17 / 50
最弱の魔法戦闘師、九死に一生を得る
しおりを挟む
「……………」
くそっ!一歩遅かった!
「ハイド。逆らわなければ、このようなことにはならなかったのですよ?」
魔法騎士団。魔法師の集まりかと思っていたが、実際は魔法剣士の集まりだったのか。
「そんな!ハイド……!!!」
王女の前に居ることから、王女を庇ったのか。
ハイドの腹部には魔剣が刺さっていた。魔剣は魔法剣士特有の武器と言えるだろうな。
普通の剣と違い、魔剣は、術者との魔力の調和度合いによって、強さが変わる。
あの威力となると、調和度合いは八割ぐらいか。
「…………そんな……なんでハイドが……」
くそっ。このままじゃ、本当にヤバイ!
『王女を担げ!逃げるぞ!』
それしかないか……。
『お前まで感傷に浸るな!今はこの場を切り抜けることを考えろ!』
そうだな……分かった!
「!!!!!」
「なっ!?」
あいつ!
『止めろ!落ち着け!』
まさか、魔法で王女を連れ去る気か!?
「あなたは………関係無さそうですね……。まぁ、証人は居ない方が都合が良いですし……殺しておいてください。王女を連れていきますよ」
逃げられたら、見付けることすら困難だぞ。
『………俺様に変われ。人形の前にこいつを潰す』
……………頼んだ。
~~~~
「団長の命だ。死んでもらう」
右に三人、左に一人、正面に四人。
数が多いな。あの団長って奴の近くにも四人。
「まぁ……いけるな」
(ホントか?この人数をあいつが逃げる前に………)
「任せろ……『五月雨』」
(本能の一太刀………なんだ?)
「はがっ!?」
「なっ!」
「ぐはっ!?」
「………っ!!!!」
「なにっ?!」
「がはっ!?!?」
「……な、に!?」
「うがっ!」
(一太刀しか振っていなかった。だが、その後に無数の斬撃が目の前の奴らを襲った。何が起きたんだ?)
カタナを振る前に、魔力で刃をコーティングし、切ると同時に魔力を放出。
放出された魔力を操作し、刃状にすれば、完成だ。
(そんな難しいことをあんな一瞬でやってのけたのか?)
本能は伊達じゃねぇってこったな。
(ホントだな)
まぁ……んなことはどうでも良いんだよ。王女を救うぞ。
(あぁ!)
「死ね」
(一瞬で団長以外の奴らを潰した……!!)
「………何者ですか?あなた……」
驚愕……いや怒りか。そりゃそうか。団員が一瞬でお陀仏だもんな。
「そこの王女を返してくれりゃ………死なないで済むぜ?」
「何を言い出すかと思ったら……バカにしてるのですか?」
王女は気を失ってるみたいだな。
まぁ、それもそうか。抵抗されたら面倒だもんな。王女はそれなりの実力者だ。
こいつと言えでも、手こずるのは目に見えてるのか。
「我々のしていることを悪とでも言いたいのですか?」
「俺様は別にそんな気はねぇけどな。そう思ったってことは、あんたは自分のことを悪だと思ってんじゃねぇか」
「やはり、低能とでは話しになりませんね」
言ってくれるじゃねぇか!!
「今すぐぶっ潰す」
「はぁ……実力差を見極めることも立派な実力だと言うのに……やはり低能には直接教える必要がありますね」
(こいつ……さっきからずっと煽ってきやがる。きっと冷静さを無くそうとしてるのだろう)
わかってる。そのぐらいはよ……。だから、こいつを完封して、嘲笑ってやるんだよ!
(目的変わってるぞ!?)
良いんだよ!遅かれ早かれ戦うことになるだろう……。
なら!ここで潰す!
(脳筋すぎるだろ……)
「かかってきなさい。躾が必要なようですしね」
「その剣……魔剣か?」
「だとしたら、なんですか?」
「いや………ただ、剣に依存しての力なんて……高が知れてるなぁと思っただけだ」
「………魔法戦闘師ごときがなめた口をききますね……」
なんだ?雰囲気が変わった?
(本当にヤバイんじゃねぇか?)
確かにな……。こいつ、お前の能力値の十倍はある。
(はぁ?!あれだけ修行しても、そんなにあるのか?!)
あぁ……。それに、騎士団となると実戦経験も豊富………勝ち目は薄いな……。
(ど、どうすんだよ!?)
どうもこうもな……。やるしかないだろ?
「楽に死ねると思わないことですね。指一本一本切り落としながら、いたぶってあげますよ」
「……狂ってんな、あんた」
こいつ………本気で俺様のことを殺す気だな。
(こんなあからさまな殺意………そうそう向けられるものじゃねぇな)
「まぁ、戦闘中に逃げられる可能性はなくしたいですね」
(王女を置いた……。行けるか?)
いや………あいつ、俺様が王女のところに行った場合、腕を切り落とすだろう。
「では、始めましょう」
結界か………。魔法関係は使えるしな。魔法戦闘師との大きな違いとも言えるな。
「これでは、逃げられませんよ?」
「自分の退路を絶ってどうするんだよ?」
「その口……きけなくしてあげますよ」
(消えた!?)
焦んな。こいつが、カインド……の人形よりも強いと思ってんのか?
(……確かにな)
「刹那眼……発動『刹那の先手』」
これで、あいつが何処に居るかわかるぜ。
「おや?面白い技を持ってるのですね」
「!!!!!!」
な、なんで…!!!
「これは驚きですね。あなたも刹那の時間に生きるとは……」
こいつ………。こんな序盤でこんな強敵に当たるとはな……。
さっき、あんなことを言ったが、こいつ……すげぇ強ぇな。
「『怨念の一矢』」
「!!!!」
こいつ、西洋の魔法戦闘師か!
(どう言うことだよ!?)
東洋と西洋とでは、魔法の名前の形式が変わるんだ!そもそもの魔法も異なる。
今は、魔法の強さよりも連射性と安定性の高い東洋の魔法が普及してるんだ。
高火力という一点にのみ集中した西洋の魔法を使うのは……相当な強者を意味する。
「避けてばかりでは勝てませんよ!」
「くっ!!」
打開策が、全く思い付かない。理性!何か考えろ!
(分かった。死ぬなよな!)
「分かってるわ!」
あの怨念の一矢……一撃でも当たったら、致命傷だな。
「何処を見てるのですか?」
「なっ!!!」
魔法攻撃にばかり気を取られた……!!!
これは防げない!
「がはっ!」
くっ………腹部の傷が深い………。
「おっと……計画と違いましたね……。まぁ、指を切り落とすことには変わりありませんね……死なないでくださいよ?」
何て言う野郎だ。
「『時差斬り』」
「!!!!!」
「くっ…………!!!」
(な、なんでここに!?)
形勢逆転は……可能だな。
くそっ!一歩遅かった!
「ハイド。逆らわなければ、このようなことにはならなかったのですよ?」
魔法騎士団。魔法師の集まりかと思っていたが、実際は魔法剣士の集まりだったのか。
「そんな!ハイド……!!!」
王女の前に居ることから、王女を庇ったのか。
ハイドの腹部には魔剣が刺さっていた。魔剣は魔法剣士特有の武器と言えるだろうな。
普通の剣と違い、魔剣は、術者との魔力の調和度合いによって、強さが変わる。
あの威力となると、調和度合いは八割ぐらいか。
「…………そんな……なんでハイドが……」
くそっ。このままじゃ、本当にヤバイ!
『王女を担げ!逃げるぞ!』
それしかないか……。
『お前まで感傷に浸るな!今はこの場を切り抜けることを考えろ!』
そうだな……分かった!
「!!!!!」
「なっ!?」
あいつ!
『止めろ!落ち着け!』
まさか、魔法で王女を連れ去る気か!?
「あなたは………関係無さそうですね……。まぁ、証人は居ない方が都合が良いですし……殺しておいてください。王女を連れていきますよ」
逃げられたら、見付けることすら困難だぞ。
『………俺様に変われ。人形の前にこいつを潰す』
……………頼んだ。
~~~~
「団長の命だ。死んでもらう」
右に三人、左に一人、正面に四人。
数が多いな。あの団長って奴の近くにも四人。
「まぁ……いけるな」
(ホントか?この人数をあいつが逃げる前に………)
「任せろ……『五月雨』」
(本能の一太刀………なんだ?)
「はがっ!?」
「なっ!」
「ぐはっ!?」
「………っ!!!!」
「なにっ?!」
「がはっ!?!?」
「……な、に!?」
「うがっ!」
(一太刀しか振っていなかった。だが、その後に無数の斬撃が目の前の奴らを襲った。何が起きたんだ?)
カタナを振る前に、魔力で刃をコーティングし、切ると同時に魔力を放出。
放出された魔力を操作し、刃状にすれば、完成だ。
(そんな難しいことをあんな一瞬でやってのけたのか?)
本能は伊達じゃねぇってこったな。
(ホントだな)
まぁ……んなことはどうでも良いんだよ。王女を救うぞ。
(あぁ!)
