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最弱の魔法戦闘師、決戦に臨む 3
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「次の問題はもっと難しいんだろうなぁ」
それがあと二つあるんだろ?これ以上は、もう無理かもしれねぇよ。
『まぁ、俺様のお陰だろうが』
言ってろ。二問目は全然ダメだったじゃねぇかよ。
『偶然だ。てか、ホントは知ってたんだがな。お前にも花を持たせたくてわざと答えは言わなかったんだ』
へぇ。そうかそうか。そりゃ良かったな。
『感情が抜けてるぞ?』
ん?そんなことはないよ。
「レイトさん」
「ん?どうした?」
「次も大丈夫ですか?」
「まぁ……何とかなるだろ」
今更どうこうできる問題じゃねぇけど、やるっきゃないだろ。
それはそうと……。果たして聞いて良いものなのか……さっきの話しは。
「……良ければ、話の続きを聞かせてくれないか?」
「………わかった」
好奇心だけでは踏み込んではいけないような話だろうし……。聞く方もそれ相応の覚悟を決めないとな。
「賢者の名前はね……レイグル·ラングランド」
「それって……」
「そう……賢者は初代ラングランド国王なの」
そ、そんなのアリかよ……。あいつは不死身か何かなのか?凄い長い時間生きてることになるだろう……。
「王妃は?」
子孫が居るのだ。あの賢者は一体誰と……。
「…………わたしよ」
「えっ?」
「フレリアとレイグルによってラングランド王国が出来たの」
「そ、それって………」
つまり、カムイは……。
「わたしは、カムイを裏切ったの……」
「……っ!!!」
どう言うことだ?じゃあ、俺が賢者と繋がりを持ったのは王女が仕向けたことなのか?
まさか、カムイの子孫を根絶やしにするためにか?
じゃあ、カインドにも何かしら接点が……。あの人形、カインドを元に出来てるってことは……。
「じゃあ、今も賢者と?」
「………うん」
………約束したんだ。王女はきっと、理由があって……。
『それは、言い訳だろ?』
本能、お前は黙ってろ。
『いいや、イヤだね。お前は過ちを犯そうとしてるからな』
過ち?どういうことだよ?
『理由がなんであれ……それを許して良いのか?』
はっ?意味わかんねぇよ。別に俺自身のことじゃねぇし、関係無ぇだろ?
『お前は、理由が正当ならばどんな人でも許せるか?』
そ、それは……。断言は出来ない。
『それと同じだ。惑わされるな。今の王女を見てると、なんだが、怒りが込み上げてくるんだよ』
…………分かった。一旦冷静になって、しっかりと考えみる。それによって出た答えに口答えはさせない。
わかったか?
『あぁ、それで良い。お前が心から納得すりゃ、俺様も納得できる』
「なんでそんなことを?」
「信じないかもしれないけど……わたしは賢者と約束したの」
「約束?それはどんな……」
「賢者の手伝いをする代わりに、カムイに手を出さないでって」
でも、実際は賢者にカムイを殺されてる……約束を破られたのになんで、協力してるんだ?
「カムイは、死ぬ前に転生魔法を使ったの」
「なるほどな」
つまり、カムイが転生したら、手を出すなと言うことか。
「わたしはもう……彼を失いたくないの……」
「そっか……」
本能、俺はどうすれば良いんだ?
『そんなことまで俺様に聞くな。だが、まだ話の途中じゃねぇか?』
なんでそう思うんだ?
『いくらなんでも途中過ぎるだろ?賢者と協力関係と言う情報しかない』
だからなんなんだよ?それしか、無いんじゃないのか?
『バカ野郎。お前を賢者に仕向けた理由や賢者が今までどうやって生きてきたのか。全くもってわからないじゃねぇかよ』
い、言われてみればそうだな。でも、あえて言わなかったとしたら、聞いたところで教えてくれるのか?
勿論、忘れていたと言うならば充分に教えてくれる余地はあるだろうが……。
「王女。俺からも質問して良いか?」
「えぇ。気になることがあれば、なんでも」
「なんで、俺と賢者が関わるように仕向けることが出来たんだ?」
俺自身でさえわからないことをどうやって……。何かしら理由がある筈……。
「グロス様と決闘したときの事を覚えてますか?」
「勿論だ。まだ、一日しか経っていないしな」
言葉にして思い出したが、あれだけのことがあったのに、全く時間は掛かっていないのか……。
なんだか、不思議な気分だな。
「わたしが御守りを渡したのを覚えてる?」
「あぁ……」
ついでに、負けてほしいって言われたこともな。
「わたし、レイトさんに負けてほしいって言ってたよね」
「……あぁ」
「あの御守りが発動すると本能が呼び起こせるんです。それで……」
「それで、なんであんなことを言ったんだ?」
ここまで来ると何か意味がある筈だ……。無かったら流石に泣くぞ。
「本能が呼び起きたら、賢者のところに行く羽目になります。私の知人からは出てほしくなかったんです……」
つまり、本能が呼び起きればグロスに勝てる代わりに賢者のところに行く羽目になる。
負ければ賢者のところに行く必要はない。だから、負けてほしいって言ったのか。
だから、決闘のあとの王女の雰囲気がいつもよりも強張っていたのか。
「なるほど……あと一つだけ良いか?」
「うん。良いよ」
「賢者は今までどうやって生きてきたんだ?」
不死者だとしたら、どうしようも出来ないだろう……。最終的に敵対する相手なのだ。出来るだけ情報がほしい。
「賢者は魂だけを若い人に乗り換えて生きてきたの」
「えっ……」
じゃ、じゃあ……今の賢者と昔の賢者の姿は全く違うと言うことか?
魂だけを乗り換えて生きていたのか……。でもなんでそんなことを……。
何が目的で生き続けたんだよ。意味が分からない。
「賢者は……わたしとの約束を守らない気だよ……」
「約束を、守らない?」
カムイに手を出さないってやつだろ?
「多分……絶対に信じないかもしれないけど、あなたがカムイなの」
「…………ん?なんて?」
あぁ……俺もヤバイな。幻聴が聞こえるぜ。本能にも幻聴が聞こえたか?
『しっかりと幻聴が聞こえたぜ。この俺様もそう言ってるんだ。絶対に幻聴だ』
だよな。今のは幻聴だ。ちょっと疲れたみたいだ。
「今は信じなくても良いよ。でも、いつか自覚するよ」
「まぁ……記憶の片隅には置いておくよ」
その記憶が役に立つ時は絶対にないがな!
「話を戻しても良いか?」
「うん。それでなんだっけ?」
「なんでそんな事をしてるんだ?」
「簡単に言えば、カムイをまた自分の手で殺めるためだよ」
もし、それが本当ならば、人形を倒すだけじゃダメかもしれない……。
でも、果たして賢者に勝てるのか。
「今は心配しないで。目先の事だけに集中。わかった?」
「お、おう」
それがあと二つあるんだろ?これ以上は、もう無理かもしれねぇよ。
『まぁ、俺様のお陰だろうが』
言ってろ。二問目は全然ダメだったじゃねぇかよ。
『偶然だ。てか、ホントは知ってたんだがな。お前にも花を持たせたくてわざと答えは言わなかったんだ』
へぇ。そうかそうか。そりゃ良かったな。
『感情が抜けてるぞ?』
ん?そんなことはないよ。
「レイトさん」
「ん?どうした?」
「次も大丈夫ですか?」
「まぁ……何とかなるだろ」
今更どうこうできる問題じゃねぇけど、やるっきゃないだろ。
それはそうと……。果たして聞いて良いものなのか……さっきの話しは。
「……良ければ、話の続きを聞かせてくれないか?」
「………わかった」
好奇心だけでは踏み込んではいけないような話だろうし……。聞く方もそれ相応の覚悟を決めないとな。
「賢者の名前はね……レイグル·ラングランド」
「それって……」
「そう……賢者は初代ラングランド国王なの」
そ、そんなのアリかよ……。あいつは不死身か何かなのか?凄い長い時間生きてることになるだろう……。
「王妃は?」
子孫が居るのだ。あの賢者は一体誰と……。
「…………わたしよ」
「えっ?」
「フレリアとレイグルによってラングランド王国が出来たの」
「そ、それって………」
つまり、カムイは……。
「わたしは、カムイを裏切ったの……」
「……っ!!!」
どう言うことだ?じゃあ、俺が賢者と繋がりを持ったのは王女が仕向けたことなのか?
まさか、カムイの子孫を根絶やしにするためにか?
じゃあ、カインドにも何かしら接点が……。あの人形、カインドを元に出来てるってことは……。
「じゃあ、今も賢者と?」
「………うん」
………約束したんだ。王女はきっと、理由があって……。
『それは、言い訳だろ?』
本能、お前は黙ってろ。
『いいや、イヤだね。お前は過ちを犯そうとしてるからな』
過ち?どういうことだよ?
『理由がなんであれ……それを許して良いのか?』
はっ?意味わかんねぇよ。別に俺自身のことじゃねぇし、関係無ぇだろ?
