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第1章 僕の子供が神ってマジですか?
8話 怒る
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今日の給食の主食はパンか。朝もパンだったし、なんだか食欲が出ない。
まぁ、食欲が出ないのはそれだけでは無いけどね。
僕は蓮の方を見ながら、どうやって話しかけるべきか迷っていた。
朝、あんな事を言われた手前で、気楽に話し掛けることは難しい。
「げっ……」
今日の野菜にはピーマンが入ってるみたいだ。食べるまで気が付かなった。
僕はあまりピーマンが好きじゃない。いや、嫌いだ。
なんだか今日はあまり運がないというか、ツイてないと言うか。
ふと、僕は視線を上げた。何気なくだった。何となく視線を上げた。
蓮がこちらを見ていた。すぐに前に向き直したが、確かに僕の方を見ていた。
言っては悪いが、とてつもなくホラーだった。あんな視線を受け続けるのは少しばかり辛い。
なるべくはやく、迅速にことを片付けるべきだ。話の掛け方に気を遣っている場合ではないようだ。
昨日までは普通だったのに、何が蓮をあんなにしたんだ?ただの嫉妬にしては、度を超えてる気がするけど……。
どれだけ考えても答えは見つかりそうにないな。
僕は勢いでピーマンを口に放り込んだ。
気分はこの上なく最悪だ。でも、良い薬になった。僕はもう退かない。
今日、ケリをつけてやる。
~~~~
遂に迎えた昼休み。昼休みをこれ程までに、来ないでくれと願ったことは無い。
蓮は歯を磨いていたので、僕も歯磨きを済ましてから話し掛けようと思った。
歯磨きをし始めて数分が経ち、うがいの為に席を立った。タイミング良く蓮もうがいに行くようだ。
これはチャンス到来だ。見逃す訳には行かない。席に座られてしまうと、話し掛けづらいからね。
水道でうがいを終わらせ、隣に居た蓮に話し掛けた。
……まるで、蓮も僕に用事があるような雰囲気だ。
「蓮、昼休みに話したいことがあるんだ。良い?」
「急になんだよ?別に良いけどさ」
雰囲気や喋り方はいつも通りだ。でも、蓮の目は僕に対して敵意を示してるようだった。
「じゃあ……」
やはり、一番人気がないと言えば調理室前ぐらいしか思い付かない。
「調理室前で話さない?」
「遠いな。まぁ、わかったよ」
何とか誘うことは出来た。朝にあんな事を言い合ったのに、蓮は何とも無いのだろうか?
取り繕っている言われればそうかもしれないが、不自然さがなくて、なんだか怖いな。
僕は教室に向かう蓮の背中を少しの間見つめていた。
「さて……僕も行かないとな」
この変な気持ちを振り払うようにあえて声に出して言った。
僕も教室に戻り、歯ブラシなどを片付けて調理室に向かった。
~~~~
階段を降り終え、調理室の方を見るとすでに蓮が居た。
少し思ってしまった。
………もしかしたら、和解出来るんじゃないかって。
蓮も特に気にしてる素振りはなかった。
僕も出来ることならば言い争いたくは無い。穏便に済ます事ができるならば、それに越したことは無い。
「早かったね、蓮」
「…………」
「??」
さっきまでの雰囲気は蓮には無かった。ただただこちらを睨み付けてくる。
この状況に理解が追い付かなかった。
無言でこちらを威圧してくる蓮に、さすがに苛立ちを覚えた。
「言いたいことであるの?」
呼び出したのは僕の方だが、和解はもちろん、香菜の話題なんて出したくなかった。
「お前があるじゃねぇのか?」
その態度が癪に障る。さっきの態度の面影は完全にない。
そっちがその気ならば僕も容赦はしない。もう、和解なんてしてやるもんか。
「あぁ。あるよ。蓮、香菜のこと好きなんだって?」
「………誰に聞いたんだ?」
「はっ。言うわけねぇだろ?」
「誰に聞いたかって聞いてんだろ?」
「!!!」
ここまでキレられるを正直思わなかった。ビビってないと言えば嘘になるほどに。
しかし、ここで引く訳にはいかないんでね。
「図星か?」
「チッ。うぜぇな……で、何が聞きたいんだよ?」
さっきとは打って変わって落ち着いている。朝もだが情緒がどうかしてるみたいだな。
この態度を見て僕はさっさとこの場を離れようと思った。
「いや、それだけ。じゃあ、何も言えない臆病者は影で僕と香菜の幸せを願っててくれ」
言いたいことを全部呑み込んでこちらを探るその態度が何ともムカついた。
