ビンタ一回で済まそうと思ったがそうはいかねぇな」
今はレイグルと戦う必要はない。人形を始末するのが先だ。
「ほぉ。昔の師匠は隙がなく出来なかったのですがね。今は弱点が一つありますね」
「ん?何を言ってやがる」
切り落とした手がくっついてやがる。
気持ち悪い野郎になっちまったな、おい。
「我……私が精神に関する魔法が得意なのは覚えてますか?」
「あたかも自分の功績のようにな……。俺のお陰だろ?」
だが、手の内を明かすとはな。いや、今の俺では防ぎようがないと解釈したのか?
確かにその通りではあるな。まぁ、発動する前にやれば良いんだ。
「『瞬鋭の陣』」
「はぁ………さっきも見ましたよね?腕を切り落としても意味ないんですよ」
「さぁ、どうかな」
「ん?」
俺だって学び続けてるんでね。
「なるほど……。魔力回路を塞いだのですか……小癪なマネを思い付きますね」
「誉め言葉として受け取っておく」
「まぁ、無意味なんですけどね」
魔力で接合してるわけではないのか。接合する時も思ったが、魔力で接合してないとなると、本格的に人間かどうかすら疑うぞ。
「カインド、グロス」
「な、なんだ?」
「王女を……フレリアを守っててくれ。頼む」
「あ、あぁ!オレらに任せろ!」
仲間が居るってのは良いもんだな。
「にしても、こんな事良くやりましたねぇ。こんなんじゃ、使い物になりませんよ」
「手加減が出来ないんでね」
「弟子の最高傑作を破壊するなんて。師匠失格ですね」
「言ってろ。次はお前の番だからな」
本能。気をしっかり保て。
『急になんだよ』
多分、最終的に賢者の魔法を受けることになると思う。出来るだけ、抵抗するんだ。
でなければ、悪夢を見ることになる。分かったな?
『意味は分からねぇが、分かった。任せろ』
あぁ。取り敢えず、俺がやれって言ったら気をしっかりと保つようにしてくれ。
『おうよ』
ありがと。本能。半分はお前に掛かってるからな。
さてと。俺は俺が出来ることを精一杯やるとするか。
あとの事を考えると出来るだけ、レイグルの体力を消耗させたいんだが……。
「『魔法剣』」
「俺と接近戦するってのか?」
「魔法が完成するまでの時間稼ぎにですよ。久し振りに稽古でも付けてくださいよ」
「仕方がねぇな。死んでもしらねぇからな?」
「覚悟してますよ」
昔は良い奴だったんだけどな。一体何が、こいつをこれほどまでに歪ませたのか。
「昔よりは動きが良くなってるな」
「そんな長いカタナを振り回しながら言わないでくださいよ」
こいつは再生するから良いだろうが………俺は回復系統の魔法は苦手だからな。
出来るだけ傷を負わないようにしなければ……。長期戦はこっちが不利か。
攻めるしかないのか……。
「………っ!!!流石に辛いですね」
「言ってろ!『瞬撃』」
「チッ……!!」
「やっぱ飛ぶよなぁ」
「!!!まさか!」
どれだけ一緒に旅をしたと思ってんだよ。お前の癖は知ってんだよ。
「くっ!」
「やっぱ成長したな。良く耐えたな」
「はぁ、はぁ、はぁ………魔法が完成する前に殺られそうですね」
魔方陣の構築を始めたか。さっき半壊したから再構築には相当時間が掛かるだろう。
「『重複一閃』」
三重構成の斬撃。魔法で盾を作ろうが意味は無いだろうな。
「くぅぅう!!」
また耐えたか。相当魔力を消費したはずだがな。
「ま、『魔法剣』」
「『魔法解体』」
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