224 / 377
第19話「つぎのあさ」
つぎのあさ(6)
しおりを挟む
「でもいいんだ。俺が甘やかしてあげるから。有夏がダメ人間でも、毎日ぬくぬく暮らしていけるようにしてあげる」
「いくせぇ……」
有夏の双眸が潤んだ。
犯罪者の言い訳にも聞こえる今の言葉に何だかキュンとしてしまった様子。
「幾ヶ瀬、そんなに有夏のことスキなんだ」
「好きだよ」
「……そっち行っていい?」
コロッと騙されたか、今の有夏には2人を隔てる小さな座卓さえ邪魔になったようで。
「あっ、でももうこんな時間……」
洗濯物干さなきゃと幾ヶ瀬が慌てて立ち上がる。
空の食器を片手にキッチンへ向かう後姿を見送り、有夏がプクッと頬を膨らませる。
「ごめんって、有夏。ほら、夕べのプリンできてるから」
「プリンか。うむ。良き良き」
冷蔵庫の中できれいに固まっていることを確認し、手招きする。
有夏がずるずると這ってきているのは、立ち上がるのが面倒臭いということか。
「ほら、あーん」
「ん」
スプーンですくってやると、有夏の濡れた唇がそれをくわえる。
幾ヶ瀬を見上げる目が細められた。
「いくせぇ……」
有夏の双眸が潤んだ。
犯罪者の言い訳にも聞こえる今の言葉に何だかキュンとしてしまった様子。
「幾ヶ瀬、そんなに有夏のことスキなんだ」
「好きだよ」
「……そっち行っていい?」
コロッと騙されたか、今の有夏には2人を隔てる小さな座卓さえ邪魔になったようで。
「あっ、でももうこんな時間……」
洗濯物干さなきゃと幾ヶ瀬が慌てて立ち上がる。
空の食器を片手にキッチンへ向かう後姿を見送り、有夏がプクッと頬を膨らませる。
「ごめんって、有夏。ほら、夕べのプリンできてるから」
「プリンか。うむ。良き良き」
冷蔵庫の中できれいに固まっていることを確認し、手招きする。
有夏がずるずると這ってきているのは、立ち上がるのが面倒臭いということか。
「ほら、あーん」
「ん」
スプーンですくってやると、有夏の濡れた唇がそれをくわえる。
幾ヶ瀬を見上げる目が細められた。
0
お気に入りに追加
82
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる