最弱の魔法戦闘師、最強に至る

捌素人

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最弱の魔法戦闘師、本能に任せる

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「わぁ……大きな扉だな」
「そうだね。結局カインドさん達とは会えなかったね……」
「まぁ、大丈夫だろ。俺が居るからな」
「ふふっ。どこから来るの、その自信」
「心の底からに決まってるだろ?」

気付かれてないと良いが……。この先に人形が居ると思うと、心臓が破裂しそうだ。

あの時。一瞬だったが、人形の力を見たから分かる。あれは、本当にヤバイ。

『まぁ、俺様程じゃねぇだろ。危なくなったら言いな。俺様が片付けてやるよ』

お前はいつも楽観的だよな。俺とは思えない。

『まぁ、実際のお前はこう言う感じなんだってことだよ』

ふぅん。まぁ、緊張が少しはほぐれた。ありがとな、本能。

『礼を言われる筋合いはねぇが……まぁ、本能だからな!』

ふぅ……。よし。待ってろよ、人形……!

『本当にここまで来るとはな……流石だな』
「「!!!!!」」

に、人形か!?

「玉座に座ってるとはな……余裕だな、人形ひとがた

この声は……まさか……!!

「カインド!」
「ん?おぉ!レイトじゃねぇかよ」

でも、いつ来たんだ……?全く気が付かなかった……。

『さてと……役者も揃ったことだし、オレも重たい腰を持ち上げるとするか……』

くっ……。予想はしていたが、前に会った時とは段違いに強くなっていやがる。

カインド達も居るとは言え……こんな奴に勝てるのか? 

「お前……あの野郎の差し金だな?」
『あの野郎?誰のことやら』
「賢者とか言うクソ野郎だよ」
「………」

やっぱり、賢者とカインドは接触していたんだな。でも、グロスの反応からして、グロスは初見みたいだ。

となると、賢者の目的は本格的に、カムイの子孫の根絶やしか?

『あぁ……そうだな。まぁ、オレがお前らと対峙するのは自分の意思だがな』

どうする……。奇襲、と思ったが、全く隙がない。

『長話が過ぎたな。さて、人類滅亡の時間だな。オレは計画が狂うのが一番嫌いなんだ』

来る!

「くっ!!」

流れ的にカインドだろ!?なんで俺を攻撃するんだよ!

「グロス!王女を守ってくれ!オレとレイトでアイツをオレらの操り人形にしてやる!」
「お、おう……」

この雰囲気でよくそんなことを言えたなぁ!そんなこと言ってる暇があるなら助けてくれよ!

「流石はカインドの人形だな。いくらなんでも強すぎるだろ」

相手は短剣なのに……距離をいくら取っても一瞬で詰められる。

『邪魔しないでくれる?』
「無理なお願いだな。生憎と、そいつはオレの大切な兄弟なもんで」

ここは一旦引いた方が良いか。
カインドも短剣とは……。どこで張り合ってるんだよ。

「さてと……。お前はこのオレが!倒す。分かったな?レイト。絶対に手を出すな。お前は隙アリ!って攻撃してくれれば良いからな!」
「はぁ……結局参戦しろってことだろ?」

本能。久し振りに暴れるか?

『おっ!良いのか?それはありがたいな!』

じゃ、久々にやるぞ。

『おう!』

~~~~

(成功……かな?)
「ふぅ……さぁてと、そろそろ俺様の本気を見せてやるか」

体をちゃんと動かせるか心配だが……まぁ、カインドに慣れるまでは援護してもらえれば大丈夫だろう。

「やるぞ」
「おうよ」
『さぁ、来い!オレと遊ぼうじゃねぇか!』
「「!!!」」

消えた!?いや……多分さっきのと同じく、縮地とかその辺りだろう。

(縮地って?)

簡単に言えば、超高速移動だ。取り敢えず、会話は極力避けるぞ。

会話しながら戦える程余裕はなくなると思う。

『なんでだろうな……お前を先に殺したくなるんだよ』
「!!またかよ!」

くっ……。攻撃しようにも、距離が近すぎる。

「『流星剣』」
『!!!』
「チッ。避けるとは卑怯じゃねぇかよ」

今降ってきた剣……全部神武か?いや、重複発現は不可能のはず……。

「避けられるとは思わなかったぜ……」
「俺様らも攻めないとな」
「これからはオレら番だぜ!」

俺様がすべき事は相手に隙を与えないこと……。決定打はカインドに任せるか。

「カインド、任せた」
「ん?あぁ……レイトも余所見するなよ。オレに任せろ!」

まずは距離を詰める!

「『見切り歩方』」

やっぱりダメか。ならば……。

「『刹那の先手』」

見切り歩方は隙がなければ発動できない。

「頼むから、致命傷ぐらいにはなってくれよ……」

俺様にも魔法が使えれば良いんだがな……。魔眼で精一杯のようだな。

「『瞬鋭の陣』」

何とかして、隙を生み出さないと……。

『その程度か?』
「なっ!!うぐっ……!」

くっ。息が、できない。

『もがき苦しめ。オレにもっと魅せろ』 
「うぐっ……放、せ……!!」
『もっともがけ!』

俺様が捕まってるせいでカインドが攻撃できない。

「カイ、ンド……やれ」
「出来るわけ……」
「頼む……」
『………そう言うの良いから、さっさと死んでくれよ』

くっ………さっきよりも力が強くなってる……。ホントにヤバイ。

「『乱撃石らんげきせき』」
『くっ……小癪なマネを……!!!』

指から小さい石を飛ばすとは。でも、なぜ複数出すことが出来るんだ……?

「すまない、カインド」
「いや。オレのほうこそ。すぐに助けられなかった」

もう、雑念は捨てるべきだな。これからはアイツにだけ集中する!

『ふはははは!ふははははははぁぁあああ……!絶対ぜってぇに許さねぇぞ、貴様らぁあ!!』
「!!!」
「なんと言う圧だ」

今まで、俺様たちは遊ばれていたようだな。この気迫の前には、さっきのが全力とは到底思えない。

『さぁ、二回戦目だ!そして、最終決戦といこうぜぇ!』
「だな。ここがお前の墓場だ。この……クソッタレ」
「レイト。たとえムカついたからって悪口は良くないぞ?せいぜい……死ね、ゴミ野郎……このぐらいにしろよな?」
「全く……気が合うみたいだな、カインド」

さて、思い切り飛ばしていくか!
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