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第1章 僕の子供が神ってマジですか?
2話 良い一日へ 2
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いつもの通学路が鮮やかに見える。今ならば何をやっても上手く行きそうな、自分が自分じゃないような……。
付き合った人はみんなこんな風になるのだろうか?
周りの人に付き合っているというのは聞いたことがないので、実際のところはどうなのか……。
「よっ。おはよ」
「ん?昂也か。おはよ」
ほぼ毎日、登校中に会う。別に約束していた訳じゃないが、家が近いから顔を合わせる機会が多いと僕はそう解釈してる。
「そういやさ」
「ん?」
「お前の家の隣の家。明日から人が住むらしいよ」
「そうなの?」
そろそろ人が住むとは思っていたけれど、想像以上に早かったな。
「噂によるとさ」
「噂?」
「あぁ。なんでも、あの海藤さんが越してくるらしいよ」
「あの海藤?」
生憎と、僕の知人でみんなが知ってるような人は居ない……という訳でもないが、有り得ない。
あいつは外国に行ってるらしいし。連絡も取り合ってるが、そんな話題は出ていない。
「えっ?知らない?」
「わからないに決まってるだろ?」
不機嫌めに言い放った。生憎と人の心を読むことは出来ないので。
「海藤零さんだよ?!」
海藤、零だと!?まさか、本当に……。
「ここまで言えばわかるだろ?さすがに……」
「あ、あぁ……まぁな」
偶然か?それても……。
「にしても、海藤さんを知らないなんて……」
「そ、そんなに驚くか?」
確かに有名だが、知らない人は知らないと思う。
こんなことを思っている僕の心を見透かしてか、昂也は呆れたような顔をしてきた。
「じゃあさ。浜枝さん達は知ってる?」
「……っ!!まぁ、それなら……」
急に苗字を呼びれて驚いたが、両親の事だということはすぐに分かった。
僕の両親が芸能人だと言うことは誰にも言っていない。
「気のせいかもしれないんだけど」
「ん?」
「妙に似てるよね。苗字も同じだし。もしかして……」
背筋がゾッとした。冷や汗が止まらない。知られて困ることは無い。でも、今更知られるのはなんだか、気分が良くない。
「なんてね。身近に芸能人がいれば良いなって話」
「そ、そうだね」
これはどう解釈すれば良いのか……。本当にそう思ってるか?何かに勘づいたんじゃ……。
変な雰囲気が漂った。しかし、それも一瞬だった。
「今日から忙しくなるよ」
「ん?なんで?」
「だってよ……いや、なんでもない」
「気になるじゃん」
さっきとは打って変わって、周囲の雰囲気が和んだ。僕は自然の笑みを零していた。それは、昂也も一緒だった。
「良い一日になると良いな」
「だね……」
学校に行くのが楽しみなのか、僕たちの歩みは自然といつもよりも早かった。
付き合った人はみんなこんな風になるのだろうか?
周りの人に付き合っているというのは聞いたことがないので、実際のところはどうなのか……。
「よっ。おはよ」
「ん?昂也か。おはよ」
ほぼ毎日、登校中に会う。別に約束していた訳じゃないが、家が近いから顔を合わせる機会が多いと僕はそう解釈してる。
「そういやさ」
「ん?」
「お前の家の隣の家。明日から人が住むらしいよ」
「そうなの?」
そろそろ人が住むとは思っていたけれど、想像以上に早かったな。
「噂によるとさ」
「噂?」
「あぁ。なんでも、あの海藤さんが越してくるらしいよ」
「あの海藤?」
生憎と、僕の知人でみんなが知ってるような人は居ない……という訳でもないが、有り得ない。
あいつは外国に行ってるらしいし。連絡も取り合ってるが、そんな話題は出ていない。
「えっ?知らない?」
「わからないに決まってるだろ?」
不機嫌めに言い放った。生憎と人の心を読むことは出来ないので。
「海藤零さんだよ?!」
海藤、零だと!?まさか、本当に……。
「ここまで言えばわかるだろ?さすがに……」
「あ、あぁ……まぁな」
偶然か?それても……。
「にしても、海藤さんを知らないなんて……」
「そ、そんなに驚くか?」
確かに有名だが、知らない人は知らないと思う。
こんなことを思っている僕の心を見透かしてか、昂也は呆れたような顔をしてきた。
「じゃあさ。浜枝さん達は知ってる?」
「……っ!!まぁ、それなら……」
急に苗字を呼びれて驚いたが、両親の事だということはすぐに分かった。
僕の両親が芸能人だと言うことは誰にも言っていない。
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「ん?」
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これはどう解釈すれば良いのか……。本当にそう思ってるか?何かに勘づいたんじゃ……。
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「ん?なんで?」
「だってよ……いや、なんでもない」
「気になるじゃん」
さっきとは打って変わって、周囲の雰囲気が和んだ。僕は自然の笑みを零していた。それは、昂也も一緒だった。
「良い一日になると良いな」
「だね……」
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