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最弱の魔法戦闘師、信用を得る

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「………あれ?」
『どうかしたのか?』

いや……なんだが懐かしい夢を見てたみたいでさ。

『懐かしい夢?』

あぁ……。昔の記憶だと思うんだけどな………。

『懐かしいねぇ……まぁ、あんまし良い記憶では無かったんだろうな』

えっ?なんで?

『何でってよ……涙、出てんぞ』

あれ………。ホントだ。

「起きましたのね、レイトさん」
「……王…女?他の人たちは?」
「中央に繋がる道を探しに行ってますの」
「そうなんだ……」

ホントに、どうしたんだろうな。なんだが、今まで以上に王女が可愛く見えるんだが。

『急にそんな事あるか?』

普通はねぇだろうな。けど、実際になってんだよ……。

『王女に術でも掛けられたか?』

そんな事しても良いことなんて一個もねぇぞ?

『そりゃそうだな。お前に好かれたい奴なんてどこを探しても居ないだろうしな……』

おい。いくらなんでも言い方があるだろ?

「少し、お話をしても良くて?」
「え……?お、おう」

心臓に悪いな。本気で驚いたわ。

「な、なぁ…。その前にその話し方止めないか?」
「えっ?」
「なんて言うか……違和感みたいのがあってよ……前にも言った気がするけど」

俺だけなのかな。なんかこんな感じではないと思ったんだけどな。

「………これは良い前兆かもしれませんね。わかりましたわ」

わかったと言うわりには変えないんだな。それよりも、前兆ってどういう意味なんだろうか。

それも含めてのお話なのだろうか。

「わたくし……わたしに前世の記憶があることは言ったよね?」
「おう」

「わたしの前世がフレリアだってことも言ったっけ?」
「あぁ。それも聞いた」
「それじゃあ……カムイの最期って知ってる?」
「カムイの最期?」

そう言うのはあまり聞かないが……。
本能は何か知ってるか?

『いや。さっぱりだな。気になってお前の記憶を漁ったが、それらしいものは無かったな』

そうか……俺の記憶を勝手に漁るな。

「……弟子に殺されたのよ」
「はっ?」

弟子?あれ?俺、知ってるぞ。

「そう。あの賢者……カムイを殺したの」
「………あいつが?」

そんな悪い奴には見えなかったが……。

「今もきっと……」
「あっ。起きたのか、レイト」
「カインド、それにグロスも」
「おまけみたいな言い方するな」
「おっと、すまん」

良いところだったのになぁ……もう少しで聞けたのに。気になって仕方がないだろ。

けど、人目を気にしてるようだったし、あまり追及はしないほうが良いだろうな。

もし機会があれば、また話してくれるだろうし。

「それで、中央までの道は?」
「それが全く見付からねぇんだわ」
「カインドが破壊して回ったけど、それらしいのは見付からなかった」

なるほど……。これは俺の出番かな。

「ちょっと待っててな」

集中しろ……。あった!

「見付けたぞ。中央までの道のりをな」
「えっ?本当か?」
「あぁ……付いてきてくれ」
『俺様でもわからねぇな。本能なのに、能力は共有されねぇのか?』

多分な。残念ながらと言ったところだな。

~~~~

「ここら辺だ」
「ホントか?ここら辺ならば、オレたちも調べたぞ」
「あぁ。何もなかったが……?」

どういうことだ?ここに反応はあるのに……。まぁ、壊してみれば分かるか。

神武の発現時の威力は物凄い威力らしいしな。

その上、速さが加われば、破壊力は絶大だろうな。

ここら辺を破壊すれば良いんだな……。

「ふぅ……」

意外と冷たいんだな。さわり心地は普通の壁と遜色はないが……。

唯一の違いは魔力の塊みたいな壁と言うことぐらいか。

「『神武発現』」

さて……。どうなるんだろうな。

「ありゃ?反応が消えた……?」

さっきまでそこにあった筈なのにな……。ん?これは……?

「中央までの道の位置が変わってる……」
「えっ?」
「なっ?!」

どういうことだ?何か条件があるのかもしれないな……。

「もしかしたら……」

壊すことがダメなのか?ならば、普通に行くしかないか…。

その場所までの道のりが凄い複雑なんだよなぁ。どうしたものか……。

「少し時間が掛かるが、今度は行ける筈だ」
「それは確実なのか?」
「何とも言えないな。もし、何か特殊な条件があるならば、もっと時間を有するだろうな」

「それじゃ、ダメだ……」
「えっ?」

何がダメなんだ?確かに、今は急がなくてはいけない状況下ではあるが……。

他に方法はないんだぞ?

「もし、あと一週間以内に着かなければ……世界は滅亡する」
「はっ?それはどういう意味だよ」

急に意味分からねぇこと言いやがって……。どう言うことなんだよ。 

「お前も……頭痛があったんじゃねぇのか?」
「!!!じゃあ、カインドも?」
「あぁ。多分グロスもだ」
「俺もあったな」

これは、もしかしたら、俺の予想が当たったのか?となると、俺とカインドには何らかな繋がりがある筈だ。

「オレは……最悪の結末を迎える未来を見た」
「………!!!」

それが、一週間後なのか?!まさか、人形に世界が滅亡されるのか?

でも、最終的に勝てれば良いんだろ?じゃあ、急ぐ必要はなさそうだが……。

「あいつは今、力を蓄えてる。もし、完全体になったら……誰も止められねぇ」
「………」

そ、そんなのありかよ……。誰もって……カインドでさえか?

じゃあ、ホントに終わりなのか?

「俺は……最高……とは違うが、世界が滅亡しない未来を見た」
「「えっ?」」

どういうことだ?いや、まぁ……
絶望しかない未来なんて最悪だもんな。

でも……俺はそんなの見てないぞ……。どういうことだ?

まさか、隠してるのか?いや、グロスは二番目だから可能性あるとして……。

一番目でそんな嘘を付くか?いや、そんな事は出来ない筈。

となると……事実と言うことになるな。

俺はどうするのが正しいのだ。

「レイトは?」
「俺?俺は……ここの地形を把握することぐらいだな。ほら、実際に中央の部屋に行く道を知ってるだろ」

これは、あまり信じられないから可能性から外していたが、少しでも可能性があったからな。


もしかしたら、この二人は口裏を合わせてるのかもってな。

頭痛があったのは確かとして、もし、俺が他の未来を見た見たと言ったとき……信用を失う可能性があった。

だが、今言ったことならば、実際に見せているから嘘にはならない。

それに、二人とは違うと言う事が、信頼に繋がると思った。

『悪い判断ではないが、もしも何もなかった場合は不審に思われないか?』

そうかもな……。まぁ、実際に見せてるし、信じるしかないだろ?

『まぁ、それもそうだな』
「なるほどね。じゃあ、このまま進もうか」

多分、俺の予想は当たってるだろうな。この反応を見るに、完全には信頼してなかったのだろうな。

だから、俺が嘘を付かないで事実を述べるか確認したのだろうな。

「一日も掛からずに着くと思う」
「それは、普通に行った場合だろ?近辺までならば、破壊しても良いよな?」
「まぁ……」

カインドって意外と破壊するのを楽しんでるな。まぁ、好都合と言えば好都合だしな。

「じゃあ、頼んだ」
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