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5章 最悪の詰め合わせルート
5話 最悪の詰め合わせルート 5
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「アドレナリンが切れてきたか………はぁ……」
どさ。
くそっ。今更痛くなってきやがった。壁に寄り掛かるしかないとはな。どちらにしろ、もう動けない。けどなぁ………このまま逃げるのは男が廃ると言うものだ。
「……………行くか」
別に零と戦う訳ではない。階段を下がって美紗たちがいる部屋に入り話をしてから帰る。簡単だろ?
「ふぅぅ……………」
よし!いくぜ!
「………痛ったぁぁぁぁああああ!!!!」
はぁ、はぁ………。や、ヤバイぞ。予想以上に損害がでかかったみたいだ。
「ふぅぅ……………」
よし!いくぜ!
「ぃっ…………!!!」
ズキズキしやがる。
「はぁ、はぁ……はぁ……」
壁を伝って行かなきゃいけんとはな。
階段なんて、地獄でしかない。
「はぁあ…………」
なんとか降りることができた。死ぬかと思った。
ここまで来れば、もうそろそろだ。
「頑張れ!」
なんで廊下はこんなに長いんだよ。設計ミスしてるって。こんな長い廊下に意味なんてないから。今すぐこの廊下を縮めろ。じゃないと僕の命が縮む。
走れれば良いのになぁ。身体的障害がある人って凄い不自由なんだと思う。
「やっと、ここかぁ」
なんとか突き当たりまで来た。あともう少しだ。
なんだろうか。とてもドアが大きく見える。気にするだけ無駄か。
ガラッ!
「やぁ、二人とも」
「「………………………」」
「ん?なんだい?」
ヤバイ。二人の反応が思いの外面白いぞ。なんで、ヤってる途中で、えっ?って顔をすんだよ。あれだ。シュールだ。
「か、凱くん、なの?」
「ん?あぁ」
なんだか、申し訳無いなような気がしてきた……。出るか。
「すまんな。お楽しみ中に………邪魔者は出るとするよ。まぁ、僕が言うのはあれだけど、楽しんで?」
「ま、待って、凱くん!」
「えっと……………取り敢えずさ、服を着ないかい?」
こちらが恥ずかしいんだよね……。
「……////////」
「零も、着たら?」
「……………そうするよ」
痛いなぁ。どうやったらこの痛みを和らげることが出来るのだろうか。
「ごめんね、あんな姿を見せっちゃって………」
「いや、僕は気にしてないよ。僕の方こそ、ごめんね?二人がああいう関係とは知らずに………ただの婚約者だとばかり……まぁ、二人が了承した上でのことだろうし、外野である僕がとやかく言う義理はないし」
「…………」
「…………」
「まぁ、その……取り敢えず、僕は帰るよ。最後に美紗の顔を見たかっただけだから。じゃあね」
「凱くん………最後って?」
「ん?どうもこうも、ねぇ?二人は、その………愛し合ってたし……僕が居ると邪魔だろ?」
恥ずかしいこと言わせないでよね!ちょっと気持ちを汲んでくれても良いんじゃないか?僕がどんな気持ちでここを離れようとしてるのか、とかさ。
「私は凱くんが…………好き、なの」
「そう?それで、なにか?」
僕自身、あまり余裕がない。美紗のあんな姿や顔を見た後だと、やはり、美紗を好きだと言う気持ちが出てくる。それでも、この感情は二人にとって邪魔だから僕は我慢する。
「少し、素っ気ないんじゃないか?美紗の気持ちをもう少し考えたらどうだ?」
「おっと、すまない。彼氏の前では猫ぐらい被らないとな」
こんな嫌味しか言えなくなるとはな。自分自身が嫌になる。
「そんな言い方は無いんじゃないか?」
「ごめんな。実は零のお父さんと少し喧嘩してたんだ。それで余裕がなくてな。まぁ、美紗の顔を見たくて来てみたんだよ。そろそろ本格的に痛んできたから、帰らせてもらうよ」
「美紗の彼氏は、君じゃないのか?」
「はぁ?寝言を言ったんじゃないだろう?あんな激しいものを見せたあとで、恋人じゃないって?君たち、セフレなの?」
「そ、そんなんじゃないよ!」
「じゃあ、なんなんだよ?」
まぁ、知ってるけどね。どう答えるのだろうか。
「凱くんを殺すって言うから、仕方がなく………」
「そっか………」
ん?もしかして、零が言いたいことって……。
「そう言うことなのか?零?」
「ん?なにがだい?」
「つまるところ、君は彼氏ではなく………婚約者だと言いたいのか?彼氏ではなく………恋人ではなく、夫婦だと?」
「そ、そう言うことを言いたいんじゃない!」
「じゃあ、なんだよ?婚約してんだろ?」
「うぐ…………」
「私は…………凱くんだけが、好きなの!」
「はぁ……バカなの?僕………オレがお前みたいな淫乱な女を好きでいると思ってんのか?」
「……………」
すまん、美紗。でも、仕方がないんだ。許してとは言わない。けど。気持ちぐらいは汲んでほしい。
「あんなに、長く付き合ってたのにな。美紗が選んだのは……零だったんだな………」
「凱くん!」
「…………近寄んなよ………」
「…………!!!」
「じゃあな」
はぁ………なんで最後の最後に泣いてるんだよ、オレ………。ただの女々しい野郎になっちまうだろ……。睨んではみたものの、凱の睨みの効果はイマイチのようだ、って。
「はぁ………最悪」
~~~~~~~~~~~~~~~
これで、完結…………とはなりません!あと1話あります!そしたら、次の章に移らせていただきます。
長くなってすみません!
面白いと思っていただけたらこれからもよろしくお願いします。
どさ。
くそっ。今更痛くなってきやがった。壁に寄り掛かるしかないとはな。どちらにしろ、もう動けない。けどなぁ………このまま逃げるのは男が廃ると言うものだ。
「……………行くか」
別に零と戦う訳ではない。階段を下がって美紗たちがいる部屋に入り話をしてから帰る。簡単だろ?
「ふぅぅ……………」
よし!いくぜ!
「………痛ったぁぁぁぁああああ!!!!」
はぁ、はぁ………。や、ヤバイぞ。予想以上に損害がでかかったみたいだ。
「ふぅぅ……………」
よし!いくぜ!
「ぃっ…………!!!」
ズキズキしやがる。
「はぁ、はぁ……はぁ……」
壁を伝って行かなきゃいけんとはな。
階段なんて、地獄でしかない。
「はぁあ…………」
なんとか降りることができた。死ぬかと思った。
ここまで来れば、もうそろそろだ。
「頑張れ!」
なんで廊下はこんなに長いんだよ。設計ミスしてるって。こんな長い廊下に意味なんてないから。今すぐこの廊下を縮めろ。じゃないと僕の命が縮む。
走れれば良いのになぁ。身体的障害がある人って凄い不自由なんだと思う。
「やっと、ここかぁ」
なんとか突き当たりまで来た。あともう少しだ。
なんだろうか。とてもドアが大きく見える。気にするだけ無駄か。
ガラッ!
「やぁ、二人とも」
「「………………………」」
「ん?なんだい?」
ヤバイ。二人の反応が思いの外面白いぞ。なんで、ヤってる途中で、えっ?って顔をすんだよ。あれだ。シュールだ。
「か、凱くん、なの?」
「ん?あぁ」
なんだか、申し訳無いなような気がしてきた……。出るか。
「すまんな。お楽しみ中に………邪魔者は出るとするよ。まぁ、僕が言うのはあれだけど、楽しんで?」
「ま、待って、凱くん!」
「えっと……………取り敢えずさ、服を着ないかい?」
こちらが恥ずかしいんだよね……。
「……////////」
「零も、着たら?」
「……………そうするよ」
痛いなぁ。どうやったらこの痛みを和らげることが出来るのだろうか。
「ごめんね、あんな姿を見せっちゃって………」
「いや、僕は気にしてないよ。僕の方こそ、ごめんね?二人がああいう関係とは知らずに………ただの婚約者だとばかり……まぁ、二人が了承した上でのことだろうし、外野である僕がとやかく言う義理はないし」
「…………」
「…………」
「まぁ、その……取り敢えず、僕は帰るよ。最後に美紗の顔を見たかっただけだから。じゃあね」
「凱くん………最後って?」
「ん?どうもこうも、ねぇ?二人は、その………愛し合ってたし……僕が居ると邪魔だろ?」
恥ずかしいこと言わせないでよね!ちょっと気持ちを汲んでくれても良いんじゃないか?僕がどんな気持ちでここを離れようとしてるのか、とかさ。
「私は凱くんが…………好き、なの」
「そう?それで、なにか?」
僕自身、あまり余裕がない。美紗のあんな姿や顔を見た後だと、やはり、美紗を好きだと言う気持ちが出てくる。それでも、この感情は二人にとって邪魔だから僕は我慢する。
「少し、素っ気ないんじゃないか?美紗の気持ちをもう少し考えたらどうだ?」
「おっと、すまない。彼氏の前では猫ぐらい被らないとな」
こんな嫌味しか言えなくなるとはな。自分自身が嫌になる。
「そんな言い方は無いんじゃないか?」
「ごめんな。実は零のお父さんと少し喧嘩してたんだ。それで余裕がなくてな。まぁ、美紗の顔を見たくて来てみたんだよ。そろそろ本格的に痛んできたから、帰らせてもらうよ」
「美紗の彼氏は、君じゃないのか?」
「はぁ?寝言を言ったんじゃないだろう?あんな激しいものを見せたあとで、恋人じゃないって?君たち、セフレなの?」
「そ、そんなんじゃないよ!」
「じゃあ、なんなんだよ?」
まぁ、知ってるけどね。どう答えるのだろうか。
「凱くんを殺すって言うから、仕方がなく………」
「そっか………」
ん?もしかして、零が言いたいことって……。
「そう言うことなのか?零?」
「ん?なにがだい?」
「つまるところ、君は彼氏ではなく………婚約者だと言いたいのか?彼氏ではなく………恋人ではなく、夫婦だと?」
「そ、そう言うことを言いたいんじゃない!」
「じゃあ、なんだよ?婚約してんだろ?」
「うぐ…………」
「私は…………凱くんだけが、好きなの!」
「はぁ……バカなの?僕………オレがお前みたいな淫乱な女を好きでいると思ってんのか?」
「……………」
すまん、美紗。でも、仕方がないんだ。許してとは言わない。けど。気持ちぐらいは汲んでほしい。
「あんなに、長く付き合ってたのにな。美紗が選んだのは……零だったんだな………」
「凱くん!」
「…………近寄んなよ………」
「…………!!!」
「じゃあな」
はぁ………なんで最後の最後に泣いてるんだよ、オレ………。ただの女々しい野郎になっちまうだろ……。睨んではみたものの、凱の睨みの効果はイマイチのようだ、って。
「はぁ………最悪」
~~~~~~~~~~~~~~~
これで、完結…………とはなりません!あと1話あります!そしたら、次の章に移らせていただきます。
長くなってすみません!
面白いと思っていただけたらこれからもよろしくお願いします。
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