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プロローグ
プロローグ 5
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「はぁ……何やってんだよ、昂也の奴は」
自分の家に荷物を置いてから陽太の家に向かった。
道中で昂也からメッセージが来た。
『陽太の家ってどこだっけ?』
現在地も一緒に送られてきた。昂也の家の位置を考えると陽太の家から反対の方向に向かっていた。
方向音痴のレベルではないと思う。
僕はため息を一つ漏らしながら、最寄りの公園に待ってるように伝えた。
その後、陽太にも遅れるという主旨の内容のメッセージを送った。
~~~~
昂也が待っているであろう公園に着くと、一人寂しくブランコを漕いでいる姿があった。
遊具はジャングルジムとブランコ、砂場に滑り台など、一般的な公園だ。
僕は公園の近くにある自動販売機でお茶を二本買った。
そこまで遠くないとは言え、夏と言うことで、この距離を歩いただけでも相当暑い。
「ここで何してんだ?」
僕はそう声を掛けながら昂也に近付いた。その声で気付いたのか、昂也がこちらを見てきた。
「……遅かったじゃねぇか」
雰囲気からして、相当まいってるようだ。まぁ、この暑さの中でずっと待っているのもツラいだろう。
「ほら。お茶」
「おっ。サンキュ」
物凄い早さでお茶を飲み干していく。ペットボトル一本分を一分足らずで全て飲んでしまった。
これには流石に驚きが隠せず、ポカンとしてると、バツが悪そうに、頭をポリポリとかきながら、僕の方を見てきた。
「……行こう」
「そうだな」
~~~~
他愛のない会話をしながら陽太の家に向かった。そうしてる内に、いつの間にか陽太の家が見えてきた。
都会とも田舎とも言えない場所。高層ビルなどは無いが、大きいショッピングモールや駅などは近場にあったりと、色々と便利な部分もある。
もうすぐ三時を回りそうなぐらいだ。一時間近く外を歩いていたことになる。
「ここが陽太の家なのか?」
白を基調とした大きな家だ。周りの家と比べて、ひと回りとまではいかなくとも、他の家よりも大きい。
初見では驚くのも仕方がない。僕も初めて来た時は驚きを隠せなかった。隣に居た陽太は苦笑いを浮かべていたことを今も鮮明に覚えている。
「インターホン、押して大丈夫だよな?」
「何怖気付いてんだ?」
まぁ、この大きさに圧倒されるのは分からなくもないが、そこまでの事だろうか?
炎天下に晒され続け、暑すぎて干からびそうだ。
「サクッと入ろう。もう死にそうだ」
「そ、そうだな」
たどたどしくインターホンを押した昂也。ソワソワしていて落ち着きがないように見える。
そんな昂也を見ていると、こっちは逆にどんどん冷静になってくる。
「おっ。良く来たな。まぁ、外は暑いだろ?入れ入れ」
二階の窓からこちらを覗いてきた陽太は手招きしながら言った。
そのあと、姿を消したと思ったら、ドアが開いた。
「遅かったな。翔と蓮は塾で来れないってよ」
「そうなのか?まぁ、それならしょうがないな」
僕としては、正直人が少ない方が良かった。大勢だと緊張しすぎるかもしれないから。
陽太の家の玄関に足を踏み入れた瞬間、僕と昂也はその涼しさに目を細めた。
少しの間その場に突っ立っていると、陽太が呆れたような表情を見せた。
「暑かったのは分かるが……そんなにか?」
反論しようと思ったが、面倒だったので、黙秘を続けた。
その姿を見ていられなくなったかのか、陽太は二階に手招きをしながら上がって行った。
昂也と僕はそれに続いて、靴を脱いだあと、陽太の後ろに着いて行ったら。
二階の廊下や二階に続く階段では冷房があまり効いていなかった。しかし、外と比べれば全然マシだった。
「俺の部屋はいつも通りだから、姉さんの部屋に行こうぜ。取り敢えず許可は貰ってっから」
「………いつも通り?」
そうだった。昂也は陽太の家に来るのは初めてだったな。
「陽太の部屋はゴミ屋敷も同然なんだ」
「……へ?」
「いろんな参考書やら辞書やらで、足の踏み場がないんだよ」
一度見せてもらったが、あれは人が住める環境ではなかった。
ベッドの上にも参考書が散漫していた。
「そう言うな。しょうがないんだよ。部屋がちっちゃいからよ」
確かに、家全体を見たあとだと小さく思えるが、言うほど小さくは無いと思う。
なんなら、中学生が一人で過ごすぐらいなら、広いとすら思う。
「まぁ、自分の部屋じゃねぇが、遠慮は要らねぇ。入れ入れ」
お姉さんの部屋のドアを陽太が開けた時、女子特有の甘い香りが鼻をくすぐった。
チラリと見えたお姉さんの部屋は陽太の部屋とは天と地ほどの差があった。
基本的に陽太の両親は午後九時頃の帰宅だから、リビングで遊ぶことが多い。
しかし、今回はお姉さんの部屋だった。理由は知らないが、何か意図があると思う……。
「ほら、お前らの分の座布団だ」