僕は吐き捨てるようにそれだけ言って、去ろうとした。が、それを蓮は許さないみたいだ。
「聞き捨てならねぇな」
まぁ、食欲が出ないのはそれだけでは無いけどね。
僕は蓮の方を見ながら、どうやって話しかけるべきか迷っていた。
朝、あんな事を言われた手前で、気楽に話し掛けることは難しい。
「げっ……」
今日の野菜にはピーマンが入ってるみたいだ。食べるまで気が付かなった。
僕はあまりピーマンが好きじゃない。いや、嫌いだ。
なんだか今日はあまり運がないというか、ツイてないと言うか。
ふと、僕は視線を上げた。何気なくだった。何となく視線を上げた。
蓮がこちらを見ていた。すぐに前に向き直したが、確かに僕の方を見ていた。
言っては悪いが、とてつもなくホラーだった。あんな視線を受け続けるのは少しばかり辛い。
なるべくはやく、迅速にことを片付けるべきだ。話の掛け方に気を遣っている場合ではないようだ。
昨日までは普通だったのに、何が蓮をあんなにしたんだ?ただの嫉妬にしては、度を超えてる気がするけど……。
どれだけ考えても答えは見つかりそうにないな。
僕は勢いでピーマンを口に放り込んだ。
気分はこの上なく最悪だ。でも、良い薬になった。僕はもう退かない。
今日、ケリをつけてやる。
~~~~
遂に迎えた昼休み。昼休みをこれ程までに、来ないでくれと願ったことは無い。
蓮は歯を磨いていたので、僕も歯磨きを済ましてから話し掛けようと思った。
歯磨きをし始めて数分が経ち、うがいの為に席を立った。タイミング良く蓮もうがいに行くようだ。
これはチャンス到来だ。見逃す訳には行かない。席に座られてしまうと、話し掛けづらいからね。
水道でうがいを終わらせ、隣に居た蓮に話し掛けた。
……まるで、蓮も僕に用事があるような雰囲気だ。
「蓮、昼休みに話したいことがあるんだ。良い?」
「急になんだよ?別に良いけどさ」
雰囲気や喋り方はいつも通りだ。でも、蓮の目は僕に対して敵意を示してるようだった。
「じゃあ……」
やはり、一番人気がないと言えば調理室前ぐらいしか思い付かない。
「調理室前で話さない?」
「遠いな。まぁ、わかったよ」
何とか誘うことは出来た。朝にあんな事を言い合ったのに、蓮は何とも無いのだろうか?
取り繕っている言われればそうかもしれないが、不自然さがなくて、なんだか怖いな。
僕は教室に向かう蓮の背中を少しの間見つめていた。
「さて……僕も行かないとな」
この変な気持ちを振り払うようにあえて声に出して言った。
僕も教室に戻り、歯ブラシなどを片付けて調理室に向かった。
~~~~
階段を降り終え、調理室の方を見るとすでに蓮が居た。
少し思ってしまった。
………もしかしたら、和解出来るんじゃないかって。
蓮も特に気にしてる素振りはなかった。
僕も出来ることならば言い争いたくは無い。穏便に済ます事ができるならば、それに越したことは無い。
「早かったね、蓮」
「…………」
「??」
さっきまでの雰囲気は蓮には無かった。ただただこちらを睨み付けてくる。
この状況に理解が追い付かなかった。
無言でこちらを威圧してくる蓮に、さすがに苛立ちを覚えた。
「言いたいことであるの?」
呼び出したのは僕の方だが、和解はもちろん、香菜の話題なんて出したくなかった。
「お前があるじゃねぇのか?」
その態度が癪に障る。さっきの態度の面影は完全にない。
そっちがその気ならば僕も容赦はしない。もう、和解なんてしてやるもんか。
「あぁ。あるよ。蓮、香菜のこと好きなんだって?」
「………誰に聞いたんだ?」
「はっ。言うわけねぇだろ?」
「誰に聞いたかって聞いてんだろ?」
「!!!」
ここまでキレられるを正直思わなかった。ビビってないと言えば嘘になるほどに。
しかし、ここで引く訳にはいかないんでね。
「図星か?」
「チッ。うぜぇな……で、何が聞きたいんだよ?」
さっきとは打って変わって落ち着いている。朝もだが情緒がどうかしてるみたいだな。
この態度を見て僕はさっさとこの場を離れようと思った。
「いや、それだけ。じゃあ、何も言えない臆病者は影で僕と香菜の幸せを願っててくれ」
言いたいことを全部呑み込んでこちらを探るその態度が何ともムカついた。
僕は吐き捨てるようにそれだけ言って、去ろうとした。が、それを蓮は許さないみたいだ。
「聞き捨てならねぇな」
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