僕の子供は現在神のようです

捌素人

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プロローグ

プロローグ 6

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「回りくどいのは嫌いだから、単刀直入に言う」

 陽太は丸机の上に両肘を置き、両手の指を交差させて、こちら側に少し前のめりになった。

「何がきっかけなん?」

 まぁ、想定内の質問だ。僕はワザと天井の方を向き、考える素振りを見せた。

 少しの間を置いて、陽太たちの方に目を移した。

「まぁ、接点が多かったって言うのが一番かな」
「あぁ。確かに……」

 陽太が何かを言おうとした時、陽太のスマホからメッセージの着信音がなった。

「はぁ……いい所やったのに」

 渋々と言う雰囲気を出しながらスマホを手に取り、メッセージの内容を確認する陽太。メッセージを見た瞬間、陽太は声に出せないぐらい、何かに驚いていた。

「どうかしたのか、陽太?」

 そんな様子が気になった昂也は陽太に話し掛けた。

「これ、これ!」

 そこには、香菜と翔と蓮、どこかで見た事のある少女……香菜の友人である葵が居た。

 僕と昂也、陽太の三人はその写真を見て、息を飲んだ……。

 一度、噂で聞いたことがあった。僕たちの学年でモデルにスカウトされた人が居ると。

 その時、僕は信じていなかった。しかし、この写真を見て信じるしか無かった。

 いつもは分厚いメガネとクセっ毛で、はっきりと顔を見る機会がなかった。

 しかし、メガネを外して髪を整えた姿は綺麗という感想以外出てこなかった。危うげであり儚そう。触れることすら憚られる。幻想的で異様な雰囲気を纏った少女。

 ここに居る三人は似たようなことを思ったと思う。本当に自分たちの知る人物なのか、と。

「………自慢かよ」

 一番早く正常に戻った陽太はそんな事を漏らした。

 それは、彼女に対してではなく、メッセージの送り主に対してだと、直感でわかった。

「こ、これ……」

 昂也も意識が戻り始めてように、喋り始めた。

「うん……多分、葵ちゃんだよね?」

 これほどの美人とは知らなかった。前に送り主と思われる翔と蓮が肩を組みながら映っていた。

 付け足したように、『塾に行く途中で会った』と書かれていた。

 後ろには遠慮気味の葵と香菜が映っていた。葵の存在感に二人は圧倒されていた。確かに僕も彼女に見入ってしまった。

 しかし、僕の視線の先は香菜だった。確かに葵は美人だと思う。でも、香菜もなかなか可愛いと思う。

 なんなら、僕視点では香菜の方が何倍を可愛く見えて……。本人の前ならば、絶対に言えないような事をいくつも思い付いてしまう。

 陽太は意を決したように電源ボタンを押した。すると、スマホの画面は真っ黒になり、たちまち僕らの顔が陽太の手にあるスマホに映し出された。

 それで僕らは現実に戻ったみたいだ。

「これ以上は……本当にヤバい」

 顔を手で覆いながらそんな事を漏らしていた。

 僕も香菜の可愛いさにため息が零れてしまいそうだ。

「魁……」
「ん?」
「葵にまで手を出すなよ?」
「ば、バカ!そんなことするわけねぇだろ!?」

 咄嗟に出た言葉だった。僕は赤面を晒しながら必死に抗議した。

 確かに葵は魅力的だ。でも、僕からしたら何倍も香菜の方が……。

 さっきから僕は何を考えるんだ!?頭の片隅になぜか、香菜の顔が浮かんでしまう。

「まぁ、お前は昔から香菜一択だもんな」

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