丸机を囲むようにして座布団の上に座った三人。
「じゃあ、本題と行こうか」
ついにか……。
自分の家に荷物を置いてから陽太の家に向かった。
道中で昂也からメッセージが来た。
『陽太の家ってどこだっけ?』
現在地も一緒に送られてきた。昂也の家の位置を考えると陽太の家から反対の方向に向かっていた。
方向音痴のレベルではないと思う。
僕はため息を一つ漏らしながら、最寄りの公園に待ってるように伝えた。
その後、陽太にも遅れるという主旨の内容のメッセージを送った。
~~~~
昂也が待っているであろう公園に着くと、一人寂しくブランコを漕いでいる姿があった。
遊具はジャングルジムとブランコ、砂場に滑り台など、一般的な公園だ。
僕は公園の近くにある自動販売機でお茶を二本買った。
そこまで遠くないとは言え、夏と言うことで、この距離を歩いただけでも相当暑い。
「ここで何してんだ?」
僕はそう声を掛けながら昂也に近付いた。その声で気付いたのか、昂也がこちらを見てきた。
「……遅かったじゃねぇか」
雰囲気からして、相当まいってるようだ。まぁ、この暑さの中でずっと待っているのもツラいだろう。
「ほら。お茶」
「おっ。サンキュ」
物凄い早さでお茶を飲み干していく。ペットボトル一本分を一分足らずで全て飲んでしまった。
これには流石に驚きが隠せず、ポカンとしてると、バツが悪そうに、頭をポリポリとかきながら、僕の方を見てきた。
「……行こう」
「そうだな」
~~~~
他愛のない会話をしながら陽太の家に向かった。そうしてる内に、いつの間にか陽太の家が見えてきた。
都会とも田舎とも言えない場所。高層ビルなどは無いが、大きいショッピングモールや駅などは近場にあったりと、色々と便利な部分もある。
もうすぐ三時を回りそうなぐらいだ。一時間近く外を歩いていたことになる。
「ここが陽太の家なのか?」
白を基調とした大きな家だ。周りの家と比べて、ひと回りとまではいかなくとも、他の家よりも大きい。
初見では驚くのも仕方がない。僕も初めて来た時は驚きを隠せなかった。隣に居た陽太は苦笑いを浮かべていたことを今も鮮明に覚えている。
「インターホン、押して大丈夫だよな?」
「何怖気付いてんだ?」
まぁ、この大きさに圧倒されるのは分からなくもないが、そこまでの事だろうか?
炎天下に晒され続け、暑すぎて干からびそうだ。
「サクッと入ろう。もう死にそうだ」
「そ、そうだな」
たどたどしくインターホンを押した昂也。ソワソワしていて落ち着きがないように見える。
そんな昂也を見ていると、こっちは逆にどんどん冷静になってくる。
「おっ。良く来たな。まぁ、外は暑いだろ?入れ入れ」
二階の窓からこちらを覗いてきた陽太は手招きしながら言った。
そのあと、姿を消したと思ったら、ドアが開いた。
「遅かったな。翔と蓮は塾で来れないってよ」
「そうなのか?まぁ、それならしょうがないな」
僕としては、正直人が少ない方が良かった。大勢だと緊張しすぎるかもしれないから。
陽太の家の玄関に足を踏み入れた瞬間、僕と昂也はその涼しさに目を細めた。
少しの間その場に突っ立っていると、陽太が呆れたような表情を見せた。
「暑かったのは分かるが……そんなにか?」
反論しようと思ったが、面倒だったので、黙秘を続けた。
その姿を見ていられなくなったかのか、陽太は二階に手招きをしながら上がって行った。
昂也と僕はそれに続いて、靴を脱いだあと、陽太の後ろに着いて行ったら。
二階の廊下や二階に続く階段では冷房があまり効いていなかった。しかし、外と比べれば全然マシだった。
「俺の部屋はいつも通りだから、姉さんの部屋に行こうぜ。取り敢えず許可は貰ってっから」
「………いつも通り?」
そうだった。昂也は陽太の家に来るのは初めてだったな。
「陽太の部屋はゴミ屋敷も同然なんだ」
「……へ?」
「いろんな参考書やら辞書やらで、足の踏み場がないんだよ」
一度見せてもらったが、あれは人が住める環境ではなかった。
ベッドの上にも参考書が散漫していた。
「そう言うな。しょうがないんだよ。部屋がちっちゃいからよ」
確かに、家全体を見たあとだと小さく思えるが、言うほど小さくは無いと思う。
なんなら、中学生が一人で過ごすぐらいなら、広いとすら思う。
「まぁ、自分の部屋じゃねぇが、遠慮は要らねぇ。入れ入れ」
お姉さんの部屋のドアを陽太が開けた時、女子特有の甘い香りが鼻をくすぐった。
チラリと見えたお姉さんの部屋は陽太の部屋とは天と地ほどの差があった。
基本的に陽太の両親は午後九時頃の帰宅だから、リビングで遊ぶことが多い。
しかし、今回はお姉さんの部屋だった。理由は知らないが、何か意図があると思う……。
「ほら、お前らの分の座布団だ」
丸机を囲むようにして座布団の上に座った三人。
「じゃあ、本題と行こうか」
ついにか……。
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