『お前は、理由が正当ならばどんな人でも許せるか?』
そ、それは……。断言は出来ない。
『それと同じだ。惑わされるな。今の王女を見てると、なんだが、怒りが込み上げてくるんだよ』
…………分かった。一旦冷静になって、しっかりと考えみる。それによって出た答えに口答えはさせない。
わかったか?
『あぁ、それで良い。お前が心から納得すりゃ、俺様も納得できる』
「なんでそんなことを?」
「信じないかもしれないけど……わたしは賢者と約束したの」
「約束?それはどんな……」
「賢者の手伝いをする代わりに、カムイに手を出さないでって」
でも、実際は賢者にカムイを殺されてる……約束を破られたのになんで、協力してるんだ?
「カムイは、死ぬ前に転生魔法を使ったの」
「なるほどな」
つまり、カムイが転生したら、手を出すなと言うことか。
「わたしはもう……彼を失いたくないの……」
「そっか……」
本能、俺はどうすれば良いんだ?
『そんなことまで俺様に聞くな。だが、まだ話の途中じゃねぇか?』
なんでそう思うんだ?
『いくらなんでも途中過ぎるだろ?賢者と協力関係と言う情報しかない』
だからなんなんだよ?それしか、無いんじゃないのか?
『バカ野郎。お前を賢者に仕向けた理由や賢者が今までどうやって生きてきたのか。全くもってわからないじゃねぇかよ』
い、言われてみればそうだな。でも、あえて言わなかったとしたら、聞いたところで教えてくれるのか?
勿論、忘れていたと言うならば充分に教えてくれる余地はあるだろうが……。
「王女。俺からも質問して良いか?」
「えぇ。気になることがあれば、なんでも」
「なんで、俺と賢者が関わるように仕向けることが出来たんだ?」
俺自身でさえわからないことをどうやって……。何かしら理由がある筈……。
「グロス様と決闘したときの事を覚えてますか?」
「勿論だ。まだ、一日しか経っていないしな」
言葉にして思い出したが、あれだけのことがあったのに、全く時間は掛かっていないのか……。
なんだか、不思議な気分だな。
「わたしが御守りを渡したのを覚えてる?」
「あぁ……」
ついでに、負けてほしいって言われたこともな。
「わたし、レイトさんに負けてほしいって言ってたよね」
「……あぁ」
「あの御守りが発動すると本能が呼び起こせるんです。それで……」
「それで、なんであんなことを言ったんだ?」
ここまで来ると何か意味がある筈だ……。無かったら流石に泣くぞ。
「本能が呼び起きたら、賢者のところに行く羽目になります。私の知人からは出てほしくなかったんです……」
つまり、本能が呼び起きればグロスに勝てる代わりに賢者のところに行く羽目になる。
負ければ賢者のところに行く必要はない。だから、負けてほしいって言ったのか。
だから、決闘のあとの王女の雰囲気がいつもよりも強張っていたのか。
「なるほど……あと一つだけ良いか?」
「うん。良いよ」
「賢者は今までどうやって生きてきたんだ?」
不死者だとしたら、どうしようも出来ないだろう……。最終的に敵対する相手なのだ。出来るだけ情報がほしい。
「賢者は魂だけを若い人に乗り換えて生きてきたの」
「えっ……」
じゃ、じゃあ……今の賢者と昔の賢者の姿は全く違うと言うことか?
魂だけを乗り換えて生きていたのか……。でもなんでそんなことを……。
何が目的で生き続けたんだよ。意味が分からない。
「賢者は……わたしとの約束を守らない気だよ……」
「約束を、守らない?」
カムイに手を出さないってやつだろ?
「多分……絶対に信じないかもしれないけど、あなたがカムイなの」
「…………ん?なんて?」
あぁ……俺もヤバイな。幻聴が聞こえるぜ。本能にも幻聴が聞こえたか?
『しっかりと幻聴が聞こえたぜ。この俺様もそう言ってるんだ。絶対に幻聴だ』
だよな。今のは幻聴だ。ちょっと疲れたみたいだ。
「今は信じなくても良いよ。でも、いつか自覚するよ」
「まぁ……記憶の片隅には置いておくよ」
その記憶が役に立つ時は絶対にないがな!
「話を戻しても良いか?」
「うん。それでなんだっけ?」
「なんでそんな事をしてるんだ?」
「簡単に言えば、カムイをまた自分の手で殺めるためだよ」
もし、それが本当ならば、人形を倒すだけじゃダメかもしれない……。
でも、果たして賢者に勝てるのか。
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