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第1章 僕の子供が神ってマジですか?

父の話 2

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「どこから話そうかなぁ……」

 少し時間が掛かりそうだな。ねぇ、神様はどう思うよ?

『……………』

 わかったから、もう話してよ。居ることは分かってるから。

『はぁ……なんで君のお父さんは見えるの?』

 僕にも分からないけど、今から話される事の中にヒントがあるかもね。

『だと良いけどね』

 てかさ。なんで居ないフリしてたの?別に居ても変わらないだろ?

『いやぁ……ね?あんな感じで話しちゃったし、別れ方もアレだったしさ………』

 気まずかったって?まぁ、確かにね。また今度の機会、みたいに別れたし。

『そそ。まぁ、バレたのなら隠す必要も無いし』

 そうだよ。てか、さっきはなんであんな言い方を?

『それはね……』
「よし、だいたい纏まったぞ」
「そう?」

 また今度聞くよ。

『そうだね。聖徳太子じゃないし、いっぺんに二人の話は聞けないだろう』

 そうなんだよ。それに、神様も気になるだろ?

「俺があの変な経験をしたのは中学校一年生の入学式のあとだったな」

 僕と同い年か……。

「いやぁ……入学式の時に美紗と出会ったんだよ。あの時もすっごい美人でなぁ……今は昔よりも美に磨きが掛かってるような………おっとすまん」

 親の惚気話はご遠慮させていただきたい。そう言うのを聞くためにこの話題を出した訳じゃない。

『ははは。凄く愛されてるんだね、君のお母さんは』
「そうだぜ?俺は美紗を心から愛してるさ」
「『……………』」

 あれ?今神様が言ったことに対して返事したのか?でも、どうやって……?

「まぁ、要約するとな。俺が美紗と別れたら神が現れて、俺の精神体を神が創った世界に送られて散々な目にあった、という事だ」
「…………ごめん。話についてけないや」

 そのあと、父さんは事細かに話をしてくれた。

 いつもならば聞こうとしなかった話。それがこれほどまでに僕の心を揺さぶるとは思いもしなかった。

 神様も真剣に話を聞いていた。

「どうだ?俺の武勇伝は?」
「凄いよ……ねぇ、僕が居るこの世界も神様が創った世界の可能性はあるのかな?」

 何もかもが凄かった。何よりも凄いのは父さんが異なる世界という結論を導き出したところだ。

 僕では到底不可能だろう。

「まぁ、可能性としてはあるが……かなり低いだろうな」
「なんで?」
「神は無条件に別の世界は創らないだろうからな。それに、あの世界で感じるフワフワと言うか……まぁ変な感じがしないからな」

 神様が僕のところに来たと言う事は、僕にも何か大事な使命があるのだろうか。

 いや、既に神様から言われているか。やらなければならないのだろう。でも、どうしても決心が付かない。

『お父様。質問よろしいでしょうか?』
「どうした?」
『なぜ、僕のような下級の神の姿が見えるだけでなく、声も聞こえるのですか?』
「あぁ……まぁ予想だけど十日間ぐらいずっと神の力に当てられ続けられたからかなってな」

 僕はどうすれば……。父さんの時とは違う。僕には明確な大きい使命がある。

「魁斗」
「ん?」
「俺はお前がどんな理由があって天使と居るのかについては聞かない。でも、どんな事があろうと信じろ。お前は、俺の息子だから」
「………!!父さん」

 そっか。僕は父さんの……物凄い事を体験した陽縞凱の息子だ。

「そうだ、魁斗。もう一つ言っておくことがある」
「なに?」
「確か……蓮君だっけ?あの子からも天使みたいな者が憑いていたんだ。でも、黒いモヤのような物がかかっていて、良いヤツって雰囲気じゃなかった。だから気をつけろよ?」
「えっ?蓮にも?」

 まさか、急に変わった理由は天使下っ端の神が影響していたのか?

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