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最弱の魔法戦闘師、神力の神殿に向かう
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「いったい、カインドはどこに居るんだ?」
「最奥地に居るはずだ」
「どのくらいで着くんだ?」
「三分ほどだ」
「そうか、ありがと」
俺はカインドに会ったことないからな。どんな人なのか見当もつかない。
噂では色々と聞くが、どれも信憑性にかけると言うか…。
「カインド、居る?」
「…………グロスか」
あの人がカインド……なのか?
「久し振りじゃないか。元気にしてたか?」
「カインドこそ。ここで修行してたの?」
「あぁ。あとは人形をぶっ飛ばすだけだ」
「そっか」
「そんで、そっちのお二方は?」
「フレミアとレイトだ。人形討伐を一緒にするために連れてきた」
「ふむ……そうか」
カインドってイケメンなんだな。
『感心するところがそこって……お前も……なんでもない』
お世辞でも良いから……そんな言い方されるとこっちが申し訳なくなるんだけど。
「こう言うのは申し訳ないが……実力不足が目立つ」
「「…………」」
確かに、俺は魔力量自体は少ない。手数も少ないからな。
でも、もう少し優しく言えないのか?
「何を根拠に言ってるんだ?」
「ん?そんなの、これまでの経験からだ。お前みたいな魔力を持ってる奴は大抵そこまで強くない」
言ってくれるじゃねぇか。カインドからしたら俺は弱ぇけどよ。足手まといになる気はねぇ。
ここで置いていかれるもんならば、実力行使で………。実力か。
「じゃあ、あなたに俺の実力を認めさせれば良いんでしょ?」
「単純に言えばな。だが、それは不可能だ」
「やってみねぇとわかんねぇだろ?安心しな、手加減はできる方なんでな」
ここまで言われたら、流石のカインドも引けねぇだろうよ。
我ながら最高の策だな。
『お前は煽りしか能がないみたいだな。なんで毎度のように煽るんだよ』
一番手っ取り早いだろ?
『そうかもしれないが……』
まぁ、深く考えんな。やばくなったら、それはそん時考えれば良いんだしな。
「言ってくれるねぇ。じゃあ、オレに一撃与えてみ。そしたら連れていってやるよ」
「一撃?ホントに良いのか?後悔することになるぜ?」
「良いさ。君とオレとでは実力差がありすぎるからね」
一撃か。刹那眼の刹那の先手で一撃……。
いや、そんなんで勝っても嬉しくないな。やっぱり、俺だけの力で勝ちたいな。
「じゃあ、始めようぜ」
「先手は譲るよ」
「じゃあ……遠慮なく!」
予想としては、俺の神武を見た後で対抗できる武器を発現させるはずだ。
実際に、カインドは神武発現をしていない。
カインドも相当神武の発現が速い。
俺ができるのは、神武がバレないように近付くことか。
神武を使った移動。名前は……まぁ、必要ないか。強いて言えば、高速展解か。
俺の利き手を、考えれば左から攻める方が良いか。
初見技だし、見抜かれはしまい。
「『高速展解』」
「……!!!」
いつもならば、足元に攻撃をいれるが、そんな余裕はない。
故に頭を狙うしかなかった。
「『五月雨』」
「くっ!」
やっぱり、横に逃げるしかないよな。
体勢を低くして避けたら攻撃がしにくくなる。それに、追撃を受ける可能性がある。
流石に実戦経験が豊富なだけある。
「『見切り歩方』」
「!!!」
体に掛かる負担は物凄いが、これぐらいしなければ、意表を突くことはできない。
見切り歩方は相手の動きに対して予測をし、一瞬で移動するものだ。
それがどんな状態でも。
つまり、無理な体勢から行えば、それ相応の痛みを伴うわけだ。
だが、今は体の状態を気遣っていられるほど、余裕もない。退路も、もちろんない。
「『瞬撃』」
「………」
当たった……のか?
「………やるじゃないか」
カインドは袖をこちらに見せてきた。そこには、少しだけ切れ目が入っていた。
『………こいつ、すげぇな』
ホントだよな。確かに意表を突けたはずなのに。しっかりと対応された。
『あぁ。もし、これが本当の戦いだったらと考えると……ゾッとするぜ』
同感だ。
「じゃあ、付いてきたまえ。これからの作戦を説明しようじゃないか」
~~~~
「君には一つ謝らなければならない」
「ん?」
「レイト…と言ったかな?」
「あぁ」
洞窟の入る前に立ち止まったと思ったら、急に謝るだと?
「さっきは君を試してすまなかったな」
「ん?なんのことだ?」
「君は頭の回転が速いから気付いているかもしれないが……」
ん?なんのことだ?本能はなんのことか分かるか?
『まぁ、ざっくりはな』
本当かよ。俺は見当も付かない……。さっきの戦闘か?でもなんで……。実力不足に関しては事前に確かめるのは仕方がないだろうし。
「君には師匠はいるかな?」
「まぁ……」
「よく言われたんじゃないかな。相手の実力を測るのも立派な強さだと」
「師匠には言われたことないが……」
あれ?言われたっけ?まぁ、良いか。この言葉は聞いたことあるし。
「オレも伊達に大陸一強ではないんだよ。そんなオレが相手の実力を見誤るなんてあると思う?」
「………さぁな」
知らねぇよ。んなもんよ。てか、人間なんだし間違えるだろ。
「君の実力は初めから知っていた」
「はっ?じゃあ、なんのためにやったんだよ?」
「だから言ったろ?試したと。もし、あの時、君が負けていたら……分かるだろ?」
「ははっ……」
こいつ、狂ってやがる。俺があの時負けてたら連れていかなかった、と言うことだろ?
そもそも戦わなければ無条件に行けただろうに。
まぁ、今考えれば俺ら二人が実力不足と言われたのになんで俺だけやったのか。
考えればおかしなことがあったな。
「まぁ、結果的に大丈夫だったろ?オレとしては想像以上に強かったね」
「……そうかよ」
皮肉にしか聞こえねぇよ。俺はほんの少し切り傷付けただけなんだが。
「まぁ、作戦は至って単純だ。まぁ、口頭で言うよりも実際に見てからの方が良いだろう。行こう、神力の神殿に」
「最奥地に居るはずだ」
「どのくらいで着くんだ?」
「三分ほどだ」
「そうか、ありがと」
俺はカインドに会ったことないからな。どんな人なのか見当もつかない。
噂では色々と聞くが、どれも信憑性にかけると言うか…。
「カインド、居る?」
「…………グロスか」
あの人がカインド……なのか?
「久し振りじゃないか。元気にしてたか?」
「カインドこそ。ここで修行してたの?」
「あぁ。あとは人形をぶっ飛ばすだけだ」
「そっか」
「そんで、そっちのお二方は?」
「フレミアとレイトだ。人形討伐を一緒にするために連れてきた」
「ふむ……そうか」
カインドってイケメンなんだな。
『感心するところがそこって……お前も……なんでもない』
お世辞でも良いから……そんな言い方されるとこっちが申し訳なくなるんだけど。
「こう言うのは申し訳ないが……実力不足が目立つ」
「「…………」」
確かに、俺は魔力量自体は少ない。手数も少ないからな。
でも、もう少し優しく言えないのか?
「何を根拠に言ってるんだ?」
「ん?そんなの、これまでの経験からだ。お前みたいな魔力を持ってる奴は大抵そこまで強くない」
言ってくれるじゃねぇか。カインドからしたら俺は弱ぇけどよ。足手まといになる気はねぇ。
ここで置いていかれるもんならば、実力行使で………。実力か。
「じゃあ、あなたに俺の実力を認めさせれば良いんでしょ?」
「単純に言えばな。だが、それは不可能だ」
「やってみねぇとわかんねぇだろ?安心しな、手加減はできる方なんでな」
ここまで言われたら、流石のカインドも引けねぇだろうよ。
我ながら最高の策だな。
『お前は煽りしか能がないみたいだな。なんで毎度のように煽るんだよ』
一番手っ取り早いだろ?
『そうかもしれないが……』
まぁ、深く考えんな。やばくなったら、それはそん時考えれば良いんだしな。
「言ってくれるねぇ。じゃあ、オレに一撃与えてみ。そしたら連れていってやるよ」
「一撃?ホントに良いのか?後悔することになるぜ?」
「良いさ。君とオレとでは実力差がありすぎるからね」
一撃か。刹那眼の刹那の先手で一撃……。
いや、そんなんで勝っても嬉しくないな。やっぱり、俺だけの力で勝ちたいな。
「じゃあ、始めようぜ」
「先手は譲るよ」
「じゃあ……遠慮なく!」
予想としては、俺の神武を見た後で対抗できる武器を発現させるはずだ。
実際に、カインドは神武発現をしていない。
カインドも相当神武の発現が速い。
俺ができるのは、神武がバレないように近付くことか。
神武を使った移動。名前は……まぁ、必要ないか。強いて言えば、高速展解か。
俺の利き手を、考えれば左から攻める方が良いか。
初見技だし、見抜かれはしまい。
「『高速展解』」
「……!!!」
いつもならば、足元に攻撃をいれるが、そんな余裕はない。
故に頭を狙うしかなかった。
「『五月雨』」
「くっ!」
やっぱり、横に逃げるしかないよな。
体勢を低くして避けたら攻撃がしにくくなる。それに、追撃を受ける可能性がある。
流石に実戦経験が豊富なだけある。
「『見切り歩方』」
「!!!」
体に掛かる負担は物凄いが、これぐらいしなければ、意表を突くことはできない。
見切り歩方は相手の動きに対して予測をし、一瞬で移動するものだ。
それがどんな状態でも。
つまり、無理な体勢から行えば、それ相応の痛みを伴うわけだ。
だが、今は体の状態を気遣っていられるほど、余裕もない。退路も、もちろんない。
「『瞬撃』」
「………」
当たった……のか?
「………やるじゃないか」
カインドは袖をこちらに見せてきた。そこには、少しだけ切れ目が入っていた。
『………こいつ、すげぇな』
ホントだよな。確かに意表を突けたはずなのに。しっかりと対応された。
『あぁ。もし、これが本当の戦いだったらと考えると……ゾッとするぜ』
同感だ。
「じゃあ、付いてきたまえ。これからの作戦を説明しようじゃないか」
~~~~
「君には一つ謝らなければならない」
「ん?」
「レイト…と言ったかな?」
「あぁ」
洞窟の入る前に立ち止まったと思ったら、急に謝るだと?
「さっきは君を試してすまなかったな」
「ん?なんのことだ?」
「君は頭の回転が速いから気付いているかもしれないが……」
ん?なんのことだ?本能はなんのことか分かるか?
『まぁ、ざっくりはな』
本当かよ。俺は見当も付かない……。さっきの戦闘か?でもなんで……。実力不足に関しては事前に確かめるのは仕方がないだろうし。
「君には師匠はいるかな?」
「まぁ……」
「よく言われたんじゃないかな。相手の実力を測るのも立派な強さだと」
「師匠には言われたことないが……」
あれ?言われたっけ?まぁ、良いか。この言葉は聞いたことあるし。
「オレも伊達に大陸一強ではないんだよ。そんなオレが相手の実力を見誤るなんてあると思う?」
「………さぁな」
知らねぇよ。んなもんよ。てか、人間なんだし間違えるだろ。
「君の実力は初めから知っていた」
「はっ?じゃあ、なんのためにやったんだよ?」
「だから言ったろ?試したと。もし、あの時、君が負けていたら……分かるだろ?」
「ははっ……」
こいつ、狂ってやがる。俺があの時負けてたら連れていかなかった、と言うことだろ?
そもそも戦わなければ無条件に行けただろうに。
まぁ、今考えれば俺ら二人が実力不足と言われたのになんで俺だけやったのか。
考えればおかしなことがあったな。
「まぁ、結果的に大丈夫だったろ?オレとしては想像以上に強かったね」
「……そうかよ」
皮肉にしか聞こえねぇよ。俺はほんの少し切り傷付けただけなんだが。
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