そしてまた、僕は君と付き合う

捌素人

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1章 プロローグ

3話 君(あなた)と同じクラス

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階段を昇り終え、廊下に出た。左は壁だから、進むことができるのは右のみだ。真正面の壁と階段の踊り場には大きな窓がある。
角度により太陽の光があんなにも神々しくなるとは驚きが隠せないよ。
「ここはどこの辺りだろうか……」
答えを求めて発した訳では無い。ただ、少し疑問に思っただけ。
すると浜枝美紗と名乗ったこの子が答えてくれた。
「多分この辺りだよ」
そう言うと僕にパンフレットを見せてくれた。受験する時に貰ったものだ。なんで持っているのだろうか?いや、今回は助かったけれども。
「うぅん。なるほどね。ありがと」
お礼は大事だ。言わないと何だか嫌だから、一種の自己満足に似ているかもしれないが。
一年生の教室は三階にある。で、この学校は、簡単に言えばUの字のような形だ。僕らのクラスはその
西の方にある。昇降口は東にあり、一組が一番遠いことになる。一番近くの階段を昇り三階まで来たのだ。とても離れているとしか言いようがない。
「急がないとだね」
「そうだね。あまり時間は無さそうだ」
教室には八時までに行かないと行けない。まぁ、初日だからかもしれないけど。まぁ、今の時刻が七時五十五分程だ。学校は結構大きいから急がなければ八時までに着きそうにない。
「走る?」
「そうだね。間に合いそうにないし」
小学校では廊下は走るなと言われていた。その割に先生が走っているのは結構見かけた。意味が分からないよ。


~~美紗視点~~
凱君は何かを考えている姿が妙に様になっていて、かっこいい、なんて。けど、時間が押しているから出来ればマイワールドから早く戻って来てもらいたい。まぁ、この顔を眺めていられれば、遅刻なんて気にしないけどね。
うぅん。この変な感情が恋なのかなぁ?だとしたら一目惚れ?……えぇ。一番ないと思ってたのに……。うん。凱君が私の好みなのが悪いんだよ?私はそんな簡単に人を好きになる筈が無い。だって、小学生のときに色んな子から言い寄られたけれど、気にも止めなかったんだよ?ね?普通でしょ?いや、何なら他の人よりもそう言う面では厳しいと自負してるよ。
「ここはどこの辺りだろうか……」
ん?それは聞いていると判断していいの?私、たまに心の声が言葉として出ちゃうから反応されると恥ずかしいくなっちゃうんだよね。けど、凱君のポーカーフェイスが崩れるのも少し見てみたいかも。確か、バックに受験の時に貰ったパンフレットがある筈なんだよねぇ。
あった。
「多分この辺りだよ」
ふふっ。少しびっくりしてる。けど、直ぐに戻っちゃった。残念。けど、可愛かったなぁ。私、顔真っ赤になってないよね?
「うぅん。なるほどね。ありがと」
良かった。ちゃんと反応してくれた。ん?凱君時計を持ってんだ。凱君って何やっても様になるから羨ましい。
何時かはチラッとだけど見えた。結構ヤバそう。
「急がないとだね」
「そうだね。あまり時間は無さそうだ」
ゆっくりおしゃべりしながら行きたいところだけど、私のワガママで凱君を遅刻させる訳には行かないよね。
「走る?」
「そうだね。間に合いそうにないし」

~~~~~~~~~~~~~~~
本編に入るまではこんな形になります。もし、長いと思ったのであれば、読まなくても大丈夫です。内容に支障は無い、筈です。
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