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最弱の魔法戦闘師、鍵を集める

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「なぁ、カインドたちはどうなった?」
『自分で確かめろ』

なんでだよ?俺は走るので精一杯なんだよ。それに、いつも探敵してくれるだろ?

『俺様の探敵は視界に入る範囲のみできるんだよ』

はぁ?どういうことだよ?

『たとえば、何もない原っぱならば、全方位広範囲に探敵可能だ。だが、後ろに壁がある場合、その奥を視認できないから探敵出来ない』

へぇ。距離の制限がないのは良いな。でも、確かに場面によっては使いづらくもあるな。

『あぁ。お前のは範囲の制限以外はないだろ?じゃあお前がやったほうが良い』

そう言うことならば……。ん?どういうことだ?

『どうした?』

カインドたちが押されてる……。かなりヤバイ状況だ……。

「助けに行かないと……」
『……待て』 
「なっ?!何を待つってんだよ?」
『考えろ。単純に考えてカインドとお前、どっちが強い?』
「…………カインドだろ?」
『今のお前では勝てない』

そうかもしれない……でも、戦況を変えられるかもしれないだろ?

『別に良いが……後悔するのはどっちだ?』
「…………今行かない方がずっと後悔する!俺は行く!」
『お前はだろ?』
「!!!どういうことだよ?」
『お前が行っても助けられない。もう、後には退けないんだよ』

意味わかんねぇよ!さっきからお前は何を言ってんだよ!

『あの魔物に勝てたとして……今のままで人形に勝てるか?』
「………」
『お前が自由に動けるのはこれが最後だ』
「…………わかった。すぐに最後の入り口に行く」

~~~~

魔力を温存したかったが、カインドたちの方に向かうために転移テレポートは必須だろうな……。

まぁ、魔力を温存できる程余裕なんてないし、仕方がない。

「どうか……こんなところで死なせないでくれ」

入り口に対してこんなに恐怖を感じるとは……。

「よし!」

…………………何も、ない?

「!!!!!がはっ!」

魔力が暴走してる!?魔力が増えたときでもこんなにはならなかったのに……!!

「………あれ?意外と早く収まったな」

ここから速くずらかろう。

『何も変化はないのか?』

多分、魔力に関係することだと思うんだが……良くわからねぇな。

『魔法に関してはどうだ?』

うぅん。さっきと変化は見られないが……。

「グルウゥ…」
「魔物?」

こんなところになんで……。気にしても仕方がないか。サクッと倒して先を急ぐか。

「神武発現」

これは……なんで……。

『どうしたんだよ?』
「手に……馴染まない」
『はっ?』

こんなこと一度もなかった。この神武を形成してるのは自分の魔力だ。

つまり、自分の一部と言っても良いだろう。なのに、手に馴染まないだと?今まで使ってきたのにそんなことあるか?

『危険な状態になったな。神武が手に馴染まないのは魔法戦闘師にとって最悪の事態だぞ』

分かってる。でも、大丈夫だ。今まで使ってきてる。多少違和感があっても充分に使える。

「……倒したか?よし……カインドたちのところに急がないとな……『転移テレポート』」

~~~~

南の入り口に着いた。カインドたちの魔力反応はかろうじてある程度。

本格的にヤバイ状況だな。

さて、急いでるのにこの道は面倒だ。一気に壊すか。
今の俺には魔法があるしな。

「『黒拳デストロイヤー』」
『なっ?!』

想像以上の破壊力だ。
壁の修復が遅い。これならば間に合う筈だ。

『………さっきはすまなかった』

ん?急になんだよ?

『さっき、お前を北の方に行くように誘導したろ?俺様は目先の強さに……簡単に強くなれる方法に味をしめてたみたいだ』

誰だってそうだろうな。お前は俺の本能だ。無意識の内に強さを求めてたのかもな。

でもな。感謝してるよ。

『感謝なんて……』

ホントにありがと。もしかしたら言えないかもしれないしな……。

『どう言うこと…………こ、これは……』

一歩遅かった……。死んではいないが、全員瀕死の状態だ……。カインドでさえ……。

この反応……毒か。あの木偶の坊。毒も使えんのかよ。

「…………」
「木偶の坊の分際で……良くもやってくれたな?ただじゃ済まねぇからな」
「プゴッ」
「こいつ……俺のこと笑ったな?」
「………プゴッ」

むかつく野郎だなぁ。本気で潰す。面倒だが、一瞬で方を付ける。

「合技『不意撃』」
「………ブゴッ!?」

見切り歩方と的探の構えの合技。刹那眼でも良かったが、やりたいこともあるし。

結果的に相手の意表は付けてるだろう……。

「『回帰』『刹那の先手』」

動いては……ないな。やっぱ、今までの奴がおかしかったんだな。刹那の時間なのに、動きやがってよ。まぁ一気に畳み掛けるか。

「『瞬撃』『魔力阻害』」

回復には魔力が使われてる筈だ。その魔力を絶つ。

「プギャッ?!」

隙が出来る筈だ。それを見逃すな。

「見えた………『五月雨』」
「プ………ゴッ」

首に対して十ヶ所以上の同時攻撃とか、本格的に殺されないようにしてたな。

さて、この木偶の坊は回復しないし、あとはカインドたちを回復させるか。

「と言っても、魔法を使うのは知られたくないしな……。まぁ、バレたらその時だな『極·回復ヒール』」

西洋魔法の回復ヒールと東洋魔法の極系回復術と言う魔法の合わせ技だ。この二つは合わせられるか不安だったが杞憂で終わるみたいだな。

体力が回復したとは言え、すぐには目を覚まさないだろう。

気が緩んだせいか……?疲労感が酷いな。

俺も少し休もうかな……。何か近付いて来てたら教えてくれるか?

『あぁ。勿論だ。周辺の警戒は任せろ』

本能が居てくれて本当に良かったよ。

後の事は任せるよ……。俺は少し……寝るから……。

はぁ、やっと休める。一体いつぶりだろうか……。一日が濃すぎたんだな……。



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