最弱の魔法戦闘師、最強に至る

最弱の魔法戦闘師、人形と戦う

「くっ……！『見切り歩方』」
『何度やろうとも無意味だ！オレには隙など………！チッ。小癪な野郎だ』　
「隙がないって？隙しかねぇだろうがよ。オレの方が強いんだよ」

カインドの攻撃があるのはありがたいな。俺様一人では対抗できそうにない。

「おらぁ！」
『目障りな野郎共がよぉ！『爆破弓』』
「炎天眼発動『神炎の掃弓』」

相殺はできたが、魔力の消費もなかなかだな。まぁ、ここに来る前に魔力総量が大幅に増えているから気にはならないが……。

「オレも少し無理をした方が良いみたいだな」
「いや……カインドは今までみたいにやってくれれば良い」
「いや……レイトだけに負担をかける訳にはいかない」
「……わかった。取り敢えずやる時はやるって言ってくれよ」
「あぁ」

さてと……。忘れていたが、アイツはカインドと同じ魔法戦闘師だ。不意撃されるのだけは気を付けないとな。

『ホントにダルいなぁ……』
「じゃ、死んでくれよ」
『雑魚が粋がるな』
「どこを攻撃してんだ？」
『！！！いつの間にか……』

展解はこう言うときには便利だな。俺様が常時浮遊してる人形と戦うのに、神武は良い足場になるからな。

まぁ、魔力消費はそこまで気にならないとは言え、考えながら使わないとな。

「『鋭撃』」
『ぬるいな』
「チッ……神武解除」

鋭撃を素手で掴むとか、こいつやばすぎだろ。

「がはっ……！」
『まずは一撃』
「……！！！」
『さっきまでの勢いはどうしたぁ！！』

ダメだ………。肉弾戦ではこっちが不利すぎる。攻撃を受けすぎた……。意識が朦朧としてきやがった。

「レイト！」

くっ……。速すぎて抜け出せない。

(代わるか？)

……いや、まだだ！

「うぉおお！！」
『まだ、そんな力が残っていたか』
「はぁ……はぁ……くっ」

すまないが、代わらないか？

(その言葉を待ってたよ。まぁ、諸刃の剣の方が良いと思うが)

どっちでも良い。

「『諸刃の剣』」

～～～～

「ふぅ……がはっ」

諸刃の剣で痛みが緩和されてるはずなのに……。それでこの痛みか？

時間はあまりないようだな。

「さっさと決着をつけないと」
「オレがやる」
「カインド……」
「大丈夫だ。最強の名は伊達じゃないからよ」
「面目無い」

俺は一旦距離を取るべきだな。

『そこをどけ。オレはお前に興味がない』
「オレだって相手するならお前みたいな奴じゃない方が良いんだよ」

カインドがやられてしまえば、こちらは打つ手がなくなる。

「援護はする」
「無理するな」
「いや、これからが本当の戦いだからな」

神武を持つ手に力が入らなくなってきた。

「レイトさん！これを！」
「ん？なに？」

王女が何かを投げてきたのはわかるが……。光が当たっていて分からない。

「これは……リング？」

リングかぁ……でも、なんで？

『そんなゴミアイテムでどうにか出来るのか？』

俺には何だか普通のリングには見えないんだよなぁ……。

『俺様もそう思うぜ。なんだか懐かしいような感じがするんだよ』

付けてみるか？

「………！！！うがぁぁああ」
「「「！！！！！」」」
『呪いのアイテムだったか。可哀想にな』

頭が！頭が割れそうだ！

「レイト！大丈夫か！？しっかりしろ！」
『ふははははは！これは良い！実に良い！このオレ自ら手を下してやりたがったが、まぁ良い！』

うがぁぁあああ！！！

(思い出せ、俺。もう一度戦え。それが使命だろ……)

これは、一体……。

「はっ……」

こ、これは……？この記憶は一体、なんなんだ……。

「俺が……カムイだったのか……」