そしてまた、僕は君と付き合う

捌素人

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1章 プロローグ

4話 同じクラスのあなた(きみ)

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「危なかったね」
もう、間に合わないかと思ったけど、凱君って意外と足が速いし、持久力もあった。息切れもほとんどしてない。私は少し疲れた。
「こんなにお金使って大丈夫なのかな?」
「そこ?」
確かに教室も大きくて机や椅子も新品同然のよう。それにエアコンにストーブ、扇風機がある。私の小学校はストーブと扇風機だけでエアコンがなかったから新鮮過ぎるんだよねぇ。
「自動ドアでは無いみたい。この外装で無いのか」
「流石にそれは難しいと思うよ?」
ボケなのか分からないんだけど。こういう時はツッコミした方がいいのかな?
「ねぇ?ツッコんだ方がいい?」
「ん?いや。ボケた訳じゃないんだ」 
「ふふっ」
少し申し訳なさそう。私は気にしないよ?
「何かおかしかった?」
「ううん。何でもないよ。さ、ずっと教室の前に居ても仕方がないよ。入ろ?」
「そうだね。せっかく時間内に着いたのにここで会話していて遅れたなんて最悪だからね」
「うん」
ここまでに掛かった時間が二分。どちらも全力疾走に近くてこれだから他の人だったら教室の前で会話していられる程、余裕は無い筈。
ガラガラガラ
「やっぱり全員揃ってるね」
「気まずいよねぇ。こういう雰囲気って」
「全くだよ。視線が集まるのに慣れてないからね。浜枝さんは慣れているでしょ?」
なんでそんなことを聞くのだろうか?質問の主旨が分からないけど……
「そこまででもないよ?」
「本当かなぁ」
「本当だよ」
うぅん。普通だと思うんだけどなぁ。
「じゃあ、またね」
「そう言っても、席は私が前で後ろが凱……陽縞さんですからね。あまり変わらないと思いますよ」
「まあ、そうだね」


~~凱視点~~
僕は、自慢では無いけれど、足の速さには結構自信がある。持久走でも短距離走でも。相当な距離を走ったけれど、僕はそれほど疲れていない。だが、浜枝さんも、とても速かった。まさか僕とほとんど同じだなんて。少なくとも僕の小学校には居なかった。
確かに少し疲れたような雰囲気を出してはいるが、そこまででもない。ほぼ全力疾走だと言うのに、だ。女性と男性では身体能力は歳を重ねるごとに広がっていく。大抵の運動では男性の方が秀でているだろう。
だが、中学生でもかなり大きいはずだ。勿論、得意な人は男性を超えることが出来るかもしれないが。
詰まる所、少なくとも陸上に関してはかなり優秀な存在なのだろうな。
「危なかったね」
にしても………
「こんなにお金使って大丈夫なのかな?」
「そこ?」
おっと。ツッコまれてしまった。
「自動ドアでは無いみたい。この外装で無いのか」
「流石にそれは難しいと思うよ?」
またやってしまった。このままでは僕が馬鹿な奴みたいじゃないか?そんなことないよね?
「ねぇ?ツッコんだ方がいい?」
ここで挽回するしかないか。
「いや。ボケた訳じゃないんだ」
なんか失敗した気がする。
「ふふっ」
「何かおかしかった?」
少し含みがありそうな笑顔だった。可愛かったかけど…。
「ううん。何でもないよ。さ、ずっと教室の前に居ても仕方がないよ。入ろ?」 
「そうだね。せっかく時間内に着いたのにここで会話していて遅れたなんて最悪だからね」
「うん」

~~~~~~~~~~~~~~~
今日は、調子が良かったので、つい、もう1話書きました。
題名にあなたや君が入っています。あなたが先なら美紗視点。君が先なら凱視点となっています。
面白いと思って頂けたらこれからも読んで頂けると幸いです。
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