27 / 50
最弱の魔法戦闘師、鍵を集める
しおりを挟む
「なぁ、カインドたちはどうなった?」
『自分で確かめろ』
なんでだよ?俺は走るので精一杯なんだよ。それに、いつも探敵してくれるだろ?
『俺様の探敵は視界に入る範囲のみできるんだよ』
はぁ?どういうことだよ?
『たとえば、何もない原っぱならば、全方位広範囲に探敵可能だ。だが、後ろに壁がある場合、その奥を視認できないから探敵出来ない』
へぇ。距離の制限がないのは良いな。でも、確かに場面によっては使いづらくもあるな。
『あぁ。お前のは範囲の制限以外はないだろ?じゃあお前がやったほうが良い』
そう言うことならば……。ん?どういうことだ?
『どうした?』
カインドたちが押されてる……。かなりヤバイ状況だ……。
「助けに行かないと……」
『……待て』
「なっ?!何を待つってんだよ?」
『考えろ。単純に考えてカインドとお前、どっちが強い?』
「…………カインドだろ?」
『今のお前では勝てない』
そうかもしれない……でも、戦況を変えられるかもしれないだろ?
『別に良いが……後悔するのはどっちだ?』
「…………今行かない方がずっと後悔する!俺は行く!」
『お前はだろ?』
「!!!どういうことだよ?」
『お前が行っても助けられない。もう、後には退けないんだよ』
意味わかんねぇよ!さっきからお前は何を言ってんだよ!
『あの魔物に勝てたとして……今のままで人形に勝てるか?』
「………」
『お前が自由に動けるのはこれが最後だ』
「…………わかった。すぐに最後の入り口に行く」
~~~~
魔力を温存したかったが、カインドたちの方に向かうために転移は必須だろうな……。
まぁ、魔力を温存できる程余裕なんてないし、仕方がない。
「どうか……こんなところで死なせないでくれ」
入り口に対してこんなに恐怖を感じるとは……。
「よし!」
…………………何も、ない?
「!!!!!がはっ!」
魔力が暴走してる!?魔力が増えたときでもこんなにはならなかったのに……!!
「………あれ?意外と早く収まったな」
ここから速くずらかろう。
『何も変化はないのか?』
多分、魔力に関係することだと思うんだが……良くわからねぇな。
『魔法に関してはどうだ?』
うぅん。さっきと変化は見られないが……。
「グルウゥ…」
「魔物?」
こんなところになんで……。気にしても仕方がないか。サクッと倒して先を急ぐか。
「神武発現」
これは……なんで……。
『どうしたんだよ?』
「手に……馴染まない」
『はっ?』
こんなこと一度もなかった。この神武を形成してるのは自分の魔力だ。
つまり、自分の一部と言っても良いだろう。なのに、手に馴染まないだと?今まで使ってきたのにそんなことあるか?
『危険な状態になったな。神武が手に馴染まないのは魔法戦闘師にとって最悪の事態だぞ』
分かってる。でも、大丈夫だ。今まで使ってきてる。多少違和感があっても充分に使える。
「……倒したか?よし……カインドたちのところに急がないとな……『転移』」
~~~~
南の入り口に着いた。カインドたちの魔力反応はかろうじてある程度。
本格的にヤバイ状況だな。
さて、急いでるのにこの道は面倒だ。一気に壊すか。
今の俺には魔法があるしな。
「『黒拳』」
『なっ?!』
想像以上の破壊力だ。
壁の修復が遅い。これならば間に合う筈だ。
『………さっきはすまなかった』
ん?急になんだよ?
『さっき、お前を北の方に行くように誘導したろ?俺様は目先の強さに……簡単に強くなれる方法に味をしめてたみたいだ』
誰だってそうだろうな。お前は俺の本能だ。無意識の内に強さを求めてたのかもな。
でもな。感謝してるよ。
『感謝なんて……』
ホントにありがと。もしかしたら言えないかもしれないしな……。
『どう言うこと…………こ、これは……』
一歩遅かった……。死んではいないが、全員瀕死の状態だ……。カインドでさえ……。
この反応……毒か。あの木偶の坊。毒も使えんのかよ。
「…………」
「木偶の坊の分際で……良くもやってくれたな?ただじゃ済まねぇからな」
「プゴッ」
「こいつ……俺のこと笑ったな?」
「………プゴッ」
むかつく野郎だなぁ。本気で潰す。面倒だが、一瞬で方を付ける。
「合技『不意撃』」
「………ブゴッ!?」
見切り歩方と的探の構えの合技。刹那眼でも良かったが、やりたいこともあるし。
結果的に相手の意表は付けてるだろう……。
「『回帰』『刹那の先手』」
動いては……ないな。やっぱ、今までの奴がおかしかったんだな。刹那の時間なのに、動きやがってよ。まぁ一気に畳み掛けるか。
「『瞬撃』『魔力阻害』」
回復には魔力が使われてる筈だ。その魔力を絶つ。
「プギャッ?!」
隙が出来る筈だ。それを見逃すな。
「見えた………『五月雨』」
「プ………ゴッ」
首に対して十ヶ所以上の同時攻撃とか、本格的に殺されないようにしてたな。
さて、この木偶の坊は回復しないし、あとはカインドたちを回復させるか。
「と言っても、魔法を使うのは知られたくないしな……。まぁ、バレたらその時だな『極·回復』」
西洋魔法の回復と東洋魔法の極系回復術と言う魔法の合わせ技だ。この二つは合わせられるか不安だったが杞憂で終わるみたいだな。
体力が回復したとは言え、すぐには目を覚まさないだろう。
気が緩んだせいか……?疲労感が酷いな。
俺も少し休もうかな……。何か近付いて来てたら教えてくれるか?
『あぁ。勿論だ。周辺の警戒は任せろ』
本能が居てくれて本当に良かったよ。
後の事は任せるよ……。俺は少し……寝るから……。
はぁ、やっと休める。一体いつぶりだろうか……。一日が濃すぎたんだな……。
『自分で確かめろ』
なんでだよ?俺は走るので精一杯なんだよ。それに、いつも探敵してくれるだろ?
『俺様の探敵は視界に入る範囲のみできるんだよ』
はぁ?どういうことだよ?
『たとえば、何もない原っぱならば、全方位広範囲に探敵可能だ。だが、後ろに壁がある場合、その奥を視認できないから探敵出来ない』
へぇ。距離の制限がないのは良いな。でも、確かに場面によっては使いづらくもあるな。
『あぁ。お前のは範囲の制限以外はないだろ?じゃあお前がやったほうが良い』
そう言うことならば……。ん?どういうことだ?
『どうした?』
カインドたちが押されてる……。かなりヤバイ状況だ……。
「助けに行かないと……」
『……待て』
「なっ?!何を待つってんだよ?」
『考えろ。単純に考えてカインドとお前、どっちが強い?』
「…………カインドだろ?」
『今のお前では勝てない』
そうかもしれない……でも、戦況を変えられるかもしれないだろ?
『別に良いが……後悔するのはどっちだ?』
「…………今行かない方がずっと後悔する!俺は行く!」
『お前はだろ?』
「!!!どういうことだよ?」
『お前が行っても助けられない。もう、後には退けないんだよ』
意味わかんねぇよ!さっきからお前は何を言ってんだよ!
『あの魔物に勝てたとして……今のままで人形に勝てるか?』
「………」
『お前が自由に動けるのはこれが最後だ』
「…………わかった。すぐに最後の入り口に行く」
~~~~
魔力を温存したかったが、カインドたちの方に向かうために転移は必須だろうな……。
まぁ、魔力を温存できる程余裕なんてないし、仕方がない。
「どうか……こんなところで死なせないでくれ」
入り口に対してこんなに恐怖を感じるとは……。
「よし!」
…………………何も、ない?
「!!!!!がはっ!」
魔力が暴走してる!?魔力が増えたときでもこんなにはならなかったのに……!!