「死ね」
(一瞬で団長以外の奴らを潰した……!!)
「………何者ですか?あなた……」
驚愕……いや怒りか。そりゃそうか。団員が一瞬でお陀仏だもんな。
「そこの王女を返してくれりゃ………死なないで済むぜ?」
「何を言い出すかと思ったら……バカにしてるのですか?」
王女は気を失ってるみたいだな。
まぁ、それもそうか。抵抗されたら面倒だもんな。王女はそれなりの実力者だ。
こいつと言えでも、手こずるのは目に見えてるのか。
「我々のしていることを悪とでも言いたいのですか?」
「俺様は別にそんな気はねぇけどな。そう思ったってことは、あんたは自分のことを悪だと思ってんじゃねぇか」
「やはり、低能とでは話しになりませんね」
言ってくれるじゃねぇか!!
「今すぐぶっ潰す」
「はぁ……実力差を見極めることも立派な実力だと言うのに……やはり低能には直接教える必要がありますね」
(こいつ……さっきからずっと煽ってきやがる。きっと冷静さを無くそうとしてるのだろう)
わかってる。そのぐらいはよ……。だから、こいつを完封して、嘲笑ってやるんだよ!
(目的変わってるぞ!?)
良いんだよ!遅かれ早かれ戦うことになるだろう……。
なら!ここで潰す!
(脳筋すぎるだろ……)
「かかってきなさい。躾が必要なようですしね」
「その剣……魔剣か?」
「だとしたら、なんですか?」
「いや………ただ、剣に依存しての力なんて……高が知れてるなぁと思っただけだ」
「………魔法戦闘師ごときがなめた口をききますね……」
なんだ?雰囲気が変わった?
(本当にヤバイんじゃねぇか?)
確かにな……。こいつ、お前の能力値の十倍はある。
(はぁ?!あれだけ修行しても、そんなにあるのか?!)
あぁ……。それに、騎士団となると実戦経験も豊富………勝ち目は薄いな……。
(ど、どうすんだよ!?)
どうもこうもな……。やるしかないだろ?
「楽に死ねると思わないことですね。指一本一本切り落としながら、いたぶってあげますよ」
「……狂ってんな、あんた」
こいつ………本気で俺様のことを殺す気だな。
(こんなあからさまな殺意………そうそう向けられるものじゃねぇな)
「まぁ、戦闘中に逃げられる可能性はなくしたいですね」
(王女を置いた……。行けるか?)
いや………あいつ、俺様が王女のところに行った場合、腕を切り落とすだろう。
「では、始めましょう」
結界か………。魔法関係は使えるしな。魔法戦闘師との大きな違いとも言えるな。
「これでは、逃げられませんよ?」
「自分の退路を絶ってどうするんだよ?」
「その口……きけなくしてあげますよ」
(消えた!?)
焦んな。こいつが、カインド……の人形よりも強いと思ってんのか?
(……確かにな)
「刹那眼……発動『刹那の先手』」
これで、あいつが何処に居るかわかるぜ。
「おや?面白い技を持ってるのですね」
「!!!!!!」
な、なんで…!!!
「これは驚きですね。あなたも刹那の時間に生きるとは……」
こいつ………。こんな序盤でこんな強敵に当たるとはな……。
さっき、あんなことを言ったが、こいつ……すげぇ強ぇな。
「『怨念の一矢』」
「!!!!」
こいつ、西洋の魔法戦闘師か!
(どう言うことだよ!?)
東洋と西洋とでは、魔法の名前の形式が変わるんだ!そもそもの魔法も異なる。
今は、魔法の強さよりも連射性と安定性の高い東洋の魔法が普及してるんだ。
高火力という一点にのみ集中した西洋の魔法を使うのは……相当な強者を意味する。
「避けてばかりでは勝てませんよ!」
「くっ!!」
打開策が、全く思い付かない。理性!何か考えろ!
(分かった。死ぬなよな!)
「分かってるわ!」
あの怨念の一矢……一撃でも当たったら、致命傷だな。
「何処を見てるのですか?」
「なっ!!!」
魔法攻撃にばかり気を取られた……!!!
これは防げない!
「がはっ!」
くっ………腹部の傷が深い………。
「おっと……計画と違いましたね……。まぁ、指を切り落とすことには変わりありませんね……死なないでくださいよ?」
何て言う野郎だ。
「『時差斬り』」
「!!!!!」
「くっ…………!!!」
(な、なんでここに!?)
形勢逆転は……可能だな。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる