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第1章 僕の子供が神ってマジですか?
3話 揶揄われる
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僕たちは他愛も無い会話をしながら学校へと向かっていると、いつの間にか、学校がうっすらと見えてきた。
「あぁ……チャリが欲しい……」
「この距離なら……徒歩の方が便利だと思うし」
チャリがあれば登校はしやすいだろうけど、動きづらそうだし。
僕は何気なく昂也にあることを聞いた。自分の状況故に無意識だった。
「昂也は好きな人とか居ないの?」
こういう質問はなんだか気恥ずかしくて、昂也の方を見ながら聞くことが出来ず、僕は前を見続けた。
「い、居ない居ない!そんなもん居ないよ!」
「お、そ、そうか!」
急にあたふたし始めてびっくりした。
そんなに驚くほどだっただろうか。
昂也は僕の様子を見て、付け加えるように更に言葉を並べた。それはあまりにも早口で、僕は目を大きくしてしまった。
「居ないから!?絶対だぞ?誰にも言うなよ?オレにその話をするなよ?ホントに居ないからな!?」
「……………」
呆気に取られいた僕を見て昂也は更に焦り始めていた。
僕はそんな昂也の様子がおかしくて、つい笑ってしまった。
「おまっ!笑うなよ!」
「ご、ごめんって……そんなに言わなくても伝わってるって」
さっきの昂也を思い出したらまた笑いが込み上げてきた。
「そんなに………」
昂也が何か言おうとした時、後ろから声が聞こえた。
「あっ。これはこれは……昨日付き合い始めた魁斗くんじゃん!」
「ホントやん。まさか、朝から会うとは」
「…………」
クラスメイトのほとんどの人はあの事実を知ってるのだろう。
僕はその二人組の方を見るついでに昂也の方を軽く見た。
昂也は少し困った顔で何を考えていた。昨日言ったことについて、しっかり考えてるみたいだ。
そんな姿を見るとなんだか嬉しかった。しかし、考えたところで何も変わりはしなかった。
中学一年ともなると二つのグループに分かられる。
下ネタを知ってるグループと知らないグループに。
この二人は教室でもかなりのお調子者で、下ネタもかなり知ってる、らしい。
「彼女居るとか羨ましいな。ヤリ放題やん」
「……!!」
「おいっ!」
僕はそんな事を言われるとは思っておらず、驚きで動揺が隠せなかった。
「じゃあな。また教室でな」
そう言って二人は去っていった。
僕はなんとも言えない複雑な気持ちだった。そんな邪な思いで付き合った訳じゃない……。
ふと、こんな事を思った。
みんな、僕たちのことをそういう風に見てるのではないか、と。
そう思うと、なんだか付き合ってるという事実を広げたくない。自分は違うと否定したかった。
「き、気にすんなよ……ただの戯言だろ?」
「そ、そう……だよね」
僕の頭はいつの間にか、言い訳だけを並べるようになっていた。
でも、だんだん何もかも良くなって、最低なことを思いついてしまった。
……………………別れよう、と。
「あぁ……チャリが欲しい……」
「この距離なら……徒歩の方が便利だと思うし」
チャリがあれば登校はしやすいだろうけど、動きづらそうだし。
僕は何気なく昂也にあることを聞いた。自分の状況故に無意識だった。
「昂也は好きな人とか居ないの?」
こういう質問はなんだか気恥ずかしくて、昂也の方を見ながら聞くことが出来ず、僕は前を見続けた。
「い、居ない居ない!そんなもん居ないよ!」
「お、そ、そうか!」
急にあたふたし始めてびっくりした。
そんなに驚くほどだっただろうか。
昂也は僕の様子を見て、付け加えるように更に言葉を並べた。それはあまりにも早口で、僕は目を大きくしてしまった。
「居ないから!?絶対だぞ?誰にも言うなよ?オレにその話をするなよ?ホントに居ないからな!?」
「……………」
呆気に取られいた僕を見て昂也は更に焦り始めていた。
僕はそんな昂也の様子がおかしくて、つい笑ってしまった。
「おまっ!笑うなよ!」
「ご、ごめんって……そんなに言わなくても伝わってるって」
さっきの昂也を思い出したらまた笑いが込み上げてきた。
「そんなに………」
昂也が何か言おうとした時、後ろから声が聞こえた。
「あっ。これはこれは……昨日付き合い始めた魁斗くんじゃん!」
「ホントやん。まさか、朝から会うとは」
「…………」
クラスメイトのほとんどの人はあの事実を知ってるのだろう。
僕はその二人組の方を見るついでに昂也の方を軽く見た。
昂也は少し困った顔で何を考えていた。昨日言ったことについて、しっかり考えてるみたいだ。
そんな姿を見るとなんだか嬉しかった。しかし、考えたところで何も変わりはしなかった。
中学一年ともなると二つのグループに分かられる。
下ネタを知ってるグループと知らないグループに。
この二人は教室でもかなりのお調子者で、下ネタもかなり知ってる、らしい。
「彼女居るとか羨ましいな。ヤリ放題やん」
「……!!」
「おいっ!」
僕はそんな事を言われるとは思っておらず、驚きで動揺が隠せなかった。
「じゃあな。また教室でな」
そう言って二人は去っていった。
僕はなんとも言えない複雑な気持ちだった。そんな邪な思いで付き合った訳じゃない……。
ふと、こんな事を思った。
みんな、僕たちのことをそういう風に見てるのではないか、と。
そう思うと、なんだか付き合ってるという事実を広げたくない。自分は違うと否定したかった。
「き、気にすんなよ……ただの戯言だろ?」
「そ、そう……だよね」
僕の頭はいつの間にか、言い訳だけを並べるようになっていた。
でも、だんだん何もかも良くなって、最低なことを思いついてしまった。
……………………別れよう、と。
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