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4章 卑屈ルート、美紗の幸せルート、凱の超超超頑張りルート!

14話 凱の超超超頑張りルート 4

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「ん?なんだ?」
これは………消しあとか?まるで一度書き直したかのような……。
"お前の女"のところが一度書き直されてるのか。うぅん。解読は無理そうだ。
「消ゴムはおいてなかったしな」
どういうことだ?消しカスも見付けてないような気がするし……。
「いや、こんなことを気にしてる場合じゃないな」
早く支度しなければ。

「待っててね、美紗」
ガチャ。
「うん。鍵はしっかりとかけた」
父さんと母さんがどうなったのかも知りたいし、急がなければ。
「走って………一時間か」
そこまで近い訳でもないか。普通なら走ってももっと掛かるだろうね。
「ふぅ……行くか」
僕は走り出した。頭の中がクリアになる。今の脳の状態ならば色々と解決しそうだ。
まず、無音で連れ去ることができたのか………。



「やっばい……流石に死ぬ………」
肩で呼吸するという言葉がある。意味を知ったのは今が初めてだよ。実際にはどういうことを指すのか知った、ということだね。
急がなければ………でもこの状態で行ったら確実に殺られる。分からんけど。
「ふぅぅうう……はぁぁああ」
深呼吸は大事だね。
「よし」
もし何もなかったらどうしようか?子供が無断で入るということだから、かなりのリスクがある。嵌められた可能性も無くはない。普通ならあんなに丁寧なものは無いからね。
だとしても入らないという選択肢はないわけで。
「いざ行かん!」
僕は思い切りドアを開けた。自動ドアだった…………。
「ま、まぁ……慣れてないし?仕方がないよね?うんうん。しょうがない、しょうがない」
誰に言い訳するわけでもなく、独り言が漏れた。
「だ、誰も居ない?」
ここには一度来たことがある。その時にここへの行き方を知ったのだから。前回来たときは人が沢山居たのに……。
「まぁ、好都合か」
ここから先は何があるか分からない。心して行く。
エレベーターを迂闊に使うのは避けたいな。階段で行くしかないか。
「確か、こっちだったっけな」
ドアを開けると階段がある。
「………」
怪訝な面持ちとなる。
「行動を読まれていた……?」
もしかしたら、近くに人が居るかもしれない。気を付けなければ。
「取り敢えず回収するか」
この紙、どこかで……。まぁ良い。
それよりも気になるのはこの文章だ。
『聡い君ならば階段を使うよね?でもね?君だけが賢いとは限らないよ?舐めて貰っては困る』か。
警戒をするに越したことはない。
僕は対人用の武器を所持していない。つまり肉弾戦に持っていくしかない。銃などを持たれているとキツいな。けど、それは銃刀法違反で捕まるし。警戒するに越したことはないけど。最悪の場合を想定し続けなければ……対応できない。
「さてと。どんなヤロウ共が待ってるのやら」
僕は階段を静かに昇り始めた。

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面白いと思っていただけたらこれからもよろしくお願いします。
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