「………あれ?意外と早く収まったな」
ここから速くずらかろう。
『何も変化はないのか?』
多分、魔力に関係することだと思うんだが……良くわからねぇな。
『魔法に関してはどうだ?』
うぅん。さっきと変化は見られないが……。
「グルウゥ…」
「魔物?」
こんなところになんで……。気にしても仕方がないか。サクッと倒して先を急ぐか。
「神武発現」
これは……なんで……。
『どうしたんだよ?』
「手に……馴染まない」
『はっ?』
こんなこと一度もなかった。この神武を形成してるのは自分の魔力だ。
つまり、自分の一部と言っても良いだろう。なのに、手に馴染まないだと?今まで使ってきたのにそんなことあるか?
『危険な状態になったな。神武が手に馴染まないのは魔法戦闘師にとって最悪の事態だぞ』
分かってる。でも、大丈夫だ。今まで使ってきてる。多少違和感があっても充分に使える。
「……倒したか?よし……カインドたちのところに急がないとな……『転移』」
~~~~
南の入り口に着いた。カインドたちの魔力反応はかろうじてある程度。
本格的にヤバイ状況だな。
さて、急いでるのにこの道は面倒だ。一気に壊すか。
今の俺には魔法があるしな。
「『黒拳』」
『なっ?!』
想像以上の破壊力だ。
壁の修復が遅い。これならば間に合う筈だ。
『………さっきはすまなかった』
ん?急になんだよ?
『さっき、お前を北の方に行くように誘導したろ?俺様は目先の強さに……簡単に強くなれる方法に味をしめてたみたいだ』
誰だってそうだろうな。お前は俺の本能だ。無意識の内に強さを求めてたのかもな。
でもな。感謝してるよ。
『感謝なんて……』
ホントにありがと。もしかしたら言えないかもしれないしな……。
『どう言うこと…………こ、これは……』
一歩遅かった……。死んではいないが、全員瀕死の状態だ……。カインドでさえ……。
この反応……毒か。あの木偶の坊。毒も使えんのかよ。
「…………」
「木偶の坊の分際で……良くもやってくれたな?ただじゃ済まねぇからな」
「プゴッ」
「こいつ……俺のこと笑ったな?」
「………プゴッ」
むかつく野郎だなぁ。本気で潰す。面倒だが、一瞬で方を付ける。
「合技『不意撃』」
「………ブゴッ!?」
見切り歩方と的探の構えの合技。刹那眼でも良かったが、やりたいこともあるし。
結果的に相手の意表は付けてるだろう……。
「『回帰』『刹那の先手』」
動いては……ないな。やっぱ、今までの奴がおかしかったんだな。刹那の時間なのに、動きやがってよ。まぁ一気に畳み掛けるか。
「『瞬撃』『魔力阻害』」
回復には魔力が使われてる筈だ。その魔力を絶つ。
「プギャッ?!」
隙が出来る筈だ。それを見逃すな。
「見えた………『五月雨』」
「プ………ゴッ」
首に対して十ヶ所以上の同時攻撃とか、本格的に殺されないようにしてたな。
さて、この木偶の坊は回復しないし、あとはカインドたちを回復させるか。
「と言っても、魔法を使うのは知られたくないしな……。まぁ、バレたらその時だな『極·回復』」
西洋魔法の回復と東洋魔法の極系回復術と言う魔法の合わせ技だ。この二つは合わせられるか不安だったが杞憂で終わるみたいだな。
体力が回復したとは言え、すぐには目を覚まさないだろう。
気が緩んだせいか……?疲労感が酷いな。
俺も少し休もうかな……。何か近付いて来てたら教えてくれるか?
『あぁ。勿論だ。周辺の警戒は任せろ』
本能が居てくれて本当に良かったよ。
後の事は任せるよ……。俺は少し……寝るから……。
はぁ、やっと休める。一体いつぶりだろうか……。一日が濃すぎたんだな……。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。



主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる