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第16話「幾ヶ瀬Present's愛と笑いの怨念チャンネル」
幾ヶ瀬Present's愛と笑いの怨念チャンネル(20)
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※ ※ ※ ※ ※
──あたたかい。
まぶたに、頬に、額に、やわらかな熱が降り注ぐ。
「……天国?」
呟いた瞬間、すさまじい力で肩をつかまれて振り起された。
「ヤだわ! この子、こんな所で寝て!」
状況を理解するより先に視界に飛び込んできたのは、真っ赤な服を着た小太りのオバチャンだった。
ものすごい量の荷物を抱えながら、アタシの肩を揺すっている。
「痛ッ、痛ッ痛ッ!」
カバンの角が当たるたびにアタシは悲鳴をあげた。
この痛み──間違いない。現世だ。
このオバチャンも天使なんかじゃない。
太陽の光の下、不気味さは完全に消えているがここは夕べ侵入した学校に他ならない。
少し落ち着きを取り戻して見回せば、玄関前のコンクリートの上で寝転んでいると分かる。
つまり、ブッ倒れた位置から1ミリたりとも移動させられることなく転がされていたってことだ。
キョロキョロと周囲を見渡すが、隣りの2人の姿なんて見つかるはずもない。
信じらんねぇ! ヤツら、あの状態で倒れたアタシを放ったらかしで家に帰りやがったのか。
──あたたかい。
まぶたに、頬に、額に、やわらかな熱が降り注ぐ。
「……天国?」
呟いた瞬間、すさまじい力で肩をつかまれて振り起された。
「ヤだわ! この子、こんな所で寝て!」
状況を理解するより先に視界に飛び込んできたのは、真っ赤な服を着た小太りのオバチャンだった。
ものすごい量の荷物を抱えながら、アタシの肩を揺すっている。
「痛ッ、痛ッ痛ッ!」
カバンの角が当たるたびにアタシは悲鳴をあげた。
この痛み──間違いない。現世だ。
このオバチャンも天使なんかじゃない。
太陽の光の下、不気味さは完全に消えているがここは夕べ侵入した学校に他ならない。
少し落ち着きを取り戻して見回せば、玄関前のコンクリートの上で寝転んでいると分かる。
つまり、ブッ倒れた位置から1ミリたりとも移動させられることなく転がされていたってことだ。
キョロキョロと周囲を見渡すが、隣りの2人の姿なんて見つかるはずもない。
信じらんねぇ! ヤツら、あの状態で倒れたアタシを放ったらかしで家に帰りやがったのか。
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