232 / 383
第20話「そのイタズラは正義か悪か」
そのイタズラは正義か悪か(4)
しおりを挟む 瞬時に悟ったのだろう。
ああ、これは復讐なのだと。
前々回(←その時間軸は何だ?)明らかになった過去の過ち。
笛をペロペロした件、その他もろもろの件。
つまり、有夏は怒っていたのだ。
「ああ……俺の考えが甘かったんだ。有夏は頭カラッポだと思ってたから。何かあっても、すぐに忘れちゃうと思ってたから」
「なに?」
「い、いえ。何でも……」
幾ヶ瀬の目尻からこぼれる涙を見やり、有夏はニヤリと口の端を歪めた。
「ヘンタイにはアルミホイルが似合うかと思って」
「な、何の関連が?」
グッと喉を詰まらせる幾ヶ瀬。
瞬間的に脳裏に何パターンかの対応が浮かんだようで。
ごめんなさい、お許しくださいと土下座するパターン。
俺だって有夏に悪戯しちゃうぞ☆と押し倒すパターン。
いくら何でも悪戯が過ぎると説教に持ち込むパターン。
抱きしめて髪を撫で、愛していると何度も囁いてやろうかなんてことも。
「いくせ?」
「………………」
結局、幾ヶ瀬がとった行動は、有夏に背を向けて布団を頭から被ることだった。
「もうちょっと寝かせてください……」
背後で有夏がプウッと頬を膨らませる気配。
「つまんねぇやつだな、幾ヶ瀬」
ああ、これは復讐なのだと。
前々回(←その時間軸は何だ?)明らかになった過去の過ち。
笛をペロペロした件、その他もろもろの件。
つまり、有夏は怒っていたのだ。
「ああ……俺の考えが甘かったんだ。有夏は頭カラッポだと思ってたから。何かあっても、すぐに忘れちゃうと思ってたから」
「なに?」
「い、いえ。何でも……」
幾ヶ瀬の目尻からこぼれる涙を見やり、有夏はニヤリと口の端を歪めた。
「ヘンタイにはアルミホイルが似合うかと思って」
「な、何の関連が?」
グッと喉を詰まらせる幾ヶ瀬。
瞬間的に脳裏に何パターンかの対応が浮かんだようで。
ごめんなさい、お許しくださいと土下座するパターン。
俺だって有夏に悪戯しちゃうぞ☆と押し倒すパターン。
いくら何でも悪戯が過ぎると説教に持ち込むパターン。
抱きしめて髪を撫で、愛していると何度も囁いてやろうかなんてことも。
「いくせ?」
「………………」
結局、幾ヶ瀬がとった行動は、有夏に背を向けて布団を頭から被ることだった。
「もうちょっと寝かせてください……」
背後で有夏がプウッと頬を膨らませる気配。
「つまんねぇやつだな、幾ヶ瀬」
0
お気に入りに追加
82
あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?



体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる