45 / 72
4章 卑屈ルート、美紗の幸せルート、凱の超超超頑張りルート!
4話 卑屈ルート 4
しおりを挟む
さぁて。どのようにフれば良いのか。前回はチキンな僕が逃げてしまったからなぁ。折角もらったチャンスだし、出来るだけ、真剣に向き合いたい。スッキリしてから死ぬ方が霊になる確率も低いと思うし。どこかでやっていた気がする。
「少し、寒いね」
そう言って息を手に掛ける美紗。
「そう?」
確かに、少し風が強いかもしれない。こればっかりは天候だから仕方がないか。
「手、繋がない?」
「ん?いいよ」
「ホント!?やった」
ん?そういえば、この頃の僕はあまり積極的じゃなかったなぁ。
それに色んな事をしたせいか、手を繋ぐことに何も抵抗が無い。
「美紗」
「ん?どうしたの?」
ルンルンとリズムを奏でながら歩く美紗。手を繋いだくらいでこの調子だ。とても上機嫌と言えよう。
「放課後………一緒に帰ろ?」
「……勿論だよ。シリアスな雰囲気になったからびっくりしちゃったよ」
「あははは。ごめんごめん」
前回はあんなど直球に言って、少し警戒されたところがあった。今回もそんな失態はしない。帰る途中で家に来ることを誘う。そして、家で別れるという主旨を伝える。チキンな僕でも家からは逃走できまい。まぁ、今誘っても良かったけど、急過ぎて逆に疑われそうだからね。少しでも警戒されるような言動は避けたい。
「わぁ、凄い大きいね」
「だねぇ。中学校も大きかったけど、こっちも中々大きいね」
「沢山人も居るし」
「迷子にならないでよ?」
「………そんなにおっちょこちょいに見える」
「そんなまさか。言動が少し子供だなんて思ってないよ」
「もう……それはそう思ってるってことじゃん」
「ごめんごめん。さ、行こよ」
「話題、変えようとしてない?」
「そんなことするわけ無いよ」
もうそろそろ零が出てくる筈。
毎回登場が違うからもはや神出鬼没だね。
「さっきからチラチラと、どうしたの?」
「ん?何でもないよ。少し人の動きが気になってね」
「そうなんだ?良く分からないけど」
「まぁ、僕が気に掛けてるだけだからね」
ん?来る。しっかり見ると、あっちも誰かを探してるみたいだな。
「ん?」
一瞬目が合ったような。
こっちに来る。もしかして、僕らを探していた。じゃあ、今まで偶然だと思っていた接触は、必然だった?どうして?
「やぁ」
「あ、あぁ。どうも」
なんか、馴れ馴れしいな。
「…………」
やはり、知り合いのようだ。
ここは、初対面の対応をしなければならないだろう。
「えっと……どなたで?」
「あぁ、紹介が遅れたね。俺は海藤零だよ。よろしく」
「僕は陽縞凱だよ、よろしく」
「うん。よろしく」
「…………」
「どうしたの?美紗」
「あっ……ううん。なんでもないよ、もう行かない?」
「ん?そうだね。じゃ、またね、零」
「あぁ」
さて、この後の障害にならなければ良いのだけど……。
今、気にする事じゃないか。
~~~~~~~~~~~~~~~
次回、解決して卑屈ルートも終わります。
面白いと思っていただけたらこれからもよろしくお願いします。
「少し、寒いね」
そう言って息を手に掛ける美紗。
「そう?」
確かに、少し風が強いかもしれない。こればっかりは天候だから仕方がないか。
「手、繋がない?」
「ん?いいよ」
「ホント!?やった」
ん?そういえば、この頃の僕はあまり積極的じゃなかったなぁ。
それに色んな事をしたせいか、手を繋ぐことに何も抵抗が無い。
「美紗」
「ん?どうしたの?」
ルンルンとリズムを奏でながら歩く美紗。手を繋いだくらいでこの調子だ。とても上機嫌と言えよう。
「放課後………一緒に帰ろ?」
「……勿論だよ。シリアスな雰囲気になったからびっくりしちゃったよ」
「あははは。ごめんごめん」
前回はあんなど直球に言って、少し警戒されたところがあった。今回もそんな失態はしない。帰る途中で家に来ることを誘う。そして、家で別れるという主旨を伝える。チキンな僕でも家からは逃走できまい。まぁ、今誘っても良かったけど、急過ぎて逆に疑われそうだからね。少しでも警戒されるような言動は避けたい。
「わぁ、凄い大きいね」
「だねぇ。中学校も大きかったけど、こっちも中々大きいね」
「沢山人も居るし」
「迷子にならないでよ?」
「………そんなにおっちょこちょいに見える」
「そんなまさか。言動が少し子供だなんて思ってないよ」
「もう……それはそう思ってるってことじゃん」
「ごめんごめん。さ、行こよ」
「話題、変えようとしてない?」
「そんなことするわけ無いよ」
もうそろそろ零が出てくる筈。
毎回登場が違うからもはや神出鬼没だね。
「さっきからチラチラと、どうしたの?」
「ん?何でもないよ。少し人の動きが気になってね」
「そうなんだ?良く分からないけど」
「まぁ、僕が気に掛けてるだけだからね」
ん?来る。しっかり見ると、あっちも誰かを探してるみたいだな。
「ん?」
一瞬目が合ったような。
こっちに来る。もしかして、僕らを探していた。じゃあ、今まで偶然だと思っていた接触は、必然だった?どうして?
「やぁ」
「あ、あぁ。どうも」
なんか、馴れ馴れしいな。
「…………」
やはり、知り合いのようだ。
ここは、初対面の対応をしなければならないだろう。
「えっと……どなたで?」
「あぁ、紹介が遅れたね。俺は海藤零だよ。よろしく」
「僕は陽縞凱だよ、よろしく」
「うん。よろしく」
「…………」
「どうしたの?美紗」
「あっ……ううん。なんでもないよ、もう行かない?」
「ん?そうだね。じゃ、またね、零」
「あぁ」
さて、この後の障害にならなければ良いのだけど……。
今、気にする事じゃないか。
~~~~~~~~~~~~~~~
次回、解決して卑屈ルートも終わります。
面白いと思っていただけたらこれからもよろしくお願いします。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
悪役断罪?そもそも何かしましたか?
SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。
男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。
あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。
えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。
勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
好きな人がいるならちゃんと言ってよ
しがと
恋愛
高校1年生から好きだった彼に毎日のようにアピールして、2年の夏にようやく交際を始めることができた。それなのに、彼は私ではない女性が好きみたいで……。 彼目線と彼女目線の両方で話が進みます。*全4話
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる