8 / 50
最弱の魔法戦闘師、修行する 2
しおりを挟む
「はぁ、はぁ、はぁ…………」
くそっ!まだあまり時間が経っていないのに、苦痛だ。
やはり賢者と俺では何もかもが桁違いということか。
「もうへばっているのか?」
「くっ……言ってろ」
もっと強くならないといけないのに………。どうすれば良いんだ。
『簡単な話、見切りを使いこなせれば良いんだ』
それが出来ないから困ってるんだろ!お前は確かに俺の見切りの使い方を知ってるかもしれない。
でも、俺はそれを知らないんだ。どうすれば見切りに対してもっと詳しく知れば良いんだよ。
『直感だよ。使えると思った瞬間、それは使える。なぜなら一番自分に合っているからだ』
そんな事あるわけないだろ?それに、本能は縛られてないから分かるんだろ?
直感なんて、そうそう思い浮かぶわけないんだよ。
『直感とは理性が本能の真似事をしたんだよ。だが、その精度は計り知れない。時に、その理性が生み出した直感は本能よりも………反射よりも優れた力を発揮する』
………だとしても、やっぱり直感はそう易々とは出てこないよ。直感が思い通りに働けば、それは凄いことだろ?
でも、そんな事は不可能なんだよ。本能を引き出すのさえ適性のようなものが必要なのだ。
直感にだって何らかの条件があるんじゃないのか?
『条件か………ふっ。簡単じゃねぇかよ』
はぁ?遂に壊れたか?
『だってよ。考えてみろよ。お前は他の奴よりも本能を知ってる。その本能が体を……思考を巡らせてる状態に自分で近付ければ、直感を働かせることが出来るんじゃねぇか?』
なるほど…………その考え方には一理あるな。よし!
本能。一時的に体の支配権を渡す。それで少し俺に時間をくれ。
『やる気になったか。そう言う事ならば俺様はいくらだって付き合ってやるよ』
よし!じゃあ、承諾する。頼んだぞ。
~~~~
(ん?取り敢えずは成功か。あとは本能に任せるしか他、方法はない)
「うし。じゃあ、賢者と戦ってみるぜ?その時の感覚をしっかりと覚えておけよ?」
(あぁ)
こんなに純粋な奴だったとはな。まぁ、俺様としてもこっちの方が対応がしやすいから別に良いが。
(こいつ………普通に俺の事をバカにしてないか?)
「はっ!その考えも俺様に伝わってるって事をしっかりとと覚えておけよ!」
(お前こそな)
でも、どうすっかな。正直こんなんで分かる程、簡単なものじゃねぇ気がするんだよな。
はぁ。本能ってのも色々と面倒だな。やる前からボヤッとした未来が分かるんだからよ。
まぁ、厳密にはそうなると感じてる、の方が正しいだろうが。
「無駄話はこの辺にしようぜ。あの賢者と戦ってやるよ」
~~~~
「今度はどんな企みだ?まさか、あそこまで言われて本能にすがるとはな………まぁ、それがお前さんの意思ならば止めはせん」
臨戦態勢に入りやがった。口ではあんなにやる気に無さそうなのに、本気で戦う気だな。
本当に血の気が多い野郎だな。
「はっ!こちらとて考え無しには突っ込まねぇよ」
「無駄口は慎んだ方が賢明な判断だと思うぞ!」
(やっぱり、賢者から発せられるオーラは格が違う)
「見切りってのは………こう使うんだよぉ!」
(ん?鞘に刀身を入れたままじゃ攻撃できないんじゃ………)
「目なんか瞑って、何を探っておるのだ!」
「…………あんたの………魔力に決まってんだろ!」
(おっ!鞘を持ってる手の親指で鍔を弾いた!)
「ふん!芸もなく、また斬撃か!」
「言ってろ!」
(えっ?なんで柄から手を離すんだよ?………あれ?鍔のほうに向かって手を移動させてる?一体何をしようとしてるんだ?)
カチン
「はっ!戦意喪失でもしたか!」
「さぁて、どうだかな?」
(鞘の中に刀身が隠れた。でも、これは………)
瞬撃と鋭撃の合技だ。賢者と言えど、これを回避するのは不可能だろうな!
はっはっはっ!笑いが止まんねぇよ!
「はがっ!」
(!!!!!)
なっ!?
「見切り抜刀と言ったかな?」
「く、そ…………何をしやがった……!!!」
「反射……と言えば通じるかの?」
「そっくりそのまま返されたのか………」
賢者はこれを読んでいたとでも言うのか?
まぁ、どうでも良いか。結果として見破られたのだ。
騙されたのは俺様の方だっんだな。あんな無様を賢者が晒すわけないか。
「この技……なんと言うのかな?」
「幕無式一式·五月雨袈裟だ」
「ふっ。面白い名前だな」
「いつか絶対にぶっ飛ばしてやるよ」
つっても、俺様ですらこれか………。かすり傷一つ付けられないとはな。
あんな事を言っておいた手前、恥ずかしいな。
(かっけぇじゃねぇか、五月雨袈裟)
おっ?分かるか?
(あぁ)
「して、何をしようとして本能が戦っていたのだ?」
「賢者だからなんでもお見通しってか?」
「お前さんたちの考えくらい誰でも分かるじゃろ」
はぁ………けど、助言をいただくしかないか。はっきり言って、俺様たちでは解決出来そうにねぇ。
はぁ………俺様って実は相当恥ずかしい野郎なんじゃねぇかな。
(俺みたいにネガティブになるなって。笑いが込み上げちまう)
お前!……今はそんな事を言ってる暇はない。さっさと、交代するぞ。
(はいよ)
~~~~
「それで、何がしたいのかを知りたいんだっけ?」
「我は別に知らんでも良いが……助言を必要としてる立場、と言うことをわきまえてから発言した方が良いぞ?」
この賢者、たまにすげぇムカつくな。いや、当たり前の事を言ってるんだが……なんだが、この喋り方とかが癪に触るというか。
「くそっ………実は直感を任意に働かせるために入れ替わったんだよ」
「……………全く話が見えんな」
はっ?お前賢者だろ?分かれよ!
『はぁ……お前には呆れたぞ?そんなんで分かるはずねぇだろ?もっとしっかりと話せや』
お前までも言うのか?!そんなに酷かったか?俺的には十分に伝わる言い方だったと思うんだが。
『分かったから。さっさと言い直せ』
それ、絶対に面倒なだけじゃん。まぁ、分かったよ。言い直せば良いんだろ?
『あぁとな………なんつうか、見切りの使い方が分からなくてな……。本能が知ってるなら、直感で使い方を知れば良いのではないかと……』
「ふむ」
「だから、任意に直感を働かせれば分かるんじゃねぇかと」
「ふむ……」
こいつ、本当に分かってんのか?いや、疑うのは良くないか。今は信じるしかないな。
まぁ、方法がないと言われれば他の方法をこっちで探れば良い。
「まぁ、簡単なことであろう」
「えっ?!本当か?!」
「あぁ……本能が発現出来るのであれば、容易なことだ」
「教えてくれ!頼む!」
よし!これで、悩みが解決するはずだ。
くそっ!まだあまり時間が経っていないのに、苦痛だ。
やはり賢者と俺では何もかもが桁違いということか。
「もうへばっているのか?」
「くっ……言ってろ」
もっと強くならないといけないのに………。どうすれば良いんだ。
『簡単な話、見切りを使いこなせれば良いんだ』
それが出来ないから困ってるんだろ!お前は確かに俺の見切りの使い方を知ってるかもしれない。
でも、俺はそれを知らないんだ。どうすれば見切りに対してもっと詳しく知れば良いんだよ。
『直感だよ。使えると思った瞬間、それは使える。なぜなら一番自分に合っているからだ』
そんな事あるわけないだろ?それに、本能は縛られてないから分かるんだろ?
直感なんて、そうそう思い浮かぶわけないんだよ。
『直感とは理性が本能の真似事をしたんだよ。だが、その精度は計り知れない。時に、その理性が生み出した直感は本能よりも………反射よりも優れた力を発揮する』
………だとしても、やっぱり直感はそう易々とは出てこないよ。直感が思い通りに働けば、それは凄いことだろ?
でも、そんな事は不可能なんだよ。本能を引き出すのさえ適性のようなものが必要なのだ。
直感にだって何らかの条件があるんじゃないのか?
『条件か………ふっ。簡単じゃねぇかよ』
はぁ?遂に壊れたか?
『だってよ。考えてみろよ。お前は他の奴よりも本能を知ってる。その本能が体を……思考を巡らせてる状態に自分で近付ければ、直感を働かせることが出来るんじゃねぇか?』
なるほど…………その考え方には一理あるな。よし!
本能。一時的に体の支配権を渡す。それで少し俺に時間をくれ。
『やる気になったか。そう言う事ならば俺様はいくらだって付き合ってやるよ』
よし!じゃあ、承諾する。頼んだぞ。
~~~~
(ん?取り敢えずは成功か。あとは本能に任せるしか他、方法はない)
「うし。じゃあ、賢者と戦ってみるぜ?その時の感覚をしっかりと覚えておけよ?」
(あぁ)
こんなに純粋な奴だったとはな。まぁ、俺様としてもこっちの方が対応がしやすいから別に良いが。
(こいつ………普通に俺の事をバカにしてないか?)
「はっ!その考えも俺様に伝わってるって事をしっかりとと覚えておけよ!」
(お前こそな)
でも、どうすっかな。正直こんなんで分かる程、簡単なものじゃねぇ気がするんだよな。
はぁ。本能ってのも色々と面倒だな。やる前からボヤッとした未来が分かるんだからよ。
まぁ、厳密にはそうなると感じてる、の方が正しいだろうが。
「無駄話はこの辺にしようぜ。あの賢者と戦ってやるよ」
~~~~
「今度はどんな企みだ?まさか、あそこまで言われて本能にすがるとはな………まぁ、それがお前さんの意思ならば止めはせん」
臨戦態勢に入りやがった。口ではあんなにやる気に無さそうなのに、本気で戦う気だな。
本当に血の気が多い野郎だな。
「はっ!こちらとて考え無しには突っ込まねぇよ」
「無駄口は慎んだ方が賢明な判断だと思うぞ!」
(やっぱり、賢者から発せられるオーラは格が違う)
「見切りってのは………こう使うんだよぉ!」
(ん?鞘に刀身を入れたままじゃ攻撃できないんじゃ………)
「目なんか瞑って、何を探っておるのだ!」
「…………あんたの………魔力に決まってんだろ!」
(おっ!鞘を持ってる手の親指で鍔を弾いた!)
「ふん!芸もなく、また斬撃か!」
「言ってろ!」
(えっ?なんで柄から手を離すんだよ?………あれ?鍔のほうに向かって手を移動させてる?一体何をしようとしてるんだ?)
カチン
「はっ!戦意喪失でもしたか!」
「さぁて、どうだかな?」
(鞘の中に刀身が隠れた。でも、これは………)
瞬撃と鋭撃の合技だ。賢者と言えど、これを回避するのは不可能だろうな!
はっはっはっ!笑いが止まんねぇよ!
「はがっ!」
(!!!!!)
なっ!?
「見切り抜刀と言ったかな?」
「く、そ…………何をしやがった……!!!」
「反射……と言えば通じるかの?」
「そっくりそのまま返されたのか………」
賢者はこれを読んでいたとでも言うのか?
まぁ、どうでも良いか。結果として見破られたのだ。
騙されたのは俺様の方だっんだな。あんな無様を賢者が晒すわけないか。
「この技……なんと言うのかな?」
「幕無式一式·五月雨袈裟だ」
「ふっ。面白い名前だな」
「いつか絶対にぶっ飛ばしてやるよ」
つっても、俺様ですらこれか………。かすり傷一つ付けられないとはな。
あんな事を言っておいた手前、恥ずかしいな。
(かっけぇじゃねぇか、五月雨袈裟)
おっ?分かるか?
(あぁ)
「して、何をしようとして本能が戦っていたのだ?」
「賢者だからなんでもお見通しってか?」
「お前さんたちの考えくらい誰でも分かるじゃろ」
はぁ………けど、助言をいただくしかないか。はっきり言って、俺様たちでは解決出来そうにねぇ。
はぁ………俺様って実は相当恥ずかしい野郎なんじゃねぇかな。
(俺みたいにネガティブになるなって。笑いが込み上げちまう)
お前!……今はそんな事を言ってる暇はない。さっさと、交代するぞ。
(はいよ)
~~~~
「それで、何がしたいのかを知りたいんだっけ?」
「我は別に知らんでも良いが……助言を必要としてる立場、と言うことをわきまえてから発言した方が良いぞ?」
この賢者、たまにすげぇムカつくな。いや、当たり前の事を言ってるんだが……なんだが、この喋り方とかが癪に触るというか。
「くそっ………実は直感を任意に働かせるために入れ替わったんだよ」
「……………全く話が見えんな」
はっ?お前賢者だろ?分かれよ!
『はぁ……お前には呆れたぞ?そんなんで分かるはずねぇだろ?もっとしっかりと話せや』
お前までも言うのか?!そんなに酷かったか?俺的には十分に伝わる言い方だったと思うんだが。
『分かったから。さっさと言い直せ』
それ、絶対に面倒なだけじゃん。まぁ、分かったよ。言い直せば良いんだろ?
『あぁとな………なんつうか、見切りの使い方が分からなくてな……。本能が知ってるなら、直感で使い方を知れば良いのではないかと……』
「ふむ」
「だから、任意に直感を働かせれば分かるんじゃねぇかと」
「ふむ……」
こいつ、本当に分かってんのか?いや、疑うのは良くないか。今は信じるしかないな。
まぁ、方法がないと言われれば他の方法をこっちで探れば良い。
「まぁ、簡単なことであろう」
「えっ?!本当か?!」
「あぁ……本能が発現出来るのであれば、容易なことだ」
「教えてくれ!頼む!」
よし!これで、悩みが解決するはずだ。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる