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第18話「こうして秘密が暴かれる」
こうして秘密が暴かれる(1)
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ミルクの中で砂糖と卵が混ざり合う。
仕上げにバニラエッセンスを一振り。
濃厚な甘い香りが部屋を満たす。
「……うぅん?」
先程から、心ここにあらずという風に鼻をひくつかせていた有夏がついにPSVitaを横に置いた。
「幾ヶ瀬、何つくってんの」
キッチンへ向かう。
足取りは、彼にしては珍しく軽いものだ。
渋面を作って小さなカップに液体を注いでいた幾ヶ瀬は、有夏の気配に顔をほころばせる。
「プリンだよ。2時間くらいで固まるから、後で一緒に食べよう」
「ん? 朝?」
「いや、固まったらすぐに食べたいじゃん」
「はぁ? 何時だと思ってんだよ」
「あははっ、夜更かしさんの有夏が言う?」
「夜更かしさんって、言い方よ……」
有夏が躊躇するほどである。
時計は2時を回っている。
勿論、夜のだ。
幾ヶ瀬、明日休みだっけと言いかけて、目の前の男の異様に静かな微笑に気付く。
「いいんだ、もう仕事辞めるから……ははっ」
「うっわ、また言ってるよ」
仕上げにバニラエッセンスを一振り。
濃厚な甘い香りが部屋を満たす。
「……うぅん?」
先程から、心ここにあらずという風に鼻をひくつかせていた有夏がついにPSVitaを横に置いた。
「幾ヶ瀬、何つくってんの」
キッチンへ向かう。
足取りは、彼にしては珍しく軽いものだ。
渋面を作って小さなカップに液体を注いでいた幾ヶ瀬は、有夏の気配に顔をほころばせる。
「プリンだよ。2時間くらいで固まるから、後で一緒に食べよう」
「ん? 朝?」
「いや、固まったらすぐに食べたいじゃん」
「はぁ? 何時だと思ってんだよ」
「あははっ、夜更かしさんの有夏が言う?」
「夜更かしさんって、言い方よ……」
有夏が躊躇するほどである。
時計は2時を回っている。
勿論、夜のだ。
幾ヶ瀬、明日休みだっけと言いかけて、目の前の男の異様に静かな微笑に気付く。
「いいんだ、もう仕事辞めるから……ははっ」
「うっわ、また言ってるよ」
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